目に見えるものから、目に見えないものにこそ核心

Sodate 224号
H231225
〒947-0031 小千谷市土川1丁目5番53号
小千谷市
青少年育成センター
Tel0258-82-6750 Fax 0258-82-6750
相談専用電話 82-6771
e-mail: [email protected]
URL http://www.city.ojiya.niigata.jp/s-center/
第224号
目に見えるものから、目に見えないものにこそ核心
小千谷市
大谷元一
原稿を書いていると突然テレビに京都、清水寺貫主が立ったまま、大
きな筆にしたたるような墨で一気に「絆」を書かれる姿が目に飛び込ん
できました。今年の世相を表す一字で、全国から寄せられた最高得票の
文字のようです。
三月に東日本をおそった大災害は、未曾有の被害を各地にもたらしました。多くの
尊い人命が失われ、放射能汚染はいまも消えない不安と恐怖をのこしています。こん
な時こそ被災された方々に寄り添う心の最高の言葉だと思います。
私は、政治とは全くの門外漢なのですが、先日野田総理が民主党代表選に当選後、
記者会見第一声に、
「私の信条は、作家の司馬遼太郎、藤沢周平、山本周五郎の作品か
ら、それぞれ『志』
『下級武士の心根』
『義理人情』を学ぶことが出来ました。」と言わ
れました。これは、素晴らしい言葉ですね。政策は、その後からついてくるものです
ね。
日本人の英語能力の低さには定評がありますが、毎日、職場で
外国人と顔を合わせることになれば、いやが応でも英語が身に付
いていくにちがいありません。英語は英会話教室で覚えるものと
思っているのはひどい錯覚です。英語を覚えるのはアタマではな
く、カラダです。
学校が若者にどれだけの知識を供給するかは二次的な問題で、
モノを学ぶということの楽しさを教えることができれば上々だと思います。学ぶこと
の楽しさを少しでも垣間見れば、あとは放っておいても、若者は自分の好きなことに
ついて、貪欲に知識を吸収します。それは本能的といってもよいでしょう。
しかし、カリキュラム、教科書、テスト、教師の教授法から成り立っている学校教育
では、どうしても生徒たちを一定の思考法に押し込むことになります。
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アルコールに飲まれず、アルコールを楽しむために
小千谷市健康センター保健師
横山直子
去る11月21日、小千谷にも初雪が舞い降り、鍋料理などのあたたかい食べ物が恋し
い季節になりました。忘年会に新年会と、これからアルコールを飲む機会も増えてきます。
今回、原稿依頼のお話をいただき、11月7日に開催された「心の健康講演会」の内容
を含めながら、アルコールとこころの健康について書いてみたいと思います。
「心の健康講演会」は平成9年度から心の健康をテーマに、毎
年10~11月頃に開催しています。平成10年以降、全国で
は自殺者数が3万人を超え、県内の自殺者数は平成22年67
5人(全国ワースト4位)、市内では毎年10~15人が自ら命
を絶っているという現状があります。これらの状況から、今回
の講演テーマを「身近にかくれたアルコール問題」として、国
立精神・神経医療研究センター精神保健研究所で自殺予防総合
対策センターの副センター長をされている松本俊彦先生を講師にお迎えしお話いただき
ました。講演内容について少し紹介します。
「眠れない時にアルコールを飲まないこと」といわれますが、その理由は、アルコール
を飲んで眠ることは、脳にとっては軽い交通事故に遭い、気を失っている状態と同じよう
なもので、眠りが浅く途中で目が覚めるので、睡眠の質は悪くなってしまうことからです。
アルコールの適量は1日2合で、3.5合以上のアルコールを毎日飲み続けると「アルコ
ール依存症」だけでなく、「うつ病」につながるとのことでした。アルコールと自殺との
関連については、アルコールに含まれる「エチルアルコール」という物質が脳に麻酔をか
け、追い詰められた時にアルコールを飲むと「どうなってもいい、もうおしまいだ」とい
う「心理的視野狭窄」の状態になり、衝動性を抑えられずに自殺につながってしまうこと、
「追い詰められた時に飲みながら物事を考えないこと」「悩んでいる人を元気づけるなら
飲み会ではなくランチに誘うこと」などと、アルコールとの上手なつきあい方についてお
話がありました。
そして、自殺予防のために1人ひとりができることは、「気づき・かかわり・つなぐ」
こと。死にたいと悩んでいる人は「死にたいくらいつらい、本当は生きたい」という気持
ちがあり、信頼できる人に打ち明けている。死にたいと言われたら・・・「死んではいけな
い」とは言わずに、話を聴き、「つらさの原因」を尋ねること、「また会おう」と約束し、
相談機関につなげることが大切であるとのお話がありました。
保健師の活動を通じて、日頃、住民の方と接する中で気になることは、退職後に日中飲
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酒をする男性が目立ち、家族が心配しているということです。そして、悩みを持った方は
長い間悩み、迷い、さらにアルコールに依存し、周りで心配していた家族がやっとの思い
で相談されるケースがあります。迷っているときに気軽に相談できる人が必要であること、
1人で抱え込まずに相談していいんだというメッセージを本人に伝えていくこと、子ども
の頃からのこころの健康づくりについて大切なことは・・・など日々模索しています。こた
つを囲み、家庭で過ごす時間が多くなるこれからの季節、家族団らんのひとときを大切に
したいものですね。
小千谷市心の健康講演会に参加して
小西 美代子
心の健康講演会に参加して、自分を振り返る機会を与えてもらいました。
私は講演後、心にかかった「いきる」という言葉について点検してみたいと思いました。
私はいつも、こころを病んでいる人、生きづらさを抱えている人、そして、その人と毎日
一緒に暮らす家族がもっと「いきる」ことが楽になるといいなと思っています。
うつ
講師の先生のお話では、困難が重なりあうことで、こころの視野が狭くなって、鬱へ自
殺へと…進むということにアルコールが関わっているということでした。
具体的には、年齢が高くなる。長期にわたり問題を抱える。体調の不調がでる。身近に
相談する人がいなくなった等の、環境の変化の中で今まで乗り越えられてきたことも難し
い状況になった。専門家への相談も本人の選択肢の中にはなかった…。問題の解決が見え
ないことで、自分をなだめる、特効薬にアルコールに向かう…その時だけでも少し楽にな
る。こころの荷は下ろせない。
とても理解しやすい内容でした。こういう事態が増えていく地域はさみしいです。
うつ
それでも、大切な人に…、私…に鬱や自殺が起こっても特別ではないとも思いました。
「いきる」ことには困難が伴うもの、誰もがそういう中を生きてきているのだろうけど、
なんとかやってこられていたのは、何より本人が今までにつけた力と、誰かが傍で見守り、
こころの支えになっていたことがあると思うのです。身近な家族、友人、近所の人に関心
を寄せることが大事なのだろう…。今、私の気持ちに他人に寄り添うゆとりがあるだろう
か…。日常生活の中でもっと意識して人と関わることが大切なのだと気づかされました。
また、大人の、人と人との関係性を青少年は見ているはずです。
私たち大人が身近な人と話したり、弱音もはける関係ができていたら青少年の生き方の
モデルになれると思うのです。そして、「あなたが大事」であることをもっともっと青少
年に、伝えていかなければいけないのだろうと思います。
私自身、努力していきたいと思います。
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~小千谷地区少年警察ボランテイア連絡会から~
〈11月18日の研修会を紹介します〉
少年補導員
佐藤
恵子
「新潟県中央福祉相談センター」
・中央児童相談所
子ども虐待、いじめ、不登校、非行、発達の遅れなど、必要に応じて学校・家庭訪問、一時保護も行
います。
・女性福祉相談所
夫等からの暴力(DV)や帰住先がないなど、保護を要する人は一時的な保護相談にも応じます。
<感 想>
天気が良く、施設内も温かい空気と光があふれていました。偶然出会った子供たちと「こんにちは」と
笑顔で挨拶。広い体育館や幼児のプレールームなどがあり恵まれています。しかし、外から見えない窓ガ
ラス・カーテンを始め、その他外部からの進入を阻止する設備が完備されています。施設の限られた空間
に守られた平和と安全なのです。入所事情はそれぞれですが、子ども達の笑顔を守りたい、そして心やす
らかな生活ができるよう祈らずにいられませんでした。
「新潟学園」
いろいろな原因でつまずき、家庭や学校や地域での生活が続けられなくなった子ども達が、心や行動の
混乱を整理し、再び地域の中で生活していける力につながるようにお手伝いするための児童福祉施設です。
新潟市立内野小学校・内野中学校希望が丘分校が平成16年4月に創立され、入所している児童生徒が通
っています。
<感 想>
自然豊かな環境にある学校には、広い畑があります。野菜作りをとおし、働く喜び、収穫する嬉しさ、
それを食す楽しみを学んでいるようです。寮も家庭的な雰囲気があり、整理整頓ができている各部屋から
規則正しい生活が感じられました。途中で、ボンボンという音と賑やかな声がする体育館に行きました。
先生が見守る中、男子生徒数人が元気にバスケットをしていました。明るい様子にどこかほっとしました。
退所後は、児童をあたたかく迎える家庭と、優しく支える地域が必要と思いました。
新潟東地区少年警察ボランティアとの合同街頭補導
新潟駅周辺の繁華街等の視察及び合同街頭補導をしました。帰宅時間と重なったので、列車待ちの時間
をカードゲームで遊ぶ高校生などが大勢いました。少年のたまり場や遊興施設の少ない小千谷地区とは全
く違い、万引・窃盗など事件が多い事を実感しました。
「家庭の平和から世界の平和へ」
今年も振り返ってみると、本当に大変な年でした。
自然の大きな力に対して私達は本当に無力でありますが、新しい年こそ
平穏な幸せな年であって欲しいと切に願わざるをえません。
12月の墨美とコメント 角田ヨシ子様