がん哲学外来研修センター ニュースレター No56

がん哲学外来研修センター ニュースレター No.56 発行:NPO 健康工房 SAKU(2015.6.28)
ウパスターナ「傍らに立つ」
読売新聞
6月 24 日(水)
まちなかメディカルカフェ in 宇都宮 平林 かおる
がん哲学外来の指針には「寄り添う」が掲げられている。
当カフェでも基本方針「対話を通じて病気の方に寄り添
う」の核にしている。寄り添うは仏教用語では「ウパスタ
ーナ~傍らに立つ~」にあたることを僧侶で医師でもある
倉松俊弘さんから教えて頂いた。この「ウパスターナ」は
看護の世界では ”病者の傍らに立つ者” として看護者の
あり方に生かされているが(「仏教と看護
ウパスターナ
傍らに立つ」 藤腹明子)
、医師の間では必ずしも肯定的で
はない意見がみられるのも事実である。日常診療に忙殺さ
れそうな臨床医の忙しさを考えると分からなくもないが、
「寄り添う」は医師の仕事ではなく、看護師や臨床心理士
の分野と言い切る意見があることには驚きがある。患者さ
んも「〇〇先生は忙しいから」と初めから諦めている節が
ある。この諦めている“思いの丈”を吐き出し、同じ境遇
の方と共有する場が“がん哲学外来”ではないかと思って
いる。スタッフは医療の隙間を埋めるべく時に医療者の一
端として、時に共有者として「ウパスターナ」で見守る。
樋野先生のがん哲学外来に出会い、この心地良い空間を
筑波学園教会
6 月 28 日(日)
栃木でも作りたいと「まちなかメディカルカフェ in 宇都
宮」を開設してから2年が経ち、延べ 400 人以上の方がカ
フェを訪れてくださった。今後も来てくださる方の思いを
受け取り、傍らに立ちたいと思っている。
がん哲学外来研修センター
佐久市前山 321-3(佐久クアハウス内)
Tel:0267-63-5369
Mail:[email protected]