≪介護と仕事の両立に関する意識調査アンケート調査結果報告書≫

≪介護と仕事の両立に関する意識調査アンケート調査結果報告書≫
調査目的: 社員のボリューム層が30代後半から40代ということもあり、現在の介護の実
態や直面の可能性、介護制度や支援制度にかかわる情報認識度、職場の支
援課題等を把握し、今後の仕事と介護の両立を継続するために必要な会社
の取組等も把握する。
調査実施時期: 2015年10月
調査方法: アンケート用紙をメール添付にて配布、回収 BOX 設置(無記名)
調査対象: 20代~50代の社員、L社員、嘱託社員、臨時社員
回答率: 87%
1)現在の従業員の介護状況、介護対象者の有無
本調査によって当社の従業員のうち介護経験がある者は全体の約20%でありました。その内
現在も引き続き自分で介護をしている者は1名。これは従業員の平均年齢が40代前半なので
まだ介護対象者が家族にいる者が少ない事と50代はいったん介護が終わった事が考えられま
す。
2)今後の従業員の介護見込みについて
従業員のうち「今後5年間のうちに介護する可能性」は13%、「介護をする可能性が少しある」
が66%と高くなっております。但し、その中で介護を担う人の割合は「本人や配偶者」は37%程
度で、「その他の親族」と回答した者が31%、「わからない」と回答した者も31%ありました。介
護についての状況が切迫しておらず、どちらかといえば介護の必要性を感じさせる状況をあまり
ない傾向がみられます。
3)仕事と介護の両立に関する不安について
介護をすることへの不安を感じている人はその度合いに差がありますが、Q6の設問に対して不
安を感じると回答した者は全体の88%と高い数値になりました。 Q7で明らかになったのは、
「公的制度の仕組みが分からない」が半数以上を占めており、介護についての公的な情報が得
られず漠然とした不安が大きいと思われます。その他の回答としては「前例がない」66%「将来
の見通しが立てにくい」「両立の仕方や仕組みがわからない」53%、「労働時間が長い」「漠然と
した不安」46%、「収入が減る」40%、「代替要員なし」33%の回答が続き、少なかったものは
「その他」13%、「上司の理解が得られない」「地域での相談先がわからない」6%でした。また
「勤務先の支援制度が分からない」「職場の雰囲気が両立できなさそう」「職場での相談先がわ
からない」などの職場環境に対する不安について20~25%の者が感じており、職場の雰囲気
や前例が無かったために、周囲と介護について話し合う環境が整っていないと考えられます。
これは Q19で「職場でのコミュニケーション」の設問について上司・同僚・部下ともに80%近くが
「円滑であると思う」「やや円滑であると思う」と回答、また Q9での「職場の上司や同僚への相談
できる雰囲気」については、「ない」1 名のみ回答であった事をから、相談に対する抵抗感という
よりは、介護についての相談窓口の認知度が低いのではないかと考えられます。尚 Q8の「現在
の勤務先での仕事の継続の可否」では、「わからない」と回答した方が58%おり、介護に対する
会社の支援のしくみ等についての周知が課題であると認識しています。
4)介護が続いた場合の望ましい働き方、及び社内制度について
Q10の介護することになった場合の望ましい働きかたでは、「支援制度を利用しつつ両立した
い」67%、「休職制度を利用して介護後に復職」17%と支援制度を利用しつつ仕事を続けたい
と考えている者が83%と大多数を占めていました。 また、Q15の「介護休業期間に対する考え
方」についても、「仕事を続けながら介護体制を構築する期間」と考えている者が50%であるも
のの、「介護に専念する期間」と考えている者も30%おりました。Q14「職場の介護に関する支
援制度」については、「制度はあるが内容はわからない」48%、「制度があるかどうか知らない」
31%と、まだ介護にたいして身近に感じる者が少ない中で、全般的に正しい仕組みや支援制度
の情報の認知度も低く漠然とした不安を抱いているが、社内制度に対して関心が低い傾向がみ
られます。
5)介護関係制度に関する認知状況について
介護保険制度については「要介護認定基準」が66%とあるものの、その他の各項目についても
17~33%、「知っているものはない」と回答した方も26%あり認知度は低い結果となりました。
Q13の地域包括支援センターにおいも、「名称も利用方法も知らない」が67%、「名称のみ聞い
たことがある」が23%となっており、利用方法まで知っている者は10%とかなり認知度は低い
結果となりました。介護経験者が20%あるものの、公的制度について十分知らず、制度を生か
し切れていなかったり、まだ身近に介護対象者がいない社員が多いため、介護制度について関
心が薄いことが考えられます。
≪今後の取組検討結果・取組計画≫
1)課題(相談内容や調査結果等により判明した課題)
【課題1】社員の年齢層が30代後半から40代に集中しており、現在は介護に直面している社
員が少ないが、今後介護を行うであろう社員が多くなってくると予想される。
【課題2】介護に関する情報がなく、介護休職を取得した社員もいない為、仕事と介護の両立に
漠然とした不安を抱いている社員が多い。
【課題3】仕事と介護の両立支援策が十分周知されていない。
2)働き方の見直しに関する検討状況
(1) 検討方法: 9月3日 管理課内にプロジェクトチームを設置。
チームリーダー 管理部長
サブリーダー 管理課主任
(2) 検討内容: 9 月 3 日 仕事と介護の両立に関するアンケート実施時期について検討。
10月23日 営業会議において、部長より実施と回答協力を依頼し、実態把握
に努める。
11月26日 アンケート結果の分析と今後の取組計画の骨組みを検討。
3)取組計画
【目標1】公的介護保険のしくみについての周知として情報発信の実施
(計画期間等:平成28年4月頃より定期的に発信をめざす)
【目標2】社内制度のしくみについての周知として情報発信の実施
<介護休職は介護に専念する期間ではなく、仕事と両立を行う為の準備期間であるこ
との啓蒙。必要に応じ、社内研修の実施を検討>
(計画期間等:平成28年度から毎年1回程度配信)
【目標3】仕事と介護の両立のための支援制度(在宅勤務制度等)の検討
(計画期間等平成28年度・・・両立支援制度の方法について意見聴取を行う
平成29年度・・・両立支援制度等の導入検討)
以上