シリーズ構成 南海トラフ巨大地震対策シリーズ 第38弾! 見えないからこそ現場管理が大切!! ~地盤改良工事の「見える化」~ ・ハード対策編 ・施設維持管理編 ・スキルアップ編 ・津波・高潮ST編 ・防災啓発編 ・視察対応編 ・施設編 西大阪治水事務所では現在、南海トラフ巨大地震対策として地震による液状化に伴う防潮堤の沈下等を防 ぐために防潮堤補強工事を実施しているところです。 地盤改良は、改良体の造成部分が地中であり不可視部となります。今回は、元請(久本組・壺山建設共同 企業体)と下請(ケミカルグラウト)の協力を得て改良体の端部まできちんと造成されているのかを確認 すべく熱電対の温度反応を利用した「見える化」に挑戦いたしました。 工事名:一級河川 左門殿川 防潮堤補強工事(辰巳橋上流左岸)H26その4 左門殿川 現場位置 見学会スケジュール(平成27年6月16日(火)) 14:00 14:30 15:00 16:00 16:15 工事延長L=460.2m 阪神本線千船駅集合 徒歩にて現場まで移動 現場にて工事概要説明・・・① 熱電対反応確認・・・② 模擬高圧噴射・・・③ 見学会終了 二重管式高圧噴射撹拌工法 二重管ロッド先端から圧縮空気と固化材を超高圧で噴射し、改良範囲を切 削し充填しながらロッドを所定の引上げ速度で引上げ、改良体を造成する工法です。 反対側にも ノズルが あります。 防潮堤 高水敷 液状化が予想される地層 このノズルより圧縮空気、水、 セメント固化材を混合したもの を超高圧で噴射します。 ここを地盤改良します 造成マシン 造成マシンの先端部のモニター ~見学会の様子~ ①工事概要の説明 現場代理人のご提案により現場内に仮設 テントを設置し開催! あいにくの雨でしたが快適でした。 開催にあたっての森下防災対策課長の 挨拶です。 現場代理人の横山所長による 工事概要の説明です。 ②熱電対による地盤改良範囲の反応確認 40 35 温度(℃) 熱電対による地盤改良範囲の反応確認とは… 熱電対を改良体の端部に設置し、出力判定例グラフ(右図)が 示すように噴射前の地中温度が噴射後に上昇あるいは下降した 場合に注入材(固化材)が届いていると判断し設定有効径を満 足したものと確認します。 外気温 30 温度上昇 25 改良体1 温度上昇 温度上昇 20 改良体2 改良体3 15 熱電対を改良体の 端部に4箇所に設置 ◆改良体No.B-56にて実験 1 13:00:00 14:00:00 15:00:00 16:00:00 17:00:00 18:00:00 時刻 2 【例】 改良体1 改良体上部 改良体2 改良体中腹部 改良体3 改良体下部 玉石砂礫層 土層構成別に 温度反応の確認 4 3 設置位置(平面) 改良体 B-56 φ3500 砂質土層 1750mm 熱電対 熱電対 ※記載の温度は、見学会当日の16時頃の温度 のため造成終了後の地中の温度になります。 結果データ 造成体下部(砂質土層) 造成体上部(玉石砂礫層) 温度上昇 温度上昇 結果は、テント内のスクリーンにて確認! 熱電対の温度反応から地盤改良効果を 確認し、「見える化」することができました。 ③模擬高圧噴射 通常は地中での高圧噴射(圧力約30MPa以上)であるため目視できませんが、 今回は、圧力を少し下げ(10MPa)、地上で河川水を噴射しました! 噴射の「見える化」! 噴射状況を確認できました。迫力も満載でした。 今後も確実な現場管理に努めていきます! 西大阪治水事務所 防災対策課 耐震第二G
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