NSST HIROHATA report No.M-1005 電位差自動滴定装置によるFeの形態別分析 1. 概要 ・滴定法はトレーサビリティのとれた高精度分析手法として数多くのJIS法に採用されています。 従来の手分析による滴定(指示薬を用いて色の変化を目視判断)に比べ、電位差自動滴定装置は指示薬法では 終点が決定しにくい着色溶液、懸濁溶液、希薄溶液などに適用でき、電位差及び光度変化により反応終点を自動 的に決定するためバラツキの少ない、より高精度な分析が可能です。 ・近年の製品・原材料の高品質化、リサイクル原料の使用に伴い、 Feの形態別分析(全鉄T-Fe、金属鉄M-Fe、酸化鉄FeO,Fe2O3等)のニーズが高まっています。 2. 装置仕様 ・形式名称 ・滴定の種類 ・終点検出 ・検出範囲 ・ビュレット精度 京都電子 AT-510電位差自動滴定装置 電位差滴定(中和滴定・酸化還元滴定・沈殿滴定) 光度滴定、電導度滴定 自動 最大変曲点、設定電位、交点検出 電位差 -2000~2000mV 20mLビュレット ±0.02mL 1mLビュレット ±0.005mL 3. 分析試料情報 電位差自動滴定装置外観 ※ 目的に応じた分析方法を提案させて頂きますのでお問い合わせください。 Feの形態別分析 試料量目安 : 2g 【 Feの形態別 電位差滴定分析濃度範囲】 【測定対象物質】 金属・鉱物 ・純金属、非金属 ・合金 ・セラミックス ■金属鉄 : 1%以上 99.9% ■全鉄 :20%以上 99.9% 環境 ・土壌、泥質、粉塵 石油化学 ・燃料(石炭など) ※低濃度域はICP-AES法により対応します。 ※FeO、Fe2O3は別方法により対応します。 4. 分析事例 ■キレート滴定 :イオン電極を使用。 被滴定溶液の透過光または反射光による色調や色の濃淡によって自動終点判定。 例:金属鉄(表1)、鉄鋼中ニッケル定量 ■酸化還元滴定 :白金電極を使用。滴定の際に生じた電位差によって自動終点判定。 例:全鉄(表2)、フェロマンガン中マンガン定量、鉄鋼中クロム定量、鉄鋼中バナジウム定量 表1:金属鉄分析例 (臭素メタノール溶解) 単位 :% 単位 :% 試料名 管理値 分析値 試料名 認証値 分析値 ダスト試料A 10.12 10.00 ±0.12 65.67 65.75 ±0.20 ペレット試料B 57.00 56.73 ±0.50 JSS850-4 マルコナペレット 材料営業部 TEL079-236-0041 FAX079-236-1501
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