1 2 3 今や金沢土産の定番となりつつある、かわいらしい豆型の紙の器。ひと つひとつの表情が微妙に違うのは、すべてが手描きされているからです。 「まめや金澤萬久」は、金沢市北部の広大なぶどう園を中心に、素材に こだわった洋菓子店、レストラン、カフェなどを営む「ぶどうの木」が、 加賀・能登にこだわって立ち上げた豆菓子のブランドです。原材料には 安全性と品質に責任を持って有機野菜を取り扱う「金沢大地」から仕入 れた有機大豆を使用。多数あるコーティング素材から今回選んだのは、 おめでたい紅白になる「梅」と「しおみつ」です。じっくりと鍋でから めたあと手で丁寧にほぐして仕上げています。 加賀・能登にこだわった豆菓子を楽しんでもらうために、まめや金澤萬 久がひらめいたのが、加賀の伝統工芸である九谷焼の絵付けです。今や 年間22万個にものぼる膨大な量の豆箱を仕上げるのは、九谷焼の産地 で絵付けを手伝ってきた女性たち。絵師の中久美子さんも、九谷焼作家 の夫を手伝いながら、九谷の感性を身につけてきた一人です。「楽しい 気持ちで描いたかどうかは絵にでてくるんです。人によって筆さばきも 違うので、その人に向いた絵柄を描いてもらうようにしています」。効 率化が求められがちな時代の中で、あえて手づくり・手作業を選んだ豆 菓子と豆箱。食べて、飾って、加賀・能登を味わえる一品です。 5 4 8 6 7 9 1 ぶどう棚の下のウェディングチャペル。北金沢のぶどうの木本店敷地内には、洋菓子工房やイタリアンカフェ、オーベルジュ、ハーブガーデンなど の建物が並び一大ビレッジを形成。夏のみ開くぶどうの直売所も人気。 2 素材へのこだわりから有機大豆のみを使用。 3 鍋で各種の味をからめ つけたあと、丁寧に手でほぐす。 4 「楽しく描かないと絵に現れるんです」という中久美子氏。 5・6 下絵には九谷焼と同じ「型紙摺り」の技法を使 う。正確な下絵をまず和紙に描き、桐墨をつけて豆箱に写し取る。桐墨は完成後ふき取るときれいに消える。 7 絵付けに使うのはコシの強いイタチの面相筆。高価なものだが筆づかいを左右するため惜しまず使う。 8 試行錯誤の末、真っ白な豆箱に鮮や かな色が生えるアクリル絵の具を使用。 9 食べたあとは並べて玄関などのインテリアにする人が多いという豆箱。絵柄は今では400種類以上。
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