公民科[現代社会]2単位 学年 学科 1年 商業科 科 現代社会 単位 2 学年 1 目 使用教科 「高等学校 新現代社会」(第一 副 教 材 「クローズアップ現代社会」(第 書 学習社) 等 一学習社) 人間の尊重と科学的な探究の精神に基づいて,広い視野に立って,現代 学 習 の 到 達 の社会と人間についての理解を深めさせ,現代社会の基本的な問題につ 目標 いて主体的に考察し公正に判断するとともに自ら人間としての在り方生 き方について考察する力の基礎を養い,良識ある公民として必要な能力 と態度を育てる。 評価の観点 a.関心・意欲・態 度 現代社会の基本的問 題と人間にかかわる 事柄に対する関心を 高め,意欲的に課題 を追究するととも に,社会的事象を総 合的に考えようとす る態度と民主的・平 和的なよりよい社会 の実現に向けて参 加,協力する態度を 身に付け,現代社会 に生きる人間として の在り方生き方につ いて自覚を深めよう とする。 学期 月 学習項目 b.思考・判断・表 現 現代社会の基本的問 題と人間にかかわる 事柄から課題を見い だし,社会的事象の 本質や人間としての 在り方生き方につい て広い視野に立って 多面的・多角的に考 察するとともに,社 会の変化や様々な立 場,考え方を踏まえ 公正に判断し,その 過程や結果を様々な 方法で適切に表現す る。 c.資料活用の技能 d.知識・理解 現代社会の基本的問 題と人間にかかわる 事柄に関する諸資料 を様々なメディアを 通して収集し,有用 な情報を主体的に選 択し活用して学び方 を身に付ける。 現代社会の基本的問 題と人間としての在 り方生き方にかかわ る基本的な事柄や, 学び方を理解し,そ の知識を身に付けて いる。 学習内容(ねらい)および評価の観点 a b c d 評価方法 1 1 4 第1編 私たち | の生きる社会 5 世界のさまざま 月 な課題 1.環境と私た ちの生活 ①かけがえのな い地球 ②地球環境のい ま(1) ③地球環境のい ま(2) ④私たちの地球 を守るために 2.資源・エネ ルギー問題と 私たちの生活 ①限りある資源 ②資源問題の解 決をめざして 3.科学技術の 発達と私たち の生命 ①科学技術の発 達と生命 ②生命倫理をめ ぐる問題 ・これから学習していくさまざまな 課題が世界には存在していること を理解する。 ・地球規模の環境問題にはどのよう なものがあるかを,書籍やインタ ーネットなどを用いて調べ,理解 する。 ・さまざまな環境問題と人間の活動 とのかかわりについて,教科書掲 載の写真や地図を使いながら理解 する。 ・環境問題への国際的取り組みを踏 まえ,自然と共生するよりよい環 境を次の世代に引き継ぐためには どうしたらよいか考える。 ・地球の温暖化対策や森林破壊への 考察を通して,幸福,正義,公正 など社会のあり方を考察する基盤 を理解する。 ・資源の有限性について理解を深 め,原子力発電の問題を例に,資 源・エネルギー問題について多角 的に考える。 ・資源・エネルギー問題について, 書籍やインターネットなどを用い て調べ,理解する。 ・エネルギー政策の見直しとともに 新エネルギーの現状について理解 し,省エネルギーと循環型社会に ついて考える。 ・資源・エネルギー問題の考察を通 して,幸福,正義,公正など社会の あり方を考察する基盤を理解する。 ・科学技術の発達が社会や生活をど のように変えてきたか考える。 ・医療の発達により,人類がはじめ て直面する問題が生じていること を,具体的事例をあげて考える。 ・生命倫理をめぐる問題について, どのようなものがあるか新聞やイン ターネットなどで調べ,それらにつ いて現状と課題とまとめる。 ・生命にかかわる課題の考察を通し て,幸福,正義,公正など社会のあ り方を考察する基盤を理解させる。 ○ ○ ○ ・授業 態 度 ○ ○ ・発問 評 価 ○ ○ ○ ○ ・提出 課 題 ○ ○ ・小テ ス ト ・ノー ト ○ 提出 ・定期 考 査 ○ ○ ○ ・授業 態 度 ・発問 評 ○ ○ 価 ・提出 課 ○ ○ ○ 題 ・小テ ス ト ○ ・ノー ト 提出 ・定期 考 査 ○ ○ ・授業 態 度 ○ ○ ・発問 評 価 ○ ○ ○ ・ 提出 課 題 ・小テ ス ○ ト ・ノー ト 提出 ・定期 考 査 2 4.高度情報社 ・高度情報社会とは何かについて理 ○ ○ ○ ○ ・授業 態 会と私たちの 解し,情報化の進展が社会に及ぼ 度 生活 す影響について,新聞やインター ・発問 評 ○ 価 ①情報の高度化 ネットなどを使って調べ,理解す の進展 る。 ・提出 課 ②高度情報社会 ・高度情報社会で生きていくために 題 の課題 必要な知識を身に着け課題について ・小テ ス どう取り組めばよいか考えることを ト 通して,幸福,正義,公正など社会 ・ノー ト のあり方を考察する基盤を理解す 提出 る。 ・定期 考 査 学期 月 学習項目 1 5 第2編 現代社 会 と人間とし て のあり方生 き方 第1章 青年期 と自己の形 成 私たちの一日と 青年期 ①青年期とは ②青年期を充実 させるために ③自立に向けて ④伝統や文化と のかかわり ⑤社会とのかか わり ⑥私たちの生き がい 6 第2章 個人の 尊重と法の 支配 私たちの一生と 法 ①個人と国家 ②基本的人権と 法の支配 ③世界の政治体 制 学習内容(ねらい)および評価の観点 ・人生の中で青年期はどのような意 味をもつのか考え,青年期におけ るさまざまな悩みと,それを克服 するためにはどのようにすればよ いか考える。 ・一人前の人間として自立するため には何をしたらよいか考える。 ・伝統や文化と自らの行動様式や考 え方との関係について考察する。 ・職業のもつ意味,社会に参加する ことの意義について書籍やインタ ーネットで調べ,一人ひとりが社 会づくりに参画していく必要のあ ることを理解する。 ・生涯にわたって学習していくこと の意義を考える。 a b c d 評価方法 ○ ○ ○ ・授業 態 度 ・発問 評 ○ ○ ○ 価 ・提出 課 ○ ○ 題 ・小テ ス ○ ○ ○ ト ・ノー ト 提出 ○ ○ ○ ・定期 考 査 ・私たちの生活と政治や国家のかか ○ ○ ○ ・授業 態 わりについて関心を高め,国家はど 度 のような考え方を背景につくられた ・発問 評 ○ ○ 価 のかを理解する。 ・基本的人権が保障されるにいたっ ・提出 課 た経緯を,さまざまな情報手段で資 題 ○ ○ ○ 料を収集し,具体的事例をあげて考 ・小テ ス 察し,理解する。 ト ・世界のおもな政治体制について教 ・ノー ト 科書の図などを使って理解し,真の 提出 民主政治の実現と関連させて考察す ・定期 考 る。 査 3 6 第3章 現代の 民主政治と 政治参加の 意義 私たちの町と政 治 ①日本国憲法の 基本原理 ②平和主義と日 本の安全保障 ③冷戦終結後の 防衛問題 ④平等に生きる 権利と自由に 生きる権利 ⑤豊かに生きる 権利 ⑥新しい人権 ⑦基本的人権と 公共の福祉 ・日本国憲法の成立過程や明治憲法 との比較,天皇の地位の変化,日本 国憲法の三つの基本原理について主 体的に理解する。 ・平和主義をめぐって,どのような 動きがあったのかを理解する。ま た,自衛隊をめぐる問題について 理解する。 ・日米安保体制はどのような背景か ら生まれ,どう変化してきたのか 理解する。 ・身のまわりの偏見や差別・不平 等,自由権が保障されていない問 題について調べ,その解決策を考 える。 ・社会権が私たちの生活をどのよう に変えたかを考える。また,新し い人権にはどのようなものがある か理解する。 ・基本的人権と公共の福祉の関係に ついて理解し,社会における望ま しい解決策を,新聞などさまざま な情報手段を活用して調べ,話し 合う。 ○ ○ ○ ・授業 態 度 ・発問 評 ○ ○ 価 ・提出 課 題 ○ ○ ○ ・小テ ス ト ○ ○ ○ ・ノー ト 提出 ○ ○ ・定期 考 査 ○ ○ ○ 7 ⑧国会の運営と ・議会制民主主義とはどのようなも ○ ○ 権限 のか,国権の最高機関である国会 ○ ⑨内閣と行政の について理解する。 民主化 ・議院内閣制のしくみ,内閣の組織 ○ ⑩裁判所と人権 と権限について理解し,行政の民 ○ 保障 主化のために何が必要か考える。 ⑪法と私たちの ・裁判所のパンフレットなどを入手 生活 して裁判員制度を含む公正な裁判 ○ ○ のための制度について理解する。 また,憲法を守るための裁判所の 権限について理解する。 ・法と道徳の違いについて考え,お 互いが幸福な生活を送るために必要 な法について話し合う。 ○ ・授業 態 度 ○ ・発問 評 価 ○ ・提出 課 題 ・小テ ス ○ ト ・ノー ト 提出 ・定期 考 査 4 2 9 ⑫地方自治と住 ・地方自治の意味と地方自治の発展 ○ ○ ○ ・授業 態 民の福祉 のための課題について自分自身の 度 ○ ○ ○ ・発問 評 ⑬選挙制度の現 問題として具体的に考える。 状と課題 ・国会議員の選挙制度はどのような 価 ○ ○ ○ ○ ⑭世論の形成と しくみか,また,どのような課題 ・提出 課 政治参加 があるのかを理解する。 題 ・国民が政治に参加する方法にはど ・小テ ス のようなものがあるかさまざまな手 ト 段を使って調べ,住民にとって生活 ・ノー ト しやすい政治のために必要な行動を 提出 話し合う。 ・定期 考 査 9 第4章 国際政 ・主権国家とはどのようなものか, ○ ○ ・授業 態 治 の 動 向 と 国際社会における国際法の役割と限 度 ○ ○ ○ ・発問 評 日本の役割 界について理解する。 ○ ○ ○ 価 国際政治の動向 ・国連の成立,役割と課題について と私たちにでき 理解する。 ・提出 課 ○ ○ ○ ○ ること ・第二次世界大戦後の国際社会と冷 題 ①国家主権と国 戦終結前後の国際社会の状況につい ・小テ ス 際法 て,年表を使って整理し,理解す ト ②国際連合の役 る。 ・ノー ト ○ ○ ○ 提出 割 ・核兵器を廃絶するためにどのよう ③第二次世界大 な取り組みがおこなわれているか, ・定期 考 戦後の国際社 また,国際平和のために何をしなけ 査 会 ればならないか,さまざまな情報手 ④冷戦終結後の 段を活用して調べ,まとめる。 国際社会 ・核兵器の問題についての知識を身 ⑤核兵器の廃絶 につけ,それを廃絶するために何を と国際平和 しなければならないかを理解する。 学期 月 2 1 0 学習項目 ⑥地域紛争と人 種・民族問題 ⑦国境と領土問 題 ⑧日本の役割と 私 たちの生き 方 a b c d 評価方法 ・民族や宗教の対立による紛争には ○ ○ ○ ・授業 態 どのようなものがあるか,人種・ 度 民族紛争の実態,難民問題につい ・発問 評 ○ ○ て理解する。 価 ・国境と領土問題や日本の領土問題 ・提出 課 ○ ○ について,教科書の写真・地図を使 題 用して理解する。 ・小テ ス ○ ト ・日本の外交の基本方針を理解し, ○ ○ アジアの一員としての日本の役割 ・ノー ト について考える。 提出 ・国際社会における日本の役割,国 ・定期 考 際社会の一員として何をすべきか考 査 える。 学習内容(ねらい)および評価の観点 5 1 0 第5章 現代の 経済社会と 私たちの生 活 私たちの町と経 済 ①経済と私たち の生活 ②経済体制の変 容 ③現代の企業 ④市場のしくみ ⑤経済成長と景 気変動 1 1 ⑥財政のしくみ と税金 ⑦金融機関のは たらき ⑧戦後日本経済 のあゆみ ⑨日本経済の現 状と展望 ⑩技術革新の進 展と産業構造 の変化 ⑪中小企業の現 状と役割 ⑫食の安全とこ れからの日本 の農業 ・私たちの生活と密接にかかわる経 済の基本的なしくみを理解し,資本 主義経済と社会主義経済の特徴を理 解する。 ・企業の活動内容,企業の負ってい る社会的責任について理解し,株 式会社の特徴についてまとめる。 ・市場の基本である「需要と供給と の関係」について,正しく理解す る。 ・国民所得について,教科書に掲載 されている図版を適切に使用し,理 解する。 ・景気変動について理解し,・経済成 長は生活にどのような変化を与える かを,具体的事例をあげて考える。 ・政府はどのような経済的役割をも っているかを理解する。 ・財政にはどのような機能と役割が 求められているか,日本の財政の 課題は何かを理解する。 ・金融機関の果たしている役割,中 央銀行の金融政策について理解す る。 ・第二次世界大戦終結から現在ま で,日本の経済発展のあゆみについ て年表を使って理解し,現在の日本 経済の課題と新たな取り組みについ て考える。 ・技術革新の進展による生活の変 化,産業構造の変化,経済のサービ ス化・ソフト化について,新聞やイ ンターネットを活用して身近な問題 と関連させて考察する。 ・中小企業の現状と役割について理 解する。 ・日本の農業政策の推移を理解し, これからの日本の農業,食料政策 などの問題について考える。 ○ ○ ○ ・授業 態 度 ・発問 評 ○ ○ 価 ・提出 課 ○ ○ 題 ・小テ ス ○ ○ ○ ○ ト ・ノー ト ○ ○ ○ 提出 ・定期 考 査 ○ ○ ○ ・授業 態 度 ○ ○ ・発問 評 価 ○ ○ ・提出 課 題 ○ ○ ○ ○ ・小テ ス ト ・ノー ト ○ ○ ○ 提出 ・定期 考 査 ○ ○ ○ ○ ○ 6 1 2 ⑬雇用と労働問 題 ⑭労働環境の整 備 ⑮公害の防止か ら環境保全へ ⑯消費者問題と 消費者主権 ⑰社会保障と福 祉社会 ⑱これからの社 会保障 3 1 第6章 国際経 済の動向と 日本の役割 国際経済の動向 と私たちにでき ること ①国際分業と貿 易 ②国際経済体制 のあゆみ ③国際収支と為 替相場 ④国際経済の動 向 ⑤進む地域的経 済統合 ⑥発展途上国の 経済と南北問 題 ⑦国際社会のこ れから 学期 月 学習項目 ・労働運動の展開と労働基本権につ いて理解し,近年の雇用事情の変 化について考える。 ・雇用事情の変化とさまざまな労働 問題について,具体的事例をあげて 多角的に考察する。 ・公害の原因と,それに対する国・ 企業の責任について理解し,公害 を防止するためにはどうすべきか 考える。 ・消費者は契約についてどのような 自覚が必要かを考え,消費者問題に 対する企業の責任や国の対策につい て理解する。 ・日本の社会保障制度の特徴,少子 高齢社会の課題について理解する。 ・消費者問題,日本の社会保障につ いて,さまざまな情報手段を活用し て情報を収集し,調査した内容をま とめて話し合うなど,適切に表現す る。 ・自由貿易と保護貿易の違いについ て考え,自由貿易を進めるための 国際機関の機能と役割について理 解する。 ・自由貿易推進のために国際的な協 調体制がとられてきた経緯を理解 し,国際収支の変化,為替相場の 変動が経済に及ぼす影響について 理解する。 ・貿易の意義,円高・円安の生じる 理由,経済のグローバル化について 考え,身近な事例をもとにレポート を作成するなど,適切に表現する。 ・日本の貿易やアメリカ,アジアな どの貿易について理解し,貿易の拡 大とそれにともなう貿易摩擦につい て,具体的事例をあげて考察する。 ・国際経済機構や地域的経済統合に はどのようなものがあるか理解す る。 ・南北問題の原因,発展途上国のか かえている問題について理解し,南 北問題解決のために日本は何をすべ きか考える。 学習内容(ねらい)および評価の観点 ○ ○ ・授業 態 度 ○ ○ ○ ・発問 評 価 ○ ○ ・提出 課 題 ○ ○ ○ ・小テ ス ト ・ノー ト ○ ○ ○ 提出 ・定期 考 ○ ○ ○ 査 ○ ○ ○ ・授業 態 度 ・発問 評 ○ ○ ○ 価 ・提出 課 題 ○ ○ ○ ・小テ ス ト ・ノー ト ○ ○ 提出 ・定期 考 査 ○ ○ ○ ○ ○ a b c d 評価方法 7 3 2 第7章 民主社会 に生きる倫理 私たちの悩みと倫 理 ①豊かな人生を 求めて ②日本の伝統的 な考え方 ③近代の西洋社 会に見られる 考え方 ④近代市民社会 か ら大衆社会 へ ⑤他者とともに 生きる ⑥豊かな社会の 実現に向けて 3 第3編 ともに生 きる社会をめ ざして ケーススタディ ①社会保障と消 費税 ②クジラは野生 保護動物か, 水産資源か ③ 人口問題と私 たちの未来 Ⅵ ・哲学や宗教の役割を理解するとと もに,人生を豊かに生きるとはど ういうことなのかを多角的に考察 する。 ・日本の伝統意識を理解し,生活の 中での仏教や儒教,西洋思想の影 響について,具体的事例をあげて 考察する。 ・人間の尊厳や科学的なものの考え 方,民主的社会を樹立するために必 要な考え方の理解を深めるため,図 版や原典資料を適切に使用する。 ・平等な社会の実現には,偏見を取 りのぞき,主体的に努力すること が求められていることを理解す る。 ・差別を生み出す偏見について考 え,それを克服して,ともに生きる ために私たちは何をすべきか,自分 自身の問題として考える。 ・教科書に掲載されている図版や写 真・資料などを適切に使用し,政治 課題としてよく取り上げられる消費 税について考えたり,捕鯨問題につ いて考えたり,人口問題を通して私 たちの未来を考察したりする。 ・調べた内容をまとめて発表した り,レポートを作成したりするな ど,適切に表現する。 ○ ○ ○ ・授業態 度 ○ ○ ○ ・発問評 価 ・提出課 ○ ○ 題 ・小テス ト ○ ○ ・ノート 提出 ○ ○ ○ ・定期考 査 ○ ○ ○ ○ ・授業態 度 ・発問評 価 ○ ・ノート 提出 ・ レポ ー ト作成 ・発表 ・定期考 査 授業担当者からのメッセージ 1.「現代社会」の学習は,中学校の「公民的分野」で学習した内容を深め,発展させるものです。 中学校では政治や経済の基本を学びましたが,高等学校の「現代社会」では,さらに現代の社会に おける具体的な課題や問題点を学ぶとともに,それぞれを整理し,相互の関連性を学びます。 2.現代社会を理解するには,ある程度の基礎知識は必要です。知識を身に付けることは大変か もしれませんが,学習を深めていくにつれて多くのことが様々な場面でつながってくることが実 感できるようになります。そうなれば,日々のニュースを見る目も変わってきます。その出来事 に関する情報を受け流すのではなく,深く考えることができるようになるでしょう。 教科書では多くの基本的な事項が扱われています。最初は難しくても,じっくりと読むことで 現代社会の課題と向き合う姿勢を身に付けましょう。 3.授業以外にも,普段から新聞やテレビ,ラジオのニュースなどによって見識を広め,情報収 集を行う習慣を養うことは重要なことです。あるニュースを見て,その出来事についてそれが起 8 きた背景を自分で考えたり,インターネットなどでさらに詳しく調べたりしてみましょう。さら に,興味をもった出来事について詳しく解説するテレビ番組などを見ることで,さらに理解が深 まることもあります。 4.社会での出来事について,自分の日常生活とは直接関係のない出来事も多いように感じられ るかもしれません。しかし,意外に身近なところでつながっている場合もあります。 例えば,皆さんもよく利用する携帯電話から,その販売や流通などを通じて経済の動きや,携帯 電話の内部で使われる様々な部品の輸入元,調達先などを調べることから現代社会の広がりが見 えてきます。さらに携帯電話をめぐる情報社会の課題やリサイクル問題を考えることもできます。 5.私たちはあるテーマについて深く調べようとするとき,インターネットで手軽に情報を収集 することができます。しかし,そこで扱われる情報量はあまりにも多く,どの情報を選んで考察 を深めたらよいのか,判断が難しい場合があります。また,インターネットを用いて深く調べた つもりが,内容が浅くなってしまったということもよくあることです。確かに様々な情報にふれ ることは大切ですが,一冊の本をじっくり読み,問題に向き合い,考えを深めることもやってみ てください。 6.現代社会についてクラスや友人と話すことが恥ずかしいと思っていませんか。堂々と自分の 意見を述べること,相手の言っていることを正確に理解するというコミュニケーションの能力も, これからの時代では大切なことです。授業では話を聞きノートをとったりするだけではなく,お 互いに現代社会の様々な事柄について意見を述べる機会もありますので,そのときには思い切っ て自由に発言してみましょう。自分と異なる人の意見を聞くことは,興味深く楽しく,また,そ のことで自分の考えが深まることもしばしばあります。 7.民主主義といえば多数決で物事を決めるというイメージがあるかもしれません。なかなか物 事が決まらないとき,強いリーダーシップをもった友人にすべてを任せてしまいたくなるかもし れません。しかし,民主主義の本当の価値はとことん議論することにあります。主権者である私 たちが現代社会の諸問題について議論を深め,その解決策を見出していくところに,本当の意味 での社会の発展があるのです。 …一年間,楽しく有意義な授業にしていきましょう。 9
© Copyright 2024 ExpyDoc