2 トラック・バス(ディーゼル車)等の排出ガス対策の推進 (2)適切に整備された車両の使用と適正な燃料使用の指導 ①適切に整備された車両の使用 自動車による環境負荷の低減を図るためには、自動車の整備が十分になされ、使用過程におい て常に排出ガス性能が維持されていることが必要です。整備不良の車両は、通常に比べてNOx やPMの排出量が多く、環境上大きな問題となります。 整備のために入庫したディーゼル車について、整備後における黒煙の低減効果を調査したとこ ろ、黒煙濃度が10%以上の低減効果が認められた車両が全体の36%ありました。点検整備がデ ィーゼル黒煙の低減に大きな効果があることが確認されました。 低減率 30% 以上 低減率20% 9% 以上30%未満 ●点検整備による黒煙低減効果/ 2011年10月の整備入庫数 (日本自動車整備振興会連合会調べ) 測定 台数 低減率10%未満 25,924台 64% 低減率10%以上20%未満 6,703台 17% 低減率20%以上30%未満 4,142台 10% 低減率30%以上 合 計 10% 割合 3,789台 9% 40,558台 100% 低減率10% 以上20% 未満 17% 測定台数 40,558台 (100%) 低減率 10%未満 64% (点検整備による黒煙低減率構成割合) ②適正な燃料使用の指導 国土交通省では2005年度から街頭検査等で燃料の硫黄分を検査し、硫黄分が高く不正軽油を 使用していることが判明した場合には、警告又は、適正な燃料への入れ替えを命じる整備命令の 発令等により、不正軽油の使用を排除することとしています。 〈不正軽油〉 ●不法投棄され、外にこぼれだした硫酸ピッチ 不正軽油とは、 軽油に灯油や重油を混ぜた混和軽油や、 重油に硫酸等を加えて精製した製造軽油などをいいま す。特に不正軽油の製造過程で排出される硫酸ピッチな どの産業廃棄物は、ほとんどが不法投棄されており、全 国的に環境破壊問題となっています。 また、不正軽油をディーゼル車の燃料として使用する と、排気ガス中のPMやNOxを増加させ、大気汚染の原 因となります。軽油とA重油とを1:1の割合で混和した不正軽油を使用した場合、ディーゼル 車の排気ガス中のPMは14 ~ 17%、Noxは7~8%増加するとされています。 3 環境対応車の普及促進に向けた取り組み (車体課税の見直し) 車体課税については、自動車取得税・自動車重量税のエコカー減税の見直し・延長、軽自動車 税のグリーン化特例(軽課)の導入等を行います。 53 国 税 地 方 税 ▲40% ▲20% H27年度燃費基準+10%達成 H27年度燃費基準+5%達成 54 電気自動車 等 電気自動車 等 【重量車の例】 対象車 電気自動車 等 Nox・PM H27年度 10%低減 燃費基準 +10%達 H21年 成 排ガス規制 Nox・PM H27年度 10%低減 燃費基準 H21年 +5%達成 排ガス規制 Nox・PM H27年度 10%低減 燃費基準 H21年 達成 排ガス規制 【重量車の例】 対象車 電気自動車 等 Nox・PM H27年度 10%低減 燃費基準 +10%達 H21年 成 排ガス規制 Nox・PM H27年度 10%低減 燃費基準 H21年 +5%達成 排ガス規制 Nox・PM H27年度 10%低減 燃費基準 H21年 達成 排ガス規制 ・消費税率10%への引上げ時の環境性能割の導入にあわせ、エコカー減税の対象範囲を、平成32年度燃費基準の下で、政策 インセンティブ機能を回復する観点から見直すとともに、基本構造を恒久化 ・平成25年度及び平成26年度与党税制改正大綱に則り、原因者負担・受益者負担の性格等を踏まえる ※初回車検免税の場合は、2回目も免税 ▲25% H27年度燃費基準+5%達成 ▲50% H27年度燃費基準達成 ▲75% ▲50% H32年度燃費基準+10%達成 ▲75% H27年度燃費基準+10%達成 免税※ 初回車検 H32年度燃費基準達成 H32年度燃費基準+20%達成 H27年度燃費基準+20%達成 免税※ 【乗用車等の例】 対象車 ○平成27年5月以降 <エコカー減税の見直し> (H27.5~H29.4) 対象車 初回車検 自動車重量税 ・自動車取得税のグリーン化機能を維持・強化するもの ・省エネ法に基づく燃費基準値の達成度に応じて、税率が0%~3%の間で変動する仕組み ・H28年度以降の税制改正において具体的な結論を得る ○消費税率10%引上げ時 <自動車取得税の廃止> <環境性能割の導入> ▲60% H32年度燃費基準達成 ▲60% H27年度燃費基準達成 ▲80% 非課税 H32年度燃費基準+10%達成 H32年度燃費基準+20%達成 内容 ▲80% 非課税 対象車 電気自動車 等 H27年度燃費基準+10%達成 H27年度燃費基準+20%達成 電気自動車 等 ○平成27年4月以降 <エコカー減税の見直し> (H27.4~H29.3) 【乗用車等の例】 対象車 内容 自動車取得税 - ▲50% ▲75% 免税※ 内容 - ▲60% ▲80% 非課税 内容 対象車 内容 電気自動車 等 Nox・PM 免税※ H27年度 10%低減 燃費基準 +15%達 H21年 成 排ガス規制 ▲75% Nox・PM H27年度 10%低減 燃費基準 +10%達 H21年 成 排ガス規制 ▲50% Nox・PM H27年度 10%低減 燃費基準 H21年 +5%達成 排ガス規制 ▲25% Nox・PM H27年度 10%低減 燃費基準 H21年 達成 - 排ガス規制 対象車 内容 電気自動車 等 Nox・PM 非課税 H27年度 10%低減 燃費基準 +15%達 H21年 成 排ガス規制 ▲80% Nox・PM H27年度 10%低減 燃費基準 +10%達 H21年 成 排ガス規制 ▲60% Nox・PM H27年度 10%低減 燃費基準 H21年 +5%達成 排ガス規制 ▲40% Nox・PM H27年度 10%低減 燃費基準 H21年 達成 - 排ガス規制 車体課税については、自動車取得税・自動車重量税のエコカー減税の見直し・延長、軽自動車税のグリーン化特例(軽課)の導入等を行います。 軽自動車税 概ね▲25% ※平成17年排ガス規制Nox等75%低減 ・H27年度燃費基準達成車 (新車に限る)※ ・エコカー減税対象車 対象車 エコカー減税対象車 <本則税率適用車見直し> (H27.4~H29.3) 対象車 ・自動車税・軽自動車税における環境性能割 の導入の際に自動車税のグリーン化特例 (軽課)とあわせて見直す ※1 新規取得した軽四輪車等(三輪以上の軽自動車に限る) ※2 平成28年度分を軽減 ※3 平成21年排ガス規制NOx10%低減 ※4 平成17年排ガス規制Nox等75%低減 H32年度燃費基準達成 (※4) ○平成27年4月以降 <グリーン化特例(軽課)の導入> (H27.4~H29.3) 【乗用車の例】 内容(※2) 対象車(※1) 電気自動車 概ね▲75% 天然ガス自動車(※3) H32年度燃費基準 概ね▲50% +20%達成(※4) Ⅲ.運輸部門における主要な環境問題への対策 〈自動車取得税・軽自動車税・自動車重量税等〉 出典:国土交通省
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