修士 論 文 の 和 文要 旨 大 学 院 情 報 システム 学 研 究 科 氏 論 名 文 題 目 博士前期課程 出口 貴博 情報システム設計学 専 学籍番号 攻 0450023 時系列的アノテーションに基づく 楽曲推薦エージェント 要 旨 近年,インターネットを介した音楽配信が進み,ユーザは膨大な楽曲の中か ら能動的に楽曲を検索しなければならない.そこで,ユーザの状況や気分に合っ た楽曲を選択するという要求が増してきている.しかし,従来のサービスでは, 曲単位で付加された印象を基に類似する楽曲を選択しているため,曲の中で変 化する印象を考慮していない. そこで,楽曲を時系列情報として細分化し,ユーザの印象に影響を与える特 徴から楽曲の“ 盛り上がり ”を表現することで楽曲の印象推移を実現し,それ らを比較することでより楽曲本位の類似楽曲推薦サービスとして有用となる. 本研究では,楽曲の“ 盛り上がり ”をテンポや音域より楽曲の持つ印象 (音象) 推移を示す音響的な特徴と同時系列上にある歌詞情報から主格の人称推移や動 詞句の“ 盛り上がり ”推移を用いて表現する.これらを時系列的に合わせ,状 態推移を持った楽曲メタデータの生成手法を提案し,メタデータ比較による類 似検索を可能とする楽曲推薦エージェントを提案する. このエージェントは,メタデータ比較を基に類似楽曲を推薦することから,本 システムで生成された楽曲メタデータに関して,聴取実験にて得た結果を基に 再現率と適合率を評価し,音響的な特徴 (音象推移) と歌詞の特徴 (歌詞推移) を 合わせた楽曲メタデータの有用性について検証した.その結果,それぞれの特 徴のみで行った類似判定より両特徴を合わせた類似判定を行う方が,推薦楽曲 数が少なくても適切な再現性が取れていることがわかり,音象推移と歌詞推移 を合わせた類似判定を行うことで適合率が向上した. これら楽曲の“ 盛り上がり ”を推移情報として表現した楽曲メタデータの生 成手法およびメタデータ間における類似判定が他サービスと連携が可能な楽曲 推薦エージェントにつながる. (大 学 院 情 報 シ ス テ ム 学 研 究 科)
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