教員加配定数の削減に反対する緊急要請書 記

平成27年11月5日
関係各位
教員加配定数の削減に反対する緊急要請書
全日本中学校長会会長 伊 藤 俊 典
北海道中学校長会会長 小 西 俊 之
日頃より、中学校教育の発展・充実のためにご尽力いただいておりますことに心から感
謝申し上げます。
さて、先日の財政制度等審議会において、教員加配定数の削減が繰り返し主張されたこ
とについて、教育の質の向上の妨げになることに強い憂慮の念を抱いております。
そこで、全日本中学校長会、北海道中学校長会としましては、下記のとおり要請いたし
ます。
記
今日の我が国は少子高齢化・知識基盤社会・グローバル化などの社会の急激な変化の中
にあって、日々の生活基盤までもが大きく変容し、物質的な豊かさの一方で人間関係の希
薄化や雇用の不安定化などにより、日常生活において心の豊かさを実感しにくい状況にな
っております。特に中学校では、いじめや不登校、暴力行為など生徒指導上の諸課題が一
層深刻化し、その解決・解消が重要な課題となっています。また、学力向上はもとより、
家庭や地域社会との連携の強化、生徒の学習や生活基盤づくり、規範意識の育成、体力の
向上など健やかな心身の育成が中学校教育に求められています。
このように学校現場を取り巻く課題は多様化・複雑化しており、目の前の一つ一つの課
題をしっかり見据えた堅実な教育の取組が重要になっておりますが、昨年報告されたOE
CDのTALIS(国際教員指導環境調査)によれば、日本の中学校教員の1週間当たり
の勤務時間は参加34ヶ国中最長であり、他国と比較して授業の他に課外活動や事務業務
等にも多くの時間を費やさざるを得ない勤務実態となっております。
そのような状況においても、日本のPISA2012の順位はOECD諸国の中でトッ
プクラスとなっており、教員が子供たちのために時間を惜しむことなく心血を注ぐととも
に、これまでの教職員定数改善により種々の課題に対応できたからこそ得られた成果であ
ります。
しかし、先日の財政制度等審議会において、現在の教育環境を維持させるとしても、少
子化に伴う約3万3千人の基礎定数の自然減を反映した上で、3,771人の加配定数を
削減できるという機械的かつ一方的な主張が示されました。加配定数の削減は課題解決型
授業(アクティブ・ラーニング)の推進、家庭環境や地域間格差など教育格差の解消、特
別支援教育の充実、いじめ等の問題行動への対応、さらに、日本語指導が必要な外国人生
徒などが年々増加する学校現場の実態にそぐわないものであり、現状を維持することさえ
できません。
財務省は日本の将来を担う子供たちに借金を負わせたくないと言いますが、あたかも子
供たちが借金を膨らませている要因になっているかのような責任転嫁の発言であり、撤回
すべきです。大人が作った借金を子供たちにツケを回すような財政健全化計画は日本の将
来に禍根を残すことに他なりません。
教育への投資は負担ではなく必要不可欠な先行投資です。我が国の成長のための教育再
生を推進することが必要であり、学校現場の実態にそぐわない加配定数の削減に断固反対
いたします。
関係の皆様におかれましては、中学校教育の実態をご理解の上、加配定数の削減に断固
反対する要請に、何卒ご支援を賜りますようお願い申し上げます。