失敗しないための相続・事業承継対策

失敗しないための相続・事業承継対策
平成27年7月22日
統括/代表社員税理士
岩永
悠
目次
I.
相続税の基礎知識
相続税の基礎知識
1.
2.
II.
事業承継
事業承継の現状
承継の現状
1.
2.
3.
4.
5.
6.
III.
相続税の概要
相続税の課税対象額の求め方
中小企業の事業承継の現状
移転方法の比較
事業承継対策の4本柱
直近の税制改正項目(相続税)
税制改正前後の税額比較(相続税)
直近の税制改正項目(贈与税)
事業承継の失敗事例
1.
2.
3.
4.
5.
6.
7.
利益好調・純資産も多額となっているケース
納税資金を確保していなかったケース
遺留分を考慮していなかったケース
特定評価会社に該当するケース
兄弟間が対立しているケース
株式が分散してしまったケース(経営権が確保できていないケース)
会社への貸付金が多額にあるケース
IV. 事業承継
事業承継の
承継の成功事例
成功事例
1.
2.
3.
4.
5.
6.
V.
承継スケジュールを事前に検討していたケース
自社株式を後継者出資の会社に譲渡し、納税資金を確保したケース
会社分割を活用し、兄弟に別々に承継させたケース
兄弟会社を親子会社にするケース
高収益部門を子会社化させるケース
組織再編・グループ法人税制を活用して、HD兼不動産管理会社を設立するケース
事業承継にあたりやるべきこと
事業承継にあたりやるべきこと
1.
2.
事業承継のタイムスケジュール
事業承継のチェックポイント(一例)
本資料は平成27年4月1日現在の税制に基づいて作成しております。また内容につきましては、情報の提供を目的として一般的な法律・税務上の取り扱いを記載しております。このため、諸条件により本資料の内容とは異なる取り扱いがなさ
れる場合がありますのでご留意ください。対策の立案・実行は税理士・弁護士の方々と十分ご相談の上、ご自身の責任においてご判断くださいますようお願い申し上げます。
1
Ⅰ.相続税の基礎知識
本資料は平成27年4月1日現在の税制に基づいて作成しております。また内容につきましては、情報の提供を目的として一般的な法律・税務上の取り扱いを記載しております。このため、諸条件により本資料の内容とは異なる取り扱いがなさ
れる場合がありますのでご留意ください。対策の立案・実行は税理士・弁護士の方々と十分ご相談の上、ご自身の責任においてご判断くださいますようお願い申し上げます。
2
Ⅰ相続税の基礎知識
1.相続税の概要
相続税とは
相続税とは、亡くなった人の財産を相続により取得した時や、遺言によって財産を取得したときに生じる税金
をいいます。
相続税の納税義務者
純財産評価額
純財産評価額 > 基礎控除額 の場合に申告が必要となります。
相続税の申告期限
相続税は、相続発生後10
10か月以内
10か月以内に申告する必要があります。
か月以内
相続税の課税対象財産
現預金
土地(宅地、田、畑、山林など)
建物(家屋、構築物など)
有価証券(株式、国債、社債等)
自社株式
事業用財産(機械、原材料等)
家庭用財産
その他財産(ゴルフ会員権、貸付金、特許権等)
相続税の非課税財産
相続税の非課税財産
死亡保険金
死亡保険金等
保険金等(500万円
(500万円×
万円×法定相続人数)
法定相続人数)
墓、仏壇
国等に対して寄付を行った財産(申告が必要)
本資料は平成27年4月1日現在の税制に基づいて作成しております。また内容につきましては、情報の提供を目的として一般的な法律・税務上の取り扱いを記載しております。このため、諸条件により本資料の内容とは異なる取り扱いがなさ
れる場合がありますのでご留意ください。対策の立案・実行は税理士・弁護士の方々と十分ご相談の上、ご自身の責任においてご判断くださいますようお願い申し上げます。
3
Ⅰ相続税の基礎知識
2.相続税の課税対象額の求め方
相続税の課税対象額の求め方
課税遺産総額
基礎控除額
相続開始前
年内贈与財産
合計課税価格
正味課税遺産額
非課税財産・葬式費用・債務
遺産総額
3
相続税の課税対象
相続税の課税対象
相続税の基礎控除額
基礎控除
基礎控除額
控除額
=
3,000万円
,000万円+
万円+法定相続人数×
法定相続人数×600万円
00万円
※平成27
平成27年
27年1月1日以後の相続は、上記
日以後の相続は、上記基礎控除
は、上記基礎控除額に縮減
基礎控除額に縮減されました。
額に縮減されました。
本資料は平成27年4月1日現在の税制に基づいて作成しております。また内容につきましては、情報の提供を目的として一般的な法律・税務上の取り扱いを記載しております。このため、諸条件により本資料の内容とは異なる取り扱いがなさ
れる場合がありますのでご留意ください。対策の立案・実行は税理士・弁護士の方々と十分ご相談の上、ご自身の責任においてご判断くださいますようお願い申し上げます。
4
Ⅰ相続税の基礎知識
(参考)相続発生後の主な流れ
(10ヶ月以内)
香
十
典
九
法
遺産名義変更手続
不動産の相続登記や預貯金、有価証
券の名義換えをします
遺産分割協議書の作成
相続税の申告書の作成
評価の仕方がわからないときは、専門家
に相談します
相続人全員の実印と印鑑証明が必要とな
ります
納税資金の準備、延納又は物納にするか
検討します
被相続人の死亡したときの住所地の税務
署に申告、納付します
遺産の評価・鑑定
相続税のののの申告とととと納税
(3ヶ月以内)
遺言書の有無の確認
亡
届
の
家庭裁判所に申述します
被相続人と相続人の本籍地から戸籍謄本
を取り寄せます
相続の放棄をするかどうかを決めます
このころまでに納骨などが行われます
三十五日忌又は四十九日忌法要のころに
行われます
遺言書があれば、家庭裁判所で検認を受
けた後、開封します
かたみ分けなどが行われます
して市町村長に提出します
提 出 死亡届は、7日以内に死亡診断書を添付
関係者へ連絡、葬儀の準備
死
葬式費用の領収書の 整理
し
被相続人の死亡の日までの所得を税務署
に提出します
被相続人の財産を調査します
要
要
忌
返
相続人の確認
遺産や債務の調査
所得税のののの申告とととと納付
日
日
遺産や債務の概要の把握
相続放棄・・・・限定承認
法
儀
夜
七
葬
通
四
初
被相続人のののの死亡((((相続開始))))
(4ヶ月以内)
5
本資料は平成27年4月1日現在の税制に基づいて作成しております。また内容につきましては、情報の提供を目的として一般的な法律・税務上の取り扱いを記載しております。このため、諸条件により本資料の内容とは異なる取り扱いがなさ
れる場合がありますのでご留意ください。対策の立案・実行は税理士・弁護士の方々と十分ご相談の上、ご自身の責任においてご判断くださいますようお願い申し上げます。
Ⅱ.事業承継の現状
本資料は平成27年4月1日現在の税制に基づいて作成しております。また内容につきましては、情報の提供を目的として一般的な法律・税務上の取り扱いを記載しております。このため、諸条件により本資料の内容とは異なる取り扱いがなさ
れる場合がありますのでご留意ください。対策の立案・実行は税理士・弁護士の方々と十分ご相談の上、ご自身の責任においてご判断くださいますようお願い申し上げます。
6
Ⅱ事業承継の現状
1.中小企業の事業承継の現状
中小企業の事業承継の現状
事業承継とは
事業承継とは…
承継とは…
人的承継(経営ノウハウや経営理念の承継)
物的承継(自社株式の承継)
経営者の高齢化
経営者の高齢化…
の高齢化…
中小企業の経営者の平均年齢は59歳
一貫して上昇傾向をたどっている
事業承継先送りの理由
事業承継先送りの理由…
承継先送りの理由…
事業承継は経営者にとって遠い将来の話
経営者が影響力を維持したい
「死亡という不幸」を連想
後継者難や平均寿命の上昇による社長在任期間の長期化
事業承継の先送りの結果…
会社の業績悪化
争いの相続
最悪のケースでは廃業も…
経営計画を立てる場合に、事業承継対策は最も重要な経営課題の一つ
本資料は平成27年4月1日現在の税制に基づいて作成しております。また内容につきましては、情報の提供を目的として一般的な法律・税務上の取り扱いを記載しております。このため、諸条件により本資料の内容とは異なる取り扱いがなさ
れる場合がありますのでご留意ください。対策の立案・実行は税理士・弁護士の方々と十分ご相談の上、ご自身の責任においてご判断くださいますようお願い申し上げます。
7
Ⅱ事業承継の現状
2.移転方法の比較
承継方法
相続
贈与
譲渡
税目
相続税
贈与税
譲渡所得税・住民税
適用最高税率55%
所得税・住民税
20.315%
税率
適用最高税率55%
(復興特別所得税含む)
・生前に承継可能
・評価額が相続発生時まで
把握不可
・生前に承継可能
・暦年課税と相続時精算課税
との選択適用が可能
特徴・留意点
・人的承継が済んでいる場合
には、後継者が株価を引き上
げる可能性も
・他の財産次第で適用税率が
高くなる
・買い取り側に資金が必要
・贈与額を自身で決定できる
・譲渡代金が相続財産を形成
・相続発生前3年内の贈与は贈
与時の時価で相続財産に持ち
戻し
・適正な時価での譲渡が必要
本資料は平成27年4月1日現在の税制に基づいて作成しております。また内容につきましては、情報の提供を目的として一般的な法律・税務上の取り扱いを記載しております。このため、諸条件により本資料の内容とは異なる取り扱いがなさ
れる場合がありますのでご留意ください。対策の立案・実行は税理士・弁護士の方々と十分ご相談の上、ご自身の責任においてご判断くださいますようお願い申し上げます。
8
Ⅱ事業承継の現状
3.事業承継対策の4
事業承継対策の4本柱
4つの対策をバランスよく検討・実行することがポイントです。
つの対策をバランスよく検討・実行することがポイントです。
納税財源確保対策
・
相続人ごとの納税資金の確保
・
延納対策、物納対策
等
評価引下げ対策
財産移転対策
・
株価の評価引下げ対策
・
不動産の有効活用
・
暦年贈与による移転
(基礎控除▲110
(基礎控除▲110万円の活用)
110万円の活用)
・
相続時精算課税制度
等
等
遺産分割対策
・
後継者以外の相続人への財産の分配
・
遺言の活用と遺留分への配慮
等
本資料は平成27年4月1日現在の税制に基づいて作成しております。また内容につきましては、情報の提供を目的として一般的な法律・税務上の取り扱いを記載しております。このため、諸条件により本資料の内容とは異なる取り扱いがなさ
れる場合がありますのでご留意ください。対策の立案・実行は税理士・弁護士の方々と十分ご相談の上、ご自身の責任においてご判断くださいますようお願い申し上げます。
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Ⅱ事業承継の現状
5.直近の税制改正項目(相続税)
平成25
平成25年度税制改正の概要
25年度税制改正の概要
相続税の基礎控除が引き下げられました
相続税の税率構造が見直されました
未成年者控除、障害者控除が引き上げられました
内容
現行
改正後
基礎控除
5,000万円+法定相続人数×1,000万円
3,000万円
600万円
3,000万円+法定相続人数×600
万円
600万円
税率構造
10%,15%,20%,30%,40%,50%
の6段階
45%
55%
10%,15%,20%,30%,40%,45
45
%50%,55
55
%
の8
8段階
未成年者控除
6万円×20歳に達するまでの年数
10万円
10万円×20歳に達するまでの年数
万円
障害者控除
6万円(特別障害者の場合は12万円)
×85歳に達するまでの年齢
10万円
20万円
10万円(特別障害者の場合は20
万円
20万円)
万円
×85歳に達するまでの年齢
改正時期
平成27
平成27年
27年1月1日以後の相続又は遺贈より適用されます。
日以後
税制改正の影響
基礎控除の引き下げにより、相続税申告・納税が必要となる人が増加しました。(従来4%⇒6~7%)
基礎控除の引き下げ、税率構造の見直しにより、相続税の増税が見込まれるため、財産額の把握、納税財源確
保、財産移転、評価引き下げ、遺産分割などの事前準備がより重要となります。
本資料は平成27年4月1日現在の税制に基づいて作成しております。また内容につきましては、情報の提供を目的として一般的な法律・税務上の取り扱いを記載しております。このため、諸条件により本資料の内容とは異なる取り扱いがなさ
れる場合がありますのでご留意ください。対策の立案・実行は税理士・弁護士の方々と十分ご相談の上、ご自身の責任においてご判断くださいますようお願い申し上げます。
10
Ⅱ事業承継の現状
4.直近の税制改正項目(相続税)
法定相続人の数と基礎控除
法定相続人の数
1人
2人
3人
4人
5人
改正前
(H26.12.31以前)
6,000万円
7,000万円
8,000万円
9,000万円
1億円
改正後
(H27.1.1以後)
3,600万円
4,200万円
4,800万円
5,400万円
6,000万円
相続税速算表と税率構造
【改正前
改正前】
】
各法定相続人の取得金額
【改正後】
改正後】
税率
控除額
0円~1,000万円以下
10%
0万円
1,000万円超~3,000万円以下
15%
3,000万円超~5,000万円以下
各法定相続人の取得金額
税率
控除額
0円~1,000万円以下
10%
0万円
50万円
1,000万円超~3,000万円以下
15%
50万円
20%
200万円
3,000万円超~5,000万円以下
20%
200万円
5,000万円超~1億円以下
30%
700万円
5,000万円超~1億円以下
30%
700万円
1億円超~3億円以下
40%
1,700万円
1億円超~2億円以下
40%
1,700万円
3億円超~
50%
4,700万円
2億円超~3億円以下
45%
2,700万円
3億円超~6億円以下
50%
4,200万円
6億円超~
55%
7,200万円
本資料は平成27年4月1日現在の税制に基づいて作成しております。また内容につきましては、情報の提供を目的として一般的な法律・税務上の取り扱いを記載しております。このため、諸条件により本資料の内容とは異なる取り扱いがなさ
れる場合がありますのでご留意ください。対策の立案・実行は税理士・弁護士の方々と十分ご相談の上、ご自身の責任においてご判断くださいますようお願い申し上げます。
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Ⅱ事業承継の現状
5.税制改正前後の税額比較(相続税)
【相続人関係図】
【財産額及び相続税額試算】
相続発生
現在
従来
父
財産内容
従来
財産内容
現在
不動産
5,000万円
不動産
5,000万円
母
自社株式
1億円
自社株式
1億円
金融資産
1億円
金融資産
1億円
資産合計
2億5,000万円
5,000万円
資産合計
2億5,000万円
5,000万円
債務合計
0円
改正後
債務合計
子
0円
純資産価額
2億5,000万円
純資産価額
2億5,000万円
基礎控除額
8,000万円
8,000万円
基礎控除額
4,800万円
4,800万円
子
相続税課税対象額
想定相続税総額 ※
1億7,000万円
1,575万円
1,575万円
相続税課税対象額
2億200万円
想定相続税総額 ※
1,985万円
1,985万円
※各自法定相続分で取得し、配偶者の税額軽減を法定相続分適用したと仮定して計算しています。
・平成27
・平成27年
27年1月1日以後の相続では基礎控除の引き下げに伴い、課税対象額が増加し、相続税額が増加します。
本資料は平成27年4月1日現在の税制に基づいて作成しております。また内容につきましては、情報の提供を目的として一般的な法律・税務上の取り扱いを記載しております。このため、諸条件により本資料の内容とは異なる取り扱いがなさ
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Ⅱ事業承継の現状
(参考)相続税の早見表
相続税早見表(平成26
相続税早見表(平成26年
12月31日以前)
31日以前)
26年12月
一次相続
相続税早見表(平成27
相続税早見表(平成27年
27年1月1日以後)
(単位:万円)
一次相続
財産
(単位:万円)
財産
10,000 15,000 20,000 25,000 30,000 35,000 40,000
10,000 15,000 20,000 25,000 30,000 35,000 40,000
子供
子供
1人
175
600
1,250
2,000
2,900
3,900
4,900
1人
385
920
1,670
2,460
3,460
4,460
5,460
2人
100
463
950
1,575
2,300
3,175
4,050
2人
315
748
1,350
1,985
2,860
3,735
4,610
3人
50
350
812
1,375
2,000
2,750
3,525
3人
262
665
1,217
1,800
2,540
3,290
4,155
4人
0
288
675
1,238
1,800
2,500
3,250
4人
225
588
1,125
1,688
2,350
3,100
3,850
二次相続
(単位:万円)
二次相続
財産
(単位:万円)
財産
10,000 15,000 20,000 25,000 30,000 35,000 40,000
子供
10,000 15,000 20,000 25,000 30,000 35,000 40,000
子供
1人
600
2,000
3,900
5,900
7,900
9,900 12,300
1人
1,220
2,860
4,860
6,930
9,180 11,500 14,000
2人
350
1,200
2,500
4,000
5,800
7,800
9,800
2人
770
1,840
3,340
4,920
6,920
8,920 10,920
3人
200
900
1,800
3,000
4,500
6,000
7,700
3人
630
1,440
2,460
3,960
5,460
6,980
8,980
4人
100
700
1,450
2,400
3,500
5,000
6,500
4人
490
1,240
2,120
3,120
4,580
6,080
7,580
(注)上記は配偶者の税額軽減を法定相続分まで活用したものと仮定しております。
本資料は平成27年4月1日現在の税制に基づいて作成しております。また内容につきましては、情報の提供を目的として一般的な法律・税務上の取り扱いを記載しております。このため、諸条件により本資料の内容とは異なる取り扱いがなさ
れる場合がありますのでご留意ください。対策の立案・実行は税理士・弁護士の方々と十分ご相談の上、ご自身の責任においてご判断くださいますようお願い申し上げます。
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Ⅱ事業承継の現状
6.直近の税制改正項目(贈与
直近の税制改正項目(贈与税)
贈与税)
平成25
平成25年度税制改正の概要
25年度税制改正の概要
贈与税の税率構造が緩和されました
20歳以上の者が直系尊属(親や祖父母)から贈与を受ける場合には、一般贈与よりも低い税率が適用されます。
贈与税の最高税率が引き上げられました
内容
改正前
改正後
税率
10%,15%,20%,30%,40%,50%
の6段階
10%,15%,20%,30%,40%,45%,50%,55%
の8段階
直系尊属からの贈与
直系尊属以外からの贈与と同様
税率構造の緩和
(20歳以上の者への直系尊属からの贈与に限る)
改正時期
平成27
平成27年
27年1月1日以後の贈与について適用されます。
日以後
税制改正の影響
贈与に対する贈与税の負担が一般的には少なくなりました
特に祖父母や親からの贈与について税負担が減少するので、資産移転が行いやすくなりました
ただし、贈与金額が多額の場合(最高税率が適用される場合)には、税負担が増加するため注意が必要となり
ます。
本資料は平成27年4月1日現在の税制に基づいて作成しております。また内容につきましては、情報の提供を目的として一般的な法律・税務上の取り扱いを記載しております。このため、諸条件により本資料の内容とは異なる取り扱いがなさ
れる場合がありますのでご留意ください。対策の立案・実行は税理士・弁護士の方々と十分ご相談の上、ご自身の責任においてご判断くださいますようお願い申し上げます。
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Ⅱ事業承継の現状
6.直近の税制改正項目(贈与
直近の税制改正項目(贈与税)
贈与税)
贈与税速算表と税率構造
贈与税速算表と税率構造
【改正前】
改正前】(平成26
(平成26年
26年12月
12月31日までの贈与)
31日までの贈与)
【改正後】
改正後】(平成27
(平成27年
27年1月1日以後の贈与)
特例贈与…20歳以上の者が直系尊属から受ける贈与
一般贈与…特例贈与以外の贈与
贈与税の課税価格 ※
税率
控除額
特例贈与
一般贈与
贈与税の課税価格 ※
0円~200万円以下
10%
0万円
200万円超~300万円以下
15%
10万円
0円~200万円以下
300万円超~400万円以下
20%
25万円
200万円超~300万円以下
税率
控除額
税率
控除額
10%
0万円
10%
0万円
15%
10万円
20%
25万円
15%
10万円
400万円超~600万円以下
30%
65万円
300万円超~400万円以下
600万円超~1,000万円以下
40%
125万円
400万円超~600万円以下
20%
30万円
30%
65万円
1,000万円超~
50%
225万円
600万円超~1,000万円以下
30%
90万円
40%
125万円
1,000万円超~1,500万円以下
40%
190万円
45%
175万円
1,500万円超~3,000万円以下
45%
265万円
50%
250万円
3,000万円超~4,500万円以下
50%
415万円
55%
400万円
4,500万円超~
55%
640万円
※基礎控除(110万円)控除後
本資料は平成27年4月1日現在の税制に基づいて作成しております。また内容につきましては、情報の提供を目的として一般的な法律・税務上の取り扱いを記載しております。このため、諸条件により本資料の内容とは異なる取り扱いがなさ
れる場合がありますのでご留意ください。対策の立案・実行は税理士・弁護士の方々と十分ご相談の上、ご自身の責任においてご判断くださいますようお願い申し上げます。
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Ⅱ事業承継の現状
(参考)贈与税の早見表
贈与税早見表(平成
贈与税早見表(平成26
12月31日以前)
31日以前)
税早見表(平成26年
26年12月
贈与税
贈与税早見表(平成27
早見表(平成27年
27年1月1日以後)
(単位:万円)
贈与額
贈与税額
実効税率
(単位:万円)
贈与額
贈与税額
実効税率
100
0
0.00%
100
0
0.00%
200
9
4.50%
200
9
4.50%
300
19
6.30%
300
19
6.30%
500
53
10.60%
500
48.5
9.70%
700
112
16.00%
700
88.0
12.60%
1,000
231
23.10%
1,000
177.0
17.70%
1,500
470
31.30%
1,500
366.0
24.40%
2,000
720
36.00%
2,000
585.5
29.30%
(注)平成27年1月1日以後については、特例贈与(20歳以上の者が直系尊属から受ける贈与)の場合の金額を記載しています。
本資料は平成27年4月1日現在の税制に基づいて作成しております。また内容につきましては、情報の提供を目的として一般的な法律・税務上の取り扱いを記載しております。このため、諸条件により本資料の内容とは異なる取り扱いがなさ
れる場合がありますのでご留意ください。対策の立案・実行は税理士・弁護士の方々と十分ご相談の上、ご自身の責任においてご判断くださいますようお願い申し上げます。
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Ⅱ事業承継の現状
6.直近の税制改正項目(贈与税)
~教育資金贈与の非課税制度の拡大・延長~
平成27
平成27年度税制改正大綱の概要
27年度税制改正大綱の概要
直系(親,祖父母等)から30歳未満の子や孫へ教育費を贈与した場合、受贈者1人につき、1,500万円(学校等
以外は尊属500万円)までの金額について贈与税が課されない特例の期限が3年3か月延長されます
教育費の範囲に通学定期券代、留学渡航費等が追加されます
※教育費…文部科学大臣が定める以下のものをいいます
学校等(大学・高校等)に支払われる入学金その他の金銭
学校等以外(塾,予備校,習い事等)の者に支払われる金銭のうち一定のもの
30歳時点
30歳時点
適用例
祖父母
贈与契約
孫等
孫等
等
中学入学
高校入学
大学入学
一括贈与
納税
払
管理
300万
400万
500万
(19万円
19万円)
万円)
出
契約
残額に贈与税課税
1,500万
1,200万
800万
拠出時
300万
300万
銀行等
適用時期
適用時期
平成25
平成25年
25年4月1日から平成3
日から平成31年3月31日まで
31日までに拠出された教育資金につき適用されます
日まで
本資料は平成27年4月1日現在の税制に基づいて作成しております。また内容につきましては、情報の提供を目的として一般的な法律・税務上の取り扱いを記載しております。このため、諸条件により本資料の内容とは異なる取り扱いがなさ
れる場合がありますのでご留意ください。対策の立案・実行は税理士・弁護士の方々と十分ご相談の上、ご自身の責任においてご判断くださいますようお願い申し上げます。
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Ⅱ事業承継の現状
6.直近の税制改正項目(贈与税)
~結婚・子育て資金の贈与税非課税制度の創設~
平成27
平成27年度税制改正大綱の概要
27年度税制改正大綱の概要
親、祖父母から子どもや孫(20歳以上50歳未満)に対して結婚・子育て資金を贈与した場合に
1,000万円(うち結婚資金は300万円)まで非課税となる制度が創設されます
20歳以上
20歳以上
50歳時点
50歳時点
適用イメージ
祖父母
贈与契約
孫等
孫等
等
結婚・
結婚・
結婚・
子育て資金
子育て資金
子育て資金
一括贈与
納税
払
管理
200万
200万
300万
(19万円
19万円)
万円)
出
契約
残額に贈与税課税
1,000万
800万
600万
拠出時
300万
300万
銀行等
改正時期
※結婚関係は300万円まで
平成27
平成27年
27年4月1日から平成31
日から平成31年
31年3月31日
31日までの間に拠出されるものについて適用されます
税制改正の影響
教育資金贈与の非課税制度の延長(次頁参照)と併せて、親・祖父母世代からの更なる財産移転が見込まれます
結婚・子育て資金等にどのようなものが含まれるのか今後の動向に注意する必要があります
本資料は平成27年4月1日現在の税制に基づいて作成しております。また内容につきましては、情報の提供を目的として一般的な法律・税務上の取り扱いを記載しております。このため、諸条件により本資料の内容とは異なる取り扱いがなさ
れる場合がありますのでご留意ください。対策の立案・実行は税理士・弁護士の方々と十分ご相談の上、ご自身の責任においてご判断くださいますようお願い申し上げます。
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Ⅱ事業承継の現状
(参考)株式の評価方法
~評価方法の判定~
同族株主等※1
同族株主等以外
原則的評価方式
特例的評価方式
Step1
Step1 株主の判定
(支配株主か否か)
①大会社
②中会社の大
③中会社の中
④中会社の小
⑤小会社
Step2
Step2 会社規模の判定
特定会社等
特定会社等
に該当しない
に該当する※2
類似業種比準価額方式
純資産価額方式
上記2つの折衷方式
純資産価額方式
Step3
Step3 評価方式の
評価方式の判定
配当還元方式
※1
同族株主等であっても、一定の要件を満たす少数株主に該当する場合には、配当還元方式により評価します。
※2
2期連続2要素(配当、利益、簿価純資産のうちいずれか2つ)ゼロの会社(比準要素数1)は類似業種比準価額25%と純資産価額の75%の折衷方式が使えます。
本資料は平成27年4月1日現在の税制に基づいて作成しております。また内容につきましては、情報の提供を目的として一般的な法律・税務上の取り扱いを記載しております。このため、諸条件により本資料の内容とは異なる取り扱いがなさ
れる場合がありますのでご留意ください。対策の立案・実行は税理士・弁護士の方々と十分ご相談の上、ご自身の責任においてご判断くださいますようお願い申し上げます。
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Ⅱ事業承継の現状
(参考)株式の評価方法
~株主の判定~
【評価方式の
評価方式の判定
方式の判定】
判定】
株主の態様による区分
評価方式
会社区分
株主区分
取得後の議決権割合5%以上
「中心的な同族株主」(25%以上)がいない
同族株主の
いる会社
同族株主
(議決権割合の合計が30%
以上または50%超の株主グ
ル—プ)
に属する株主
原則的評価方式
中心的な同族株主に属する株主
取得後の議決権割合
5%未満
「中心的な同族株主」
(25%以上)がいる
役員である株主又は役員となる株主(平取
締役除く)
その他の株主
特例的評価方式
同族株主以外
取得後の議決権割合5%以上
「中心的な株主」(10%以上)がいない
同族株主の
いない会社
議決権割合の合計が15%以
上の株主グループに属する
株主
原則的評価方式
取得後の議決権割合
5%未満
「中心的な株主」(10%
以上)がいる
役員である株主又は役員となる株主(平取
締役除く)
その他の株主
特例的評価方式
議決権割合の合計が15%未満のグループに属する株主
【留意点】
株主グループ…「配偶者、六親等内血族、三親等内姻族、事実婚・使用人等、これらの者が議決権50%超を有している会社(子会社、孫会社)」
中心的な同族株主…「配偶者、直系血族、兄弟姉妹、一親等内姻族、 これらの者が議決権25%超を有している会社」により25%以上保有
一般的な同族会社のオーナー株主
はこの評価方式に該当
中心的な株主…「単独」で議決権10%以上保有
20%評価減…所属する株主グループが50%以下の場合に純資産価額に対して適用できる(ただし、大会社・開業前・休業中等は利用できない)
本資料は平成27年4月1日現在の税制に基づいて作成しております。また内容につきましては、情報の提供を目的として一般的な法律・税務上の取り扱いを記載しております。このため、諸条件により本資料の内容とは異なる取り扱いがなさ
れる場合がありますのでご留意ください。対策の立案・実行は税理士・弁護士の方々と十分ご相談の上、ご自身の責任においてご判断くださいますようお願い申し上げます。
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Ⅱ事業承継の現状
(参考)株式の評価方法
~会社規模の判定~
下記の表の①または②のいずれか「大きい方」により会社規模を判定
① 取引高基準
【計算例】
取引金額
業種:卸売業
会社区分
卸売業
小売・サービス業
左記以外
80億円以上
20億円以上
20億円以上
大会社
80億円未満
~50臆円以上
20億円未満
~12億円以上
20億円未満
~14億円以上
中会社の大
50億円未満
~25億円以上
12億円未満
~6億円以上
14億円未満
~7億円以上
中会社の中
25億円未満
~2億円以上
6億円未満
~6,000万円以上
7億円未満
~8,000万円以上
中会社の小
2億円未満
6,000万円未満
8,000万円未満
小会社
売上高:15億円
総資産:10億円
従業員数:40人
【評価方法】
② 従業員数・総資産基準
総資産価額
従業員数
100人
以上
卸売業
20億円以上
小売・サービス業
10億円以上
左記以外
10億円以上
99人
以下
50人
超
50人
以下
30人
超
30人
以下
5人超
①の基準:中会社の小
5人以下
②の基準:中会社の中
大会社
①と②のいずれか大
20億円未満
~14億円以上
10億円未満
~7億円以上
10億円未満
~7億円以上
14億円未満
~7億円以上
7億円未満
~4億円以上
7億円未満
~4億円以上
7億円未満
~7,000万円以上
4億円未満
~4,000万円以上
4億円未満
~5,000万円以上
7,000万円未満
4,000万円未満
5000万円未満
中会社
の大
⇒ 中会社の中
中会
社の
中
大会社
該当
中会社
の小
小会社
本資料は平成27年4月1日現在の税制に基づいて作成しております。また内容につきましては、情報の提供を目的として一般的な法律・税務上の取り扱いを記載しております。このため、諸条件により本資料の内容とは異なる取り扱いがなさ
れる場合がありますのでご留意ください。対策の立案・実行は税理士・弁護士の方々と十分ご相談の上、ご自身の責任においてご判断くださいますようお願い申し上げます。
21
Ⅱ事業承継の現状
(参考)株式の評価方法
~評価方法の判定~
評価方法
類似業種比準価額(A)
類似した上場会社の株価に比準させる評価方法
単独法又は折衷法
(単独法又は折衷法の選択は納税者有利)
評価会社 評価会社
評価会社の
斟酌率
の配当 + の利益 ×3+ 簿価純資産
類似会社 類似会社
類似会社の
0.7
類似会社× の配当 の利益
簿価純資産
× 0.6
株価
5
0.5
・大会社
B
又は
A
2つの方式のブレンド
・中会社の大
B
又は
A
斟酌率…大会社:0.7、中会社:0.6、小会社:0.5
× 0.9 +
B
×0.1
2つの方式のブレンド
・中会社の中
B
又は
A
× 0.75 +
B
×0.25
純資産価額(B)
会社の資産価値に着目した評価方法
2つの方式のブレンド
・中会社の小
B
又は
A
× 0.6 +
B
×0.4
負債
「含み益×
「含み益×38%」を控除
2つの方式のブレンド
資産の相続税評価額
純資産価額
・小会社
B
又は
A
× 0.5 +
B
本資料は平成27年4月1日現在の税制に基づいて作成しております。また内容につきましては、情報の提供を目的として一般的な法律・税務上の取り扱いを記載しております。このため、諸条件により本資料の内容とは異なる取り扱いがなさ
れる場合がありますのでご留意ください。対策の立案・実行は税理士・弁護士の方々と十分ご相談の上、ご自身の責任においてご判断くださいますようお願い申し上げます。
×0.5
22
Ⅱ事業承継の現状
(参考)株式の評価方法
~日経平均株価の推移~
類似業種比準価額の計算では類似した上場会社の株価に比準させるため、上場会社の株価が上がれば、
自社株式の評価額も高くなる傾向にあります。
本資料は平成27年4月1日現在の税制に基づいて作成しております。また内容につきましては、情報の提供を目的として一般的な法律・税務上の取り扱いを記載しております。このため、諸条件により本資料の内容とは異なる取り扱いがなさ
れる場合がありますのでご留意ください。対策の立案・実行は税理士・弁護士の方々と十分ご相談の上、ご自身の責任においてご判断くださいますようお願い申し上げます。
23
Ⅲ.事業承継の失敗事例
本資料は平成27年4月1日現在の税制に基づいて作成しております。また内容につきましては、情報の提供を目的として一般的な法律・税務上の取り扱いを記載しております。このため、諸条件により本資料の内容とは異なる取り扱いがなさ
れる場合がありますのでご留意ください。対策の立案・実行は税理士・弁護士の方々と十分ご相談の上、ご自身の責任においてご判断くださいますようお願い申し上げます。
24
Ⅲ事業承継
事業承継の失敗事例
承継の失敗事例
1.利益好調・純資産も多額となっているケース
前提:業績好調なA社。純資産
前提:業績好調なA社。純資産は
:業績好調なA社。純資産は現状3
現状3億円、利益は毎年2
億円、利益は毎年2,000万円と好調なまま推移していました。
,000万円と好調なまま推移していました。
後継者への株式の移転は進めていませんでした。 そんな中相続が発生し…
そんな中相続が発生し…
【現状】
【10年後】
現状:200百万円
社長
10年後:
10年後:30
年後:300
300百万円
後継者
前社長
新社長
相続
10年後
A社
(小会社)
類似:100百万円
純資:300百万円
A社
(小会社)
類似:200百万円
純資:400百万円
・10年後の株価は現状の約
10年後の株価は現状の約1.
年後の株価は現状の約1.5
1.5倍まで上昇しました!(現状:2
倍まで上昇しました!(現状:2億円⇒
億円⇒10年後:
10年後:3
年後:3億円)
・相続により株式の承継を受けた後継者は相続税の支払いが気がかりで事業に集中できません。
・相続により株式の承継を受けた後継者は相続税の支払いが気がかりで事業に集中できません。その結果業績が悪化することに…
その結果業績が悪化することに…
こんな対策を…
こんな対策を…
・利益が好調でも株式評価額に影響しにくい資本関係を構築することが必要です(例:再編の活用等)。
・事前に生前贈与等を行い、相続税の課税対象となる自社株式を減らすことで相続発生時の相続税を減少させることができます。
本資料は平成27年4月1日現在の税制に基づいて作成しております。また内容につきましては、情報の提供を目的として一般的な法律・税務上の取り扱いを記載しております。このため、諸条件により本資料の内容とは異なる取り扱いがなさ
れる場合がありますのでご留意ください。対策の立案・実行は税理士・弁護士の方々と十分ご相談の上、ご自身の責任においてご判断くださいますようお願い申し上げます。
25
Ⅲ事業承継
事業承継の失敗事例
承継の失敗事例
2.納税資金を確保していなかったケース
前提:堅実なA社社長。会社の内部留保拡充のため、役員報酬は必要最低限しか支給しておら
前提:堅実なA社社長。会社の内部留保拡充のため、役員報酬は必要最低限しか支給しておらず
:堅実なA社社長。会社の内部留保拡充のため、役員報酬は必要最低限しか支給しておらず、手持ちの現金は多くありませんでした。
相続税の試算を行っておらず、相続発生時にどのくらいの税金がかかるか分かっていませんでした。 そんな中相続が発生し…
そんな中相続が発生し…
【相続発生時】
【社長財産の内訳及び相続税額】
現状:100百万円(仮)
社長
財産内容
金額
不動産
5,000万円
金融資産
1,000万円
A社株式
1億円
資産合計
1億6,000万円
6,000万円
債務合計
1,000万円
1,000万円
後継者
相続
社長の
財産内容
A社
(小会社)
不足
純資産価額
基礎控除額
1億5,000万円
※
相続税課税対象額
想定相続税総額
3,600万円
1億1,400万円
2,860万円
2,860万円
※法定相続人1人で計算しています。
・相続税2,860
・相続税2,860万円に対し金融資産
2,860万円に対し金融資産1,000
万円に対し金融資産1,000万円のため、納税資金が
1,000万円のため、納税資金が1,000
万円のため、納税資金が1,000万
1,000万円不足しています!
・不動産の売却や借り入れにより納税資金を調達することになりました。
こんな対策を…
こんな対策を…
・生前に相続の試算を行い、相続税額・納税資金を把握します。
・納税資金が不足
・納税資金が不足する
不足する場合
する場合には、生命保険や退職金の活用により、相続税納税資金を確保する対策が必要です。
場合には、生命保険や退職金の活用により、相続税納税資金を確保する対策が必要です。
本資料は平成27年4月1日現在の税制に基づいて作成しております。また内容につきましては、情報の提供を目的として一般的な法律・税務上の取り扱いを記載しております。このため、諸条件により本資料の内容とは異なる取り扱いがなさ
れる場合がありますのでご留意ください。対策の立案・実行は税理士・弁護士の方々と十分ご相談の上、ご自身の責任においてご判断くださいますようお願い申し上げます。
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Ⅲ事業承継
事業承継の失敗事例
承継の失敗事例
3.遺留分を考慮していなかったケース
前提:A社社長。自宅と自社株式及び納税資金は長男に、残りの金融資産を長女に遺したいという考えでした。
前提:A社社長。自宅と自社株式及び納税資金は長男に、残りの金融資産を長女に遺したいという考えでした。
長男長女の不仲が心配のため、社長は上記の内容を記載した遺言を作成していました。 そんな中相続が発生し…
そんな中相続が発生し…
【遺言内訳及び相続税額】
【遺言作成時】
親族関係図
財産内容
合計
長男
長女
自宅
3,000万円
3,000万円
A社株式
5,000万円
5,000万円
金融資産
2,000万円
1,000万円
1,000万円
資産合計
1億円
9,000万円
9,000万円
1,000万円
1,000万円
債務合計
0円
0円
0円
1億円
9,000万円
1,000万円
693万円
693万円
77万円
77万円
社長
遺言書
相続発生時
純資産価額
後継者
長男
非後継者
対立
長女
基礎控除額 ※
4,200万円
相続税課税対象額
5,800万円
想定相続税総額
770万円
770万円
※法定相続人2人で計算しています。
・長女が取得した分が1,000
・長女が取得した分が1,000万円となっており、遺留分
1,000万円となっており、遺留分2,500
万円となっており、遺留分2,500万円
2,500万円(
万円(1億円×
億円×1/2×
1/2×1/2)を満たしておりません。
1/2)を満たしておりません。
・長男は長女から遺留分相当1,500
・長男は長女から遺留分相当1,500万円(
1,500万円(2,500
万円(2,500万円
2,500万円万円-1,000万円)を請求され、遺留分支払いのため、自宅や自社株式を売却することに
1,000万円)を請求され、遺留分支払いのため、自宅や自社株式を売却することに..
万円)を請求され、遺留分支払いのため、自宅や自社株式を売却することに..
こんな対策を…
こんな対策を…
・遺言書を作成する際には、遺留分に注意する必要があります。
・過去に遺言を作成している場合には、自社株式評価額の上昇により遺留分を侵害していないかのチェックも重要です。
本資料は平成27年4月1日現在の税制に基づいて作成しております。また内容につきましては、情報の提供を目的として一般的な法律・税務上の取り扱いを記載しております。このため、諸条件により本資料の内容とは異なる取り扱いがなさ
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Ⅲ事業承継
事業承継の失敗事例
承継の失敗事例
4.特定評価会社に該当するケース
前提:節税が大好きなA社社長。法人税対策を
前提:節税が大好きなA社社長。法人税対策を行い、長期にわたり課税
:節税が大好きなA社社長。法人税対策を行い、長期にわたり課税所得
行い、長期にわたり課税所得0
所得0、法人税0
法人税0、という状態が続いていました。
また、配当も行っていませんでした。 そんな中、相続が発生し…
そんな中、相続が発生し…
【相続発生時】
【株価の計算内容】
株価:387百万円
三期間連続利益0…
三期間連続配当0…
比準要素数1
比準要素数1の会社に該当
社長
①純資産価額
500百万円
A社
(大会社)
②折衷価額
50百万円×0.25+500百万円×0.75=387百万円
③ ①>②
∴
387百万円
387百万円
類似:50百万円
純資:500百万円
・A社は課税所得0
・A社は課税所得0、配当0
配当0が3期継続していたため『
期継続していたため『比準要素数1
比準要素数1の会社』
の会社』という株式評価上不利な計算方法により計算することとなって
しまい、高額な自社株式評価額となってしまいました。
こんな対策を…
こんな対策を…
・法人税対策=自社株式評価引き下げ対策とならないこともあります。
・仮に配当などを行うことで、通常の評価方式により計算できれば、A社株式の評価額は50
・仮に配当などを行うことで、通常の評価方式により計算できれば、A社株式の評価額は50百万円まで引き下がります。
50百万円まで引き下がります。
本資料は平成27年4月1日現在の税制に基づいて作成しております。また内容につきましては、情報の提供を目的として一般的な法律・税務上の取り扱いを記載しております。このため、諸条件により本資料の内容とは異なる取り扱いがなさ
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Ⅲ事業承継
事業承継の失敗事例
承継の失敗事例
5.兄弟間が対立しているケース
前提:A社社長には
前提:A社社長には2
:A社社長には2人の息子がおり、どちらを後継者にするか決めかねていました。
当然遺言を作ることもなく、株式の承継も進めていませんでした。 そんな中、相続が発生し…
そんな中、相続が発生し…
【相続発生後】
【親族関係図】
親族関係図
親族関係図
社長
社長
株式
相続発生後
株式
長男
次男
株式
長男
次男
対立
50%
50%
・遺産分割方針がまとまらず、とりあえず長男次男で50
・遺産分割方針がまとまらず、とりあえず長男次男で50%ずつ株式を保有することに
50%ずつ株式を保有することに…
%ずつ株式を保有することに…
・経営上の方針を巡って長男次男が対立、ともに50
・経営上の方針を巡って長男次男が対立、ともに50%ずつの保有割合のため、経営方針が決定できず経営が不安定に
50%ずつの保有割合のため、経営方針が決定できず経営が不安定に…
%ずつの保有割合のため、経営方針が決定できず経営が不安定に…
こんな対策を…
こんな対策を…
・生前に承継計画を検討し、『
・生前に承継計画を検討し、『いつ、誰に、どのような方法法で』
いつ、誰に、どのような方法法で』承継していくかを決定します。
・複数の部門を有する場合には、会社分割の実施などの対策
・複数の部門を有する場合には、会社分割の実施などの対策を講じることで、別々の会社を引き継がせるような手法も検討します。
は、会社分割の実施などの対策を講じることで、別々の会社を引き継がせるような手法も検討します。
本資料は平成27年4月1日現在の税制に基づいて作成しております。また内容につきましては、情報の提供を目的として一般的な法律・税務上の取り扱いを記載しております。このため、諸条件により本資料の内容とは異なる取り扱いがなさ
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Ⅲ事業承継
事業承継の失敗事例
承継の失敗事例
6.株式が分散してしまったケース(経営権が確保できていないケース)
前提:
前提:3代目であるA社長。先代の時代からの相続や贈与
代目であるA社長。先代の時代からの相続や贈与により、株式が分散していました。
贈与により、株式が分散していました。 何も対策をしないでいると…
何も対策をしないでいると…
【現状の株主名簿】
株主名
【20年後の株主名簿】
所有割合
Aとの関係
株主名
所有割合
Aとの関係
A
30%
本人
A
20%
本人
B
20%
妻
B
10%
妻
C
10%
長男
C
30%
長男
D
10%
兄
D⇒I
10%
おい
E
10%
おじ
E⇒J
10%
おじの妻
F
10%
おば
F⇒K
10%
いとこ
G
5%
いとこ
G⇒L
2.5%
いとこの妻
H
5%
いとこ
G⇒M
2.5%
いとこの子
H⇒N
2.5%
いとこの夫
H⇒O
2.5%
いとこの子
想定相続税総額
100%
20年後
想定相続税総額
100%
・相続や贈与により、さらに株式が分散することになり、経営方針の決定が滞るようになってしまいました。
・敵対的な株主に株式がわたり、高額での買戻し請求をかけられ、買取り金額を巡って裁判沙汰に…
・敵対的な株主に株式がわたり、高額での買戻し請求をかけられ、買取り金額を巡って裁判沙汰に…
こんな対策を…
こんな対策を…
・現経営者の影響力のあるうちに株式集約を行うことで、後継者は経営権を確保でき、安定的な経営を行うことが出来ます。
・税務上適正な金額で買い取りを行わないと課税上問題が生じる可能性があります。
本資料は平成27年4月1日現在の税制に基づいて作成しております。また内容につきましては、情報の提供を目的として一般的な法律・税務上の取り扱いを記載しております。このため、諸条件により本資料の内容とは異なる取り扱いがなさ
れる場合がありますのでご留意ください。対策の立案・実行は税理士・弁護士の方々と十分ご相談の上、ご自身の責任においてご判断くださいますようお願い申し上げます。
30
(参考)議決権割合に応じた主な株主の権利
保有株式数(持株割合)
主な権利の内容
1株以上
• 各種書類の閲覧謄写請求権
(定款、株式取扱規則、株主総会議事録、取締役会議事録、株主名簿、決算書類、
附属明細書、監査報告書等)
議決権の1%以上
• 株主提案権
議決権の3%以上
• 会計帳簿の閲覧謄写請求権
• 株主総会招集請求権
• 取締役・監査役の解任請求権
議決権の10%以上
• 解散請求権
議決権の1/3超
• 株主総会における特別決議の阻止
議決権の1/2超
(株主総会における普通決議)
• 取締役・監査役の株主総会での選任決議
• 取締役・監査役の報酬額の株主総会決議
• 計算書類の株主総会承認
議決権の2/3以上
(株主総会における特別決議)
• 取締役・監査役の解任権
• 新株・転換社債等の有利発行
• 会社の内容を変化させる事項(減資、合併、定款変更、営業譲渡、解散等)
議決権の3/4以上
(株主総会における特殊決議)
• 配当や残余財産を受ける権利等について、株主ごとに異なる取扱いについての定款の
定めの変更
安定的な経営を行う上で最低限確保しておきたい議決権割合
本資料は平成27年4月1日現在の税制に基づいて作成しております。また内容につきましては、情報の提供を目的として一般的な法律・税務上の取り扱いを記載しております。このため、諸条件により本資料の内容とは異なる取り扱いがなさ
れる場合がありますのでご留意ください。対策の立案・実行は税理士・弁護士の方々と十分ご相談の上、ご自身の責任においてご判断くださいますようお願い申し上げます。
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Ⅲ事業承継
事業承継の失敗事例
承継の失敗事例
7.会社への貸付金が多額にあるケース
前提:過去に業績が大きく落ち込んだA社。社長は多くの資金を会社に貸付け、会社の資金繰りを助けてきました。
前提:過去に業績が大きく落ち込んだA社。社長は多くの資金を会社に貸付け、会社の資金繰りを助けてきました。
社長は回収については特に考えておらず、『
社長は回収については特に考えておらず、『いずれ清算すれば大丈夫だろう』
いずれ清算すれば大丈夫だろう』と思っていました。 そんな中相続が発生し…
そんな中相続が発生し…
【現状】
【相続発生後】
1億円
A社
A社
社長
社長
貸付債権
相続発生後
相続
後継者
後継者
1億円
・会社への貸付債権1
・会社への貸付債権1億円が相続財産に!後継者は1
億円が相続財産に!後継者は1億円の貸付債権に対して相続税を支払う必要が生じました。
・相続税支払いが困難で、A社からの貸付債権の回収も難しい、と判断した後継者は相続放棄を行い、社長所有財産はすべて国のものに…
・相続税支払いが困難で、A社からの貸付債権の回収も難しい、と判断した後継者は相続放棄を行い、社長所有財産はすべて国のものに…
こんな対策を…
こんな対策を…
・貸付金の回収計画を検討する必要があります。役員報酬を減額し、一部を貸付金の清算に充てる等の対策をして貸付金残高を減少します。
・回収が困難な場合には、債権を株式に振り替える手続き(DES)を行うことで評価額が引き下がる可能性があります。
本資料は平成27年4月1日現在の税制に基づいて作成しております。また内容につきましては、情報の提供を目的として一般的な法律・税務上の取り扱いを記載しております。このため、諸条件により本資料の内容とは異なる取り扱いがなさ
れる場合がありますのでご留意ください。対策の立案・実行は税理士・弁護士の方々と十分ご相談の上、ご自身の責任においてご判断くださいますようお願い申し上げます。
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Ⅳ.事業承継の成功事例
本資料は平成27年4月1日現在の税制に基づいて作成しております。また内容につきましては、情報の提供を目的として一般的な法律・税務上の取り扱いを記載しております。このため、諸条件により本資料の内容とは異なる取り扱いがなさ
れる場合がありますのでご留意ください。対策の立案・実行は税理士・弁護士の方々と十分ご相談の上、ご自身の責任においてご判断くださいますようお願い申し上げます。
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Ⅳ事業承継
事業承継の
承継の成功事例
成功事例
1.承継スケジュールを事前に検討していたケース
前提:業績好調なA社。将来株価が高くなることを見越したA社社長は、暦年贈与でこつこつと後継者へ自社株式の贈与を行っていました。
前提:業績好調なA社。将来株価が高くなることを見越したA社社長は、暦年贈与でこつこつと後継者へ自社株式の贈与を行っていました。
10年後に退職することを決めていた社長は
10年後に退職することを決めていた社長は10
年後に退職することを決めていた社長は10年後の退職金支給時に大きく株を移動させようと考えていました。
10年後の退職金支給時に大きく株を移動させようと考えていました。
【現状】
【10年後】
株式
株式
生前贈与
社長
株式
株式
生前贈与
後継者
会長
新社長
10年後
退職金
支給
A社
(大会社)
A社
(大会社)
株価
DOWN
ここがポイント…
ここがポイント…
・A社社長は承継スケジュールを事前に検討し、どのタイミングで株式を後継者へ移転するかを考えていました。
・大会社は株価計算上、利益の減少により大きく株価が下がるため、退職金支給時に株式を移転させれば、比較的少ない税コストで後継者
へ株式を移転することができます。
本資料は平成27年4月1日現在の税制に基づいて作成しております。また内容につきましては、情報の提供を目的として一般的な法律・税務上の取り扱いを記載しております。このため、諸条件により本資料の内容とは異なる取り扱いがなさ
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Ⅳ事業承継の成功事例
2.自社株式を後継者出資の会社に譲渡し、納税資金を確保したケース
前提:相続財産のほとんどが自社株式のA社社長。このままでは相続税の納税資金が不足すると考え、自社株式を一部譲渡することを決意
前提:相続財産のほとんどが自社株式のA社社長。このままでは相続税の納税資金が不足すると考え、自社株式を一部譲渡することを決意
後継者出資の会社に譲渡することとしました。
【現状】
【譲渡時】
後継者
社長
後継者
株式
出資
譲渡
社長
銀行
NEW
返済
譲渡時
現金
融資
A社
A社
配当
ここがポイント…
ここがポイント…
・後継者出資会社は銀行より買取資金を調達し、社長より株式を取得します。
・新設会社はA社からの配当により買取資金を返済します。
・自社株式の譲渡により、納税資金の確保が可能になりました。
・他の相続人がいる場合には、自社株式⇒
他の相続人がいる場合には、自社株式⇒現金となるため、遺留分対策としての活用も可能です。
本資料は平成27年4月1日現在の税制に基づいて作成しております。また内容につきましては、情報の提供を目的として一般的な法律・税務上の取り扱いを記載しております。このため、諸条件により本資料の内容とは異なる取り扱いがなさ
れる場合がありますのでご留意ください。対策の立案・実行は税理士・弁護士の方々と十分ご相談の上、ご自身の責任においてご判断くださいますようお願い申し上げます。
35
Ⅳ事業承継の成功事例
3.会社分割を活用し、兄弟に別々に承継させたケース
前提:A社社長には、現在
前提:A社社長には、現在a
は、現在a部門b
部門b部門それぞれの部門長を務める2
部門それぞれの部門長を務める2人の息子がいます。
人の息子がいます。
2人とも対抗意識が強く、どちらが社長になっても対立
人とも対抗意識が強く、どちらが社長になっても対立することは目に見えてました。
対立することは目に見えてました。
【現状】
【会社分割後】
社長
a部門長
b部門長
長男
次男
a部門長
b部門長
長男
次男
社長
対立
将来はA社承継
会社分割活用
NEW
B社
A社
A社
将来はB社承継
a部門
b部門
a部門
b部門
ここがポイント…
ここがポイント…
・会社分割活用により、部門ごとにA社B社に分割しました。
・将来的にはA社は長男、B社は次男に承継させることとしました。
・一定の要件を満たす会社分割に該当する場合には、会社分割を税負担なく行うことが可能となります。
本資料は平成27年4月1日現在の税制に基づいて作成しております。また内容につきましては、情報の提供を目的として一般的な法律・税務上の取り扱いを記載しております。このため、諸条件により本資料の内容とは異なる取り扱いがなさ
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Ⅳ事業承継の成功事例
4.兄弟会社を親子会社にするケース
前提:A社B社の
前提:A社B社の2
A社B社の2社を所有する社長。
社を所有する社長。B社はまだ
B社はまだ規模は小さいですが、高い収益力を持っており、将来の株価が高くなりそうです。
【兄弟会社】
【親子会社】
現在:350百万円
N年後:600百万円
社長
現在:270百万円
社長
N年後:370百万円
社長
N年後
社長
N年後
A社
(大会社)
A社
(大会社)
B社
(小会社)
A社
(大会社)
B社
(小会社)
類似:270百万円
純資:500百万円
B社
類似:250百万円
純資:400百万円
類似:100百万円
純資:100百万円
類似:350百万円
純資:700百万円
A社
(大会社)
類似:200百万円 (小会社)
純資:300百万円
類似:100百万円
純資:100百万円
類似:370百万円
純資:950百万円
B社
(小会社)
類似:200百万円
純資:300百万円
N年度の利益・純資産の増加は兄弟会社方式・親子会社方式ともに同一と仮定しております。
ここがポイント…
ここがポイント…
・グループ企業の価値を変えることなく、自社株評価の上昇を抑制することが可能となります。
グループ企業の価値を変えることなく、自社株評価の上昇を抑制することが可能となります。
・大会社であるA社を完全親会社とすることで、高収益会社であるB社
大会社であるA社を完全親会社とすることで、高収益会社であるB社の株価上昇抑制効果があります
、高収益会社であるB社の株価上昇抑制効果があります。
の株価上昇抑制効果があります。
・一定の要件を満たす組織再編に該当すれば、資本関係の変更に伴う税負担は生じません。
一定の要件を満たす組織再編に該当すれば、資本関係の変更に伴う税負担は生じません。
本資料は平成27年4月1日現在の税制に基づいて作成しております。また内容につきましては、情報の提供を目的として一般的な法律・税務上の取り扱いを記載しております。このため、諸条件により本資料の内容とは異なる取り扱いがなさ
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Ⅳ事業承継の成功事例
5.高収益部門を子会社化させるケース
前提:A社は高い収益力を持つ
前提:A社は高い収益力を持つb
A社は高い収益力を持つb部門を有しています。
【現状推移】
【b部門を子会社化】
現在:200百万円
N年後:230百万円
社長
社長
子会社化後:80百万円
社長
N年後:90百万円
社長
N年後
A社
(大会社)
A社
(大会社)
a部門
利益小
A社
(大会社)
A社
(大会社)
a部門
利益小
a部門
利益小
類似:80百万円
純資:250百万円
b部門
利益大
類似:200百万円
純資:250百万円
b部門
利益大
類似:230百万円
純資:450百万円
a部門
利益小
B社
(中の中会社)
類似:90百万円
純資:400百万円
B社
(中の中会社)
NEW
NEW
b部門
利益大
類似:120百万円
純資:100百万円
b部門
利益大
類似:140百万円
純資:200百万円
ここがポイント…
ここがポイント…
・高収益部門を子会社化することで、利益を引き下げることが出来れば、類似業種比準価額を引き下げることが出来ます
・高収益部門を子会社化することで、利益を引き下げることが出来れば、類似業種比準価額を引き下げることが出来ます。
部門を子会社化することで、利益を引き下げることが出来れば、類似業種比準価額を引き下げることが出来ます。
・ただし、親会社の会社規模の変更及び株式保有特定会社の該当有無に注意する必要があります。
・ただし、親会社の会社規模の変更及び株式保有特定会社の該当有無に注意する必要があります。
本資料は平成27年4月1日現在の税制に基づいて作成しております。また内容につきましては、情報の提供を目的として一般的な法律・税務上の取り扱いを記載しております。このため、諸条件により本資料の内容とは異なる取り扱いがなさ
れる場合がありますのでご留意ください。対策の立案・実行は税理士・弁護士の方々と十分ご相談の上、ご自身の責任においてご判断くださいますようお願い申し上げます。
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Ⅳ事業承継の成功事例
6.組織再編・グループ法人税制を活用
.組織再編・グループ法人税制を活用して、HD兼不動産管理会社を設立するケース
活用して、HD兼不動産管理会社を設立するケース
前提:社長は各事業会社を統括するHD会社を設立したいと思っています。
前提:社長は各事業会社を統括するHD会社を設立したいと思っています。
【現状】
【HD組成及び不動産集約後】
社長
社長
NEW
A社
B社
各社へ
賃貸
賃料の
支払い
C社
A社
B社
C社
ここがポイント…
ここがポイント…
・共同株式移転により、HD
・共同株式移転により、HD会社を新設することで、
HD会社を新設することで、HD
会社を新設することで、HD会社が各事業会社の管理・運営機能を担うことが出来ます。
HD会社が各事業会社の管理・運営機能を担うことが出来ます。
・事業会社が直接所有から間接所有に変わることにより、
・事業会社が直接所有から間接所有に変わることにより、38%控除を有効活用できるため、事業会社の株価上昇の抑制効果が見込めます。
・各事業会社の所有不動産をグループ法人税制の活用等でHD
・各事業会社の所有不動産をグループ法人税制の活用等でHD会社に集約させ、株式保有特定会社に該当させないことができれば、更なる
HD会社に集約させ、株式保有特定会社に該当させないことができれば、更なる
株価引き下げ効果が見込めます。
・HD会社の社長となることにより、オーナーは対外的な信用力・影響力を保持しつつ、次期後継者の育成に努めることができます。
HD会社の社長となることにより、オーナーは対外的な信用力・影響力を保持しつつ、次期後継者の育成に努めることができます。
本資料は平成27年4月1日現在の税制に基づいて作成しております。また内容につきましては、情報の提供を目的として一般的な法律・税務上の取り扱いを記載しております。このため、諸条件により本資料の内容とは異なる取り扱いがなさ
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Ⅴ.事業承継にあたりやるべきこと
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れる場合がありますのでご留意ください。対策の立案・実行は税理士・弁護士の方々と十分ご相談の上、ご自身の責任においてご判断くださいますようお願い申し上げます。
40
Ⅴ事業承継にあたりやるべきこと
1.事業承継のタイムスケジュール
STEP1
現状分析
①資本関係・株主構成の把握
②自社株式の評価
③納税資金の有無
STEP2
承継方法・後継者の確定
①後継者候補の把握
②承継方法の検討・決定
③後継者育成スケジュールの検討
STEP3
事業承継計画の策定
①承継時期・具体的対策の策定
②今後の環境予測
③概算税負担の把握
STEP4
事業承継計画の実行
①周囲へのアナウンス
②自社株評価の引き下げ
③株式の移転
本資料は平成27年4月1日現在の税制に基づいて作成しております。また内容につきましては、情報の提供を目的として一般的な法律・税務上の取り扱いを記載しております。このため、諸条件により本資料の内容とは異なる取り扱いがなさ
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Ⅴ事業承継にあたりやるべきこと
2.事業承継のチェックポイント(一例)
人的承継
物的承継
□ 後継者が既に決まっている
□ 自社及び自社グループの資本関係を把握している。
□ 後継者への承継時期が決まっている。
□ 概算株価を把握している。
□ 後継者は会社の事業に精通している。
□ 株式の承継方法が決定している。
□ 後継者を支える経営陣が育っている。
□ 株式の承継タイミングが決定している。
□ 後継者の教育方針が決定している。
□ 株式の承継時の概算税額を把握している。
□ 社内及び関係各所への周知を開始している。
□ 後継者と他の相続人との間の遺留分対策ができて
いる。
etc…
本資料は平成27年4月1日現在の税制に基づいて作成しております。また内容につきましては、情報の提供を目的として一般的な法律・税務上の取り扱いを記載しております。このため、諸条件により本資料の内容とは異なる取り扱いがなさ
れる場合がありますのでご留意ください。対策の立案・実行は税理士・弁護士の方々と十分ご相談の上、ご自身の責任においてご判断くださいますようお願い申し上げます。
etc…
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税理士法人アイユーコンサルティング
業務メニュー
相続対策支援メニュー
Ⅰ
財産診断(財産評価・納税資金分析)
Ⅱ
一次・二次相続シミュレーション(遺産分割試算)
Ⅲ
不動産有効活用・処分、不動産共有者整理、交換特例
Ⅳ
物納事前準備、物納対応
Ⅴ
遺産分割協議書作成の代行、名義変更手続きの代行
etc …
事業承継対策支援メニュー
Ⅰ
財産診断(自社株評価・財産評価・納税資金分析)
Ⅱ
一次・二次相続シミュレーション(遺産分割試算)
Ⅲ
親族内・親族外承継支援
Ⅳ
自社株分散・集約支援
Ⅴ
相続税・贈与税の納税猶予支援(事業承継税制活用)
Ⅵ
組織再編支援、M&A支援
etc…
本資料は平成27年4月1日現在の税制に基づいて作成しております。また内容につきましては、情報の提供を目的として一般的な法律・税務上の取り扱いを記載しております。このため、諸条件により本資料の内容とは異なる取り扱いがなさ
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税理士法人アイユーコンサルティング
業務メニュー
医業支援メニュー
Ⅰ
経営管理コンサルティング
Ⅱ
収益性改善コンサルティング
Ⅲ
MS法人サポート
Ⅳ
医療法人化サポート
Ⅴ
親子間医業承継サポート
Ⅵ
第三者間医業承継サポート
etc…
不動産関連コンサルティング
Ⅰ
不動産の個人保有 or 法人保有シミュレーション
Ⅱ
不動産管理会社の活用方法(管理型、サブリース型、所有型)
Ⅲ
不動産の現金化・買換え特例・交換特例
Ⅳ
相続対策、相続税の納税資金確保
etc…
本資料は平成27年4月1日現在の税制に基づいて作成しております。また内容につきましては、情報の提供を目的として一般的な法律・税務上の取り扱いを記載しております。このため、諸条件により本資料の内容とは異なる取り扱いがなさ
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お問い合わせ先
本資料に関するご質問、その他ご相談等がございましたら、お気軽に上記までお問合せ下さい
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