平成25年度 北海道社会福祉協議会 事業方針

平成25年度
北海道社会福祉協議会
事業方針
先のみえない経済不況の中で、相次ぐ孤立死や生活保護受給世帯の急増など、社会的
孤立や貧困問題がクローズアップされる一方、東日本大震災における被災地及び被災者
の生活再建・復興など、住民生活をめぐる課題は山積している。
とりわけ、今般の震災においては、大規模災害に備えた事前の体制整備と、刻々と変
化する被災者の生活ニーズを踏まえた「寄り添う」生活支援の重要性が提起された。こ
うした支援の第1歩となるのは、住民相互の日常的な繋がりであり、今、希薄と言われ
ている「顔が見え、気遣い合える」近隣関係を回復していくことが必要となる。そのた
めには、従来から市町村社協を中心にすすめてきた小地域福祉活動等の一層の推進強化
が期待されるとともに、活動により構築された近隣関係を基盤として、①住民による見
守り・安否確認から様々な生活課題が把握でき、②課題に応じて解決のための専門機関
にスムーズにつながり、③専門機関が有機的に連携する中で、多様化、複合化する生活
課題にきめ細かく対応でき、④既存制度では対応できない課題に対しては、必要なサー
ビスを開発・制度化する、こうした取り組みが切れ目無くすすめられる仕組みをもった
地域づくりが今求められている。
本会は、「道民全てが安心して暮らし続けることのできる地域社会の実現」を組織理
念とし、上記の仕組みの具体化に向けた事業展開をすすめる。特に、高齢、障がい等に
より判断能力が不十分となっても住み慣れた地域での支援が可能となる権利擁護のシ
ステムづくりを中期的な最重点事項として位置づけ、日常生活自立支援事業の実施体制
見直しを含め市町村社協との協働のもと取り組んで参りたい。
さらに、社会福祉法人による社会福祉事業、民生委員児童委員活動、町内会活動、ボ
ランティア活動、NPO による市民活動等との連携を一層強化し、福祉サービスの質の
向上、経済的困窮者への支援、社会的孤立の解消、災害に備えた体制整備など、多様な
福祉課題の解決に向けて、目的を共有する全道の本会会員と一体となり、下記事業を重
点として推進する。
1.市町村社協等による多様な地域福祉活動の推進支援
2.地域における「権利擁護システム」の構築
3.生活困難者に対する地域セーフティネット強化の推進
4.障がい者等の地域定着支援にかかる体制整備の推進
5.社会福祉法人経営支援ならびに福祉人材確保・育成支援の推進
6.福祉課題にかかる調査研究の推進
7.大規模災害への備えと体制整備の推進