会社法人等番号の登記簿への記録と添付書面の特例 (通達 1 平成 27 年 9 月 30 日付法務省民商第 122 号より) 会社法人等番号の意義およびその記録 会社法人等番号とは、法務省令で定めるところにより、株式会社、合名会社、合資会社、 合同会社、外国会社その他の商人(以下、「株式会社等」という。)を識別するための番 号として登記簿の商号区に記録される 12 桁の番号であり(商登法7条、商登規則1条の2 第1項)、株式会社等につき新たに登記記録(支店の所在地における登記の登記記録を除 く。)を起こすときに、登記所および株式会社等ごとに、登記記録を起こす順序に従って付 されたものが記録されることとされた(商登規則1条の2第1項)。 2 登記事項証明書等の記載事項 株式会社等の登記簿には、会社法人等番号を記録することとされ(商登法7条)、会社 法人等番号は登記事項証明書および登記事項要約書の記載事項とされた(商登規則 30 条1 項、2項、31 条2項)。 1 / 3 3 商号の譲渡または相続の登記の申請があったときの登記官の処理 商号の譲渡による変更の登記をする場合、譲渡人につき、その商号の登記記録に商号の 譲渡があった旨、譲受人の氏名および住所並びに譲渡の年月日を記録し、登記記録を閉鎖 するとともに譲受人につき、新たに登記記録を起こして、商号の登記の登記すべき事項(商 号、営業の種類、営業所、商号使用者の氏名および住所、商登法 28 条2項)、商号の譲渡 があった旨、譲渡人の氏名および住所並びに譲渡の年月日を記録することとなった(商登 規則 52 条の2第1項)。 これらの登記すべき事項は、商登法 28 条2項に掲げる事項を除いて、各登記記録中の登 記記録区に記録することとなる(商登規則 52 条の2第2項)。 以上のことは、商号の相続による変更の登記についても同様である(商登規則 52 条の2 第3項)。 したがって、商号の譲渡、相続による変更の登記をする場合にも、譲受人または相続人 につき新たな登記記録を起こすことになるため、当該登記記録には、譲受人または相続人 の会社法人等番号が付されることとなる(商登規則1条の2第1項参照)。 4 会社法人等番号と添付書面の特例 (1) 商業登記法の規定により登記の申請書に登記事項証明書の添付を要する場合におい て、申請書に会社法人等番号を記載したときは、登記事項証明書の添付を要しないこと とされた(商登規則 36 条の3)。 (例) 法人である会計参与の就任による変更の登記(法務省 HP 記載例より) 登記の事由 会計参与の変更 登記すべき事項 平成○年○月○日次の者会計参与に就任 ◯税理士法人 書類等備置場所 ○市○町◯丁目◯番◯号 添付書類 株主総会議事録 1通 就任承諾書 1通 登記事項証明書 添付省略 (会社法人等番号 1111-11-111111) 委任状 2 / 3 1通 (例) 合併による変更の登記の添付書類 添付書類 合併契約書 1通 ・・・ 消滅会社の登記事項証明書 (会社法人等番号 (2) 添付省略 1111-11-111111) 商業登記法の規定により登記の申請書に登記事項証明書を添付しなければならない とされている場合(商登法 19 条の3)には、商登法 42 条1項3号のように登記事項証 明書と明記されている場合だけではなく、商登法 38 条のように「旧所在地においてし た登記を証する書面」などと規定されている場合も含む。 (3) 法人が代理人となって登記を申請する場合に、申請書に会社法人等番号が記載されい ているときは、代表者の資格を証する書面の添付を要しない。 5 印鑑の提出 印鑑の提出、印鑑カードの交付請求など、登記申請以外の手続で登記事項証明書等を添 付しなければならないとされているものについても、届出書等に会社法人等番号を記載す ることにより、登記事項証明書を添付することを要しない(商登規則9条5項、9項、9 条の4第2項)。 3 / 3
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