東日本大震災復興支援~絆~プロジェクトおおむた 活動報告

吉野地区地域包括支援センター 緒方弘征
ずいぶんとお久しぶりです。吉野地区地域包括支援センターの緒方です。2012 年 10 月に包括支援センターで勤務して
います。この相談室だよりも、2012 年 10 月ぶりになります。今回は、8 月 10~13 日に「東日本大震災復興支援~絆~
プロジェクトおおむた」の活動参加を報告いたします。
今回で 4 回目の宮城県南三陸でした。
「南三陸町歌津(うた
人手不足・建材不足などありますが、これに拍車を掛けて
つ)でおこなわれる夏祭りのサポート活動」と「今まで行
しまったのが、東京オリンピックと感じます。今、国とし
ってきた絆ベンチのその後の確認」をしてきました。そこ
て何を優先すべきか、ここに来れば、頭ではなく体で分か
で、多くの‘きっかけ’を感じてきました。
ります。
‘きっかけ①’歌津の夏祭りには、「恋しくて」や「島ん
‘きっかけ③’ 「石巻市
ちゅ宝」で有名な BIGIN がやってきます。それには、あ
訪問しました。ここは、夏は海水浴客でにぎわう海辺の小
る‘きっかけ’があったからです。2012 年 12 月、沖縄
さな集落で、総世帯数 21 軒です。うち、津波で残った家
県・西表島で発見された郵便ポストは、東日本大震災で津
屋は、4 軒。ここにも、絆ベンチありました。絆ベンチが
波に流されものでした。そのポストが元々設置された土地
あるのは、オープンしたての地域交流センター「ナミイ
が南三陸歌津でした。このポストを沖縄県石垣島出身の
タ・ラボ」です。なぜ、ここに地域交流施設?不思議でし
BIGIN が南三陸町歌津地区に届けたのが、この祭りの‘き
た。ここを開設したのはこの集落の青木さん。ごく普通の
っかけ’でした。ポストがテーマの新曲「歌津さきてけさ
ご高齢者です。その青木さんと話して、理由が分かりまし
い」を書き下ろした BEGIN は、昨年の夏、
「歌津復興夏
た。「限界集落と呼ばれるこの集落を 1 日でも長らえさせ
祭り」のステージで同曲を歌いました。今回は第 2 回目で、
たい。そのためには、日本全国の人にこの波板を知っても
再び BIGIN は歌津の方々と一緒に歌を歌いました。祭り
らいたい。そして、足を運んでもらいたい。その拠点に、
のサポートの合間、BIGIN 観ました!聴きました♪
ナミイタ・ラボが必要でした。」
‘きっかけ②’ 東日本大震災の発生から4年目の今なお、
プルでした。シンプルな分、誠実さや実直さが伝わってき
岩手・宮城・福島 3 県で約 9 万 5000 人の被災者が、仮設
ました。その思いに賛同した大学教授や NPO、ボランテ
住宅に住むことを余儀なくされています。ここ南三陸町も
ィア団体が繋がり、地域交流センター「ナミイタ・ラボ」
同様です。南三陸町の仮設住宅に集いの場・憩いの場とベ
が出来たのです。現在では、ボランティアの拠点や地域の
ンチを寄贈したのが私たちプロジェクトおおむたの活動
介護教室などの交流の場となっています。
の一つでした。ベンチのその後を実際に見てきました。嬉
‘きっかけ④’今回の活動は、大牟田社会福祉協議会の川
しいことに、住民の方々がこのベンチに座り、談笑されて
地局長とご一緒させて頂きました。この「プロジェクトお
いました。笑顔の 90 代の女性が 2 人、
「私たちは、元々
おむた」で協働できた人・事業所同士で、大牟田での地域
幼馴染で、それぞれ結婚して違う土地で暮らすようになっ
活動に活かすことが必要と考えます。これが、復興支援の
たんです。それが、あの津波がきっかけで、お互い家をな
一つの在り方と感じています。
雄勝町
波板(なみいた)」に
青木さんの話は、シン
くし、この仮設住宅に住むしかなかった。すると、何十年
9 月 6 日、
「人とまちづくり協議会」主催で、
“2030 年代
ぶりかに二人が再開したんです」と話されました。BIGIN
の大牟田の住まいを考える”というテーマでワークショッ
もおばあさん 2 人も、きっかけは津波でした。あの甚大な
プがあり、参加してきました。この場には、医療福祉関係
被害を及ぼした津波、その津波をきっかけとして生きる・
者に限定されず、商業者、行政関係者、市民活動団体関係
繋がる人々に、力強さを感じました。一方で、元々2 年間
者等 18 名が集まり、様々な意見を交わすことが出来まし
の居住期間で建てられた仮設住宅は、次々と障害に見舞わ
た。少し、周りを見渡せば、色々なきっかけがあります。
れています。仮設を出たくても、出る場所がない現実。南
今後も、このきっかけを大切に地域づくりに活かしていこ
三陸でも、仮設から出られた人は 1 割と聞きます。まだ、
うと思います。
ここは非常時なのです。復興住宅建設が進まない原因は、
九州沖縄地協で初の初任者研修を実施しました!
8 月 29 日~31 日まで、福岡県連事務所を会場に、九州沖縄地協を中心に初任者ソーシャルワーカーが 35 名集まり、
学習をしました。親仁会からも、米の山病院/上田くん、みさき病院/山下さん・福山くんが参加しました!