「シニア層の節電実態」に関する調査結果報告書(PDF/347KB)

「シニア層の節電実態」に関する
調査結果
2015年5月26日
目次
調査の背景と目的
調査方法
調査の主な結果
調査結果
1. シニア層の節電意識・行動の実態
2. 使用している家電の所有年数
3. 家族内での家電購入支援の実態
まとめ
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調査の背景と目的
<背景>震災による節電行動の高まりとその後の節電ムードの低下
生活者の節電行動は、電力不足が喫緊の課題となった東日本大震災を契機に高まったが、
東日本大震災から年を経るにつれ、低下が危惧されるようになった。
このままでは、生活者の節電行動は震災前の水準まで回帰する可能性があり、生活者に節電を伝え
る新たな手立てやメッセージの検討が急務であると考えられた。
<目的①>
節電行動の継続・向上方策の
検討に資するデータの収集
生活者の節電行動の実態を
把握することに加え、生活者の節電
行動の継続や向上を促す検討に
資する結果を得ることが目的
⇒前回レポート(2015.3)で提示
<目的②>低炭素生活への移行方策検討に
資するデータの収集
一方、今後の低炭素社会の実現を視野に入れると、
暮らしのなかで本来的に必要とするエネルギーが
少なく済む、低炭素生活への移行を促すことも必要。
シニア層(60代以上が主な居住者の世帯)は、
エネルギー多消費型の生活構造になりがちであり、
どのように節電を促していくのかが、課題となりつつある。
そこで今回は特にシニア層の節電に関して
実態把握をすることを目的に、分析を実施。
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調査方法
調査の対象者は、東京電力管内の20歳以上の男女960名(2015.3発表レポートと同じ)。今回は特に
シニア層に着目し、節電行動や家電の保有等について分析を実施。
調査方法の概要
調査期間:2014年10月
調査方法:インターネット調査
対象:東京電力管内の20歳以上の男女
調査対象者の基本属性
性別と年代については、国勢調査のデータに割り付け
性別
年代
婚姻
70代
20%
女
男
51%
49%
60代
17%
子ども
20代
13%
未婚
30代
既婚
17%
66%
子どもなし
34%
子どもあり
62%
40代
50代
39%
18%
15%
(n=960)
(n=960)
(n=960)
(n=960)
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調査の主な結果
● シニア層(60歳以上)は、節電行動を多くしているものの、電気代も高い
• 年代が高くなるにつれて、平均よりも行動を多くしている人々の割合が増加。
• 年代が高くなるにつれて、ひと月あたりの電気代も増加(少人数世帯(単身・2人世帯)で比較)。
20代・30代で最も多い価格帯 4,000円未満/月 (20代・30代の36%を占める)
60代・70代で最も多い価格帯 10,000円未満/月 (60代・70代の34%を占める)
● 50代以上が利用しているエアコン・冷蔵庫の約2割は15年以上前のもの
• 例えばエアコンと冷蔵庫について、20代・30代では10年以上の製品を利用している世帯が2割程度
である一方、40代以上になると、4割近くに上昇。
• 特に50代以上では、15年以上前の製品が約2割程度を占め、買い替えによる節電ポテンシャルが
大きいと考えられる。
● 年代が上がるほど、家電製品の買い替え時に子や孫へ相談する機会が増加
• 50代を過ぎると、家電製品の購入について子や孫に相談する機会が増え、70代では34%が子や
孫に相談した経験がある。
• 子や孫から家電製品をプレゼントされた経験は、70代が最も多く26%。
• 祖父母や親から家電製品の購入について相談をされた経験は、特に20代~50代が多く3割前後。
• 祖父母や親に家電製品をプレゼントしたことがあるのは、50代が最も多く34%。
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調査結果
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1.シニア層の節電意識・行動の実態~シニア層は節電行動率高
今回調査で尋ねた14項目の節電項目について、行動している個数別に人々の分類を行った。
この分類について年代別にみると、年代が高くなるにつれ、平均よりも行動を多くしている人々(14項
目中11項目以上)の割合が高くなり、70代では4割近くとなった。
節電行動への取組度合※
平均よりも行動を多くしている
(14~11項目)
20代(n=95)
18%
30代(n=122)
平均程度
(10~8項目)
36%
46%
28%
40代(n=120)
33%
31%
50代(n=103)
20%
31%
33%
39%
0%
38%
40%
35%
70代以上(n=152)
39%
31%
29%
60代(n=128)
平均よりも行動が少ない
(7~0項目)
32%
36%
40%
60%
25%
80%
100%
シニア層は、節電行動を多くしている割合が高い
※エアコン、冷蔵庫、照明、温水便座、炊飯器、テレビを対象にした14項目の節電行動への取組度合。
なお、対象機器を所有していない人は除いている。
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1.シニア層の節電意識・行動の実態~シニア層は節電が習慣化
節電が習慣になっているかどうかについては、年代が高い方が習慣になっていると答えている割合
が高かった。
節電の習慣化
Q. 節電が習慣になっている
非常にそう思う
ややそう思う
あまりそう思わない
まったくそう思わない
20代(n=127)
20%
30代(n=166)
19%
51%
25%
40代(n=176)
18%
49%
31%
50代(n=140)
15%
60代(n=163)
70代以上(n=188)
24%
0%
20%
40%
5%
2%
24%
1%
60%
17%
3%
55%
19%
2%
61%
20%
8%
28%
44%
60%
80%
100%
シニア層は節電が習慣になっている割合が高い
8
1.シニア層の節電意識・行動の実態~シニア層は電気代が高額
一方で、昨夏の電気代については、年代が高くなるにつれ電気代が高くなっていた(少人数世帯を対
象)。
特に、10,000円を超える世帯は、20~30代が3%であるのに対し、60代以上では34%となっていた。
昨夏の電力代 (少人数世帯)※
4,000円未満
4,000円~6,000円未満
20~30代(n=74)
6,000円~8,000円未満
36%
40~50代(n=102)
17%
60代以上(n=216)
6%
0%
34%
21%
17%
20%
17%
24%
20%
8,000円~10,000円未満
19%
19%
40%
60%
10,000円~
7% 3%
27%
34%
80%
100%
3世帯に1世帯が10,000円以上
2世帯に1世帯が8,000円以上
※単身・二人暮らし世帯を対象。電気代を把握していない人は除く。
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1.シニア層の節電意識・行動の実態~シニア層は電気代への関心低
毎月の電気代については、若い世代の方が気にしている人が多く、シニア世代はさほど敏感ではな
いことが分かった。
このことの背景としては、若い世代より貯蓄額が高かかったり、支払いに慣れていることなどが考え
られる。
電気代への関心※
Q. 毎月の電気代が気になる
非常にそう思う
ややそう思う
あまりそう思わない
20代(n=67)
52%
30代(n=119)
50%
まったくそう思わない
33%
13%
43%
1%
7% 0%
40代(n=131)
38%
49%
12% 1%
50代(n=110)
37%
52%
9% 2%
60代(n=139)
25%
70代以上(n=163)
28%
0%
65%
9% 1%
55%
20%
40%
60%
16%
80%
1%
100%
シニア層は、電気代をさほど気にしていない
※電気代を把握していない人は除く
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1.シニア層の節電意識・行動の実態
このように、シニア層は、節電行動していると答えているが、電気代が高額になっていた。
シニア層は、以下のような要因でエネルギー多消費型の生活構造になりがちであることが各所で指
摘されており、どのように節電を促していくのかが課題となりつつある。
シニア層の電気代が高くなる要因
長い在宅時間
少人数の割に広い住宅への居住
断熱性能の低い住宅への居住
効率が悪かったり必要以上に大型な家電を複数使用
貯蓄額が高いことや支払慣れていることによる経済的インセンティブの効きにくさ
熱中症防止にエアコンを利用したり、介護・医療用機器が増えるなど、
家電の新たな需要生成
シニア層は、構造的にエネルギー多消費型の生活になりやすい。
今回は、比較的簡単に実行しやすい、家電の買い替えへ着目。
一方で、家電の買い替えについては手間が多く、シニア層は腰が重くなりがち。
そこで今回の調査では、シニア層に身近である家族に着目し、
家電購入に係わる支援について実態を把握。
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2.使用している家電の所有年数~シニア層は古い家電が多い
エアコンと冷蔵庫について、10年以上の製品を利用している世帯は、20代・30代では2割程度である
が、40代以上になると、4割近くに上昇していた。特に50代以上では、15年以上前の製品が約2割程
度を占めており、買い替えによる節電ポテンシャルが大きいと考えられる。
家電の所有年数※
冷蔵庫
エアコン
0~5年未満
20代(n=113)
30代(n=152)
40代(n=162)
50代(n=134)
60代(n=157)
70代以上(n=178)
5年~10年未満
10年~15年未満
15年~20年未満
58%
24%
53%
24%
25%
33%
17%
26%
44%
33%
18%
31%
31%
16%
30%
29%
10%
19%
32%
20%
16%
15%
11%
35%
30%
40%
19%
50%
60%
70%
4%
15%
8%
29%
31%
2%
13%
6%
19%
51%
0%
5%
2%
3%
7%
20%
29%
38%
5%
11%
30%
37%
20代(n=120)
30代(n=160)
40代(n=173)
50代(n=140)
60代(n=162)
70代以上(n=186)
12%
30%
35%
31%
20年以上
8%
3%
2%
4%
8%
3%
7%
13%
9%
12%
5%
80%
15%
90%
100%
※エアコン・冷蔵庫を所有していても使用していない人は除く
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3.家族内での家電購入支援の実態~70代では3人に1人が家電購入を相談
50代を過ぎると、家電製品の購入の際に子や孫に相談する機会が増え、70代では34%が子や孫に
相談した経験があった。
子や孫から家電製品をプレゼントされた経験は、70代以上が最も高く、26%となっていた。
親や祖父母の立場としての回答※
Q.家電製品を買う際に、子どもや孫に相談をしたこと
がある
40代(n=107)
Q.家電製品を、子どもや孫からプレゼントされたことが
ある
40代(n=107)
10%
50代(n=107)
27%
50代(n=107)
60代(n=134)
27%
60代(n=134)
70代以上(n=174)
34%
0%
10%
20%
30%
40%
2%
12%
19%
70代以上(n=174)
26%
0%
10%
20%
30%
40%
※子どもがいない人は除く
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3.家族内での家電購入支援の実態~家電のプレゼントは50代が多い
祖父母や親から家電製品の購入について相談をされた経験は、特に20代~50代が多く3割前後。
また、祖父母や親に家電製品をプレゼントしたことがあるのは、50代が最も多く34%であった。
子どもや孫の立場としての回答
Q.親や祖父母が家電製品を買う際に、相談を受けたこ
とがある
Q.親や祖父母に家電製品をプレゼントしたことがある
20代(n=127)
31%
20代(n=127)
30代(n=166)
32%
30代(n=166)
40代(n=176)
27%
60代(n=163)
10%
20%
34%
60代(n=163)
16%
0%
29%
50代(n=140)
21%
70代以上(n=188)
28%
40代(n=176)
30%
50代(n=140)
17%
25%
70代以上(n=188)
30%
40%
20%
0%
10%
20%
30%
40%
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まとめ
今回の調査において、シニア層は、節電行動は多いが、一人当たりの電気代が高額
になっていることが分かった。
この要因は前述したとおり様々考えられるが、今回はその一つとして、古い家電の利
用に着目したところ、エアコンと冷蔵庫では、50代以上の約2割が15年以上の家電を
利用しており、節電ポテンシャルが大きいと考えられた。
一方で、家電の買い替えについては手間も多く、シニア層は腰が重くなりがちとも考え
られた。
そこで今回の調査では、シニア層に身近である家族に着目し、家電購入に係わる支援
について実態を把握した。結果、50代を過ぎると、家電製品の購入について子や孫に
相談する機会が増加し、70代では34%が家電製品の購入時に子や孫に相談した経
験があった。
シニア層の家電製品の買い替えを通じた節電を支援するには、家電購入について相
談を受ける子どもや孫世代である支援層に対して、シニア層の電気代や家電年数の
実態、及び適切な節電方法や省エネ家電について情報を提供していくことが重要では
ないか。
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担当 小山田 和代