海外事業を考えている企業の皆様へ②

海外事業を考えている企業の皆様へ
日本の企業総数が約380万社強、その中から大小取り混ぜて海外進出して
いる企業が約2万社。50%が製造業であり、またその半分が中小企業という
状況があります。
海外進出している企業には各社各様の必要性があり、あるものは取引先に連れ
られての「已むに已まれぬ型」、あるものは「積極的転出型」、あるものは海外
企業からの勧誘に応える「渡りに船型」など等。
海外進出までいかずとも、日本からの製品輸出に軸足を置く企業も多くあるで
しょう。または、自社が知らないうちに日本の取引先が海外に輸出しているケ
ースもあるでしょう。
いずれ、日本市場は20年後には1億1,100万人、35年後には9,70
0万人へ縮小し、65歳以上の高齢者が全人口の33%を超える「市場」へ変
貌すると予測される現在です。TPP を始めとする世界的経済圏の枠組みが再編さ
れる中で、世界の消費財や生産財が国境を越えて流入。小さくなった「市場」
に世界の物が溢れ、その競争の激化は企業経営の生き残りを賭けた戦場となる
のです。
一昔前の流行語ではないが、
「海外に動くなら、海外に動けるなら、今なので
す」。業種業界によっては「遅きに失する」ケースもありますが、まだ間に合い
ます。
経営の方向性や将来性を真剣に考えて、「世界」を見た思考をしてください。
とは言っても、決して大袈裟ではありません。
自社の製品特性や技術ノウハウは大切に守りながら、製品を海を越えて外国に
出すための少しの工夫をするのか、海外で工場を構え、生産販売の態勢を組む
のか。
要するに「為すための心構えと準備を整えるか、どうか」で、人・モノ・金・
情報をしっかり活用し、将来に向けた経営の持続を実現する努力を真面目にす
るかしないかの選択を、企業経営者や幹部の皆様は求められていると思います。
海外と言えば「言葉」
「商習慣」
「風習」
「人脈・商脈」
「貿易知識」
「法規」等
全てにハードル・壁が高く存在するのは事実です。今まで日本国内、それも古
くからの気心が分かった取引先やよく見知った地域や販路でしか商売をしてこ
なかった、そういう会社企業にとれば「海外」等は、リスクの塊、ストレスの
海であるでしょう。
それは、全てを自社で完結しようとする「枠」を自らが嵌める結果から出るも
の。海外事業や輸出促進には、余程の経済力・ブランド力・技術力・人材がな
い限り自社完結は厳しいのです。
海外事業展開や輸出促進にはやはり優良なる推進パートナー平たく言えば相談
相手が不可欠です。
その国その地域の「事情」に精通するパートナーを得、事業導入の道案内をお
願いする。パートナーはある時は「監督」「コーチ」「プレーヤー」となり、あ
る時は「アナリスト」「ご意見番」をも務めるのです。
例えば、輸出拡大となれば、どうしても「海外に販売拠点を、在庫拠点を、駐
在員を」と大上段に構え、投下資金も半端でなくなる。これでは、資金に限り
がある企業では手が出ないでしょう。また、融資元の銀行も賛同はしないでし
ょう。海外事業となれば更に「工場建設、設備調達、従業員採用・・」と、採
算が見通せない初期段階からの資金はどうする、国内の本業の稼ぎをつぎ込ん
で未知の海外事業に踏み出せるのか。
多くは、経営者は懊悩(おうのう)し、多くは逡巡の末、一歩を止まるのでし
ょう。ただ、今に止まれば、次が遠のく。実態でしょう。
欧米や南米、アフリカ、日本から遠くなればなるほど、海外の壁は高く、厳し
くなるでしょう。
アジアが簡単とは言えませんが、少なくとも日本を信頼し、受け入れてくれる
「風土」で、これから発展するところを後背地に持つ国地域が日本企業にとっ
てカントリーリスクが少なく、進出に適切と言えます。
さて、皆様にとって「今からどう進むのが正解か」、為すべき道は何なのでし
ょうか。