宇宙の科学(第10章) 1

宇宙の科学(第10章)
前回の問題の答え
太陽は、その進化の最終段階では、どの
様な種類の天体になると考えられるか?
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科学技術理解Ⅲ(宇宙の科学)
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第10章 銀河系
天の川=銀河系
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銀河系内の天体: 星団
太陽系は銀河系の一員。
銀河系の主体は凸レンズ型の約1千億個
の星の集団。個々の星は銀河中心の周り
を回転している。
銀河系の直径は約10万光年。
(1光年=約9.5兆km)
太陽は銀河中心から約2.5万光年の距離
にある(円盤部の端の方)。
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星団(つづき)
星団=星のグループ。
散開星団と球状星団の2種類がある。
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星団のHR図
形
星数
散開星団
不定形
数百~数千
半径(光年) 集中度
3~30
散漫
銀河面に集中
分布
球状星団
球対称
数万~数百万
60~600
密集
ハローに分布
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年齢はみんな古い。100億年以上。
重元素が少ない。
銀河系の第1世代の星から成る。
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銀河系内の天体:
星雲(=星間雲=ガスの集まり)
1つの星団の星はすべて同時期に生まれ
たと考えられる。
主系列星は、大質量の星から順に巨星へ
と進化していく。
以上のことより、転回点の位置から、星団
の年齢が分かる。
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年齢は比較的若いものが多い。(プレアデス:
約5000万年、ヒアデス:約6億年)
重元素が多い。
球状星団
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星団の年齢
主系列から巨星列に移る点、転回点が星
団によって違う。
散開星団
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散開星団と球状星団の特徴
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中国では銀河、欧米ではMilky Way、などと呼
ばれている。
天の川は天球を1周している。
天の川は星の集まり。
天の川は我々(太陽系)が属している銀河系。
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銀河系の概要
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天の川
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原始星
主系列星
白色矮星
中性子星
ブラックホール
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散光星雲
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惑星状星雲
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超新星残骸
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暗黒星雲
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転回点が下にあるほど、年齢は古い。
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星形成領域にあり、若い星に照らされている。
星の進化末期に、星の外層部が流出してできた。
超新星爆発のなごり。
密度の高い星間雲が背景の光をさえぎっている。
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宇宙の科学(第10章)
銀河系の形
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ハーシェル(20世紀初)
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銀河系の構造
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星の数を数えて、銀河系の形を求めた。(ただ
し、太陽の近くしか見えていなかった。)
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球状星団の分布を調べて、それらは太陽から
遠く離れた点を中心に球状に分布しているこ
とを発見。
その点が銀河の中心。
円盤部
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シャープレー(1915年頃)
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ハロー
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銀河全体を球状に包む。古い星。球状星団
が分布。星はいろいろな方向に運動。
回転速度はそれより内側にある物質の質量によって
決まる。
太陽は約220km/sで回転。1周するのに約2億年。
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暗黒物質
銀河回転速度は中心からある距離以上ではほと
んど一定。
これは銀河系の質量が半径に比例して増加して
いることを意味する。
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回転角速度も中心からの距離によって違う。(1
周するのにかかる時間が違う。)
渦巻きの腕は多数の星や星間ガスで
できている(若い星が多い)。
しかし、いつも同じ星やガスが腕を
作っているわけではない。
渦巻きは一種の波(密度波)で、それ
を作っている物質は次々に変わってい
る。
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銀河回転(つづき)
銀河円盤内の天体は銀河中心のまわりを回転し
ている。
回転速度は中心からの距離によって違う。
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銀河中心近くのふくらみ。古い星が多い。星
はいろいろな方向に運動。
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銀河回転
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若い星やガスが多い。銀河中心のまわりを
回転運動。渦巻き構造がある。
バルジ
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渦巻き構造
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暗黒物質の正体はいまだ不明。以下のも
のが候補。
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質量が中心部に集中している場合、速度∝1/r1/2
しかし、そのような質量を持つ物質は外側には見
当たらない。(光で見える質量の約10倍の質量
が必要)
よって、光らない暗黒物質 (ダークマター)が大量
に存在しているはず。
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褐色矮星(恒星と惑星の中間的存在。核融合
が起きていない。)
ブラックホール
ニュートリノ
未知の素粒子 (WIMPs)
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