当科で経験した卵巣腫瘍、原発不明骨盤内腫瘍の迅速病理診断について

当科で経験した卵巣腫瘍、原発不明骨盤内腫瘍の迅速病理診断についての検討
弘前大学
研究代表者
産婦人科
二神真行
平成 27 年7月 1 日
1)
はじめに
弘前大学産科婦人科学教室では、卵巣癌、原発不明癌をはじめとする
婦人科癌の治療を行っています。卵巣腫瘍には大きく分けて良性(摘出
すればなおるもの)、境界悪性腫瘍(まれに再発するもの)、卵巣癌をは
じめとする悪性腫瘍の 3 タイプが存在します。それぞれによって治療方
法が異なるため、その診断はとても重要です。診断のため手術前に画像
検査や血液検査が行われますが、最終的診断は病理診断が必要です。こ
の結果までは約2週間かかるため、手術中には迅速病理診断といって、
より簡便でかつ画像や血液検査より診断精度の高い方法が行われます。
この診断により手術の内容が決まります。
とはいえ、この迅速病理診断も確実ではありません。条件が 2 週間後
の病理診断よりも悪いことや大きい腫瘍の場合一部しか検査できないこ
とが主な理由です。しかしこの検査は手術中のいわば道しるべであり、
特に子宮、卵巣を温存したい方(今後の妊娠のため)には重要ですし、
悪性腫瘍ではリンパ節廓清を含む合併症の可能性が高くなる手術が必要
となるために臨床上とても大切な検査なのです。従来よりその正確性に
ついての論文はでておりますが、当科においての成績はこれまでなく、
また日本における婦人科腫瘍の迅速病理診断の成績に関するものはそれ
ほど多くありません。正確な子宮体癌は比較的予後良好な婦人科癌です
が、進行した子宮体癌の治療成績は決してよいものではありません。
そこで今回弘前大学産婦人科学教室では、卵巣腫瘍、原発不明骨盤内
腫瘍の迅速病理診断について、その正確性や有用性についてのデーター
を検討することとしました。
2)
対象者
平成 16 年〜平成 25 年までの 10 年間に当院で経験した卵巣腫瘍・骨盤内
腫瘍の手術をうけた患者さんのうち,迅速病理診断を行った 151 例が対象
です。
3)
実施方法
担当医師が対象症例の診療記録(カルテ)をもちいて患者背景(進行期、
手術内容、術後の治療内容など)、迅速病理診断の結果、患者さんの現在
の状態(生存しているかどうか、再発しているかどうか)を集計し、統
計学的に解析します。
対象症例は匿名化されます。
4)
研究期間
5)
研究チーム
6)
倫理委員会承認日から平成 27 年 12 月 01 日
主任研究者
周産母子センター
共同研究者
助手
山内愛沙
准教授
横山良仁
教授
水沼英樹
講師
二神真行
研究内容の公開について
今回の研究内容はホームページ上で公開されますが、症例(患者さん)
の個人情報を公開することはありません。
7)
研究に関する苦情、連絡先
上記期間内に当科で治療をうけた卵巣腫瘍、原発不明腫瘍の患者さんで、
こういった検討には参加したくないというお申し出があれば、検討から
除外することは可能です。その場合は担当医師にご連絡ください。
連絡先;0172-39-5107, [email protected]
弘前大学医学部産科婦人科学教室
二神真行