人々の行動変容を促すことで 健康長寿のまちづくりの実現を目指す 新た

2015. 07. 27
京都創生・お宝バンク
人々の行動変容を促すことで
健康長寿のまちづくりの実現を目指す
新たなソーシャルデザイン
背景
大原野・洛西ニュータウンなどが位置する西京区洛西地区では、少子高齢化が進行し、地
域活性化や健康長寿のまちづくりが求められている。
近年、洛西地区では、大原野・洛西ニュータウンを中心に、農家、NPO、企業、西京区役
所洛西支所、西部農林振興センターなどが連携し、農作物・加工品のブランド化、イベント、
広報など産業面からの活性化が試みられ、大きな成果を得ている。また、教育面でも、大学
(京都市立芸術大学)による小学校出前授業、高大連携事業など、新たな取り組みが始まっ
ている。
しかし、安心して暮らせるまちづくりに必須である保健・医療・介護についての新たな取
り組みは、まだ十分になされておらず、これからの課題となっている。
目的
1.
少子高齢化問題を抱える洛西地区に不足している保健・医療・介護面の対策として、住
民参加型の健康増進プロジェクト「からだの学校」を取り入れることで,安心して暮ら
せる健康長寿のまちづくりを実現する。
2.
「からだの学校」では、産業・教育における既存の取り組みと連携し,まったく新しい
地域活性化モデルを創造する。
概要
「からだの学校」は、京都大学医療疫学分野が中心となり構築した、住民が健康について
楽しく学び、自主的な健康管理の意識を高めることを目標とする IT を活用したバーチャル
の学校である。
参加者は、
「からだ連絡帳」
(手帳、あるいはスマホアプリ・下部参照)を用いて、健康に
関連する日々の行動を記録し、健康作りのためのフィードバックコメント(つうしんぼ)を
受け取ることが出来る。また、健康作りに対するインセンティブ(からだポイントに応じた
地元農産物のプレゼントなど)を用意する。このように、フィードバックとインセンティブ
を組み合わせながら、住民に、健康に繋がる行動の変容を促し、地域の健康長寿を実現する
ことを目標とするのが「からだの学校」である。
また、
「からだ連絡帳」により蓄積される行動データは、将来的に医療データ(レセプト、
特定健診、介護レセプトなど)と連携可能になれば、個人・地域レベルでの健康課題の把握、
将来の健康状態の予測などへの活用が可能である(福島県モデル地域では実証済み)
。
このように「からだの学校」は、健康長寿のまちづくりを目指す、まったく新しいソーシ
ャルデザインの取り組みであるが、
「からだの学校」には、これまで産業と教育面から、洛
西地区のまちづくりに取り組んできている京都市立芸術大学(デザイン研究室辰巳教授)が
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デザイン面で参加しており、洛西地区のまちづくりの各種活動へのシームレスな合流が期
待できる。
以上、本提案「からだの学校」は、
「保健・医療・介護」の視点を、産業、教育面でのま
ちづくりの活動と繋げることで健康長寿の実現を目指す、まったく新しい取り組みである。
手帳による健康行動の記録
健康作りに対する
フィードバックコメント
アプリによる健康行動の記録
健康作りに対する
インセンティブ(からだポイント)
・希望に応じて2種類の参加形態を用意
紙の手帳、あるいはスマホアプリで健康に関する日々の行動(食事、運動、睡眠、嗜好品な
ど)を記録する。紙の手帳利用者は KIOSK 端末で手帳を読み込ませることで、データ登録
が可能。
・ 地元のイベントと連携した健康的な運動教室や料理教室の実施
すでに行われているウォーキングラリーやマルシェなどに「からだの学校」が参加し、楽し
く健康について学べる場を提供する。
・フィードバック
健康行動の記録内容に応じて、適切な指導コメントを受け取る。
・インセンティブ
行動記録に対してからだポイントが付与される。ポイントが貯まるとプレゼントがもらえ
る。インセンティブ制度は健康に無関心層の取り込みや継続参加に寄与する。
(からだの学校ホームページ)
http://www.karagaku.org/2015/06/blog-post_15.html
(からだ連絡帳アプリ)
https://itunes.apple.com/jp/app/karadano-lian-luo-zhang/id1001379206
(京都大学大学院医学研究科 社会健康医学系専攻 医療疫学分野)
http://www.healthcare-epikyoto-u.jp
(京都市立芸術大学 美術学部/美術研究科 ビジュアルデザイン専攻)
http://www.kcua-vd.org