川中便り 平 成 27年 7月 23日 (木 )発 行 新発田市立川東中学校 学 校 便 り 第 4号 校 長 丹 後 直 子 74日間の1学期の、終業式を迎えました。 生徒たちは『立志挑戦』の願いのとおり、勉強に、部活動 に、生徒会活動に、学校行事にと、あらゆるシーンで精一杯頑張 る姿を見せ、たくさんの感動をくれました。 『心豊かにする4項 目』の日常的な実践を通して心を磨き、どこへ行っても「川中の 生徒はすばらしい」と褒められて、私もとても嬉しかったです。 生徒が安心して、持てる力を十二分に発揮できたのも、保護 者、地域の皆様からの温かなご支援の賜物と心から感謝申し上げ ます。 さて夏休みを前に、本日の終業式では次のような話をしました。 (前略) 夏休みです!大いにエンジョイしてほしいと思います。 しかし、普段と違う生活、夏休みという開放感からか、命に関 わる事件や事故が多いのもこの夏休みです。今日は、命のお話を しようと思います。 「ぬち どぅ たから」と読みます。 うちなーぐち、つまり沖縄の島言葉・方言です。 「命は何よりも大切なもの、命こそが尊い一番大切 な宝である。命を粗末にするな」という意味です。いまからちょうど70年前、太平洋戦争の末期、 沖縄本土が戦場になり、島民15万人の犠牲者を出しました。沖縄県民の実に4分の1が犠牲にな ったのです。アメリカ軍による攻撃だけではなく、集団自決や味方であるはずの日本軍による殺戮、 マラリアなどの病気による死・・・戦後、悲惨な歴史を繰り返さないため語り継いできた言葉がこ 。 「命さえあれば、生きてさえいれば前に進める」 「命さえあれば、どんな の「ぬち どぅ たから」 希望でも見えてくる」 「命さえあれば、それだけで幸せ」。命の重みが「ぬちどぅたから」に託され ています。 私には今でも忘れられない生徒の死の記憶があります。つらいことですが、二度と、誰も悲しま ないために、お話ししたいと思います。(中略) 戦争、災害、交通事故、自殺・・・つらい記憶も年月と共に薄れていってしまいます。そして愚 かな人間たちは、同じ過ちを繰り返し、今この瞬間にも、宝であるたくさんの命を失っています。 私たち人間がこの世に生まれてくる確率は、3億分の1と言われています。それに対して死に至る 危険は、高い確率で私たちの周りにあります。 「新発田市わたしの主張大会」で奨励賞を受賞した築井桃花さんは、主張文の中で、このように 述べていました。 「私たちが食べるために死んでもらった豚や牛、鶏などの動物、魚などに感謝しな ければならない。 」つまり私たちは、たくさんの命をいただいて生きています。 これから生きていく人生の中で、命を脅かされる危険に出会うかもしれません。つらくて苦しく て悲しいこともあるかもしれません。しかし「いただいた命」をけっして粗末にしてはいけない。 危険は回避することができるのです。苦しい時には助けてと声に出すことができるのです。命は自 分だけのものではない。生かされているということに感謝しなければならないと思うのです。 1学期、みんな元気でいてくれてありがとう。あなたがいてくれた、それだけで尊いことです。 「ぬち どぅ たから」どうかこの言葉を忘れないでください。夏休みも、精一杯命を輝かせてく ださい。そして2学期も、あなたの笑顔を見せてください。 -1- 平成 27 年度 7月7日(火)に高校の先生を招いて、 「高校について理解を深め、自分の進路実現に向けて意識を高め る」をねらいとする高校説明会を実施しました。この説明会では、各高校の概要や特色、進学を希望するに あたっての留意事項、平成28年度の入試についてお話を聞くことができました。生徒たちはとても真剣な 態度で各校の説明を聞いていました。また、多くの保護者の方からも参加していただきました。本当にあり がとうございました。各高校からたくさんの資料をいただきましたので、進路について、親子でじっくりと 話し合う機会を設けていただきたいと思います。 さて、いよいよ夏休みを迎えます。夏休み中には2年生の職場体験学習(8月20日・21日)が予定さ れています。生徒は2日間一人で事業所を訪問して仕事に取り組みます。そしてこの学習のねらいである「働 くことの意義を体験し、自分の進路選択の一助とすること」と「職業人としての必要なマナー、モラルを身 に付け、自分の学校生活に生かす」を達成してほしいと思います。職場の匂いや音、働く人の姿や道具の感 触、人と接することなど、実際にその場で働いてみないとわからないことをたくさん学ぶと思います。そし て、社会に出て、人と接するときに元気なあいさつや返事、清潔な身なりあるいは礼儀作法が大切であるこ とがわかるはずです。普段の学校生活で保護者の方々や先生方から指導を受けている事柄が社会に出てから 役立つことに気付くのではないでしょうか。 とてもお忙しい中を、時間を割いてくださり生徒と接したり仕事をつくったりして協力をしてくださった 事業所の皆様に心より感謝いたします。将来のこの地域を支える子どもたちに寄せる期待の大きさを感じる 体験学習です。今後ともよろしくお願いいたします。 これからのキャリア教育 「一人一人の社会的・職業的自立に向け、 必要となる能力や態度を育てることを通し て、キャリア発達を促す教育です。 育てる能力=「基礎的・汎用的能力」 分野や職種にかかわらず、社会的・職業 的に自立するために必要な基盤となる 能力として4つに整理されたもの 社会的・職業的自立の基盤となる能力や態度 ○人間関係形成・社会形成能力 ○自己理解・自己管理能力 ○課題対応能力 ○キャリアプランニング能力 中学校におけるキャリア教育の目標 ○肯定的自己理解の獲得 ○興味関心に基づく勤労観・職業観の形成 ○進路計画の立案と暫定的選択 ○生き方や進路に関する現実的探索 1年生のキャリア課題 ○自分のよさや個性がわかる。 ○自己と他者の違いに気付き、尊重しようとす る。 ○集団の一員としての役割を理解し果たそう とする。 ○将来に対する漠然とした夢や憧れを抱く。 2年生のキャリア課題 3年生のキャリア課題 ○自分の言動が、他者に及ぼす影響について理 ○自己と他者の個性を尊重し、人間関係を円滑 解する。 に進める。 ○社会の一員としての自覚が芽生えるととも に社会や大人を客観的に捉える。 ○将来への夢を達成する上で現実の問題に直 面し模索する。 -2- ○社会の一員としての義務と責任を理解する。 ○将来設計を達成するための困難を理解し、そ れを克服する努力に向かう。 前項で、高校説明会あるいは職場体験学習のことに触れました。そこで、絶対に考えておかなければいけ ないのが「なぜ高校に行くのだろう」 、 「高校で何をするのだろう」あるいは「将来自分は何をしたいのだろ う」 、 「なぜ働くのだろう」という問題です。せっかく有名な学校に進学しても中途退学する人や優良企業に 就職してもすぐに離職してしまう人が多いという現状があります。中には就職さえしない人もいます。学力 向上を目指すこと、教養を身に付けることは確かに大切なことですが、それ以上に大切なことがあるのです。 人間関係をうまく築けない、自分で意思決定をすることができない、仕事にやりがいを見出せない、勤労意 欲がわかない等、現代的な問題があります。これらは学力とは別にどこかで身に付けなければならない能力 や態度であり、昨今キャリア教育の重要性が叫ばれている理由です。 Q あなたは自分の将来について、明るい希望をもっていますか。 日本の若者に将来への希望をたずねたところ、 「希望がある」と答えたのが 61.6%であり、7カ 国比較で見ると日本が最も低い割合となっています。 Q あなたは自分自身に満足していますか。 日本の若者に自分自身に満足しているかたずねたところ、 「満足している」と答えたのが 45.8% であり、7カ国比較で見ると日本が最も低い割合となっています。 この資料から、自分が役立つ存在であることを経験する機会を設けて、自分の能力や存在意義を確認し、 自信をもたせるようにしてきたか、あるいは、 「生きること」 「働くこと」について、じっくりと取り組んで 生徒に考えさせてきたかと反省させられます。学校の外に出て、地域で実際に活動して「やったことがある」 「できた」という経験を増やしていくことは、生徒にとっては大きな財産となり、自信にもつながります。 川東中学校では、2 年生の職場体験学習をはじめ、1 年生の達人訪問、3 年生の高校説明会や体験入学の参 加などを計画的に進めています。これらの学習を通して、生徒の認識や視野を広げるよう指導をしています。 今後も学校、家庭、地域とで連携し、中学生の発達段階に応じたキャリア教育を実践していきたいと考え ています。ご理解とご協力をお願いいたします。 (文責:山田 覚) -3- 下越地区総体の結果 7月1日(水)2日(木) <バレーボール>(五泉市総合体育館) 2位:県総体出場 <卓球>(サンビレッジしばた) 男子団体戦 対村上東中2-3 1・2位トーナメントで惜敗 男子個人戦 9位:藤間 大也 以上1名が県総体出場 女子団体戦 1位:県総体出場 女子個人戦 5位:倉島まどか、石井 杏奈 9位:長谷川絵玲菜、鷲尾 奈々、武者 澄和 以上5名が県総体出場 <ソフトテニス>(グルーンパークあらかわ) 団体戦 対黒川中0-3 1回戦惜敗 個人戦 倉嶋健太郎・庭山 立向ペア 2回戦惜敗 古川 舜・松田 歩輝ペア 1回戦惜敗 渋谷 優樹・本間 達哉ペア <新体操>(新潟市西総合体育館) 荒井 美咲・・個人総合:5位 ロープ:5位 フープ:7位 以上3種目で入賞 県総体に向けて 去る、7月1日(水) 、2日(木)に実施した「下越地区総体」には、保護者・地域の皆様からの絶大なご 声援、ご支援のおかげで、上記のとおり2種目で県総体の出場を決めました。県総体は、下記のとおりの会 場で実施されます。また、選手激励会(下越地区吹奏楽コンクールの激励会を含む)を21日(火)に実施 いたしました。下越地区の代表として頑張る選手たちに、大きな声援をいただきました。 会 場 開催日 種 目 バレーボール 上越リージョンプラザ上越インドアスタジアム 卓球 上越市総合体育館 吹奏楽 新潟テルサ 各部の抱負 7月24日(金) 25日(土) 7月26日(日) <吹奏楽部> 部長 石井 百咲さん 私たちが下越地区吹奏楽コンクールに向けて頑張るこ とは、コンクールの目標にしている「キセキの団結力」 をつくり出すことです。今年は佐々木中学校と合同で出 場するのでコミュニケーションを取り合い、よりよい合 奏をつくっていきたいと思います。他中との合同チーム というハードルを乗り越え、私たちの「もののけ姫」を 奏でます。県大会への出場権を必ず持ち帰ってきます。 -4- 平成27年度 川東中学校 平成27年度の川東中学校体育祭が近づいてきました。体育祭は川東中学校で最も盛り上がる行事です。 実行委員長及び青軍、紅軍の各応援団長から体育祭に向けた抱負を寄せてくれました。 体育祭実行委員長 荻原 日菜子さん 今年度は、全校生徒が89人となり、昨年度より生徒数が大きく減少しまし た。しかし、昨年に負けないような盛り上がりとなるように、実行委員長とし て、競技種目を統括し、生徒の士気が高まるようにまとめていきたいです。ど ちらの軍団も三冠制覇を目指して、協力していきましょう。 紅軍団長 古川 舜さん 僕が応援団長として頑張りたいことは、声を出 すこと、そして、軍のみんなを楽しませることで す。もちろん団長がしっかりと声を出さなければ、 軍のみんなもやる気が出ないと思います。だから、 誰よりも大きな声を出して、みんなをまとめたい です。団体競技では、メンバー一人一人を活躍させ つつ、全員で力を合わせたいです。そして、優勝し、 みんなで笑い合えるようにしたいです。 青軍団長 鈴木 翔馬さん 僕の青軍応援団長としての抱負は 2 つあります。 1 つ目は軍のみんなをしっかりとまとめられるよう に頑張りたいです。そのために誰よりも声を出せる ように頑張りたいです。2 つ目は、最後の体育祭をし っかりと盛り上げることです。そのために、相手に 敬意を表し、自分から最後の体育祭を楽しみたいで す。 リレーコラム 事務主査 吉田 初美 数十年前のある日曜日、小6だった私には誰もいない中学校のグラウンドは広く大人の世界 に見えた。そこにそびえる鉄棒が太く優しく見え、思わず気になっていた鉄棒の技を練習したく なった。鉄棒を両足で挟んで側転する技だ。 どうしたら今より高く上れるか、自分なりに考え挑戦を繰り返していると、グラウンドの向こ う側にやって来た高校生くらいのお兄さんが自転車を止めてこっちを見ている。遠くて顔も分か らないがその年頃の男の人に知り合いはいない。無断使用をとがめる素振りもなく、変な人でも なさそうだ。そのうち行ってしまうだろうと更に練習を続けていると、いつの間にかお兄さんは 自転車から降りて、道に座り込んで真っ直ぐにこっちを見ている。 あと少し、もっと速く、もっと大きく、もう少し、もう少し・・・ とうとう私は1回転して 鉄棒の頂上に止まることができた。その瞬間思わずお兄さんを振り向くと、 お兄さんはやおら腰を上げて何事もなかったかのように自転車に乗って行って しまった。最後まで口も出さず手も出さずVサインもなく、できるまでただ見 守っていてくれたのだった。 -5- 「川東中学校体育祭」要項の表紙より 日時:9月5日(土) 9:00~15:20 場所:川東中学校グラウンド たくさんの方々の声援をお願いいたし ます!! -6-
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