2015年3月に見頃の天体;pdf

2015年3月に見頃の天体
★金星(きんせい)
春分の日(3月21日)を過ぎると、日が暮れるのが遅くなったことを
感じます。春の西の空はにぎやかです。宵の明星として金星が輝いていま
すが、高度が低く、すぐ沈むため、玄関前の小型望遠鏡を用いて、天体観
望会の開始直後に観望します。
★木星(もくせい)
南の空の高い場所で眩しく輝く木星は、太陽系最大の惑星で直径は地球
の約11倍もあり、望遠鏡を使うと縞模様と、周りを回る衛星のうちの数
個を見ることができます。
この縞模様の正体は、木星の雲の模様です。木星は主に水素とヘリウム
の気体からできている惑星で、アンモニアや水からできている小さな氷の
雲が上空を取り巻いています。木星の自転周期は約10時間と非常に速く
回っているので、上空には常に東西方向に強風が吹き、雲も東西方向に流
されて縞模様となって見えるのです。
星が2つ非常に接近して見えます。この重星は、約500年の周期でお互
いのまわりを回る連星です。詳しい観測から、この連星の2つの星は、そ
れぞれさらに連星になっているし、3組めの連星も存在することがわかっ
ています。カストルは、実は6個の星から成る6重連星なのです。
しし座のガンマ(アルギエバ)は、オレンジ色と黄色の2つの星が見え
る重星で、619年の周期でお互いのまわりを回る連星です。
★赤色巨星(せきしょくきょせい)
恒星は、安定して輝く時期が長く続きます。しかし、恒星の内部の水素
を使い果たすと、恒星は自身の重力で縮み始め、その際に発生する熱に
よって外側のガスはさらに外へと膨張し、巨大な星になります。ガスが膨
れると表面の温度が低くなるため、赤色に見えます。
おうし座のアルデバランは赤色巨星で、直径は太陽の約40倍です。
オリオン座のベテルギウスも赤色超巨星で、直径は太陽の約650倍も大
★散開星団(さんかいせいだん)
きいことが観測されています。ベテルギウスは恒星の寿命が尽きようとし
散開星団は、若い星たちが数百個以上も集まっている姿です。ぎょしゃ
座には、明るい3つの散開星団M36、M37、M38が並んでいます。
散開星団を望遠鏡で覗くと、たくさんの星が見えます。
ていて、いつ超新星爆発を起こしてもおかしくないと考えられています。
★二重星(にじゅうせい)
春の夜空では、いくつかの重星を観望することができます。重星は、肉
眼で見ると1つの星ですが、望遠鏡を覗くと2つの星に見えます。
かに座のイオタは、黄色と青白色の対比が美しい2つの星が見える二重星
です。
ふたご座の中で2番目に明るく見える星カストルは、望遠鏡で拡大すると、
これらの星は、望遠鏡を使わず肉眼で見ても赤っぽく見えますので、星の
色に注目して夜空を眺めてみましょう。