2016年3月4日 (No.1,774) 〈マーケットレポートNo.4,696〉 米国の「スーパーチューズデー」(米国) 米国の大統領選の候補者選びで、多くの州が集中して予備選挙や党員集会を実施する2月または3月の火 曜日のことを「スーパーチューズデー」と言います。大統領候補としての指名を獲得するには、この日をうまく乗り 切る必要があります。今年は3月1日に、民主党が11州と1自治領、共和党が11州で予備選と党員集会を 開催しました。 民主党はクリントン氏、共和党はトランプ氏が勝利 ともに地滑り的な大勝 ■民主党はクリントン前国務長官が大票田のテキサス州をはじめジョージア州、アーカンソー州など7州と1自治 領、サンダース上院議員が地元バーモント州など4州で勝利しました。一方、共和党はトランプ氏がジョージア 州をはじめとする7州、クルーズ上院議員は3州、ルビオ上院議員は1州で勝利しました。 ■有力紙のニューヨーク・タイムズによれば、これまでに獲得した代議員(候補指名の投票を行う人)の数は、 民主党の総数4,765人に対しクリントン氏が1,052人、サンダース氏が427人となります。一方、共和党は 総数2,472人のうちトランプ氏が319人、クルーズ氏226人、ルビオ氏が110人でした。 支持層を拡大するトランプ氏 高まる既存政治家への不満 サンダース ■共和党のトランプ氏の支持者は、低所得の白人男性が中心と されてきましたが、そればかりではなく若年層から高齢層、高所 得層、さらには不法移民に対して厳しい批判を浴びせてきたヒ スパニック(中南米)系まで、支持層を広げているようです。 クリントン クルーズ トランプ ■民主党では、社会民主主義を標榜するサンダース氏が一定の 支持を集めていることと合わせて考えると、米国内における経済 的格差の拡大、それに対して有効な対策を打ち出せない既存 の政治家への不満の高まりなどが、背景にあると見られます。 大統領選挙はクリントン、トランプ両氏の争いへ ■クリントン氏、トランプ氏が優位 民主党サンダース氏、共和党クルーズ氏ともに、7月の 党大会まで予備選を続行する意向のようです。ただ、 「スーパーチューズデー」での大勝を踏まえると、民主党 ではクリントン氏、共和党ではトランプ氏が大統領候 補に選出される可能性が高い情勢です。 ■TPPの発効が遅れる可能性も トランプ氏は環太平洋パートナーシップ協定 (TPP)に反対、クリントン氏は不支持です。今年 2月4日に参加12カ国が協定に署名しましたが、現 政権中に手続きの進展がなければ、どちらが大統領 になっても、発効が遅れる可能性があります。 2016年2月18日 混戦が続く「大統領候補」指名争い(米国) 2016年2月 8日 「TPP」署名後の見通し(日本) ■当資料は、情報提供を目的として、三井住友アセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘 するものではありません。■当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。■当資料の内容は作成基準日現在のもので あり、将来予告なく変更されることがあります。■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、 今後の市場環境等を保証するものではありません。■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を 保証するものではありません。■当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾 者に帰属します。■当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。
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