なかのライフサポートビジネス創造塾 第6回テーマ別セミナー 実施日 平成 27 年11月12日(木)19 時 00 分~21 時 00 分 実施場所 中野区産業振興センター 2階 セミナールーム テーマ 「事業計画書のまとめとブラッシュアップ」 講師名 四ツ柳 茂樹 氏(株式会社 OCL 代表取締役) 講師プロフィール 中小企業診断士やITコーディネータ等の資格を有し、3,000 件を超える豊富な起業・創業支援 の実績を持っている。 内 容 アイデアをビジネス化するために、事業計画書をまとめあげるとともに、ワークを通じて計画のブラッシュア ップを図る。 参加者数 18名 <第6回テーマ別セミナーの流れ> 18:30 受付開始 19:00 開会・事務連絡 19:08 なかのライフサポートビジネス創造塾 第6回 テーマ別セミナー「事業計画書のまとめとブラッシュアップ」 講師:四ツ柳 茂樹 氏(株式会社OCL 代表取締役) チューター:月原 弘 氏(月原経営研究所 代表) 講義とワーク 19:55 休憩(10分) 20:05 講義とワーク 21:00 セミナー終了 名刺交換・あいさつ 21:30 退出 1 第6回テーマ別セミナー 「事業計画書のまとめとブラッシュアップ」 【講 師】 四ツ柳 茂樹 氏(株式会社 OCL 代表取締役) 【添付資料】 資料 ① 第6回セミナー配布資料(アーカイブ用抜粋版) 資料 ② 講義用創業計画書(様式) 資料 ③ ビジネスプランコンテスト応募申請書(様式) 【セミナーの流れ】 講義用創業計画書(資料②)の様式を例に記載内容・方法の要点についての説明と、ビジネスプランコンテスト応募 申請書(資料③)を使用してのワークを交互に行った。 1.創業計画書の書式例と要点①(事業概要、販売・仕入先) 2.ワーク1 ビジネスプランコンテスト応募申請書6(1)~(4) ・計画作成上の留意点、ビジネスプラン評価のポイント 3.創業計画書の書式例と要点②(資金計画、収支計画) 4.ワーク2 ビジネスプランコンテスト応募申請書6(5) 5.“3計画立案法”、計画書作成について補足説明 □1.創業計画書の書式例と要点①(資料①p2、3、5、7) ○事業の概要(資料①p2、資料②様式p1) ①事業内容:何をするのか端的にまとめる。だらだら書かないこと。まとめ方は資料①p7参照 ②創業の目的と動機:どうしてやりたいのか、本当にやり続ける意欲があるのかの見極めとなる ・目的:ゴール・目標 ・動機:なぜやりたいのか ⇒動機は最近重要視されている項目。ネット普及により支援の仕組が広がり、例えばクラウドファンディングなど、一般の 方から小口の寄付(出資)をしてもらう方法などもある。共感者が増えると出資者、協力者が増える。融資を受ける 際にもプラスとなる ※クラウドファンディングは、アメリカではベンチャーの出資として発達しているが、日本では社会的意義のあるものに対しての 寄付が多い ③事業経験:履歴書ベースではなく、これからやろうとしている事業に対して、今までやってきたことの何がどのように役立つの かを書く。事業と関係性が乏しい場合でも、接客とか会計など事業に役立ちそうなことを何かしら書いておくこと ④強み・セールスポイント・競合状況:非常に重要。他と比べて何が優れているのかを端的にアピールする ⇒競合状況はきちんと明記する。競合相手は商売上必ずある。競合先を示して比較、差別化することによりやることも 明確になる ※競合先は、さがしてでも書くこと。比較対象がないと販売計画等も立てにくい ○販売・仕入先(資料①p3、資料②様式p2) ・想定も含め、分かっている取引先について記述 ・販売先:一般個人向けだったとしても、ターゲットについては、“中野区の○○エリアの 30 代女性“等、できるだけ絞って記 述する ※上記説明と資料③ビジネスプランコンテスト応募申請書の記載欄との対比 同申請書の「6ビジネスプラン詳細(事業計画書)」の欄、(1)は①動機②経験③事業概要、(2)は販売・仕入 2 先、(3)は事業概要(4)強み・セールスポイント・競合に該当する □2.ワーク1 「事業概要、販売・仕入先について書き出そう」 <ワークのテーマ> ○ビジネスプランコンテスト応募申請書(資料③p3、4)を使用して事業概要等を書き出す (1)ビジネスプランの概要 (2)具体的なビジネスプランの内容について (3)ビジネスプランのスケジュール及び実施体制 ※資料①p7を参考に記述。尚、スケジュールは具体的な日付を明記すること (4)ビジネスプランの新規性・リスク・その他 ①強みに共通するが、より細かく明記することが重要 ②リスクは沢山書くこと(コンテスト提出時は内容を絞り込んだ方が良いかもしれないが、検討段階では、想定されるリスク をできるだけ書き出しておいた方がリカバリーに差が出る。) ○書く時のポイント(資料①p5) 事業(創業)計画書の目的は、人に分かってもらうということ。そのためのポイントは以下の3つ ・分かりやすく、客観的に書く(計画書を読む他の人にわかるように) ・必要な事項を盛り込む(網羅性を大事にする) ・情熱が伝わるように書く(最も大事なのは、計画立案者の熱意。文章からわかるように) ⇒まずは書き出して、たくさんの方にみてもらう。特に創業計画書は他の人に見ていた だくため のもの。意見をもらってブラッ シュアップすることが大事 <ワークの内容> ○個人ワーク:10分(10分間で資料③p3、4を書けるだけ書いてみる) ○グループワーク:3~4人1組で、1人3分間のプレゼン+聴いた人全員で2分間のフィードバックをおこなう ・フィードバックのルール:先に良い点を2つ以上あげ、あとでアドバイス1点を伝える。良い点を言ってあげることによって、強 みの発見に繋がる <まとめ> ○ビジネスプラン評価のポイント(資料①p6) ・ ビジネスプランコンテストにおける評価は、【市場性】、【独創性】、【収益性】、【実現(現実)性】を重視 ・収益性=収益は事業を継続するために必要なことである。長く続かないとお客様に迷惑をかける ※一般の評価とビジネスプランコンテストの評価基準は若干異なる ※ビジネスプランプレゼンテーションの評価については、一読の上、第 7 回のプレゼンテーションセミナーで詳細確認のこと □3.創業計画書の書式例と要点②(資料①p3、4、8) ○資金計画(資料①p3、資料②様式p2、3) ①創業時の投資計画(設備資金・運転資金):表の左側 ・当初にどれだけ資金が必要かを記述。運絵資金は、通常のビジネスでは 3 ヶ 月分位を計上するが、ビジネス形態により 投資の回収が半年必要の場合は半年で記述 ・運転資金は、例えば開始スタートが遅れるなどの想定外の事案がおきても事業継続できる様にする予備の資金である ②資金の調達方法・内容:表の右側 3 ・①の創業時に必要な設備資金と運転資金の合計と、調達金額の合計がイコールとなるように書くこと ○収支計画(資料①p4、8、資料②様式p3) ①収支計画(損益計画)の作成の方法は、2 通り。どちらでも売上高の数値については、計算根拠を記述すること ・売上高を想定し、コストを算出する方法 ・コストを想定し、売上高を算出する方法 ②売上高の計算方法について(資料①p8を参照) ・売上高の計算式(売上げ単価×客数等)を記述することにより、売上目標値が計画通りに推移しない場合(特に下 回る場合)などに、原因分析や改善計画を立てやすくなる。事業計画書を見る側(審査員、支援機関、金融機関等 )も式による根拠が示されていると判断しやすい ※収支計画は基本年単位で記述するが、作成時には月単位で考えるほうがベターである □4.ワーク2 「資金計画・収支計画を書き出そう」 <ワークのテーマ> ○ビジネスプランコンテスト応募申請書(資料③p5)を使用して、資金計画・収支計画を書き出す (1)実施初年度(1期目)の資金計画 (2)実施2年目・3年目の資金計画 (3)収支計画(3年間) ※資料①p10,11の記載例を参考に書き出す <ワークの内容> ○個人ワーク:10分(10分間で資料③p5を書けるだけ書いてみる) ○グループワーク:3~4人1組。グループ内で結果をシェアする(10分) ※書き出せた人が発表し、グループ内で意 見交換、質疑応答をおこなう。 <まとめ> これ以降もお互いに話ができるように連絡先を交換して、これ から先もいろいろ意見を言い合えるようにするといい □5.3計画立案法と 計画書補足説明 (資料①p9~12) ○3計画立案法(資料①p9) ・3 計画立案法とは、事業の売上げ(利益)の経年見通しについて、現実的計画、楽観的計画、悲観的計画の 3 種類 の数値計画を立案する方法のこと ・事業開始後、計画修正を余儀なくされた時、そこから計画立案をするのには非常にパワーも必要となるため、事前に 3 種 類の計画 を立案しておくのがベター。 計画の業績より下回った場合、事業継続に不安を覚えるが、あらかじめ想定した悲 観的計画の範囲内であれば不安も軽減され、事業開 始後の計画修正も冷静に判断ができる ※活用例:悲観的計画の数値を2ヶ月以上下回った場合は事業をやめる、楽観的計画の数値を2ヶ月以上上回った 場合は事業計画上方修正するなど。事業を止める際にも、資金が無くなってしまってからだと次の手が打ちにく いということもある ○創業時の投資計画とその調達方法や内容(例)(資料①p10) 各項目についての留意点等 ・事業計画書の金額単位は要確認。単位が(千円)となっているケースがあるので注意 ・人件費のうち、自分の報酬の考え方:一般的に、法人の場合は、役員報酬として自分取り分も計上する。個人事業の 4 場合は、経費を精算した残りが自分のお金となるので入れないケースもあり ・ 広告宣伝費:計画立案の際に漏れるケースがあるので注意 ・個人預金:資金の余裕を示す一つにもなる ・身内(親・親戚)からの借入金:個人資金ともとらえられるが、身内にも了解をとっているというプラスの要素にもなる ○損益計画(例)(資料①p11) ・1年目営業利益が赤字の計画でも可。以前は5年で赤字解消の計画が主流であったが、最近は3年で赤字解消の 計画が主流 ※資料①p10,11は飲食店の記載例であるが、他の業態について記載例をみたいときは、日本政策金融公庫の HPや商工会・商工会議所が作成している冊子などを参考に。可能ならば、同業者の計画書を見せてもらうのが良い ○ポジショニングマップ(資料①p12) ・競合比較を説明する際に非常に分かりやすい。軸はいくらでも選定可能。軸の選び方を工夫していろいろなポジショニング マップを作成してみる。自分のビジネスの特徴が出やすいように作るのがポイント。ポジショニングマップは分かり易いと同時 に、自分のビジネスの立ち位置と戦略・戦術を立てるのにも役に立つ。また審査する側も非常に分かりやすく説得力がある <まとめ> 講師からのメッセージ 「事業計画書を作成する際、最初から完璧に書ける人はいません。大事なのは、書いたら まずいろいろな方に見せ、アドバイスをもらいブラッシュアップしましょう。それを繰り返して ください。専門家のアドバイスでも結構です。たくさんの方に見ていただき、アドバイスをも らい、たくさんの協力者をつくりましょう。今日の参加の皆さんとも連絡をとりあい、仲間と してお互いにブラッシュアップしていきましょう。そして、ぜひビジネスプランコンテストに 参加ください。」 <セミナー風景> 5
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