私の仕事 私の思い

多職種協働で気づいたこと
ご利用者、ご家族、お互いに幸せになれるように
その場合、私はいつも基本に戻り、
晴れた日は、きらきらと水面輝く
て思うように動けないこともありま
北陸新幹線の開業で、自然に恵まれ
舞鶴湾のリアス式海岸を望む、豊か
した。そのため、RMとして効率的に
た富山県滑川市がときどきテレビで取
な五老岳の麓にあるアザレア舞鶴で、
活動するには、仲間を増やすことと、
り上げられるようになりました。入所
私は現在、看護師、リスクマネジャー
当施設内でも同じ目的をもつ安全対
定員150名、通所定員45名のグループ
「ご家族は、ただただ、看られる、看
( 以 下、「RM」
) と し て、 ご 利 用 者、
策委員と協働することで、以前に比
ホーム・支援ハウス・居宅介護支援事
られない(ということ)だけをいって
べ効率が上がりました。また私自身、
業所を併設する当施設に、支援相談員
いるのか?」
「何ができて、何ができ
モチベーションを維持できるように
として入職して 6 年になります。
ないのか?」
「なぜできないのか?」
職員と日々奮闘しています。
初めは、役割意識からくる「私が
事故を防がなくては」という使命感
アザレア舞鶴(京都府)
にとらわれていたかもしれません。
他の職員と協力してリスクマネジメ
なったと思います。
さ
看護(RM)
ど
は ら ひ ろ
み
佐土原広美
ントに取り組むという考えが欠けて
RMとして 1 年が経過しましたが、
在宅生活推進の傾向がより強くなって
事故件数を減らすのはなかなか大変
きている一方、独居・老夫婦世帯など、
です。ひやりはっとの件数は、前年
身近な方からの支援が難しく、孤立し
度と比べ倍以上に増えました。そこには職員、そ
いました。
介護保険法は改正を重ねるごとに、
「ご利用者本人が真に望んでいること
は何か?」
「やりたいことは何か?」
なごみ苑(富山県)
し ま
だ
まこと
島田 誠
支援相談 と、
『なぜ?』を繰り返します。
ご利用者はもちろん、ご家族の『負
担』を軽減、ときにはその『負担』を
『やりがい』に変えられるよう提案す
るなど、極力、みんながお互いに幸せになれるよ
がちなケースも増えてきています。
まず私は、他の職員とともに積極的に現場に足
して私自身のリスクマネジメントに対する意識の
ほとんどのご利用者がご自宅での生活を望んで
う努めています。まだまだ私自身力不足を感じる
を運ぶようにしました。彼らと意見交換すること
変化が少しずつ表れているのだと思います。今後
いますが、受け入れるご家族は、以前の大変な生
ときがありますが、老健施設は、医師・看護師・
で、当事者、対象者を取り巻く療養棟という「環
の課題として、ひやりはっとから事故の減少にど
活を思い出し、大きな不安で在宅について消極的
介護士・PT・OT…と、専門家にすぐ相談するこ
境」についても考える視野が広がりました。
のようにつなげていけるか、よりいっそう取り組
になりがちです。最初から、在宅について前向き
とができます。その強みを生かし、これからも支
んでいきます。
に考えられないのも無理はありません。
援を行っていきたいと思います。
看護師としての多忙な勤務体制から、RMとし
私の 仕 事 私 の 思 い
私の 仕 事 私 の 思 い
この『できる動作』を大切にすることで、ご利
青翔苑は、日本三名城の 1 つである熊本城の
退所が近づいてきたご利用者の方たちには、週
私たちひまわり荘では、
「在宅復帰を考えたリ
お膝元、緑豊かな島崎の地にあります。私は、平
2 回、口腔機能向上と口腔ケアの上達を目的と
ハビリケアをしていこう」を目標とし、ご利用者
用者が 1 日の生活のなかで、介護士、看護師、
成24年 8 月、併設病院から当施設に異動して 3
した、歯磨き指導や嚥下体操などを行っています。
の在宅復帰に力を入れています。平成26年度より
リハビリスタッフとともに動く機会を少しでもつ
年目を迎えました。現在、老健施設で働きながら
このようなグループ活動は、ご利用者どうしの交
全老健の「R4システム」を導入してからは、よ
くっていくことができ、その後のADLや身体機
感じることは、特に多職種連携の大切さです。
流の場としても皆さん心待ちにしておられ、私も
りいっそうご利用者やご家族のニーズに応えられ
能の向上につながると考えているからです。
やりがいを感じます。
るよう、日々試行錯誤を重ねています。
そのため私はさまざまな取り組みを行っていま
日々の臨床業務においても、生活のなかで難し
す。日々のご利用者への口腔ケアは
「食べる」
「話す」
「呼吸する」な
リハビリスタッフと介護スタッフ
かったことができるようになったと
もちろんのこと、私の歯科衛生士と
どの役目をもつ口腔は、健康への入
協働の、食事・排泄・入浴動作など
きの喜びをご利用者と共有できるこ
しての最大のテーマである「食べら
口ともいえます。大切な臓器の 1 つ
の生活リハビリには、特に力を入れ
とは、リハビリスタッフにしかない
れるお口づくり」のために、ご利用
なのです。ご利用者が、在宅でもお
ています。
特典であり、大切にしたいと思って
者の口腔に少しでも変化やトラブル
いしく食べられるように、口腔内の
この生活リハビリでは、生活動作
を発見した際には、積極的に歯科受
管理、セットアップの必要性を痛感
の一つひとつがリハビリであること
診を勧め、往診治療や通院治療の調
する毎日です。
をご利用者と介護スタッフに伝え、
して、目の前のご利用者に自分はな
ご利用者が日常生活で『できる動作』
にができるのか? これでよかったの
これからは、老健施設で働く歯科
整を行います。
トラブルが解決し、ご利用者がお
い し そ う に 食 事 を と る 姿 を 見 る と、
大変うれしくなります。
青翔苑(熊本県)
うめ
だ
梅田なおみ
歯科衛生士 衛生士だからこそできる“発信”をどん
を大切にしていけるよう促していく
どん意欲的に行っていきたいと思っ
ことも、私のリハビリスタッフとし
ています。
ての大事な役目です。
お口は健康への入口〜歯科衛生士としての使命〜
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います。
今後もリハビリスタッフの 1 人と
ひまわり荘(栃木県)
よ し む ら み つ
お
吉村光生
PT か? 自問自答を繰り返しながらも、
よりよいリハビリをご利用者に提供
していきたいと考えています。
リハビリスタッフとして、力を入れていること
老健 2015.9 ● 53
2015/08/11 12:56