[MP]試験の実技試験問題出題意図

Japan Technical Communicators Association
2015 年冬
TC 技術検定2級使用説明制作実務[MP]
実技試験の出題意図
出題レベル、各課題の大まかな区分は、
「表現設計・企画関連」
「ライティング関連」
「電子データ
関連」「翻訳や印刷関連」
「評価・校正関連」であり、例年通りだ。ただし、同じ区分であっても
出題の視点を変えたもの、表作成、計算までさまざまな作業が要求された。
【課題1】
児童向け携帯電話のマニュアルのサンプル原稿が題材。大人用のマニュアル原稿から、児童向け
マニュアルのサンプル原稿に採用した「ブレーンストーミング」のコメントを選択する問題。イ
ラスト利用やルビなど一目で採用されたコメントがわかるものから、義務教育漢字の利用範囲な
ど知らないと選択できない項目まで含まれていた。ただ、大人用マニュアル使われていた漢字が、
児童向けマニュアルで使われてないなど、推測が可能であったので解答はできる。
【課題2】
多機能電子レンジの操作手順が題材。操作部の名称と機能の仕様書から、指定された調理手順を
導き出す問題。仕様書の情報が順不同に並んでいるため、操作手順との関連性を見つけにくい。
しかし、仕様書によくある整理されてない情報として手順に合わせて並べ替え、すでに記載され
た手順の書き方に倣えば解答できる。操作と結果を分けること、文体を変えることなど条件に合
わせることが重要である。
【課題3】
リビングファン(扇風機)の商品モデルの仕様表作成が題材。筐体・モーター・羽根・操作ユニ
ットの仕様書データから、組合せ可能な商品モデルを見つけ、それらを表形式の仕様書にする。
機械や電気などの記号が並ぶので専門知識が必要に見えるが、実際は数値の大小を比較して組み
合わせれば商品モデルは組み立てられる。さらに、表にするための条件に合わせて、表側(1 列
目)と表頭(1 行目)に指定された項目を並べ、数値で埋めれば解答できる。表の枠が書かれて
いるので、縦横の線をフリーハンドで引く。
【課題4】
印刷仕様のコスト表の計算が題材。印刷費用の知識が必要に見えるが、実際はコストテーブルを
参照しながらコスト表を埋めていく。A1 の CTP 出力に A4 の仕上がりサイズは 8 枚面付けできる
ことに気づけば、1 部に必要な枚数、印刷枚数と順に解答できる。また、印刷費用の小計がすべ
て記載されていたため総合計が算出でき、単価だけでも解答できる。全く分からないと諦めるこ
とはない。
【課題5】
カメラの「各部の名称とはたらき」ページ全体が題材。仕様書から各部の名称や働きの記載間違
い、目次構成案から柱の間違いを見つけ、ブロックの位置で評価の観点と具体的な指摘を行う。
仕様書の名称が正しいか、画像とキャプションが合っているか、ボタンの機能の説明は逆ではな
いかなどを注意深く比較すれば解答できる。