家族 香川県立高松高等学校 普通科1年 宮下 由紀乃 今回、この高校生

家族
香川県立高松高等学校
普通科1年
宮下 由紀乃
今回、この高校生タスマニア派遣事業で、家族の在り方についてとても考えさせられま
した。
まず、日本にはない、ハグで挨拶をするという文化がタスマニアにはあり、私のホスト
ファミリーは、どこかに出かける時や家に帰ってきた時など、あらゆる場面で必ずハグを
していました。文化の違いを頭では分かっていましたが、実際目にするとやはり驚いてし
まいました。といっても、ずっと見ているうちに慣れてしまい、タスマニア滞在の最終日
には自らハグをしに行っていましたが(笑)。しかし、このハグの文化がなかったとしても
ホストファミリーの絆は強く、とても羨ましいと思います。そして、日本で自分の家族と
過ごす時間を比較すると、断然タスマニアの家族の方が家族と過ごす時間が多いことが分
かりました。
日本の家族とタスマニアの家族、一体何が違うというのだろうか?ホストファミリーは
私と同様、習い事や趣味にも時間を費やし、その上アルバイトもしているのに、家族揃っ
ての夕食は欠かすことがありません。それだけでなく、夕食の間や食べ終わってからも、
様々なことを家族で話し合ったり、テレビを一緒に見て楽しんだりしていました。寝る直
前まで家族と一緒に過ごすのです。ここが、私の日本での普段の生活と大きく違うところ
だと感じました。我が家では、家族で夕食をとれるのは、ほとんど休日だけです。また、
普段、稀に家族が揃っていても各々が疲れていて、その日の出来事などを談笑する余裕が
ありません。ただでさえ、自分自身の為に使える時間が少ないので、私は家族と話すより
は自分の時間が欲しい、というのが正直な気持ちです。そうすると、結局、話が途切れて
しまいます。近頃は、家族揃って話すことがほとんどなくなってしまいました。話しかけ
られても冷たくあしらってしまう私も悪いのですが、少し寂しく感じてしまいました。し
かし、このようなことは我が家に限ったことではなく、日本の家庭ではよくあることでは
ないでしょうか・・・。
各々が自立していながらも、家族との時間はとことん大切にする―これがタスマニア流
の家族との時間の過ごし方なのだろうと、この体験を通して思いました。今回たくさんの
ことを学ばせて頂いたホストファミリーには感謝してもしきれません。ホストファミリー
がやっていたのと同じことを、日本でしてみよう、というのは難しいし、まず照れくさい
という気持ちが先に立ってしまうので、なかなかできないと思いますが、せっかく貴重な
体験をさせて頂いたのだから、いいな、と思ったことは自分の生活に取り入れてみたいと
思います。
▲プロスペクトハイスクールで書道の紹介後、記念撮影