駐在員便り シカゴ 3 月に入るとシカゴは日を追うごとに暖かくなり、一時は 20 度(摂氏)近くまで気温が 上昇しました。長かった冬が終わり春の訪れを感じる次第です。わが家の子供たちもよう やく外で遊べるようになり喜んでおりました。ところが 23 日(月)は気候が一転して 0 度 近くまで気温が下がり大雪となりました。シカゴ歴が長い方に拠れば、3 月下旬の降雪は確 かに珍しいが近年は気候が安定してないため、驚きはしないとのことです。 私は運悪くちょうど出張の予定を入れていたことから、オヘア空港までのハイウェイは 大渋滞、空港に到着しても予想通り遅延と散々です。エアラインのメンバーになり Email アドレスを登録しておくと、フライト情報のアップデートを頻繁に送ってくれるため、非 常に便利ですが、「遅延のため時間を変更」というメッセージとともに、出発時間が 15 分 ~20 分ずつ後ろ倒しになっていくため、結局、到着時間がいつになるのかは分からず、そ の後の予定が入っている場合は非常に気を揉みます。この原稿を執筆している時点ではま だ、ボーディングになっておりません。果たして無事に出発できるのか・・・・ ところで、少し時間を遡って、3 月 6 日(金)に、シカゴ郊外にある Dooley Elementary School で「Japan Culture Night」と呼ばれるイベントが開催されました。これまで何度か 駐在員便りでご紹介させて頂きましたが、わが子が通う現地校で、ESL と呼ばれる英語以 外を母国語としている生徒向けのプログラムに取り組んでいる公立小学校です。日本人が 比較的多く住んでいるシカゴ郊外の中でも日本語の ESL プログラムを実施しているのはこ の学校だけで、周辺地域に向けて日本文化を発信し、地域住民との相互理解を深めるため にこうしたイベントを年に1度開催しているそうです。 イベントは、同校のジム(体育館)を使って夕方から始まります。食べ物(今年は牛丼) や空手、書道、お神輿担ぎ、お手玉・すごろく・ベーゴマ等の昔ながらの遊びなど、日本 を象徴する出し物を PTA とボランティアが中心となり準備します。歴代のジェトロ・シカ ゴのスタッフの子息が通っていた縁もあり、このイベントでは我々も協力させて頂いてお ります。ここ数年は日本の先端技術に触れてもらうべく、アザラシ型ロボット「パロ」を 展示させて頂いており、多くの子供たちに喜ばれております。今回もパロを 2 台出展した ところ、パロを見た瞬間、飛び出るんじゃないかと思うくらい目を大きく見開き驚いてい る小さな子供がおり、こちらも嬉しくなります。 また、今回は、日本から短期交流活動でシカゴを訪問していた京都の高校生たち十数名 が特別ゲストとして参加しておりました。時差ボケもあったと思いますが、高校生たちは 熱の籠ったダンスを披露し、アメリカ人も普段見慣れない日本のダンスに興味津々の様子 でした。代表としてスピーチをしていた生徒も非常に流暢な挨拶で、自分が高校生だった 頃の思い返し、近頃の若者の優秀さに感心する次第です。なお、この高校生たちにはパロ ― 105 ― の紹介を手伝って頂いたため本当に助かりました。この場を借りて御礼申し上げます。 7 時から始まったこのイベントも 9 時頃には終焉を迎えました。アメリカの家庭では一般 的に子供の躾は非常に厳格で、両親が定めた時間に子供はベッドに行くことになっており ますが、こうしたイベントの際には特別に夜更かしが許されていることが多く、9 時近くな っても、2~4 歳くらいの小さな子供が元気いっぱい遊んでおりました。最後、マットやテ ーブルなどの後片付けが終わったのは、9 時半を過ぎておりました。私自身は、日頃の忙し さにかまけて積極的にボランティアに参加できておらず、普段からこうした活動に従事さ れている方々に対しては頭が下がる思いです。あとどの位チャンスが残されているかは分 かりませんが、なるべく貢献しようと心に誓う次第です。また、今回も多くの方々と交流 することができ、非常に充実したイベントでした。 (パロから見た高校生たちのダンス) (お神輿を担ぐ子供たち) ジェトロ・シカゴ事務所 産業機械部 ― 106 ― 川内 拓行
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