京府医大誌 124 (6),387~395,2015.乳がん患者を支える看護職の役割 <特集「病と共に生きる」を支える> 乳がん患者を支える看護職の役割 西 田 直 子* 京都学園大学健康医療学部看護学科 ARol eofNur s i ngPr of es s i onSuppor t i ngf orPat i ent swi t hBr eas tCancer Na o k oNi s hi d a De p a r t me nto fNur s i ng ,Fa c ul t yo fHe a l t ha ndMe d i c a lSc i e nc e s ,Ky o t oGa k ue nUni v e r s i t y 抄 録 乳がん患者やセルフヘルプサポートグループに対する看護職の役割と,乳がん検診啓発活動における 看護職の役割について報告し,地域での乳がん予防と乳がん患者や家族への支援について考える. まず,乳がん患者との出会いについて振り返り,その中で患者の不安や苦悩についてどのような支援 が必要なのか,患者会や患者が看護師に期待する支援について,調査研究した内容を整理し検討した. さらに科学研究費補助金を得て実施した「乳がん患者の回復過程におけるセルフヘルプグループの役割 と看護援助に関する研究」をもとに,患者会や看護師に期待される活動について報告し,乳がん患者に 求められる支援について検討した.また,期待される活動の中で,啓蒙活動としてピンクリボン京都実 行委員会の活動と今後の乳がん患者のための活動について考えた. キーワード:乳がん患者,患者会,ピンクリボン,看護援助,看護職. Abs t r ac t He r e ,wewi l lr e po r to nt her o l eo ft henur s i ngpr o f e s s i o nr e l a t e dt ob r e a s tc a nc e rpa t i e nt sa nds e l f c a r eg r o ups ,a swe l la si t sr o l ei ne d uc a t i o na la c t i v i t i e sr e l a t e dt ob r e a s tc a nc e rd i a g no s t i c s ,a ndc o ns i d e r t heo pt i o nsa v a i l a b l ef o rt hepr e v e nt i o no fb r e a s tc a nc e ri nt hel o c a ld i s t r i c t sa nds uppo r te f f o r t sa i me d a tb r e a s tc a nc e rpa t i e nt sa ndt he i rf a mi l i e s . Fi r s t ,wet o o kal o o kb a c ka to urf i r s tme e t i ngwi t hab r e a s tc a nc e rpa t i e nta ndc o ns i d e r e dwha tt y pe o fs uppo r ti sr e q ui r e di nt e r mso ft hea nx i e t ya nds uf f e r i ngt he s epa t i e nte nc o unt e r .The n,i nr e g a r dt o t hee x pe c t a t i o nshe l db ypa t i e nt so rpa t i e ntg r o upsf o rnur s i ngs uppo r t ,wes t ud i e dt hi sq ue s t i o nb a s e d o nt her e s ul t so fpr e v i o usi nv e s t i g a t i v er e s e a r c hs t ud i e s . Fur t he r mo r e ,wer e c o ns i d e r e dt hei s s ue s r e l a t e dt onur s i ngs uppo r tf o rb r e a s tc a nc e rpa t i e nt sa ndt hec o nc e r nso fpa t i e ntg r o upsa swe l la st he e x pe c t a t i o nsf o rs uppo r ta c t i v i t i e sc o nd uc t e db yt henur s i ngpr o f e s s i o nb a s e do no urs t ud ye nt i t l e d “The r o l eo fs e l f c a r eg r o upsa ndnur s i ngs uppo r ti nt her e c o v e r ypr o c e s so fb r e a s tc a nc e rpa t i e nt s ” ,whi c hwa s f und e db yas c i e nt i f i cr e s e a r c hg r a nt .I na d d i t i o n,wec o ns i d e r e dt hea c t i v i t i e swes ho ul dc o nd uc ti nt he f ut ur ef o rb r e a s tc a nc e rpa t i e nt sa ndt hea c t i v i t i e se x pe c t e do ft hePi nkRi b b o nKy o t oEx e c ut i v e Co mmi t t e e . KeyWor ds :Br e a s tc a nc e rpa t i e nt s , Se l f c a r eg r o ups , Pi nkRi b b o n, Nur s i ngs uppo r t , Nur s i ngpr o f e s s i o n. 平成27年 5月19日受付 *連絡先 西田直子 〒615 ‐8577京都市右京区山ノ内五反田町18番地 na o k o ni s @ky o t o g a k ue n. a c . j p 387 西 388 は じ め 田 に わが国の部位別がん年齢調整死亡率の推移を みると,乳房の悪性新生物(以下乳がんと略 す. )は,昭和 50年の人口 10万対 6. 5から増加 し,平成 2年には 8. 2 ,平成 9年 10. 4 ,平成 11 年は 10. 5 ,平成 25年は 10. 5となっている1).私 が昭和 49年から京都市立病院外科病棟で勤務 していた当時の乳がん患者の罹患者数は,1万 人程度であった.昭和 50年頃の乳がんの治療 法は手術療法が主流で,乳房全摘術が行われて いた.振り返ると,この当時入院してきた患者 は乳房全摘術の具体的なイメージもほとんどな く,ただ不安の中で入院してきた.その一例と して,乳がんの手術予定で入院してきた Aさん が,手術当日の朝,黙って自己退院してしまっ た,いうことがあった.医師および看護師から どのような説明を受けていたのか今となっては 不明であるが,早期に手術すべきであったにも かかわらず,その後も Aさんは手術を受けに来 ることはなかった.この体験から,私は乳がん 患者が病名を告知されたときに,看護師のサ ポートが必要であると痛感した.その後,医療 現場でインフォームドコンセントの重要性が叫 ばれ,外来での診察時の医師の説明や看護師の サポートが行われるようになってきた. 『がん統計 ‘99 』によると,部位別のがん罹患 患者数の中で,乳がんは平成 27年には第 2位の 48, 163人が罹患するといわれ,乳がんの年齢調 整罹患率は 10万人あたり 56. 9となり部位別で は第 1位となると予測されていた2)3).しかし, 乳がん患者の生存率は他のがんより 84%と高く, 健康診断での相対生存率は 91. 5%と高い4).こ れは,ひとたび罹患しても乳がんとともに生活 していく患者が多いことを示している.このこ とから,乳がん患者には,長期間の家族や周囲 の人々のサポートが必要5)6)といえる.そのた め,乳がん患者による患者会は,全国的な組織 を持つものや地域で結成されたグループおよび 独自でつくられたグループなどが増加してきて おり,定例集会,勉強会,ピアカウンセリング など,さまざまな活動を行っている. 直 子 平成 12年頃,乳がん患者は退院時にはこのよ うな患者会の存在を認知しておらず,いろいろ な不安や苦痛を抱えながら退院し,地域で生活 していると思われた.このような患者が患者会 を認知するには,退院時の医療者の働きかけが 大きい7)と考えられる. 近年,乳がんガイドラインが示されてからは, その診断および方針に基づき早期に治療をする と, 平成27年の国立がん研究センターがん対策情 報センターよる乳がんの全国年齢階級別推定罹 患率(対人口 10万人)の 5年生存率は 96. 4%8) と上昇し,乳がんによる死亡者数は 1万人程度 にとどまり,この数年で横ばいからやや減少し てきている.しかし,乳がん患者は治療後の再 発,乳房切除による上肢機能障害,上肢の浮腫, 化学療法による副作用に対して,苦痛と不安を 抱えながら生活している.私は,これらの乳が ん患者に対し,身体的な治療を受けるだけでな く,心のサポートが重要であること,早期に治 療を開始するための啓発活動が重要であること を痛感した. そこで,乳がん患者に対するセルフヘルプサ ポートグループに対する看護職の役割と,乳が ん検診の啓発活動における看護職の役割につい て報告し,地域全体での乳がん予防や,乳がん 患者や家族へのサポートについて考える. 乳がん患者との出会いと研究 平成 12年の夏,友人である八木先生は,乳が ん患者に対して研究をしたいと研究計画を私に 提案し,文部科学省科学研究費申請方法につい て相談に来た.私は,この研究テーマについて 話しているうちに,看護師として働いていた頃 に出会った,手術当日に自己退院した患者 Aさ んのことを思い出した.どうしたら乳がん患者 の不安が軽減され,治療前後に安心して生活で きるのか,私に何かできることはないのかと考 え,乳がん患者に関する研究について検討する ようになった.この時,申請したテーマが「乳 がん患者の回復過程におけるセルフヘルプグ ループの役割と看護援助に関する研究」であっ た.その研究をはじめるにあたり,私は八木先 乳がん患者を支える看護職の役割 生に乳がん患者会であるあけぼの会滋賀県支部 長を紹介され,会の主催するプチサロン,患者 会の集会に参加した.そこで出会った乳がんを 患った人々は,勉強会を積み重ね,再発の不安, 家族との関係,浮腫や苦痛について語らいなが ら,お互いにいたわり合っていた.私はその活 動に触れ,看護職者として何をしてきたのか, 振り返ると無力を感じるばかりであった.この 時の乳がん患者との出会いによって,私は病院 や大学で勤務するだけでは見えなかったことに 気づかされた. 平成 13年度から「乳がん患者の回復過程にお けるセルフヘルプグループの役割と看護援助に 関する研究」が本格的に始まり,乳がん患者が 何を不安に思い,どう対応し,医療者に何を期 待しているのかを明らかにするため,全国的な 調査を計画した.その調査票を作成するにあた り,患者のおかれている状況を振り返り,検討 した上で調査を行った. まず,乳がん患者会の支部長および独自で乳 がん患者会を主宰している代表者に依頼し, 2002年 1月に郵送法による無記名自記式調査を 実施したところ,乳がん患者 295名から回答を 得た.その結果,乳がん患者会の情報入手は, 「新聞」34. 6%, 「医学書・雑誌」19. 0%であり, 患者会に期待する活動は, 「情報提供」91. 9%, 「啓蒙・社会活動」76. 9%,「精神的サポート」 389 52. 2%などであった(表 1 ) .その「情報提供」の 内容は, 「病気」55. 9%, 「カウンセラー」40. 3%, 「 化学療法」38. 0%であり, 「啓蒙・社会活動」の 内容は「乳がん治療の開発に関する働きかけ」 46. 8%, 「社会への乳がんに対する理解への働 きかけ」44. 4%, 「対象者への検診のすすめ」 34. 9%などであった(表 2 ) .看護師に対する期 待では, 「情報提供・相談」が 66. 8%, 「精神的 サポート」57. 6%, 「啓蒙・社会活動」50. 5%な どであった9).同時に患者会のリーダーの患者 会に対する意識と看護師への期待を調査したと ころ,その「情報提供」の内容は, 「病気」 「補 装具・補整下着」65. 2%,「 化学療法」60. 9%「手 術」 「ホルモン療法」 「手術を受けた側の腕の保 護」56. 5%, 「カウンセラー」52. 2%など,患者 10) 「啓蒙・社会 会の会員に比べ意識は高かった . 活動」の内容は, 「対象者への検診のすすめ」が 87. 0%と最も多く, 「社会への乳がんに対する 理解への働きかけ」69. 6%, 「市町村への検診活 動充足への働きかけ」52. 2%など全体的に意識 が高かった.看護師に対する期待では, 「情報 提供・相談」87. 0%, 「精神的サポート」69. 6%, 「啓蒙・社会活動」65. 2%など,患者会のリー ダーの方が一般の乳がん患者よりも意識が高 かった11). さらに同時期に行った近畿圏の病院に外来通 院中の乳がん患者 72名の医療者に期待するサ 表 1 乳がん患者が患者会に期待する活動 390 西 田 直 子 表 2 乳がん患者が患者会に期待する情報提供の内容 ポートに関する調査では,看護師には「情報提 供・相談」65. 3%, 「検査・治療の介助」65. 3%, 「啓蒙・社会活動」43. 1%, 「精神的サポート」 41. 7%など(表 3 )を期待し,医師には「情報 提供・相談」79. 6%, 「治療」76. 4%, 「啓蒙・ 1 2) 社会活動」50. 0%を期待していた . 一方,海外で先進的な乳がん患者への活動を しているロサンゼルスの医療機関の見学とボラ ンティア活動への参画を行い,日本では考えら れないような患者への情報提供,精神的サポー ト,啓蒙・社会活動に触れ,日本の乳がん患者 だけでなく,がん患者全体へのサービスの遅れ を痛感した. そこで,我々はアメリカのロサンゼルス市お よびその周辺地域にある,がんサポートのため の非営利団体やクリニック等に来所する乳がん 患者 113名を対象に留め置きおよび郵送法で調 査を行った.その結果,看護師に期待する活動 では「情報提供・相談」85. 8%, 「精神的サポー ト」85. 0%「啓蒙・社会活動」77. 9%, 「同じ体 験者の紹介」71. 7%, 「検査・治療の介助」62. 8% などがあり,日本よりもアメリカロサンゼルス に在住する乳がん患者の方が,看護師の活動へ の期待が高く,特に「啓蒙・社会活動」 「同じ体 13) .ま 験者の紹介」が高いことが示された(表 4 ) た,啓蒙・社会活動の内容においてもロサンゼ ルス在住の乳がん患者は,看護師に期待する内 容として意識が高かった(表 5 ) . この研究が終了する頃,私は看護師として乳 がん患者へのサポートを行うため,あけぼの会 乳がん患者を支える看護職の役割 表 3 乳がん患者が看護師に期待する活動 表 4 乳がん患者が看護師に期待する情報提供の内容 391 392 西 田 直 子 表 5 乳がん患者が看護師に期待する啓蒙・社会活動の内容 京都府支部長に協力を申し入れ,平成 15年から 相談役として支援することになった.当時のあ けぼの会京都府支部は 100名を超える会員がい て,5月の母の日のアピール活動,6月の勉強 会,秋のプチサロン,3月の新年会と総会など 活発に活動をしており,私はそれらの相談役と してサポートし続けてきた. 平成 20年 10月には,京都府立医科大学公開 講座「乳がんから守ろうこの命―早期発見のた めの看護と最新治療―」を企画し,内分泌・乳 腺外科の藤原医師とあけぼの会京都府支部長と 共にシンポジウムを開催し,乳がんの自己触診 法の演習を行った.参加された乳がん患者や家 族の方からの質問も多く,シンポジウムでは活 発な質疑が行われた. 平成 18年当時,都道府県別市町村乳がん検診 率は,全国で 12. 9%,京都府は 9. 8%であった が,3年後の平成 20年には全国 14. 7%,京都府 15. 2%と全国平均を超えるまでになった(図 1 ) . そして平成 26年度の京都府がん受診率調査報 告書(インターネットによる 2527人を対象とし た調査)では,受診場所が市町村,職場,人間 ドック等で受診した割合は 35. 2%に達してい た.初代実行委員長であった沢井医師は,マン モグラフィの読影会の研究会などを行い,全国 的に知名度,信頼度も高い医師で,無料検診に は研究会の医師を参集され,乳がん検診には多 ピンクリボン京都実行委員会の活動 私が乳がん検診活動に参画したのは,平成 17 年に第 15回日本乳がん検診学会総会主催で行 われた京都ピンクリボンフェスティバルにおい て,無料検診のボランティアとして府立医科大 学准教授沢井医師に誘われたのが最初であっ た.その翌年,平成 18年からピンクリボン京都 の実行委員会が発足し,乳がんの早期発見のた めの無料検診の活動が始まった.ピンクリボン 京都実行委員会では,5年後には乳がん検診率 を 50%にするという目標を掲げ,活動を開始した. 図 1 都道府県別市町村乳がん検診率の推移 注)京都府統計資料がん検診状況のデータから整 理した. 乳がん患者を支える看護職の役割 いときで 1年間 800人の府民が参加した.沢井 医師は,乳がん患者の診療充実のため開業した ものの,心労を尽くして病となり,平成 22年に 逝去された.灯台ともいえる沢井医師を失った ピンクリボン京都実行委員会であったが,初期 から参加した委員はその後の活動を継続する意 義を確認し現在に至っている. 初期の活動では乳がん検診のみを行っていた が,やがてそれだけでなく,早期発見のための 自己検診法の演習と指導も組み入れた.また, 京都府看護協会の「看護の日」には,乳がんの 早期発見のための自己検診演習ブースに参加す るようになり,今年 6年目を迎えている.また, 乳がん検診時の看護師や保健師のボランティア 募集では,京都府看護協会を通じて約 20名の看 護師や保健師の協力を得て行っている. 乳がん患者へのサポート向上のために 一方,私は乳がん発見や治療のための情報不 足,技術不足を患者会の相談役として感じるよ うになり,京都府立医科大学内分泌・乳腺外科 部長の沢井医師と当時の今西看護部長に依頼し て,平成 18年に外来実習を行った.当時から乳 がん患者の受診者は多く,乳がんの告知時の援 助,乳房摘出術後の創部への処理,検査時の介 助,リンパ浮腫への看護などを学習した.この ように乳がんの看護の専門性は高く,乳がんの 認定看護師の必要性を感じていた. 393 平成 17年から日本看護協会の認定看護師教 育の中に乳がん看護認定看護師(Br e a s tCa nc e r Nur s i ng )制度が新設され,集学的治療を受ける 患者のセルフケアおよび自己決定の支援,ボディ イメージの変容による心理・社会的問題に対す る支援が行われるようになった14).平成 18年に は 20名が誕生した(図 2 ) .以後,増加をきた し,平成 27年 1月には 244名が働いている.京 都府内では 4名が働いているが,京都府立医科 大学にはまだいない. また,平成 15年には文部科学省科学研究費補 助金を受けてロサンゼルスの医療機関を見学し た.その中の Li t t l eCo mpa nyo fMa r yHo s pi t a l にある Wo me n ’ sWe l l ne s sCe nt e rでは,ナース プラクショナーが,乳がん患者サポート集会,乳 房装具・ブラジャーの説明,ウイッグの貸し出 .Vi nc e ntMe d i c a l し等を行っていた15).また,St Ce nt e rや UCLACe nt e rf o rt heHe a l t hSc i e nc e s では,西洋医療だけでなく東洋医療を取り入れ, 鍼,指圧,薬草療法,マッサージ療法,ヨガ, ピラテックス,フィットネスなどが組み入れら ut hBa yCi t i e sや We s tLo s れていた15).また,So Ang e l e sでは非営利組織ウェルネス・コミュニ ティの活動が行われ,がんを患った患者や家族 への支援を週間予定で計画していた16). 日本においても,乳がん患者だけでなく,各 病院や地域にがん患者が気軽に相談でき,体や 心の癒しを持てるような施設や,医療者の支援 図 2 乳がん看護認定看護師認定数の推移 注)日本看護協会乳がん認定看護師数の推移のデータを改変. 西 394 田 が求められる.そのとき看護師として何ができ るのか,新たな活動が提供できるようなシステ ムを作っていく必要があると考える. 謝 辞 直 子 ん患者を支える活動の経過を振り返ることができまし た.これまで乳がん患者会やピンクリボン京都実行委 員会で出会った皆様に深く感謝します. 開示すべき潜在的利益相反状態はない. 今回,病を持つ人を支えるというテーマを頂き,乳が 文 1)労働省,平成 25年(2013 )人口動態統計(確定数) の概況表 7死因別感嘆文類別に見た性別死亡数・死亡 率(人口 10万対) ht t p: / / www. mhl w. go. j p/ t oukei / sai ki n/ hw/ j i nkou/ ka k ut e i 13/ i nd e x . ht ml2015. 5 2)北川貴子,津熊秀明,他.日本のがん罹患の将来予 測.富永祐民(編) .がん統計白書―罹患/死亡/予 後―.篠原出版,1999;159170. 3)黒石哲生:日本の乳がんの動向とリスク因子.がん の臨 2000;46:423431. 4)がん情報サービス. ht t p: / / www. nc c . go. j p/ s t a t i s t i c s / 2001/ t a bl es / t 90j . ht ml 2003/ 09/ 23 5)松木光子,三木房枝,越村利恵,鹿島泰子,大谷英 子.乳癌手術患者の心理的適応に関する縦断的研究 (1 ) ―術前から術後 3年にわたる心理反応―.日看護研会 誌 1992;15:2028. 6)松木光子,三木房枝,越村利恵,鹿島泰子,大谷英 子.乳癌手術患者の心理的適応に関する縦断的研究 (2 ) ―ソーシャルサポートネットワークを中心に―.日看 護研会誌 1992;15:2938. 7)雄西智恵美:術後(退院後)の日常生活とフォロー アップ.がん看護 1997;2:97102. 8)がん研究センターがん対策情報センター,全国年齢 階級別推定罹患率(対人口 10万人) ,乳がん,女性, 診断年別 2002~2006年追跡例のサバイバー 5年相対 生存率(15~99歳,性・臨床進行度別) ht t p: / / ga nj oho. j p/ pr of es s i ona l / s t a t i s t i c s / s t a t i s t i c s . ht ml #s ur v i v a l2015/ 5/ 15 献 9)西田直子,八木彌生,嶌田理香,倉ヶ市絵美佳.外 来通院中の乳がん患者が患者会と医療者に期待する サポート.京府医大看護紀 2008;17:2330. 10 )八木彌生.乳がん患者の回復過程におけるセルフ ヘルプグループの役割と下案ご支援に関する研究.平 成 13年度~平成 15年度科学研究費補助金「基盤研究 (C( )2 ) 」研究報告書 2004;19. 11 )八木彌生.乳がん患者の回復過程におけるセルフ ヘルプグループの役割と下案ご支援に関する研究.平 成 13年度~平成 15年度科学研究費補助金「基盤研究 (C( )2 ) 」研究報告書 2004;21. 12 )西田直子,八木彌生,嶌田理香,倉ヶ市絵美佳.外 来通院中の乳がん患者が患者会と医療者に期待する サポート.京府医大看護紀 2008;17:2330. 13 )嶌田理香,八木彌生,西田直子.アメリカにおける 乳がん患者の看護援助―ロサンゼルス市を中心とし た調査から―.京府医大看護紀 2008;17:7178. 14 )日本看護協会(2015 ) :認定看護分野一覧 ht t p: / / ni nt ei . nur s e. or . j p/ nur s i ng/ qua l i f i c a t i on/ c n2015/ 05/ 1 15 )八木彌生.乳がん患者の回復過程におけるセルフ ヘルプグループの役割と下案ご支援に関する研究.平 成 13年度~平成 15年度科学研究費補助金「基盤研究 (C( )2 ) 」研究報告書 2004;8083. 16 )八木彌生.乳がん患者の回復過程におけるセルフ ヘルプグループの役割と下案ご支援に関する研究.平 成 13年度~平成 15年度科学研究費補助金「基盤研究 (C( )2 ) 」研究報告書 2004;7780. 乳がん患者を支える看護職の役割 395 著者プロフィール 西田 直子 Na o k oNi s hi d a 所属・職:京都学園大学健康医療学部看護学科・教授 略 歴:1973年 3月 京都市立看護短期大学 卒業 1974年 3月 奈良県立保健婦学院 卒業 1993年 4月 京都府立医科大学医療技術短期大学部 助教授 2002年 4月 京都府立医科大学医学部看護学科 教授 2006年 4月 京都府立医科大学大学院保健看護学研究科 教授 2013年 4月 京都府立医科大学医学部看護学科 学科長 2015年 4月~現職 京都学園大学健康医療学部看護学科 副学部長 専門分野:看護学 基礎看護学 障害看護学 がん看護学 主な業績:1.Ta ka ma t a ,A.Y o s hi d a ,T.Ni s hi d a ,N.Mo r i mo t o ,T.Re l a t i o ns hi po f o s mo t i ci nhi b i t i o ni n t he r mo r e g ul a t o r yr e s po ns e sa nd s we a ts o d i umc o nc e nt r a t i o ni n huma ns . Am JPhy s i o lRe g ul a t o r yI nt e g r a t i v eCo mpPhy s i o l2002;280:623629. 2.西田直子,高柳智子.患者の移動動作のエビデンス,臨床看護,2002;28:20242033. 3.西田直子,八木彌生,嶌田理佳,倉ヶ市絵美佳.外来通院中の乳がん患者が患者会と医療者に期待 するサポート,京府医大看護紀,2008;17:2330. 4.西田直子.介入におけるアセスメント教育―看護介入を教授するときの教育方法―,看護診断 2013;18:2833. 5.西田直子,辻村裕次,山本容子,室田昌子,岩脇陽子,鈴木ひとみ,垰田和史.第 23回バイオメ カニズムシンポジウム予稿集 2008;453462. 6.西田直子,冨田川智志. 【移動介助技術の指導方法―ボディメカニクスを実践に活かす】道具を活用 した移乗介助のボディメカニクス 他職種との連携を視野に入れた教育,看護教育,2013;54:11031107.
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