金融市場ウィークリー - みずほ総合研究所

金融市場ウィークリー
2016 年 3 月 4 日号
[経済・金融市場動向]
◆ 金融市場見通し・内外経済指標
ECB政策理事会での追加緩和期待や、原油価格下
落一服などを受けリスクオン地合いが続くと予想。
中国全人代では財政政策の内容や経済対策に注目
[トピックス]
◆ 人民元安はアジア諸国の経済に悪影響の可能性
中国との輸出競合度の高まりなどにより、人民元安
はアジア諸国の輸出にマイナスの影響を及ぼす可能
性が高く、アジア諸国の通貨政策は難しい局面に
◆ 中南米通貨安とデフォルトリスク
通貨安がソブリン・デフォルトをもたらすリスクは
ベネズエラを除き限定的である。中南米は、金融面
でも中国への依存度を高めている点は要注意
✣[目次]✣
今週の注目チャート ···················································· 1
Ⅰ.経済・金融市場動向 ················································ 3
金融市場見通し ·································································· 3
金融市場レビュー ································································ 4
内外経済指標の解説と予測 ························································ 5
Ⅱ.トピックス ························································ 9
人民元安はアジア諸国の経済に悪影響の可能性 ······································· 9
中南米通貨安とデフォルトリスク ················································· 11
Ⅲ.参考資料 ························································· 13
今週・来週の主要経済指標 ······················································· 13
月次・四半期のスケジュール ····················································· 15
今週の金融市場の動き ··························································· 18
最新リポート一覧 ······························································· 19
〰〰 マーケット時流潮流 〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰
英国のEU離脱リスクは30%?
調査本部本部長代理
長谷川克之
6 月 23 日(木)に英国でEU(欧州連合)からの離脱の是非を問う国民投票が実施される。
世論調査ではEUへの残留派(Bremain)、離脱派(Brexit)がほぼ拮抗しており、離脱の支持率の
方が上回る調査もある。最終的には残留派が勝ると見るが、離脱の可能性は少なからずある。英国の
合法的ギャンブルであるブックメーカーのオッズ(倍率)では足元で残留が 1.4 倍程度、離脱が 3.3
倍程度となっている。オッズは掛け金が何倍になって戻ってくるかを示すものだが、残留の可能性が
70%程度、離脱の可能性が 30%程度であることが示唆されている。
実際に離脱となれば英国、そして欧州の経済への影響は図りしれない。
グローバルな企業や金融機関は英国での事業の見直しを迫られる。移民減少による労働者の不足や
コストの上昇も懸念される。通貨ポンドと株式市場は急落必至であり、輸入インフレ進行の可能性も
ある。英国経済は相当な下押し圧力に直面しよう。皮肉なことだが、EU加盟を望む向きが多いスコ
ットランドでは一昨年否決された英国からの独立を問う住民投票が再実施される公算が大きい。
欧州大陸でも反EUの機運が英国の離脱を契機として高まりかねない。Brexit に留まらず、Grexit
(ギリシャのユーロ/EU離脱問題)が再燃する可能性もある。今や一部では Frexit という言葉すらさ
さやかれている。来年大統領選挙を迎えるフランスでは極右・国民戦線の党首マリーヌ・ルペン女史
がフランスのユーロ離脱を主張している。国民投票が「伝染」し、EUの空中分解が懸念される最悪
の事態もあり得るかもしれない。
Brexit は国際金融市場を大混乱に陥れるだろう。日本も円相場の急騰、株価急落の憂き目に遭う。
対岸の火事では済まされない。6月の国民投票まではそうしたリスクにも警戒する必要がある。
〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰
金融市場ウィークリー(2016 年 3 月 4 日号)
~今週の注目チャート~
【 2 月債券市場サーベイ 】
マイナス金利政策導入を受け機能度が大幅低下
機能度判断DI
ビッド・アスク・スプレッドDI
注文量判断DI
現状判断
3か月前と比べた変化
現状判断
3か月前と比べた変化
現状判断
3か月前と比べた変化
2016年
2月調査
▲36
▲69
▲33
▲69
▲49
▲69
2015年
11月調査
▲13
▲15
11
0
▲13
▲18
(資料)日本銀行より、みずほ総合研究所作成
【解説】日銀は 3 月 1 日に債券市場サーベイ(2 月調査)を発表した。本調査では、国債売買オペ対象先に
対する、注文量やビッド・アスク・スプレッドなど債券市場の機能度に関する質問結果がDIとして示される。
日銀のマイナス金利政策導入決定を受け、2 月調査は市場の機能度が大幅に低下していることを示す結果と
なった。市場の機能度低下は金利変動リスクを高める可能性があり留意が必要だ。
【 日経平均と円建てダウ平均の推移 】
日本株の為替と海外情勢にらみの展開は変わらず
(2011年末=100)
260
240
220
円建てダウ平均
日経平均
200
180
160
140
120
100
80
12/1
13/1
14/1
(資料)Bloomberg
15/1
16/1
(年/月)
【解説】近年、日経平均と円建てダウ平均は高い相関性を持って推移している。日本株がドル円相場や米株
の動きに左右されやすいためと考えられ、足元も米株高、円安が日本株の上昇につながっているとみられる。
一方、海外投資家は年初来日本株の売り越し基調を続けているが、過去に行った実証分析では円建てダウ平
均は海外投資家の売買動向に先行性を持っており、今後海外投資家が買い越しに転じる可能性もあろう。
^
1
金融市場ウィークリー(2016 年 3 月 4 日号)
【 ユーロドル相場とポンドドル相場 】
一時 2009 年以来の水準までポンド安が進む
(ドル / ユーロ)
1.22
(ドル / ポンド)
1.60
ユーロドル相場
ポンドドル相場(右目盛)
1.20
1.55
1.18
1.16
1.50
1.14
1.12
1.45
1.10
1.08
1.40
1.06
1.04
1.35
15/1
15/3
15/5
15/7
15/9
15/11
16/1
16/3
(年/月)
(資料)Bloomberg より、みずほ総合研究所作成
【解説】ポンドドル相場は 2 月末にかけて一時 2009 年以来の水準までポンド安が進んだ。EU残留是非を問
う英国民投票実施の発表(2/20)後、態度を保留してきたロンドン市長がEU離脱支持を示唆(2/21)した
ことが特にポンド安材料になった。またポンド安進展とともにユーロも対ドルで下落した。3 月に入りポン
ド相場は一旦反発しているものの、EU離脱観測が高まれば、再び対ドルでのポンド安が進む可能性がある。
【 中国の金融政策(左)と対内投資(右) 】
金融緩和を進める中国が抱える資金流出リスク
(10億ドル)
(%)
(%)
25
250
10
9
預金準備率(左目盛)
20
200
8
7
150
6
100
貸出基準金利(1年物、右目盛)
15
5
10
50
4
預金基準金利(1年物、右目盛)
3
5
0
2
▲ 50
1
0
▲ 100
0
10
11
12
13
14
15
16
10
(年)
11
12
13
14
15
(年)
(資料)CEIC より、みずほ総合研究所作成
【解説】中国人民銀行は、3 月 1 日に預金準備率を引き下げた。景気の浮揚効果に加え、人民元買い介入に
伴う引締め圧力を緩和する狙いも考えられる。さらに、3 月 5 日に開幕する全国人民代表大会では、既に拡
大方針が決まっている財政政策の具体的な規模が示される。足元では中国株が反発しており、市場の政策効
果に対する期待をうかがわせているが、金融緩和が資金流出圧力を高めかねない点には留意が必要だ。
2
金融市場ウィークリー(2016 年 3 月 4 日号)
Ⅰ.経済・金融市場動向
~金融市場見通し~
政策期待が市場の下支え
に
今週の金融市場は米経済指標の改善や原油価格の反発からリスク回避姿
勢が和らいだ展開となった。今晩発表される米雇用統計では雇用の底堅さ
が確認できると予想している。来週のECB政策理事会(3/10)での追加
緩和期待もあり、市場のリスクオン地合いは維持されると考えている。ま
た、OPEC加盟国と非加盟国のロシアなどが、原油増産凍結の協議のための
会議を計画しているとの報道もあり原油価格も底堅い動きとなりそうだ。
経済指標では米 2 月雇用統
計が注目材料
今週末以降発表される経済指標では米雇用統計(3/4)が注目される。2
月の雇用統計では、非農業部門雇用者増加数が20万人を下回るも、時間当
たり賃金が前月比+0.2%となるなど底堅い内容となると予想している。
日本の10~12月期実質GDP成長率(2次速報、3/8)は設備投資と在庫
投資の上方修正により、前期比▲0.2%(年率▲0.9%)と、1次速報の前期
比▲0.4%(年率▲1.4%)から上方修正されると予想する。
ECBは追加緩和の可能
性
2月のユーロ圏インフレ率(速報値、2/29)が前年比▲0.2%とマイナス
に転じる中、来週開かれるECB政策理事会では中銀預金金利の引き下げ
や国債買い入れ額の増額が実施されると予想する。
全人代では財政政策の内
容や経済対策に注目
中国経済の先行きが不透明になる中、5日に開幕する中国全人代では、財
政政策の規模や内容が明らかになる。また、
「第13次五か年計画」が発表さ
れ、2020年までの経済対策の具体策に注目が集まる。
米雇用統計やECB追加
緩和を意識した動きに
米10年国債利回りは、米雇用統計を受け上昇余地を探る展開となるだろ
う。日本の10年国債利回りは、海外金利や株式相場をにらみ、0%近傍での
推移を予想する。日米株式相場は、堅調な米雇用統計やECBの追加緩和
が下支え要因となり、底堅い展開を予想する。原油価格が上昇すれば上値
を試す展開となるだろう。ドル円相場は堅調な米経済指標を受け、ドルの
底堅い展開となると予想する。ユーロドル相場はユーロ安が進む展開とな
(岡秀之)
るだろう。
【 来週の予想 】
項目
内外金利
内外株式
為 替
予想レンジ
USD LIBOR 3カ月(%)
米10年国債(%)
円 TIBOR 3カ月(%)
10年国債(%)
ダウ平均(ドル)
NASDAQ総合指数(ポイント)
日経平均(円)
TOPIX(ポイント)
円/ドル
ドル/ユーロ
円/ユーロ
3
0.620
1.75
0.05
-0.10
16,600
4,570
16,100
1,300
111.5
1.065
120.0
~
~
~
~
~
~
~
~
~
~
~
0.650
1.95
0.10
0.10
17,400
4,870
17,700
1,440
115.5
1.110
126.0
金融市場ウィークリー(2016 年 3 月 4 日号)
~金融市場レビュー~
<内外金利動向>
先週末以降の米 10 年国債利回りは、原油価格の上昇や予想を上回る経済
10 年国債入札は初のマイ
指標を受け 1.8%台に上昇した。10~12 月期の米実質GDP改定値(2/26)
ナス利回りに
は在庫投資の上方修正や輸入の減少を要因に前期比年率 1.0%増と速報値
から上方修正された。また、2 月製造業ISM指数(3/1)は 50 を下回った
ものの市場予想を上回る結果となった。日本の 10 年国債利回りは、10 年利
付国債入札(3/1)が堅調な結果となり一時▲0.075%まで低下するも、週
後半は株価上昇や米国債利回りの上昇を受けマイナス幅を縮小する展開と
なった。10 年利付国債入札はクーポン 0.1%での入札となり、最高落札利
回りが▲0.015%と初のマイナス利回りでの入札となった。
<内外株式動向>
(岡秀之)
先週末以降の米株式相場は上昇した。週初にかけてドル高や 2 月のシカ
日米株とも米経済指標の
ゴPMI(2/29)の悪化などを材料に値を下げたものの、同製造業ISM
改善や原油高を好感して
指数(3/1)の改善を受けて米景気に対する悲観的な見方がやや後退し、上
上昇
昇に転じた。原油価格の上昇も相場に安心感を与えた。日本株は大幅に上
昇した。G20(2/26・27)では、政策総動員が示されたものの、具体策に
欠けるとの見方から相場の押し上げ圧力は限定的となり、週初は上海株安
などを受けて下落した。その後、中国の追加緩和(2/29)で上昇に転じる
と、米株高、原油高、円安といった好材料を背景に 2 日には日経平均は前
(武内浩二)
日比+661 円と大幅高となり、週末には 17,000 円台を回復した。
<為替動向>
今週のドル円相場は円安ドル高が進んだ。先週末のG20(上海)には金
米製造業の業況底入れが
融市場安定に向けた国際協調に市場の関心が集まっていたが、具体策に乏
円安ドル高材料に
しく、ドル円相場は週明けに円買いの動きがみられた。しかし、その後中
国人民銀行による預金準備率引き下げを受けて、上海株の上昇とともに各
国株価も上昇したことから、ドル円相場は円安ドル高が進んだ。また米国
ISM製造業が市場予想を上回る結果となったことも、ドル高進展の材料
となった。ユーロドル相場はユーロ安地合いとなった。2 月ユーロ圏インフ
レ率(2/29)が市場予想を下回り、ECB追加緩和期待が高まったことか
ら、週半ばにユーロ安が進む展開となった。
<新興・資源国動向>
警戒感の後退を受け株高
(有田賢太郎)
新興国市場では総じて株価が続伸している。ASEAN や中南米では 1 月後半
をボトムにした持ち直しが一段と鮮明になっており、マイナス成長のブラ
ジルでも株価が上昇している。背景には、米国、中国、原油の 3 大懸念に
対して、市場の警戒感が和らいだことがあると見られる。米国では製造業
ISM指数が 50 近傍まで持ち直し、中国でも預金準備率の引き下げ(3/1
実施)や全人代(3/5 開幕)を前にした政策期待などから株価が反発してい
る。サウジアラビアやロシアなどが増産凍結に向けた協議を開くとの報道
を受けて原油相場が上昇していることも、資源国株や新興国株の反発材料
になっている。新興国通貨への通貨安圧力も足元で弱まっている。
(井上淳)
4
金融市場ウィークリー(2016 年 3 月 4 日号)
~内外経済指標の解説と予測~
<国 内>
鉱工業生産は 3 カ月ぶり
1 月の鉱工業生産指数(2/29)は、前月比+3.7%(12 月同▲1.7%)と、
3 カ月ぶりに上昇した。業種別にみると、半導体製造装置などの一般機械
のプラス
や輸送機械が全体を押し上げた。先行きについては、2 月の生産予測指数
が前月比▲5.2%、3 月が同+3.1%となっており、予測指数通りであれば、
1~3 月期の生産は前期比▲0.3%となる計算である。生産は、2015 年度内
には本格的な回復に至らない見込みである。
住宅着工は 2 カ月ぶりに
1 月の住宅着工戸数(2/29)は、年率 87.3 万戸(季節調整値、12 月同
86.0 万戸)と 2 カ月ぶりに増加した。分譲マンションの着工は低迷が継続
プラス
したものの、持家や分譲一戸建で持ち直しの動きがみられた。
1 月の小売業販売額(2/29)は、前月比▲1.1%(12 月同▲0.3%)と 3
消費は引き続き低迷
カ月連続の減少となった。自動車小売業以外は全て減少しており、総じて
冴えない結果であった。1 月の実質消費支出(二人以上の全世帯)(3/1)
も前月比▲0.6%(12 月同+1.0%)と 2 カ月ぶりに減少しており、消費の
低迷が続いている。
雇用は緩やかな改善が続
く
1月の失業率(3/1)は、3.2%と前月より0.1%Pt改善した。労働市場へ
の参入(労働力人口:前月差+51万人)が大幅に増加したが、それを上回
って就業者(前月差+61万人)が増加するなど、良い内容の動きとなった。
有効求人倍率(3/1)も1.28倍と前月から0.01Pt改善するなど、雇用関連指
標は緩やかな改善が続いている。
経常利益は減益
10~12月期の法人企業統計(3/1)では、経常利益(金融・保険業を除く
全産業)が前年比▲1.7%(7~9月期同+9.0%)と減益に転じた。非製造
業は、不動産、建設業が好調だったほか、インバウンド需要なども寄与し、
同+12.7%(7~9月期同+15.2%)と二桁増益を確保した。一方で、製造
業は情報通信機械や輸送機械を中心に収益が悪化し、同▲21.2%(7~9月
期同▲0.7%)となった。ただし、経常利益(全産業)の水準をみると、10
~12月期としては、1954年以降で過去2番目の高さを維持している。また、
【 鉱工業生産の推移 】
(前月比、%)
5.0
電子部品・
デバイス
4.0
3.0
2.0
【 消費関連指標の推移 】
(2010年=100)
115
鉱工業生産指数
輸送機械
110
電気
機械
情報通
信機械
小売業販売額
化学(除く医薬品)
105
1.0
100
0.0
95
▲ 1.0
▲ 2.0
その他
90
一般
機械
▲ 3.0
実質消費支出
(家計調査)
85
▲ 4.0
2014/10
15/1
15/4
15/7
15/10
2014/1
16/1
14/7
15/1
15/7
16/1
(年/月)
(年/月)
(注)季節調整値。
(資料)経済産業省「商業動態統計」、総務省「家計調査」より、みずほ総合研究所
作成
(注)一般機械は「はん用・生産用・業務用機械」を指す。
(資料)経済産業省「鉱工業指数」より、みずほ総合研究所作成
5
金融市場ウィークリー(2016 年 3 月 4 日号)
設備投資(金融・保険業を除く全産業。ソフトウェア含む)は同+8.5%(7
~9月期同+11.2%)と高い伸びを維持している。企業規模別にみると、資
本金10億円以上の大企業が同+3.5%となった一方、1億円未満の中小企業
は同+17.8%となり、中小企業が設備投資の増加をけん引する形となった。
来週は実質GDP(2次速報)、経常収支などが発表される。
一致CIは前月比上昇、先
1月の景気動向指数(3/7)は、CI一致指数が113.8(12月110.9)、
CI先行指数が101.4(12月102.1※)と予想する。製造業関連の指標が大幅
行CIは低下
に改善したことから、一致CIは3カ月ぶりの上昇を見込んでいる。ただし、
2月の生産予測指数が大幅なマイナスとなっていることから、一致CIの
改善は一時的なものとなろう。先行CIは、株価(東証株価指数)や商品
市況(日経商品指数)の下落が続いたため、3カ月連続で低下するとみてい
る。(※構成系列の季調替えにより、101.8に改訂されると予想)
実質GDPは 1 次速報か
10~12月期の実質GDP(2次速報、3/8)は、前期比▲0.2%(年率▲0.9%)
と、1次速報(前期比▲0.4%、年率▲1.4%)から上方修正されると予測す
ら小幅に上方修正
る。公共投資が下方修正される一方、設備投資・在庫投資が上方修正され
るとみている。昨年末にかけての設備投資の底堅さが確認される一方、個
人消費の弱さなどから、引き続き景気が踊り場にあるとの見方は変わらな
いだろう。
経常収支は黒字幅が拡大
1月の経常収支(3/8)は6,807億円の黒字(2015年1月:1,018億円の黒字)
と予測する。為替が円高方向へ動いたことから第一次所得収支の黒字が若
干縮小するものの、輸入金額の減少を受けた貿易収支の改善がそれを上回
り、経常収支の黒字幅は前年同月から拡大する見込みである。
国内企業物価指数は下落
2月の国内企業物価指数(3/10)は前月比▲0.2%、前年比▲3.3%(1月
幅が拡大
前月比▲0.9%、前年比▲3.1%)と予測する。原油安を背景に、電気・ガ
ス・水道代や石油・石炭製品のマイナス幅は拡大が見込まれる。内需が盛
り上がりを欠くことも企業物価の下押し要因となる見込みである。
(小西祐輔)
【 GDPの推移 】
【 企業物価指数の推移 】
(前期比、%)
3
(前年比、%)
2
1
5
公的需要
実質GDP
成長率
4
予測
予測値
3
2
0
1
▲1
家計
(消費+住宅)
▲2
0
外需
▲1
▲3
▲2
民間在庫投資
▲4
民間設備投資
▲3
▲5
Q1
Q2
Q3
2014
Q4
Q1
Q2
Q3
Q4
2015
▲4
(期)
▲5
2013/1
(年)
(注)2015Q4は、みずほ総合研究所による予測値。
(資料)内閣府「四半期別GDP速報」により、みずほ総合研究所作成
13/7
14/1
14/7
15/1
15/7
16/1
(年/月)
(注)2016年2月の値は、みずほ総合研究所による予測値。
(資料)日本銀行「企業物価指数」より、みずほ総合研究所作成
6
金融市場ウィークリー(2016 年 3 月 4 日号)
<海 外(米国)>
10~12 月期のGDPは上
10~12 月期の実質GDP成長率(暫定値、2/26)は前期比年率+1.0%と、
方修正も、内容は良くな
市場予想に反して速報値(同+0.7%)から上方修正された。国内最終需要
い
が小幅に下方修正される一方で、在庫投資のマイナス寄与の縮小、輸入の
減少が成長率を押し上げる方向に働いた。在庫投資の上方修正は先行きの
在庫調整圧力の残存を示唆し、輸入の減少は内需の伸び悩みを反映したも
のであることを踏まえると、内容は良くない。
製造業の業況は一旦底入
れ
2 月の企業業況をみると、製造業ISM指数(3/1)は 49.5 と 5 カ月連続
で改善・悪化の境目である 50 を下回ったが、前月から持ち直した。在庫調
整圧力が和らぎ、新規受注や生産に回復の動きが出ている。一方、輸出受
注は下向きで、製造業の業況改善は国内要因によるものとみられる。非製
造業ISM指数(3/3)については 53.4 と前月から小幅に低下した。特に
雇用指数の悪化が気掛りだ。
ベージュブックは、大半
2 月 22 日までの情報に基づきまとめられた地区連銀経済報告(ベージュ
の地区で緩やかな景気拡
ブック、3/2)では、12 地区中 7 地区において景気拡大が続いていたことが
大が続いていたことを報
報告されたが、その数は前回 1 月時点(12 地区中 9 地区)よりも減少した。
告も、地域やセクターに
エネルギー産業の需要の弱さやドル高、海外経済の減速を受けて製造業活
よって状況はまちまち
動はまだら模様であったが、労働市場の改善が続き、個人消費は増加した。
しかし 3 つの地区からは、消費者は金融市場の混乱や経済の先行き不透明
感を嫌気して、支出を抑えたとの報告があった。また、景気動向を表わす
キーワードの登場回数をみると、「positive(前向きな)」が前回よりも
減少する一方、「weak(弱い)」と「uncertain(不透明な)」が増加した。
2 月の雇用統計では、非農
今晩発表される 2 月の雇用統計(3/4)では、企業マインドの慎重化を背
業部門雇用者数の動きに
景に、非農業部門雇用者増加数が 20 万人を下回ると予想する。他方、失業
注目
率は低水準で、時間当たり平均賃金上昇率は 2014 年末以降の加速感が続い
ていることを示す見通しである。
【 製造業・非製造業ISM指数 】
(風間春香)
【 非農業部門雇用者数の変化 】
(前月差、千人)
62
600
60
58
500
非製造業ISM指数
56
400
54
建設業
鉱業
製造業
民間サービス業
政府部門
非農業部門合計
300
53.4
52
200
49.5
50
100
製造業ISM指数
48
46.5
46
0
製造業・輸出受注指数
44
2014/2
2014/8
2015/2
2015/8
▲100
15/2
2016/2
15/5
15/8
15/11
(年/月)
16/2
(年/月)
(注)2016 年 2 月の値はみずほ総合研究所予測値。
(資料)米国労働省より、みずほ総合研究所作成
(資料)米サプライマネジメント協会より、みずほ総合研究所作成
7
金融市場ウィークリー(2016 年 3 月 4 日号)
<海 外(欧州)>
先週末以降に発表された経済指標では、ユーロ圏インフレ率が再びマイ
ナスに転じた。スペインでは再選挙の可能性が強まっている。
2 月のユーロ圏インフレ
2 月のユーロ圏インフレ率(速報値、2/29)は前年比▲0.2%と、5 カ月
率はマイナスに。期待イ
ぶりにマイナス圏に転落した。エネルギー物価の下落幅が拡大(1 月同▲
ンフレ率は低下傾向
5.4%→2 月同▲8.0%)したほか、コア・インフレ率(同+1.0%→同+0.7%)
が低下した。コア・インフレ率の内訳では、非エネルギー工業品(同+0.7%
→同+0.3%)、サービス(同+1.2%→同+1.0%)とも上昇率が低下した。
現時点では詳細品目の結果が不明であり、一時的要因がインフレ率の下押
し要因となった可能性が残る点には留意が必要だ。しかし、インフレ率、
コア・インフレ率とも市場コンセンサスを下回る弱い結果であった。
金融市場で織り込まれる期待インフレ率は低下傾向にある。欧州中央銀
行(ECB)が特に注視しているとみられる、5 年先から 5 年間の平均的な
インフレ率(5 年後スタート 5 年物のインフレスワップ・フォワードレート)
は一時 1.4%を割り込んだ。
スペインでは首相候補が
スペインでは、新首相の選出に向けた信任投票が実施された(3/2)。比
不信任に。アイルランド
較第 2 党である社会労働党の党首が首相候補であったが、第 1 党の労働党
総選挙ではいずれの党も
などによって否決された。日本時間の今晩にも再度投票が行われる予定だ
過半議席に届かず
が、信認されるか楽観できず、総選挙となる可能性が強まっている。また、
アイルランドでは総選挙が実施され、いずれの党も過半議席には届かなか
った(2/26)。新政権の樹立に向けた連立協議の行方が注目される。
来週はECB理事会など
が注目材料
来週は、ECB政策理事会(3/10)のほか、ドイツなどの 1 月の企業関
連統計が発表される予定である。ECB政策理事会では、中銀預金金利の
引き下げなどの追加緩和が決定されるとみられる。企業関連統計では、年
(松本惇)
明け後も輸出や生産が弱いことが確認されるだろう。
【 ユーロ圏インフレ率 】
(前年比、%)
1.2
【 金融市場の期待インフレ率 】
(%)
(前年比、%)
0.0
2.0
1.8
1.0
▲ 0.5
0.8
0.6
0.4
0.2
1.6
▲ 1.0
1.4
▲ 1.5
1.2
1.0
0.0
▲ 2.0
▲ 0.2
▲ 0.4
▲ 0.6
2015/2
15/5
15/8
15/11
0.8
▲ 2.5
0.6
▲ 3.0
0.4
15/2
2015/2 15/5
16/2
15/8
15/11
16/2
(年/月)
(年/月)
ユーロ圏インフレ率
コアインフレ率(エネルギー・食品等を除く)
エネルギー・食品等(右目盛)
5年後から5年
1年後から1年
2年後から1年
4年後から1年
(資料)Bloomberg より、みずほ総合研究所作成
(資料) Eurostat より、みずほ総合研究所作成
8
金融市場ウィークリー(2016 年 3 月 4 日号)
Ⅱ.トピックス
~人民元安はアジア諸国の経済に悪影響の可能性~
人民元安はアジア諸国の
2016 年初から、中国人民元の対米ドルレートが下落基調を強め、市場で
輸出にプラス・マイナス両
は先安期待が高まると同時に、人民元安により周辺アジア諸国の輸出が下
面の影響を及ぼしうる
押しされるなどの悪影響が及ぶと警戒されているようだ。そこで、人民元
安によるアジア諸国の輸出への影響の波及経路を整理してみよう【図表
1】。人民元安は、中国の輸入コストを上昇させる一方で、中国の輸出競
争力改善を通じて輸出を増加させる。前者は、アジア諸国にとっては対中
輸出の下押しにつながるため、マイナスとなる。しかし、後者は、中国の
生産や投資の押し上げ、中国を介した加工貿易の増加により、アジア諸国
の対中輸出が促進されるというプラスの面とアジア諸国の対世界(中国除
く)輸出が下押しされるというマイナスの面を併せ持つと考えられる。
近年、中国との輸出競合度
以下では、個々の波及パスの効果を検証し、人民元安がアジア諸国の輸
の高まりなどから、マイナ
出に及ぼす全体的な影響を考察してみよう。第一に、中国の貿易取引の大
スの影響が大きくなる
部分が外貨建て取引であることから、人民元安の程度に応じて輸入コスト
が上昇し、アジアの対中輸出は下押しされると考えられる。第二に、人民
元安による中国の輸出、生産の促進を通じた投資の押し上げにより資本財
の輸入需要を誘発する効果は、近年、中国企業が抱える過剰設備問題から
低下しており、アジア諸国の対中輸出へのプラス効果は縮小していると考
えられる。第三に、人民元安による中国を介した加工貿易の促進を通じて
中間財などの輸入需要を誘発する効果は、中国の自給率向上や加工貿易抑
制政策の強化により、近年低下しており、アジア諸国の対中輸出へのプラ
ス効果も縮小していると考えられる。第四に、人民元安による中国の輸出
競争力向上によるアジア諸国の対世界(中国除く)輸出へのマイナス効果
は拡大していると考えられる。なぜなら、中国企業のキャッチアップによ
る生産性向上により、中国とアジア諸国の輸出競争度が 2000 年初頭と比べ
て高まったためだ。
【 図表 1 人民元安によるアジア諸国の輸出への波及経路 】
人民元安
①中国の
輸入コスト上昇
中国の輸出
競争力改善
アジア諸国・
地域の対中輸出
への影響
②中国の輸出増加
を通じた生産への
波及効果
アジア諸国・地域の
対世界(中国除く)
輸出への影響
③中国を介した
加工貿易の増加
④アジア諸国・地域と
中国の輸出競合品目
における競争力の低下
中国の投資の
押し上げ
(-)
(+)
(+)
(-)
(注)1. アジア諸国の通貨価値は不変の一方で、人民元が大幅に下落するという人民元の独歩安のケースを仮定。
2.中国の貿易取引は全て外貨建てで実施されていると仮定。
(資料)みずほ総合研究所作成
9
金融市場ウィークリー(2016 年 3 月 4 日号)
以上から、人民元安によるアジア諸国の輸出への影響については、プラ
スの効果が近年縮小しつつある一方、マイナスの効果は強まっており、全
体としてマイナスの効果の方が大きくなっている可能性が高いと結論付け
られよう。ここで、中国の対世界輸出とアジア諸国の輸出の相関関係を確
認しよう【図表2】。まず、中国の対世界輸出とアジア諸国の対中国輸出
の相関係数は、2013 年以降に急激に低下している。これは、中国の対世界
輸出増加により、アジア諸国の対中国輸出も増加するという連動性が低下
したことを示唆する。一方で、中国の対世界輸出とアジア諸国の対世界(中
国除く)輸出の相関係数については、近年負の相関がみられる時期もある。
中国の対世界輸出増加により、競合するアジア諸国の対世界(中国除く)
輸出が下押しされている可能性が示唆されよう。
通貨安容認策により、他の
それでは、人民元安に対してアジア諸国はどのように対応するのだろう
アジア通貨が人民元に追
か。現在の状況から推察すると、アジア諸国の政策当局は、人民元安を看
随する動きも
過しにくい状況にある。なぜなら、原油など資源価格低迷による産油国・
資源国での景気停滞により、アジア諸国の輸出は 2015 年初以降、不調が続
いているからだ。人民元の先安観が急激に高まった場合、アジア諸国の政
策当局も輸出競争力維持の観点から通貨安誘導を実施する可能性もある。
実際、アジア諸国では 2016 年初前後から金融緩和・通貨安容認とも取れる
政策が実施されるケースが増えつつある。足元では、原油価格の再下落に
より輸入インフレ圧力の低下しているため、アジア諸国は、緩やかなペー
スの通貨安であれば容認しやすい状況にある。しかし、通貨安誘導により、
外貨建て対外債務の負担増加という副作用が大きくなる懸念が高まれば、
通貨安に歯止めがかからなくなるリスクがある。アジア諸国の通貨政策は、
人民元相場の動向をにらみつつ、輸出競争力の維持と通貨安定の両立を迫
(宮嶋貴之)
られるという難しい局面に差し掛かっている。
※詳細は 2016 年 2 月 12 日付みずほインサイト「人民元安はアジア諸国・地域
の経済に悪影響を及ぼす恐れ」をご覧ください。
http://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/insight/as160212.pdf
【 図表 2 中国の対世界輸出とアジア諸国の輸出との相関 】
(相関係数)
1.0
0.8
0.6
0.4
対中国輸出との相関
0.2
対世界(中国除く)輸出との相関
0.0
▲0.2
▲0.4
2004
05
06
07
08
09
10
11
12
13
14
15 (年)
(注)1. 名目対米ドル額。
2. みずほ総合研究所による季節調整値の後方 3 カ月移動平均値。
3. 36 カ月ローリング相関。
(資料)各国統計、CEIC Data より、みずほ総合研究所作成
10
金融市場ウィークリー(2016 年 3 月 4 日号)
~中南米通貨安とデフォルトリスク:高まる中国への金融面での依存度~
資源依存体質が嫌気され
世界経済の先行き不透明感が強まるなか、中南米通貨は新興国のなかで
下落する中南米通貨
も特に大幅な下落に見舞われている。資源価格が下落しているため、貿易・
財政面での資源に対する依存度が高い中南米の経済体質への懸念が、各国
通貨に対する下落圧力となっている。
各国の信用力を示すソブリン債CDSプレミアムは、大幅な上昇(悪化)
傾向にある。急激な通貨安は、為替介入による外貨準備の減少や、外貨建
て対外債務の返済負担増大を通じて、対外支払い能力を低下させるためだ。
通貨安がソブリン・デフォ
しかしながら、中南米各国は、過去の経済危機の経験を踏まえ、外貨準
ルトをもたらすリスクは
備の積み増しや外貨建て債務の削減などを通じた通貨安への備えを強化し
ベネズエラを除き限定的
ている。通貨安がソブリン・デフォルトをもたらすリスクは、ベネズエラ
を除いて限定的であると考えられる。
外貨準備は、自国通貨を買い支えるための為替介入の実施等により、2015
年にほとんどの国で減少した。外貨準備の減少は懸念材料ではあるが、ア
ルゼンチン、ベネズエラ以外の国では、外貨準備は必要の目安とされる水
準(1 年以内に満期を迎える短期対外債務の 100%、月間輸入額の 3 カ月分)
を、上回っている(図表1)。アルゼンチンは、2015 年 12 月に発足したマ
クリ新政権の経済改革により、外貨調達を巡る環境が急速に改善している。
他方、政府債務は、外貨建てから自国通貨建てにシフトしており、通貨
安によって政府の債務返済負担が増大するリスクは低下している。中南米
は、政府債務の自国通貨建て比率が 2000 年時点で 34.8%と新興国(平均
53.5%)の中で最も低く、かつては通貨安に対して脆弱だった(図表 2)。
2014 年時点でも、中南米の自国通貨建て比率は 69.1%と新興国平均
(74.1%)をやや下回るものの、改善幅は他の地域よりも大きく、通貨安
に対する耐性は増している。
なお、潜在的な資金流出圧力を高める要素としては、自国通貨建て債務
の非居住者保有分に留意しておく必要がある。中南米では、メキシコの非
【 図表1 外貨準備と評価尺度 】
【 図表2 政府債務の通貨別・保有者別特性 】
①自国通貨建て
外貨準備
前年差
(100万ドル)
2000
対短期対外
債務(%)
対輸入
(カ月)
ブラジル
356,464
▲ 7,087
610
24.8
メキシコ
176,735 ▲ 16,503
254
5.4
▲ 823
888
20.0
ペルー
61,485
コロンビア
46,731
▲ 592
385
10.6
チリ
38,643
▲ 1,804
320
7.9
アルゼンチン
25,564
▲ 5,879
72
5.5
ベネズエラ
16,358
▲ 5,719
54
5.3
中南米
アルゼンチン
ブラジル
③非居住者保有
2014
2014(①-②)
34.8
69.1
60.8
8.3
5.7
39.0
65.0
▲ 26.0
12.5
94.2
81.7
9.2
88.2
80.8
7.4
コロンビア
57.2
70.3
52.8
17.5
メキシコ
60.3
79.7
43.7
36.0
ペルー
6.3
49.7
38.2
11.5
30.4
62.6
63.6
▲ 1.0
ベネズエラ
11
②国内債務
74.8
チリ
(注)1.外貨準備は 2015 年 12 月末、対外債務はアルゼンチンが
同 6 月末、他は 9 月末。輸入は月次実績から月平均を算出。
2.外貨準備の対短期対外債務は 100%以上、対輸入は 3 カ
月以上が必要水準の目安。
(資料)世界銀行、IMF、各国統計より、みずほ総合研究所作成
2014
アジア
60.5
76.8
72.3
4.4
欧州
56.6
70.6
54.7
15.9
中東アフリカ
59.1
78.3
80.3
▲ 2.0
新興国
53.5
74.1
67.8
6.2
(注)数値は%。①は政府債務に占める自国通貨建て債務比率、
②は政府債務に占める国内債務(居住者保有)の比率。
③(=①-②)は、プラスの場合、非居住者による自国通貨
建て債務の保有を意味し、マイナスの場合は居住者による外
貨建て債務の保有を意味する。
(資料)Moody’s Investors Service より、みずほ総合研究所作成
金融市場ウィークリー(2016 年 3 月 4 日号)
居住者による自国通貨建て債務保有比率が 36%と突出して大きく、次いで
コロンビア(17.5%)で高い。これらの国は、為替変動リスクを負う非居
住者の投資行動の影響を受けやすいといえる。
国際金融における中南米
の存在感は低下
ベネズエラなど中南米の主要国がデフォルトに陥った場合、その国際金
融市場へのインパクトはどの程度大きいのだろうか。各国金融市場の連動
性が高まっており、新興国投資ファンドへの組み入れなどを通じて、一国
の危機が他の市場に伝播しやすくなっていることには留意が必要だ。
ただし、国際証券発行や国際銀行与信に占める中南米のシェアは低下し
ており、過去の中南米危機のような形での国際金融への影響波及は生じに
くくなっていると考えられる。特にベネズエラの国際金融における存在感
は、過去の中南米危機の震源国(アルゼンチン、メキシコ)に比べて極め
て小さい(図表 3)。2015 年 9 月末時点でのベネズエラ向け国際銀行与信
残高は、全体で 68 億ドルと前年の 1/4 程度まで減少しており、エクスポー
ジャーは相当程度削減されている。
中国への金融面での依存
度の高まりに要注意
一方で、国際金融における存在感を急速に高め、ベネズエラ向けを筆頭
に中南米向けの融資を拡大している中国を通じて、過去とは異なる経路で
影響が波及する可能性がある。
中国による中南米向けの融資(国際銀行与信の報告対象外)は、ベネズ
エラ向けを中心に、近年急増している。中国開発銀行および中国輸出入銀
行による 2015 年の中南米向けの融資実行額は、291 億ドルと前年の 100 億
ドルの 3 倍近い水準に達した(図表 3)。2005 年以降の融資実行累積額(約
1,250 億ドル)のうち、ベネズエラ向けは 650 億ドルと全体の 52.1%を占
める。中国景気の減速は、資源価格下落を通じて中南米経済・金融市場の
混乱につながり、それが中国の中南米向け融資の不良債権化といった形で、
中国に再び跳ね返るリスクがある。
(西川珠子)
※詳細は 2016 年 2 月 24 日付みずほインサイト「中南米通貨安とデフォルトリ
スク~中国への金融面での依存度の高まりに要注意~」をご覧ください。
http://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/insight/us160224.pdf
【 図表3 危機震源国の証券発行・銀行与信 】
(%)
【過去の危機局面】
25
20.8
【 図表4 中国による中南米向け融資 】
【現在】
400
(億ドル)
(件)
16
金額
証券発行
350
19.7
銀行与信
20
17.6
14
件数(右目盛)
300
12
250
10
200
8
150
6
100
4
50
2
15.5
15
10
8.7
5.6
5
2.0
0.3
0
メキシコ(1994)
アルゼンチン(2001)
ベネズエラ(2015)
中国(2015)
0
0
2005
(注)証券発行は、国際資本市場における新興国の発行額に
占めるシェア。国際銀行与信は、新興国向け国際銀行
与信に占めるシェア。()は年、12 月末時点。2015 年
は 9 月末時点。
(資料)国際決済銀行(BIS)より、みずほ総合研究所作成
07
08
09
10
11
12
13
14
15
(年)
(注)中国による中南米向け融資実行額。
(資料)Inter-American Dialogue, "China-Latin America
Finance Database"より、みずほ総合研究所作成
12
金融市場ウィークリー(2016 年 3 月 4 日号)
Ⅲ.参考資料
今週の主要経済指標
経 済 指 標 等
日 付
今回実績
予想
2/26(金) 米 7年国債入札:最高利回り 1.568%、 平均利回り 1.510%、 入札倍率 2.25倍
個人所得(1月)
消費支出(1月)
コアPCEデフレータ(1月)
前回実績
前月比
前月比
前年比
+0.5%
+0.5%
+1.7%
+0.4%
+0.3% R
+1.5% R
前期比年率
+1.0%
+0.4%
7~9月確定
+2.0%
91.7
91.0
2月確報
92.0
2/27(土) G20(20か国財務大臣・中央銀行総裁会議、上海)(26・27日)
2/29(月) 日 鉱工業生産(1月速報)
前月比
+3.7%
+3.2%
▲1.7%
GDP(10~12月期暫定)
ミシガン大消費者信頼感指数(2月確報)
百貨店・スーパー販売額[既存店](1月速報)
小売業販売額(1月速報)
前年比
前年比
+1.0%
▲0.1%
▲0.2%
▲0.1%
±0.0%
▲1.1%
季調済年率
87.3万戸
87.0万戸
86.0万戸
米 中古住宅販売仮契約指数(1月)
前月比
▲2.5%
+0.5% R
+0.9%
欧 ユーロ圏消費者物価指数(2月速報)
日
法人企業統計(10~12月期)
経常利益[全産業]
設備投資[全産業](ソフトウェア除く)
前月比
▲0.2%
0.0%
+0.3%
前年比
前年比
▲1.7%
+8.9%
N.A.
+8.7%
7~9月期
+9.0%
+11.2%
新設住宅着工戸数(1月)
3/1(火)
+0.3%
+0.1%
+1.5%
10年利付国債入札:最高利回り ▲0.015%、 平均利回り ▲0.024%、 入札倍率 3.20倍
実質消費支出[二人以上の全世帯](1月)
前年比
▲3.1%
▲2.7%
▲4.4%
1.28倍
1.27倍
1.27倍
完全失業率(1月)
3.2%
3.3%
3.3%
中 製造業PMI(2月)
49.0
49.4
49.4
非製造業PMI(2月)
52.7
N.A.
53.5
財新製造業PMI(2月)
48.0
48.4
48.4
49.5
48.5
48.2
有効求人倍率(1月)
3/2(水)
米 製造業ISM指数(2月)
米 ベージュブック(地区連銀経済報告)
3/3(木)
伯 金融政策決定会合(1・2日)
中 財新サービスPMI(2月)
51.2
N.A.
52.4
米 非製造業ISM指数(2月)
53.4
53.1
53.5
278千人
270千人
272千人
+0.4%
+0.4% R
±0.0%
失業保険新規申請件数(~2/27)
3/4(金)
日 毎月勤労統計(1月速報)
名目賃金
前年比
予想:情報ベンダー(Bloomberg、Reuters 等)の取りまとめた予想コンセンサス。米国の経済指標は特に断りのない限り季調値。R は改定値。
日:日本、米:米国、欧:欧州、英:英国、独:ドイツ、中:中国、韓:韓国、印:インド、尼:インドネシア、
泰:タイ、比:フィリピン、伯:ブラジル、馬:マレーシア
13
金融市場ウィークリー(2016 年 3 月 4 日号)
来週の主要経済指標
日 付
3/4(金)
経 済 指 標 等
米
予 想
雇用統計(2月)
失業率
非農業部門雇用者数
時間当たり賃金(全従業員ベース)
貿易収支(1月)
3/7(月)
日
景気動向指数(1月速報)
前 回
前々回
前月差
前月比
[4.9%]
[+180千人]
[+0.2%]
4.9%
+151千人
+0.5%
5.0%
+262千人
±0.0%
財・サ収支
▲440億㌦
▲434億㌦
▲422億㌦
先行DI
一致DI
先行CI
一致CI
[44.4%]
[62.5%]
[101.4]
[103.8]
50.0%
33.3%
102.1
110.9
40.0%
66.7%
103.2
111.9
10~12月期1次速報
7~9月期
+0.3%
黒田日銀総裁講演(読売国際経済懇話会)
3/8(火)
日
GDP(10~12月期2次速報)
前期比
[▲0.2%]
経常収支 [+6,807億円]
(前年比)
[+568.7%]
貿易収支 [▲3,927億円]
(前年比)
[-]
国際収支(1月速報)
現状判断DI
景気ウォッチャー調査(2月)
▲0.4%
+9,607億円 +11,435億円
+325.3%
+159.8%
+1,887億円 ▲2,715億円
-
48.0
46.6
48.7
N.A.
678
694
消費者態度指数
42.4
42.5
42.7
中 貿易収支(2月)
米ドル
+512億㌦
+633億㌦
+601億㌦
輸出総額(2月)
前年比
▲14.5%
▲11.2%
▲1.4%
輸入総額(2月)
前年比
▲10.1%
▲18.8%
▲7.6%
前期比
+0.3%
+0.3%
+0.3%
M2 前年比
M3 前年比
広義流動性 前年比
+3.2%
+2.6%
N.A.
+3.2%
+2.5%
+3.6%
+3.1%
+2.5%
+3.6%
前月比
前年比
[▲1.1%]
[▲3.3%]
▲0.9%
▲3.1%
▲0.4%
▲3.5%
前年比
+1.9%
+1.8%
+1.6%
[270千人]
278千人
272千人
全国企業倒産件数[帝国データ](2月)
30年利付国債入札
消費動向調査(2月)
米 3年国債入札
欧
ユーロ圏GDP(10~12月期改定)
3/9(水)
10~12月期速報
日
マネーストック(2月速報)
米 10年国債入札
馬 金融政策決定会合
3/10(木) 日
国内企業物価指数(2月)
5年利付国債入札
中 消費者物価指数(2月)
米 失業保険新規申請件数(~3/5)
30年国債入札
欧 ECB政策理事会
韓 金融政策決定会合
3/11(金) 日 法人企業景気予測調査(1~3月期)
予想:[ ]はみずほ総合研究所予想、それ以外はコンセンサス(Bloomberg 等)。予定は変更になる可能性があります。
日:日本、米:米国、欧:欧州、英:英国、独:ドイツ、中:中国、韓:韓国、印:インド、尼:インドネシア、
泰:タイ、比:フィリピン、伯:ブラジル、馬:マレーシア
14
金融市場ウィークリー(2016 年 3 月 4 日号)
3 月のスケジュール
国
内
米
国 他
1
米 製造業ISM指数(2 月)
2
2
米 ベージュブック(地区連銀経済報告)
3
3
米 非製造業ISM指数(2 月)
製造業新規受注(1 月)
労働生産性(10~11 月期改訂)
米 雇用統計(2 月)
貿易収支(1 月)
1
4
法人企業統計調査(10~12 月期)
家計調査(1 月),労働力調査(1 月)
新車販売台数(2 月),10 年利付国債入札
毎月勤労統計(1 月速報)
4
5
5
6
6
7
8
9
黒田日銀総裁講演(読売国際経済懇話会)
景気動向指数(1 月速報)
GDP(10~12 月期 2 次速報)
景気ウォッチャー調査(2 月),消費動向調査(2 月)
国際収支(1 月速報),30 年利付国債入札
マネーストック(2 月速報)
7
8
米 3 年国債入札
9
米 10 年国債入札
10 企業物価指数(2 月)
5 年利付国債入札
11 法人企業景気予測調査(1~3 月期)
10 欧 ECB政策理事会
米 連邦財政収支(2 月),30 年国債入札
11
12
12
13
13
14 機械受注統計(1 月)
14
15 設備稼働率(1 月),第 3 次産業活動指数(1 月)
日銀金融政策決定会合(14・15 日)
日銀総裁定例記者会見
16
18 日銀金融政策決定会合議事要旨(1/28・29 分)
15 米 小売売上高(2 月)
ネット対米証券投資(1 月),PPI(2 月)
ニューヨーク連銀製造業業況指数(3 月)
16 米 FOMC(15・16 日),CPI(2 月)
鉱工業生産・設備稼働率(2 月)
住宅着工・許可件数(2 月)
17 英 英中銀金融政策委員会(16・17 日)
米 経常収支(10~12 月期)
フィラデルフィア連銀製造業業況指数(3 月)
景気先行指数(2 月)
18
ミシガン大学消費者信頼感指数(3 月速報)
19
19
20 春分の日(日本休場)
20
21 国民の休日(日本休場)
21 米 中古住宅販売件数(2 月)
22 全産業活動指数(1 月)
22 独 ifo景況感指数(3 月)
23
23 米 新築住宅販売件数(2 月)
24
24 米 耐久財受注(2 月)
25 消費者物価(2 月全国・3 月都区部)
資金循環統計(10~12 月期速報),2 年利付国債入札
26
25 米 企業収益(10~12 月期)
GDP(10~12 月期確定)
26
27
27
28
28 米 個人所得・消費支出(2 月)
29 商業動態統計(2 月速報)
家計調査(2 月)
労働力調査(2 月)
30 鉱工業生産(2 月速報)
29 米 イエレンFRB議長講演(ニューヨーク)
S&P/ケース・シラー住宅価格指数(20 都市・1 月)
カンファレンスボード消費者信頼感指数(3 月)
2 年国債入札
30 米 5 年国債入札,7 年国債入札
31 住宅着工統計(2 月)
31 米 シカゴPMI指数(3 月)
17 黒田日銀総裁挨拶(決済システムフォーラム)
貿易統計(2 月)
20 年利付国債入札
*印は期日未定、網掛け部分は休場を示す〔予定は変更の可能性があります〕
日:日本、米:米国、欧:欧州、英:英国、独:ドイツ
15
金融市場ウィークリー(2016 年 3 月 4 日号)
4 月のスケジュール
国
1
内
日銀短観(3 月調査)
新車販売台数(3 月)
米
1
国 他
米 雇用統計(3 月),製造業ISM指数(3 月)
ミシガン大学消費者信頼感指数(3 月確報)
2
2
3
3
4
4
米 製造業新規受注(2 月)
5
米 非製造業ISM指数(3 月)
貿易収支(2 月)
米 FOMC 議事録(3/15・16)
5
6
毎月勤労統計(2 月速報)
10 年利付国債入札
景気動向指数(2 月速報)
7
8
6
7
国際収支(2 月速報),消費動向調査(3 月)
景気ウォッチャー調査(3 月)
8
9
9
10
10
11 機械受注統計(2 月)
11
12 10 年物価連動国債入札
12 米 連邦財政収支(3 月),3 年国債入札
13 マネーストック(3 月速報)
企業物価指数(3 月)
14 30 年利付国債入札
16
13 米 小売売上高(3 月),PPI(3 月)
ベージュブック(地区連銀経済報告),10 年国債入札
14 英 英中銀金融政策委員会(13・14 日)
米 CPI(3 月),30 年国債入札
15 米 鉱工業生産・設備稼働率(3 月)
ネット対米証券投資(2 月)
ミシガン大学消費者信頼感指数(4 月速報)
ニューヨーク連銀製造業業況指数(4 月)
16
17
17
18
18
19 5 年利付国債入札
19 米 住宅着工・許可件数(3 月)
20 貿易統計(3 月)
20 米 中古住宅販売件数(3 月)
21 20 年利付国債入札
22 第 3 次産業活動指数(3 月)
21 欧 ECB政策理事会
米 フィラデルフィア連銀製造業業況指数(4 月)
景気先行指数(3 月)
22
23
23
24
24
25
25 独 独ifo景況感指数(4 月)
米 新築住宅販売件数(3 月)
26 米 S&P/ケース・シラー住宅価格指数(20 都市・2 月)
耐久財受注(3 月),2 年国債入札
カンファレンスボード消費者信頼感指数(4 月)
27 米 FOMC(26・27 日)
米 5 年国債入札
28 米 GDP(1~3 月期速報)
7 年国債入札
15 設備稼働率(2 月)
26
27 2 年利付国債入札
全産業活動指数(2 月)
28 日銀金融政策決定会合(27・28 日)
日銀総裁定例記者会見
日銀「経済・物価情勢の展望」(基本的見解)
商業動態統計(3 月速報),住宅着工統計(3 月)
消費者物価(3 月全国・4 月都区部)
労働力調査(3 月),家計調査(3 月)
29 昭和の日(日本休場)
30
29
個人所得・消費支出(3 月)
雇用コスト指数(1~3 月期)
ミシガン大学消費者信頼感指数(4 月確報)
シカゴPMI指数(4 月)
30
*印は期日未定、網掛け部分は休場を示す〔予定は変更の可能性があります〕
日:日本、米:米国、欧:欧州、英:英国、独:ドイツ
16
金融市場ウィークリー(2016 年 3 月 4 日号)
四半期スケジュール
5月
日 本 2
新車販売台数(4 月)
9 消費動向調査(4 月)
10 10 年利付国債入札
12 景気ウォッチャー調査(4 月)
国際収支(3 月速報)
30 年利付国債入札
13 マネーストック(4 月速報)
第 3 次産業活動指数(4 月)
16 企業物価指数(4 月)
17 5 年利付国債入札
18 GDP(1~3 月期 1 次速報)
19 20 年利付国債入札
全産業活動指数(3 月)
機械受注統計(3 月)
23 貿易統計(4 月)
26 40 年利付国債入札
27 消費者物価(4 月全国・5 月都区部)
30 商業動態統計(4 月速報)
31 2 年利付国債入札
労働力調査(4 月)
家計調査(4 月)
米 国 2
4
6
10
11
12
13
16
17
18
19
20
24
25
26
27
31
製造業ISM指数(4 月)
貿易収支(3 月)
非製造業ISM指数(4 月)
労働生産性(1~3 月期暫定)
雇用統計(4 月)
米 3 年国債入札
連邦財政収支(4 月)
米 10 年国債入札
米 30 年国債入札
小売売上高(4 月)
PPI(4 月)
ミシガン大学消費者信頼感指数(5 月速報)
ニューヨーク連銀製造業業況指数(5 月)
鉱工業生産・設備稼働率(4 月)
住宅着工・許可件数(4 月)
CPI(4 月)
FOMC 議事録(4/26・27)
フィラデルフィア連銀製造業業況指数(5 月)
景気先行指数(4 月)
中古住宅販売件数(4 月)
新築住宅販売件数(4 月)
米 2 年国債入札
米 5 年国債入札
耐久財受注(4 月)
米 7 年国債入札
GDP(1~3 月期暫定)
個人所得・消費支出(4 月)
企業収益(1~3 月期暫定)
S&P/ケース・シラー住宅価格指数(20 都市・3 月)
シカゴPMI指数(5 月)
カンファレンスボード消費者信頼感指数(5 月)
6月
1
8
9
10
13
16
17
20
21
29
1
3
7
8
9
10
14
15
16
17
22
23
24
27
28
29
30
欧 州 12 英中銀金融政策委員会(11・12 日)
7月
法人企業統計調査(1~3 月期)
新車販売台数(5 月)
国際収支(4 月速報)
景気ウォッチャー調査(5 月)
GDP(1~3 月期 2 次速報)
マネーストック(5 月速報)
企業物価指数(5 月)
第 3 次産業活動指数(5 月)
法人企業景気予測調査(4~6 月期)
日銀金融政策決定会合(15・16 日)
日銀総裁定例記者会見
資金循環統計(1~3 月期速報)
貿易統計(5 月)
全産業活動指数(4 月)
商業動態統計(5 月速報)
1
8
11
12
21
25
29
ベージュブック(地区連銀経済報告)
製造業ISM指数(5 月)
貿易収支(4 月)
非製造業ISM指数(5 月)
雇用統計(5 月)
労働生産性(1~3 月期改訂)
米 3 年国債入札
米 10 年国債入札
米 30 年国債入札
連邦財政収支(5 月)
ミシガン大学消費者信頼感指数(6 月速報)
小売売上高(5 月)
FOMC(14・15 日)
鉱工業生産・設備稼働率(5 月)
PPI(5 月)
ニューヨーク連銀製造業業況指数(6 月)
経常収支(1~3 月期)
フィラデルフィア連銀製造業業況指数(6 月)
CPI(5 月)
住宅着工・許可件数(5 月)
中古住宅販売件数(5 月)
新築住宅販売件数(5 月)
景気先行指数(5 月)
耐久財受注(5 月)
米 2 年国債入札
企業収益(1~3 月期改訂)
GDP(1~3 月期確定)
S&P/ケース・シラー住宅価格指数
(20 都市・4 月)
カンファレンスボード消費者信頼感指数(6 月)
米 5 年国債入札
個人所得・消費支出(5 月)
米 7 年国債入札
シカゴPMI指数(6 月)
2 ECB政策理事会
16 英中銀金融政策委員会(15・16 日)
1
6
8
12
13
14
15
19
21
25
26
27
28
29
新車販売台数(6 月)
消費者物価(5 月全国・6 月都区部)
日銀短観(6 月調査)
労働力調査(5 月)
家計調査(5 月)
景気ウォッチャー調査(6 月)
国際収支(5 月速報)
マネーストック(5 月速報)
第 3 次産業活動指数(6 月)
企業物価指数(6 月)
全産業活動指数(5 月)
貿易統計(6 月)
日銀「経済・物価情勢の展望」(基本的見解)
日銀金融政策決定会合(28・29 日)
日銀総裁定例記者会見
商業動態統計(6 月速報)
消費者物価(6 月全国・7 月都区部)
労働力調査(6 月)
家計調査(6 月)
製造業ISM指数(6 月)
貿易収支(5 月)
非製造業ISM指数(6 月)
FOMC 議事録(6/14・15)
雇用統計(6 月)
連邦財政収支(6 月)
米 3 年国債入札
ベージュブック(地区連銀経済報告)
米 10 年国債入札
PPI(6 月)
米 30 年国債入札
鉱工業生産・設備稼働率(6 月)
小売売上高(6 月)
CPI(6 月)
ミシガン大学消費者信頼感指数(7 月速報)
ニューヨーク連銀製造業業況指数(7 月)
住宅着工・許可件数(6 月)
フィラデルフィア連銀製造業業況指数(7 月)
中古住宅販売件数(6 月)
景気先行指数(6 月)
米 2 年国債入札
新築住宅販売件数(6 月)
S&P/ケース・シラー住宅価格指数(20 都市・5 月)
カンファレンスボード消費者信頼感指数(7 月)
米 5 年国債入札
FOMC(26・27 日)
耐久財受注(6 月)
米 7 年国債入札
GDP(4~6 月期速報)
雇用コスト指数(4~6 月期)
シカゴPMI指数(7 月)
14 英中銀金融政策委員会(13・14 日)
21 ECB政策理事会
*印は期日未定を示す〔予定は変更の可能性があります〕
17
金融市場ウィークリー(2016 年 3 月 4 日号)
今週の金融市場の動き
[海外金利]
2/25
ドルLIBOR 3M(%)
ユーロドル金先(Jun16)
2/26
2/29
3/1
3/2
3/3
3/4
前週末比
0.63560
0.63510
0.63310
0.63160
0.63485
0.63560
0.00050
99.300
99.255
99.270
99.260
99.260
99.270
0.015
米国債(10年、%)
1.716
1.762
1.735
1.825
1.841
1.834
0.071
スワップ金利(10年、%)
1.550
1.592
1.575
1.658
1.682
1.682
0.091
独国債(10年、%)
0.138
0.147
0.107
0.146
0.206
0.169
0.022
英国債(10年、%)
1.364
1.399
1.337
1.397
1.462
1.431
0.032
[内外株式]
2/25
ダウ平均(㌦)
S&P500指数
NASDAQ総合指数
日経平均(円)
TOPIX(Pt.)
2/26
2/29
3/1
3/2
3/3
3/4
前週末比
16,697.29
16,639.97
16,516.50
16,865.08
16,899.32
16,943.90
303.93
1,951.70
1,948.05
1,932.23
1,978.35
1,986.45
1,993.40
45.35
4,582.21
4,590.47
4,557.95
4,689.60
4,703.42
4,707.42
16,140.34
16,188.41
16,026.76
16,085.51
16,746.55
16,960.16
17,014.78
826.37
116.95
1,307.54
1,311.27
1,297.85
1,300.83
1,349.61
1,369.05
1,375.35
64.08
出来高(百万株)
2,398.60
2,163.12
2,492.82
2,224.64
2,489.78
2,744.29
2,652.72
489.60
売買代金(億円)
23,885.36
21,117.00
25,944.96
21,481.22
25,934.40
25,382.95
24,902.37
3,785.37
2,326.03
2,333.48
2,345.22
2,352.85
2,377.53
2,390.29
2,404.66
71.18
2/25
2/26
2/29
3/1
3/2
3/3
3/4
日経JASDAQ平均(円)
[円金利]
TIBOR 3カ月(%)
前週末比
0.09900
0.09800
0.09800
0.09800
0.09800
0.09800
0.09800
0.00000
ユーロ円金先(Mar16)
99.915
99.915
99.915
99.920
99.910
99.905
99.905
▲ 0.010
新発国債(10年、%)
▲ 0.065
▲ 0.070
▲ 0.065
▲ 0.070
▲ 0.035
▲ 0.030
▲ 0.040
0.030
長国先物(Mar16)
スワップ金利(5年、%)
152.03
152.09
152.16
152.15
152.02
151.67
151.87
▲ 0.220
▲ 0.120
▲ 0.127
▲ 0.134
▲ 0.141
▲ 0.116
▲ 0.104
▲ 0.105
0.022
2/25
2/26
2/29
3/1
3/2
3/3
3/4
[為替]
円/$
113.00
114.00
112.69
114.01
113.48
113.69
前週末比
113.88
▲ 0.12
$/EUR
1.1018
1.0934
1.0873
1.0868
1.0868
1.0957
1.0953
0.0019
円/EUR
124.50
124.63
122.53
123.90
123.33
124.57
124.74
0.11
(注)前週末比は、海外などについては現時点での直近値と前週末値との比較。
東京市場の発行日表示値は終値もしくは 15:00 時点値。
米国 10 年債、米金利スワップ 10 年物は Bloomberg の終値。
日本株出来高・売買代金はそれぞれ東京証券取引所第一部出来高・売買代金。
TIBOR は全銀協発表のユーロ円 TIBOR 平均値。
新発 10 年国債は日本相互証券発表の気配値。
金利先物は東京金融取引所(TFX)のユーロ円 3 ヵ月金利先物。
独・英 10 年国債は Bloomberg の提示する終値。
為替は NY 時間終値(発行日のみ東京時間 15:00 時点、出所:Bloomberg)
。
18
金融市場ウィークリー(2016 年 3 月 4 日号)
最新リポート一覧
<みずほインサイト>
2016 年 3 月 3 日 北海道新幹線への期待~観光効果増大に向けて周遊型観光の開発等が鍵~
http://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/insight/pl160303.pdf
2016 年 3 月 1 日 過去最多の難民に苦慮するドイツ~難民流入を抑制すべくトルコ頼みの様相が鮮明に~
http://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/insight/eu160301.pdf
2016 年 2 月 29 日 中国の譲歩と果実~G20 財務大臣・中銀総裁会議声明文を読み解く~
http://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/insight/gl160229.pdf
2016 年 2 月 24 日 中南米通貨安とデフォルトリスク~中国への金融面での依存度の高まりに要注意~
http://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/insight/us160224.pdf
<内外経済見通し>
2016 年 2 月 16 日 2015・16・17 年度 内外経済見通し
~新興国減速に止まらず世界連鎖不況のリスクも~
http://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/forecast/outlook_160216.pdf
2015 年 7 月 24 日 内外経済の中期見通し~長期展望も視野に、2020 年までの世界経済の行方~
http://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/forecast/outlook_150724.pdf
執筆担当者
・市場調査部
武内浩二
野口雄裕
井上 淳
有田賢太郎
大塚理恵子
03-3591-1244
03-3591-1249
03-3591-1197
03-3591-1419
03-3591-1420
[email protected]
[email protected]
[email protected]
[email protected]
[email protected]
・欧米調査部
小野 亮
吉田健一郎
松本 惇
風間春香
03-3591-1219
03-3591-1265
03-3591-1199
03-3591-1418
[email protected]
[email protected]
[email protected]
[email protected]
・経済調査部
小西祐輔
多田出健太
松浦大将
川口 亮
03-3591-1294
03-3591-1283
03-3591-1435
03-3591-1243
[email protected]
[email protected]
[email protected]
[email protected]
当レポートは情報提供のみを目的として作成されたものであり、商品の勧誘を目的としたものではありません。
本資料は、当社が信頼できると判断した各種データに基づき作成されておりますが、その正確性、確実性を保証
するものではありません。また、本資料に記載された内容は予告なしに変更されることもあります。
発行・編集/みずほ総合研究所 調査本部
〒100-0011 東京都千代田区内幸町 1-2-1 TEL.03-3591-1296
19
金融市場ウィークリー(2016 年 3 月 4 日号)