臨時レポート ブラジル、下院本会議で大統領弾劾手続き承認、上院での採決に 2016年4月19日 ドイチェ・アセット・マネジメント株式会社 ■ ブラジルではルセフ大統領に対する弾劾手続きが下院で承認され、審議は上院へ進むことが決まりました。 ■ 政権交代観測の高まりから、通貨レアルは2016年3月初以降上昇基調で推移しています。市場は今後も政治動向 に左右される展開が続くと見られます。 ■ 弾劾手続きが進展し、仮に政権交代が実現したとしてもブラジルに対する先行き不透明感は依然残っており、注意 が必要だと考えます。 【ブラジル下院が弾劾を承認】 ブラジルでは、政府会計の不正操作に関与したとして、2015年12月以降ルセフ大統領に対し弾劾手続きが進められています。 4月17日(現地時間)には下院本会議にて弾劾に対する採決が実施され、下院議員の3分の2以上の賛成(513議席中367票が 賛成)が得られたことから、弾劾審議は上院に進むことが決定されました。 今後については、まず上院において弾劾審議を継続するか否かが決定されます。そこで過半数の賛成が得られれば弾劾法 廷が設置されるとともに、ルセフ大統領は180日間の停職となり、その間は現副大統領であるテメル氏が代行することになる予 定です。その後、弾劾裁判が行われ、上院議員の3分の2以上が賛成すれば、ルセフ大統領は正式に失職することとなります。 なお、地元紙の調査によると4月17日時点で上院では賛成派が過半数に達していると見られており、ルセフ大統領が一時停 職する見込みが優勢となっています。 【ご参考:弾劾手続きの流れ】 クーニャ下院議長が弾劾手続き開始を承認 2015年12月2日に承認済み。 特別委員会が弾劾を支持 下院の3分の2以上が弾劾を支持 2016年4月17日に3分の2以上が支持。 上院にて弾劾審議継続判断(過半数の賛成が必要) 上院に弾劾法廷設置 上院議員3分の2以上の賛成で大統領失職 設置と同時に大統領は停職(180日間)。 副大統領が代行予定。 ただし、採決に180日以上かかった場合は 停職解除。 出所:各種資料よりドイチェ・アセット・マネジメント㈱作成 ※データは記載時点のものであり、将来の傾向、数値等を保証もしくは示唆するものではありません。 当資料は、情報提供を目的としたものであり、特定の投資商品の推奨や投資勧誘を目的としたものではありません。当資料は、信頼できる情報をもとにドイチェ・アセット・マネジメント株 式会社が作成しておりますが、正確性・完全性について当社が責任を負うものではありません。当資料記載の情報及び見通しは、作成時点のものであり、市場の環境やその他の状況 によって予告なく変更することがあります。当資料に記載されている個別の銘柄・企業名については、あくまでも参考として記載したものであり、その銘柄・企業の株式等の売買を推奨す るものではありません。 D-160419-3 1/3 臨時レポート ブラジル、下院本会議で大統領弾劾手続き承認、上院での採決に 【ブラジル市場動向】 3月初旬にペトロブラスに関する汚職問題に絡み、ブラジルの高成長の基礎を作ったとして知られるルーラ前大統領に捜査が 拡大したことを受け、ルセフ大統領の政治的基盤が揺らぐとの見方が広まりました。その後、ルセフ大統領の政治的基盤であ る労働党と連立を組んでいたブラジル国内最大政党の民主運動党(PMDB)や進歩党(PP)が連立からの離脱を決定、また与 党の一角である社会民主党(PSD)が所属議員に対しルセフ大統領の弾劾に賛成するよう指示していました。 市場では大統領の弾劾手続きが進むとの観測が高まったことが好感されレアル高につながっている模様です。しかし、レアル の反発が急であったことから、ブラジル中央銀行は2016年3月下旬以降リバース通貨スワップ入札(先物市場でのレアル売り/ 米ドル買い)の実施や、満期を迎えた通貨スワップ(先物市場でのレアル買い/米ドル売り)の規模縮小等により、レアルの値 動きの安定化に努め、足元のレアルは比較的小動きとなっています。 (円) 【ご参考】ブラジル・レアル(対円、対米ドル)の推移 (2008年1月1日~2016年4月18日、日次) (レアル) 80 0.5 レアル/円(左軸) 70 1.0 米ドル/レアル(右軸) 1.5 60 レアル 高 2.0 50 2.5 40 3.0 30 3.5 20 10 2008/1/1 レアル 安 4.0 4.5 2009/7/1 2011/1/1 2012/7/1 出所:Bloomberg 2014/1/1 2015/7/1 (年/月/日) 【今後の見通し】 ブラジルは今後も政治動向が市場を左右するものと想定されます。 弾劾手続きの進展からルセフ大統領が失職し、仮に現副大統領のテメル氏が大統領に就任した場合、テメル氏は市場との対 話を重視する方針であるとの見方もあることから、政策次第では大統領交代が市場に好感される可能性があるとも考えられ ます。 ルセフ政権に対しては財政健全化目標を掲げつつも財政赤字は拡大、また景気低迷が継続していることで支持率が大幅に 低下しています。新たな大統領が誕生した場合には、市場の焦点は改めて財政健全化の進展や、景気後退からの脱却に移 ると予想され、新大統領がこれらの解決に向けた具体的な政策を打ち出せるかが注目されます。 仮に弾劾手続きが長引き、上院での採決に180日以上かかった場合にはルセフ大統領に対する弾劾は不成立に終わります。 また、弾劾が実現し政権交代となった場合においても構造改革の進展には不透明感が残ります。なお、ルセフ大統領本人は、 弾劾に値する罪を犯していないにも関わらず不当に非難されているとして、最後まで争う姿勢を見せています。 依然、今後の政治動向等は不透明感が強いことからブラジル市場に対しては引き続き注意が必要と考えます。 ※データは記載時点のものであり、将来の傾向、数値等を保証もしくは示唆するものではありません。 当資料は、情報提供を目的としたものであり、特定の投資商品の推奨や投資勧誘を目的としたものではありません。当資料は、信頼できる情報をもとにドイチェ・アセット・マネジメント株 式会社が作成しておりますが、正確性・完全性について当社が責任を負うものではありません。当資料記載の情報及び見通しは、作成時点のものであり、市場の環境やその他の状況 によって予告なく変更することがあります。当資料に記載されている個別の銘柄・企業名については、あくまでも参考として記載したものであり、その銘柄・企業の株式等の売買を推奨す るものではありません。 D-160419-3 2/3 臨時レポート ブラジル、下院本会議で大統領弾劾手続き承認、上院での採決に ご留意事項 ●投資信託に係るリスクについて 投資信託は、主に国内外の株式や公社債等の値動きのある証券を投資対象とし投資元本が保証されていないため、 当該資産の市場における取引価格の変動や為替の変動等により投資一単位当たりの価値が変動します。したがって お客様のご投資された金額を下回ることもあります。 また、投資信託は、個別の投資信託毎に投資対象資産の種類や投資制限、取引市場、投資対象国等が異なることか ら、リスクの内容や性質が異なりますので、ご購入に際しては、事前に最新の投資信託説明書(交付目論見書)や契約 締結前交付書面の内容をご確認の上、ご自身で判断して下さい。 ●投資信託に係る費用について 【お申込みいただくお客様には以下の費用をご負担いただきます。】 購入時に直接ご負担いただく費用・・・購入時手数料 上限3.78%(税抜3.50%) 換金時に直接ご負担いただく費用・・・信託財産留保額 上限1.0% 投資信託の保有期間中に間接的にご負担いただく費用・・・運用管理費用(信託報酬) 上限2.0404%程度(税込) その他費用・・・上記以外に保有期間等に応じてご負担いただく費用があります。 投資信託説明書(交付目論見書)、契約締結前交付書面等でご確認下さい。 ≪ご注意≫ 上記に記載しているリスクや費用項目につきましては、一般的な投資信託を想定しております。費用の料率につきまし ては、ドイチェ・アセット・マネジメント株式会社が運用するすべての投資信託のうち、徴収するそれぞれの費用における 最高の料率を記載しております。投資信託の運用による損益は、すべて受益者に帰属します。投資信託は、金融機関 の預貯金と異なり、元本及び利息の保証はありません。投資信託は、預金または保険契約ではないため、預金保険及 び保険契約者保護機構の保護の対象にはなりません。登録金融機関を通じてご購入いただいた投資信託は、投資者 保護基金の対象とはなりません。投資信託に係るリスクや費用は、それぞれの投資信託により異なりますので、ご購入 に際しては、事前に最新の投資信託説明書(交付目論見書)や契約締結前交付書面の内容をご確認の上、ご自身で 判断して下さい。 なお、当社では投資信託の直接の販売は行っておりませんので、実際のお申込みにあたっては、各投資信託取扱いの 販売会社にお問合せ下さい。 ドイチェ・アセット・マネジメント株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第359号 加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会 当資料は、情報提供を目的としたものであり、特定の投資商品の推奨や投資勧誘を目的としたものではありません。当資料は、信頼できる情報をもとにドイチェ・アセット・マネジメント株 式会社が作成しておりますが、正確性・完全性について当社が責任を負うものではありません。当資料記載の情報及び見通しは、作成時点のものであり、市場の環境やその他の状況 によって予告なく変更することがあります。当資料に記載されている個別の銘柄・企業名については、あくまでも参考として記載したものであり、その銘柄・企業の株式等の売買を推奨す るものではありません。 D-160419-3 3/3
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