下村博文・文科相の - ザ・リバティWeb/The Liberty Web

January 2015 No. 239
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下村博文・文部科学相にまつわる「政治とカネ」の問題が次々と明るみ
になっている。補助金を出した学校法人から違法性の高い「カネ」を受
け取ったり、寄付を受けている学習塾運営会社から事務所の無償提供を
受けるなどの疑いだ。ほかにも、大臣の立場を利用して、許認可をもら
う弱い立場の学校や教育関係者からカネ集めをしている実態も報じられ
るなど、教育行政のトップとして不適格な人物であることが分かってき
た。今後、下村文科相への追及が行われてもおかしくはない。
下村博文・文科相の
金銭問題
教育行政 のトップとして不適格だ
追及 1
補助金を交付した学校法人から
違法性の高いカネを受け取っていた
下村博文・文部科学相が代表を務める自民党東京都第 11 支部が、文部
科学省の補助金をもらった 2 つの学校法人から計10 万 8 千円の寄付を受
け取っていたことを、このほど、朝日新聞が報じた。
この事実が公になる前に、第11支部は、法人から個人名に訂正したも
11月20日付朝日新聞夕刊
のの、
「政治資金規正法」は、国の補助金をもらった法人から 1 年以内に政治献金を受けることは原則的
に禁じており、今回の献金は違法行為であった可能性が高い。
記事によると、文科省は、2012 年 11 月、東京国際大学に対し、図書館を整備するために 330 万円、
同年 1 2 月中旬には、岡山市で小学校などを運営する朝日学園に対し、校舎の空調設備のために 1330
万円の補助金の交付を決めた。
その後、2012 年 12 月下旬に文科相に就任した下村氏の第 11 支部は、翌13 年 3 月に、東京国際大学
から 6 万円、朝日学園から 4 万 8 千円の寄付を受け取っていた。
記事の中で、専門家は「補助金を受けた学校法人が一時的にでも献金を負担すること自体、違法性が
高く、
『個人献金の誤り』との言い分が通れば法律が空文化しかねない」と指摘している。
客観的に見れば、許認可の権限を持つ文科相が、
「補助金を出してやったのだから、献金しろ」とい
うやり取りがあったと疑われても仕方がないだろう。今後、下村文科相への追及が行われてもおかしく
はない。
追及 2
寄付を受けている学習塾運営会社から
事務所の無償提供を受けていた
下村文科相の政党支部に、毎年、多くの寄付をする下村氏の関連政治団体「博
友会」が、JR 中野駅近くの雑居ビル 4 階に住所を置きながら、家賃を払ってい
ない不可解な実態があり、政治資金規正法違反の疑いがあることを、このほど、
しんぶん赤旗が報じた。
11月21日付しんぶん赤旗
実際に、このビルに入っているのは、学習塾運営会社と関連会社。学習塾運営会社は、下村文科相が
代表を務める政党支部「自民党東京都第 11 選挙区支部」に 1 2万円を寄付していたという。
もし、博友会の事務所を、学習塾運営会社の中に置いているとすれば、
「事務所の無償提供」として
政治資金規正に違反。また、そもそも博友会の事務所は存在しないのに、雑居ビルを事務所として届け
出ていた場合は、政治資金収支報告書への「虚偽記載」となって、やはり政治資金規正法に違反する疑
いがあるという。
追及 3
医学部新設を認めた大学から
「講演会」名目でカネ集めをしていた
フライデー 10月17日号
下村文科相は今年 8 月、東北薬科大学に、国内で 3 7 年ぶりとなる医学部の新設を認めた。ところが
翌 9 月、下村氏の後援団体「東北博友会」が仙台市内のホテルで講演会を開催。会費は 1 万円で、そ
こには、
医学部の新設が認められた東北薬科大学の理事長をはじめ、
多くの教育関係者が出席したことを、
週刊誌「フライデー」
(1 0 月17日号)が報じている。
この記事は、許認可の権限を持つ大臣が「講演会」名目で、新設を認めた大学などから露骨にカネを
集めているということを伝えている。法律違反ではないが、2 0 01年に閣議決定された「大臣規範」では、
国民の疑惑を招きかねないような大規模な政治資金パーティを自粛する、と定められている。これに抵
触しないのか。医学部の新設を認めた直後に、許認可権を持つ大臣の後援団体がその地方で講演会を開
き、そこに大臣自ら参加するなど、あまりに露骨な「カネ」集めではないか。
教育関係者の
と
を
「票」
「カネ」
集めるのが狙いか
下村文科相については、この他にも、第 11 支部が、政府の教育再生実行会議のメンバーが代表を務め
る学習塾グループから、計 156万円の寄付を受けたことを毎日新聞で報じられるなど、疑念を抱かれか
ねない金銭の動きがある。これらの報道を見ると、
「下村文科相は、大臣という立場を利用して、許認
可をもらう弱い立場の学校や教育関係者から、さまざまな形でカネを集めてきたのではないか。同時に、
教育行政に利害のある人々の票を、下村氏個人や自民党に集めようとしているのではないか」という疑
問が沸く。下村氏は、教育行政のトップとして不適格な人物と言える。