X 線マイクロCT による燃料電池用MEA の層構造観察

Technical News
株式会社 住化分析センター
● X 線マイクロ CT による燃料電池用 MEA の層構造観察
TN309
Observation of the cross section of MEA for fuel cells by X-ray CT
[概
要]
X 線マイクロ CT(Computerized Tomography)は、X 線を用いた非破壊観察手法の一つで、360°方向から
X 線照射し、断層像や立体像を得ることが出来ます。ここでは、固体高分子形燃料電池( Polymer Electrolyte
Fuel Cell; PEFC)中の MEA(Membrane Electrode Assembly)について、その層構造ならびに触媒の分布状態
を 3D 観察した事例を紹介します。
[分析例]
X線CTによるMEA観察結果(観察範囲1mmφ)を図1(a)に示します。従来の顕微鏡的断面観察では不可能
な多方向からの3次元画像解析を実現しています。さらに、触媒(Pt)粒子だけを抽出した画像(図1(b))
は、EPMA元素カラーマッピング等で観察されたPtの分布状態をより明瞭にマクロ的視野で示したものと言
えます。
(a) 全体の三次元像
(b) 触媒粒子の抽出像
図1. MEAのX線CT画像
このような非破壊観察とSEM(走査電子顕微鏡)、EPMA(電子線マイクロアナライザ)等による微小域
の観察を組み合わせることで、MEAの層構造を正確に把握することができます。
作成:大阪(SS0807)4-RO-(28) 2-B0-(60)
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