渡辺利彦議員 第1標題「地域創生における人口減少

渡辺利彦議員
第1標題「地域創生における人口減少について」
1回目の質問
私は、堀内市長が2期8年の実績と3期目に約束された、マニフェストが、多くの
市民の皆様に高い評価を受け、36 年ぶりに3期連続で市政運営の舵取りを担う市長の
当選につながったと受け止めています。
市長の所信にもありますように、堀内市長は1期目において財政の健全化を推し進
め、本市を県内 13 市の中でトップクラスの健全な財政を有する自治体へと牽引して参
りました。
また、2期目においては、東日本大震災発生直後の続投であったことから、市民の
誰もが安心して暮らすことのできる災害に強いまちづくりに力を注いで参りました。
そして、3期目においては、これまでの行政実績を礎として「豊かに暮らせる力強い
まち、富士吉田」を標榜され、本市の魅力を最大限に生かしたまちづくりを強力に推
し進めていくとの決意を表明されております。
3期目、しかも3期連続しての堀内市政のスタートは、施策の継続性という観点か
らも本市が大きく羽ばたく千載一遇のチャンスであると思います。
私も、5期目の市議会議員として、堀内市長が展開する3期目の施策に対し、私な
りの考えを申し上げながら、よりよいまちづくりに意を尽くして参りますので、よろ
しくお願いいたします。
さて、国勢調査は、国内の人口、世帯、産業構造などについて調査するものであり、
国の最も重要かつ基本的な調査であります。その調査項目の中でも人口は国の勢いを
計る指標として、大変重要な意味を有しているものと考えております。
そこで、第1標題地域創生における人口減少について質問します。
堀内市長はこれから3期目の市政の舵取りを行うわけですが、現在多くの自治体が
課題として抱えている「人口減少への対応」についてお伺いいたします。
増田寛也氏が代表を務める、「日本創成会議」が昨年5月に発表した「地方から大都
市への人口流出がこのまま進むと、2040 年には、全国 1800 市区町村の約半数の自治
体が消滅の可能性がある。」という「消滅可能性都市」に関する試算は多くの市町村に
衝撃を与えました。
富士北麓地域の中心都市として、発展してきた本市も消滅可能性都市の中に入って
いたことに、私も大変驚き、早急な人口減少に対する施策の必要性を痛感したところ
であります。
また、私同様、市民もこの人口減少問題は大変不安に思っており、市民とともに人
口に関する認識を、共有する必要があると思います。
さて、首都圏への若い男女の流出は、少子高齢化が進む現在、地方都市の持続性の
低下を招く大きな原因となっております。
そこで、この人口流出に歯止めをかけ、本市が活性化し、さらに成長していくため
には、国・県の施策に依存するだけでなく、若者の U ターン就職等が可能な職場の確
保や独自の戦略、地域特性に応じた切れ目のない施策が必要であると考えます。
国においては、安倍首相を本部長として『まち・ひと・しごと創生本部』を設置し
ました。また、本市においても、人口減少に歯止めをかけるため、2月 10 日には、市
長を本部長とする「富士吉田市地域創生戦略本部」を設置したとのことですが、現時
点での本市の人口減少状況等についてお聞きします。
以上、1回目の質問とさせていただきます。
1回目の市長答弁
渡辺利彦議員におかれましては、このたびの市議会議員選挙において、5期連続の
当選をされました。改めまして敬意と祝意を表したいと思います。
また、私のこれまで8年間の行政実績を評価していただくとともに、今後、私が推
し進めていくまちづくりについて、力強いお言葉をいただき、感謝申し上げる次第で
あります。
5期目の市議会議員として、よりよいまちづくりに意を尽くしていかれるとの決意
に接し誠に心強く思います。引き続き、渡辺利彦議員の御支援、御協力をお願い申し
上げます。
それでは、渡辺利彦議員の地域創生における人口減少についての御質問にお答えい
たします。
元総務大臣の増田寛也氏が代表を務める、日本創成会議が「地方都市消滅」を唱え
たことで、「人口減少社会」、「消滅可能性都市」の議論がマスコミ等で大きく取り上げ
られております。本市においても人口減少は避けることはできず、いかに維持してい
くかが、大きな課題となっております。
人口減少状況等については、現在、富士吉田市人口ビジョンの策定に向けデータ分
析を行っているところであります。
富士吉田市の人口は、国勢調査の数字では平成2年をピークに平成7年には減少に
転じており、本年度の国勢調査では、5年前に比べさらなる人口減少が想定されてい
る大変厳しい状況にあります。
転入・転出の推移を見てみますと、継続的に転出数が転入数を上回っており、「転出
超過」の傾向が続いております。特に 20 歳から 24 歳の若年男女の東京圏への人口流
出は顕著な状況であります。
また、出生・死亡数の推移は、平成 17 年に初めて死亡数が出生数を上回り現在まで
自然減の状況が続いており、我が国全体の推移と同様の傾向を示しております。
近年の本市の合計特殊出生率においては、山梨県の平均より、若干高い数値で推移
しておりますが、近隣町村と比べると低い数値を示しており、これが、人口増加に繋
がらない要因となっております。
人口減少の主な原因としては、特に若者の大学等への進学率の増加があげられ、昭
和 40 年代前半は 20 パーセント以下であったものが徐々に増加し、平成 16 年からは、
75 パーセントから 80 パーセントの間で推移していることや卒業後、首都圏に就職先
を求めるなどの理由が考えられます。20 代前半男女の転出超過傾向が続いていること
が、本市人口減少の主な原因となっております。
したがいまして、出生率の上昇につながる施策及び転入数の上昇につながる施策を
ともに行い、人口減少に歯止めをかける施策を継続して推し進める必要があると考え
ております。
以上、答弁といたします。
2回目の質問
第1標題地域創生における人口減少について2回目の質問をさせていただきます。
厚生労働省の人口動態統計では、女性 1 人が生涯に出産する子供の推定人数を示す
合計特殊出生率は、平成 17 年の 1.26 を底に緩やかに上昇してきました。しかし、先
日発表された厚生労働省の人口動態統計では、平成 26 年の合計特殊出生率は9年ぶり
に 0.01 ポイント低下し、1.42 となることがわかりました。また、昨年全国で生まれ
た新生児の数は過去最少を更新し、逆に死亡者数は戦後最多となり、死亡者数から出
生数を引いた人口の自然減も過去最大の数字となりました。また、昨年全国で結婚し
たカップルの数も戦後最少になり、厚生労働省は「人口減少の流れはさらに加速する」
との見方を示しました。山梨県においても県人口が、27 年ぶりに 84 万人を割り込み
ました。
このような状況の中、私は、人口減少の問題は、本市にとつても今後避けて通れな
い、非常に重要な問題であると認識しています。
ただいま、市長から人口減少の分析と考え方について答弁をいただきました。本市
の人口減少が全国の地方都市同様深刻であることに大変驚きました。
このままでは、自然豊かな世界遺産のまちである、本市の存続にもかかわる問題で
あり、未来を担う子供たちのためにも効果的な対策が必要と考えますが、本市の人口
減少・維持対策としてどのような施策の展開を考えているのか市長のお考えをお示し
ください。
以上、2回目の質問とさせていただきます。
2回目の市長答弁
渡辺利彦議員の2回目の御質問にお答えいたします。
人口減少・維持対策につきましては、地方自治体において避けては通れない重要な
課題であり、特効薬も無い状況であります。人口減少対策については、地域特性を把
握した効果的な企画立案、明確な目標と指標を設定することが大変重要であります。
現在、本市では、人口減少問題の克服等に向け、国の「まち・ひと・しごと創生総
合戦略」に基づき、人口ビジョン、地方版総合戦略を策定しているところであります。
この長期的なビジョンをもとに推進する施策と合わせ、今年度より、さらなる市民
の雇用促進を図り、市内定住人口の維持・促進を図るため、市内事業所全てを対象に
離職者、又は、専門技術者である市民の方を雇用した事業所に対して支給する人材確
保等雇用促進支援助成金制度を創設いたしました。
さらに、現在、先行的な取り組みとして、5月に定住促進センターを設置し、本市
への定住促進を図るための相談や、空き家等の案内を実施しております。
また、東京都及び本市において移住イベントを実施し、延べ 130 人を越える参加を
頂き、その後8名の移住者の受け入れに成功しております。
これらの取り組みに加え、定住を推進するため「定住促進奨励金制度」及び「縁結
び奨励金制度」を導入すべく、本議会に補正予算として計上させていただきました。
いずれにいたしましても、本市の末長い発展のためには、定住人口の維持のための
大規模な雇用の創設や富士山の世界文化遺産を生かした魅力あるまちづくりによる交
流人口の増加等、切れ目無い施策の展開が必要であり、行政はもとより市民・企業・
民間団体等と連携し、総力を挙げて取り組むことが重要であると認識しております。
したがいまして、本格的な人口減少を克服するための施策につきましては、今後「地
方版総合戦略」として位置づけ、計画的にこの課題を解決するための施策を強力に推
進して参りたいと考えております。
以上、答弁といたします。
第2標題「本市の将来を担う人材育成について」
1回目の質問
第2標題 本市の将来を担う人材育成について質問します。
市長は、3期目のマニフエストにおいて、これからの4年間の経営方針として、6
つの政策を掲げ、その中の1つに、『「働く」いきいきと働けるまちに』で、大型産業
集積エリアの整備を促進し、企業誘致を進めることにより、大きな雇用確保に努める
とあります。
しかし、私はいくら企業を誘致しても、企業が必要とする人材の確保・育成ができ
ないことには、企業の誘致や、定着は大変困難であり、経済活動を支える人材確保が
定住人口の増加につながるものと考えております。
現在富士北麓地域においては、県立の工業高校はなく、本市に工場等を持つ企業の
多くからも特にものづくりに携わる人材の不足から、必要とする人材育成のための実
践的な職業訓練や技能訓練を行う学校の整備を熱望されているところであります。
また、議員活動等を通じ、多くの経営者や、子供たちの意見を聞く中で、地元企業
への就職支援のためのものづくり等に特化した学校の必要性を痛感しているところで
あります。そこで、私は、知事の提唱されているダイナミックやまなし「プラチナ社
会構想」の1つで、『地域産業への人材供給のための県立高等専門学校の設置』につい
ては、本市若者等の人材育成のためにも必要なものと考えますが、市長の本市への「県
立高等専門学校」誘致等の考えをお聞かせください。
以上、1回目の質問とさせていただきます。
1回目の市長答弁
本市の将来を担う人材育成についての御質問にお答えいたします。
富士北麓地域の人口は、山梨県全体の約 12 パーセント程度でありますが、ファナッ
ク株式会社や株式会社牧野フライス製作所、株式会社加藤電器製作所、シチズン電子
株式会社等の企業が集積し、県内の工業出荷額の約 60 パーセントを占める電気機械器
具、生産用機械、電子部品、デバイス等の製造における製品出荷額のうち、富士北麓
地域においては、その約 40 パーセントを生産している地域であります。
本市におきましても、技術系の人材を求める企業ニーズが、景気の回復基調ととも
に年々高まっております。
しかしながら、現在、富士北麓地域におきましては、県立の工業高等学校はなく、
企業のニーズに十分応えられないのが実情であります。私も渡辺利彦議員御発言のと
おり、いくら素晴らしい企業を誘致しても、支える人材なくして企業は成り立たない
という思いを持っております。私自身も多くの経営者の皆様から、人材確保の相談を
受けているところでもあり、県立高等専門学校の設置を強く望む1人でもあります。
山梨県では、6月の定例会において後藤知事就任後、初の政策予算には、県立高等
専門学校の設置を含む産業人材の育成・供給の強化策を検討する費用などが盛り込ま
れたとの情報を得ております。
新しく設置するのか、既存の工業高等学校と産業技術専門学校の連携により同様の
機能を持たせるのか、現時点においては、明らかになっておりませんが、先ほど答弁
申し上げましたとおり、製造業の集積地であるこの地域に、ぜひ必要な機関と考えま
すので、既に、後藤知事にも直接お会いし、誘致に向けてお願いをしたところであり
ます。
今後におきましては、さらに議員の皆様のお力添えをいただく中で、近隣町村長と
連携を図りながら本市への誘致に向けてさらに積極的に県に働きかけて参りたいと考
えております。
以上、答弁といたします。
2回目の質問
第2標題本市の将来を担う人材育成について2回目の質問をさせていただきます。
地域の産業に対して即戦力として活躍できる人材を供給するため高等専門学校等の
誘致は市内企業等への就職支援、定住人口の維持、多くの交流人口を呼び込むための
魅力ある地域づくりには必要な施策であると思いますので、誘致に向けて、私も積極
的に協力して参りたいと考えております。
私は、特に教育や人材育成が地域の発展や活性化には必要不可欠なものと考えてお
ります。また、教育や人材育成には大変長い時間がかかることから、「高等専門学校」
誘致活動と合わせ、既存の高等学校等を有効に活用し、今後地域特性や産業に特化し
た、教育プログラム提供に向け、地域産業界、山梨県等と今後検討する必要があると
考えますが市長の考えをお聞かせください。
以上、2回目の質問とさせていただきます。
2回目の市長答弁
渡辺利彦議員の2回目の御質問にお答えいたします。
既存の高等学校等を活用した教育プログラムの提供についてでありますが、「高等
専門学校」の設置につきましては、国への許認可手続きや5年制の教育機関であるこ
となどの課題もあり、相当の時間がかかるものと考えております。
このため、本市といたしましては、地域産業界とも連携する中で、「高等専門学校」
の誘致と併せまして、既存高等学校に、富士北麓地域の産業に関わりの深い「工業技
術科」や「観光産業科」などの新学科の設置を中心に、山梨県へ働きかけて参りたい
と考えております。
以上、答弁といたします。
「渡辺利彦議員
締めの言葉」
人口減少への対応と、将来を担う人材育成について、縷々質問をさせていただきま
したが、このことは、本市にとって喫緊の課題であり、未来に向けて大変に重要な課
題でもあります。
堀内市長の標榜する「豊に暮らせる力強いまち、富士吉田」実現のため、積極的に、
果敢に立ち向かうことが、我が市の将来を担う子供達の明るい未来のため、必要不可
欠であると申し上げながら、私の一般質問を終了させて頂きます。
ご清聴ありがとうございました。