3D プリンターでモーターを作ろう!

3D プリンターでモーターを作ろう!
説明書(暫定版)
2015/10/7
3D プリンターでモーター構成部品を作成します。ボビンにコイルを巻いて電機子を作り、これと整流子、ブラシ
などを軸にとりつけ、予め作成してある箱に入れ、磁石を配置し、ファンを取り付ければ出来上がりです。電池を
装着すれば、ミニ扇風機になります。モーターの構造と、動作が仕組み、手に取るようにわかります。
3Dプリン
部品を作る
ボビンにコイルを巻く
各部品を組み上げる
ファン
電機子
整流子
磁
電池
摺動子(ブラシ)
磁石
電池を入れて、
さあー、回るかな!?
モーター
ここでは、時間の制約上、3D プリンターによるボビンの作成の部分は、割愛し、樹脂製ボビンが完成
したところから、説明をいたします。
以下、次のステップで作業を進めます。
1.モーターの回転子を作ります。
(3D プリンタで作成されたボビンにコイルを巻、整流子を貼る)
2.回転子を収める箱(モーターの箱)を組み立てます。
3.ブラシをモーターの箱に取り付けます。
4.モーターの箱に回転子を取り付け、モーター本体が組み上げます。
5.モーターに電池をつないで、テストをします。
6.電池ボックスを組み立てます。
7.モーター本体と、電池ボックスを接続します。
8.うまくモーターが回らないとき・・・
これで完成です。
創造空間ナノラボ
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1.モーターの回転子を作ります。
■
用意するもの
・ウレタン線またはエナメル線 ― 線材の径 0.18 ㎜ 長さ約7メーター
・3D プリンターでプリント出力した樹脂製のボビン(写真参照)
①
ボビンにコイルを巻きます。
ボビンにウレタン線を巻きます。3 極モーターですので、コイルは 3 つのボビンがあり、それ
ぞれに100回ずつ、同じ方向に巻きます。
コイルの巻はじめは、
軸の長さほど線を引
き出しておきます。
3D プリンターで
プリント出力した
樹脂製ボビン
反時計回りなら、3 極とも反時計回りです。
◆ 線材の一端をボビンの細い径の側に合わせて指で持ちます。線材は粘着テープでボビンに仮止
めしても良いです。
◆ ボビンのコイルを巻くボビンの1つの局に、線材を 80~100 回ほど巻きます。巻く方向は、時
計回り巻いたら、すべてのボビンには、同じく時計回りにまきます(反時計回りに巻いたら、
すべてのボビンは、反時計まわりに巻きます)。各ボビンの間の巻線は必ず、軸の長さほどの線
を引き出しておきます。
巻き始めは軸に線
材を挟んで外れな
いように、指で押
さえておきます。
各ボビンの間の巻線
は必ず、軸の長さほ
どの線を引き出して
おきます。
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の
割
を
カ
ッ
ト
し
ま
う
。
こ
の
よ
う
に
な
り
ま
す
。
巻
き
終
わ
っ
た
ら
線
材
これがモーターの回転子
(電機子)になります。
◆ 各ボビンの線材の引き出し線を紙ヤスリでやすります。これは巻線の線材は絶縁のためウレタ
ン、またはエナメルで被ふく塗装されているからです。やする時は、軽く、やすってください。
強く引っ張ると細い線材が切れてしまいますので注意してください。
の
割
を
カ
ッ
ト
し
ま
う
。
②
巻
き
終
わ
っ
た
ら
線
材
そっと軽く、やすってください、
回転子の整流子を作ります。
ここでは整流子はアルミ箔(家庭用のアルミホイルが使用可能です)を使って作ります。まず、
約8cmx4cmほどの長方形に切ります。
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これを竹串で巻きます。これを3 本作ります。このアルミ箔の筒をボビンの巻線の端子に被せま
す。粘着テープで根元を固定します。3極とも同様にします。
◆さらに先端に粘着テープを巻き折り返します。各電極を下の写真のように、折り曲げます。
回転子の整流子の部分。し
ブラシ(摺動子)はここに
触れるようにします。
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◆ 回転子の整流子を目の細目のやすりで、やすります。これで回転子(電機子)は完成です。
2.
回転子を収める箱(モーターの箱)を組み立てます。
◆ 次に、モーターの筐体(箱)を作ります。まず、下の写真の左側の部品を外して、箱にします。
写真の左側の部分がモーターの筐体(箱)
の組み立て部品です。
3. ブラシをモーターの箱に取り付けます。
◆ この筐体には、ブラシ(摺動子)を取り付けます。ブラシは、約 100 ㎜(~120 ㎜)x 80 ㎜
ほどのアルミ箔を巻いて、2本作ります。細長いリボン状(約6mm幅)にしたら、このリボ
ン状の箔を丁寧に、薄く引き伸ばします。それらを箱の底にある2つのスリットに挿入します。
ボビンの軸に張り付ける整流子よりも幅広く、かつ巻き数(畳み込み数)が多くなります。こ
れによりブラシの弾力性を少し高めます。
ブラシ(摺動子)
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◆ ブラシを挿入後、下の写真のように、その切片に丸みを付けます。
4. モーターの箱に回転子を取り付け、モーター本体が組み上げます。
◆ 竹串を使って、3.で作った回転子と、穴の開いた箱の横板とを連結し、箱に写真のように、
取り付けます。
回転子の整流子の部分。しブラシ(摺動子)
はここに触れるようにします。
これでモーター本体が組み上がりました。
5. モーターに電池をつないでテストします。
◆ 下の写真のような、単4乾電池と、電池ボックス、それとワニくちクリップを用意します。
モーターが回転するかを確認します。
ここで、ブラシと回転子の接触の滑らかになるようにしておくことが必要です。
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◆ もし回らないときは、ブラシ、回転子の軸の3つの極のアルミ箔に凹凸があり、摩擦が大きい
可能性があります。それぞれの接触面が滑らかになるように平らにしてください。必要なら回
転子をはずして、回転子の整流子片の面がきれいに滑らかになるように、目の細かいヤスリ(8
00番~1000番程度)などでなるようにきれいにします。このときには、各アルミ箔の切
片が破れたりしないように、できるだけそっと柔らかく磨いてください。
注)電池ボックスが無い場合は、この後で作成する電池ボックスを使ってテストしてください。
6. 電池ボックスを作ります。
注)ここでもアルミ箔のリボンを必要としますので、アルミ箔(アルミホイル、約80㎜平方)
を竹串等で巻いて、約5~6mmの幅のリボンを作成しておきます。
下の図の板に切り込みを入れたものの右側の部分が電池ボックスの組み立て部品です。
下の右側の写真で、箱の内側の左側に+とーの連結板(アルミ箔を巻いてあり)が差し込まれてい
ます。また、右側のアルミ箔のリボンは、それぞれプラス極、マイナス局の切片です。
右側の部分が電池ボックスの筐体
の組み立て部品です。
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電池ボックスの筐体の組み立外観。
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粘着テープを貼っておきます。先端
は、アルミ箔を出しておきます。
7. モーター本体と、電池ボックスを接続します。
いよいよ、モーター本体と、電池ボックスを組み合わせて、完成が近くなりました。
次に、これらを組み上げます。
注)モーターに電源がすぐに加わらないように、モーター本体のアルミ箔のリボンと、電池ボ
ックスのアルミ箔のリボンが、接触しないように注意してください。
あらかじめ、粘着テープで絶縁しておくようにしてください。
モーター側の電極と、電池ボックスの電極を接触させると電流がモーター側に流れますので、
この時点では、絶縁しておいてください。
モーター本体側の端子
(アルミ箔のリボン)
絶縁テープ
アルミ箔を接続
電池ボックス側の端子
(アルミ箔のリボン)
上下のアルミ箔が
接触すると電池の
スイッチがオン!
(スイッチの役目)
電極片側の端子のアルミ箔丸め込み、常時接触するようにし、またもう一方は、接触しないにようにし
てください。これでほぼモーターは完成です。
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片側を指で押さえるお ON になり、モーターが回ります。
ファンを取り付けて回れば十分です。また磁石の枚数を 1 枚から 2 枚ずつに増やすと、トルクが増しま
す。
8.うまくモーターが回らないとき・・・
下の点について見てください。
1)特に、ブラシ、回転子の軸に張り付けてある整流子(アルミ箔)が滑らかに接触していないこ
とが考えられます。
2)ブラシと、整流子の間が離れていないか。
3)ブラシと、整流子の間にゴミがつまっていないか。接触面が炭化し、そのためカーボンが詰ま
っている可能性もあります。
4)磁石の取り付け方向が間違っていないか。N 極 S 極が同じ向きになっているか。
5)ボビンのコイルの巻線の巻き方向が正しく同じ巻方向に巻かれているか、もう一度確認してく
ださい。
6)電池の電圧が下がっていないか、テスターがあれば電圧を測ってみてください。
Printrbot 社及び Solidoodle 社正規代理店 InfoCore Co., Ltd.
※ 創造空間ナノラボでもキットの販売、サポートをしています。
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