学習パッケージ 利用者ガイド 戦争と人々のくらし ∼山梨と戦争∼ 総時数8時間 小学校第6学年用 学習パッケージのねらい 戦争の実態を通して,社会の様子や人々のくらしを調べ,当時の状況を理解します 1 2 3 4 県立博物館や図書館などを活用して,戦争について調べ,カードにまとめます 学習を進めながらカードづくりを続け,テーマ別にファイルを作って整理します 戦争中のくらしや山梨と戦争のかかわりについて調べます 戦争による被害について調べ,戦争によって日本や他の国々がどうなったかを知り,戦争の 学習を通して平和について考えます 【学習パッケージの進め方】 ステップ1 学校で 戦時中の様子について知り,長く続いた戦争について関心をもとう(1時間) ○ ○ 戦争を体験した人から話を聞き,戦時中の様子について調べる計画を立てよう 戦時中の子どもたちや女性たち,兵士の写真を見て,当時の人々の思いについて話し合おう <学習のポイント> 戦争を体験した人の話や資料などから,戦争のつらさやおそろしさを想像してみよう ステップ2 学校で なぜ戦争が始まり,どのように広がっていったか調べてみよう(2時間) ○ 図書資料やインターネットなどを使って,戦争の始まった理由や世界に広がっていった様子 を調べてみよう ○ 県立博物館にある展示物について知り,博物館を見学する計画を立てよう <学習のポイント> わからないことについては,事前に県立博物館に問い合わせてみよう ステップ3 県立博物館で 県立博物館を見学しよう(2時間) ○ ○ 県立博物館の「人と人との共生−山梨と戦争−」で,山梨の戦争の実態を見学しよう 県立博物館を見学して,気づいたことやわかったことをワークシートにまとめよう <学習のポイント> 県立博物館の学芸員の人たちに,進んでどんどん聞いてみよう ステップ4 学校で 戦争中の国民生活の様子について調べてみよう(2時間) ○ ○ 県立博物館の見学でわかったことをまとめよう 戦争中,国民がどのような生活をしていたか,テーマを決めて調べよう <学習のポイント> 全国の都市が山梨のように空襲を受け,多くの被害と多くの犠牲者が出たことを知ろう ステップ5 学校で 戦争の結果,日本はどうなったのかを知り,戦争や平和について考えよう(1時間) ○ ○ ○ 戦場となった沖縄や原爆が投下された広島・長崎の被害について知ろう 戦争が終わった経過と戦争によって世界的に数多くの犠牲者出たことを知ろう 戦争を早くやめられなかった理由や平和の大切さについて考え,自分なりの意見をもとう <学習のポイント> 平和の大切さを知り,平和な世の中を守るにはどうすればよいか考えよう 【学習パッケージによる学習の進め方のイメージ】 【学習ステップ1】 戦時中の様子について知り,長く続いた戦争に関心をもとう 1−1 戦争を体験した人の話などから,戦時中の様子について調べる計画を立てよう(1時間) ○ 戦争を体験した人から話を聞き,戦時中 の様子について知る。 ・地域の人やお年寄りに聞く。 ・わからないことを聞いたり,感想を発表したりする。 ○ 戦 時 中 の 子 ど も た ち や 女 性 た ち ,兵 士 の 写 真( 教 科 書 参 照 ) を見て,当時の人々の思いについて話し合う。 ・今の自分たちの生活と比べてみる。 ・どんな気持ちで生活していたか想像してみる。 ○ 戦時中の様子について調べる計画を立てる。 ◇体験談や資料などから,戦争のつらさやおそろしさを想像し てみよう! ☆戦争を体験した人の話は,大 変貴重であるので,失礼のな いように聞く態度や質問など の言葉遣いに注意するように 指導しておく。 ☆わからないことや聞いてみた いことは,その場で解決する のではなく,これから調べて いく活動にもつながっていく ことを知らせる。 ☆現在の自分たちの平和で豊か な生活をふり返りながら,当 時の厳しい状況を想像させた い。 【学習ステップ2】 なぜ戦争が始まり,どのように広がっていったか調べてみよう 2−1 図書資料やインターネットなどを使って,戦争の始まった理由や戦争の広がりの様子を調べてみ よう(1時間) ○ ○ ○ ○ 学校図書館を利用して調べる。 インターネットを利用して調べる。 グループで情報交換したり,先生に聞いたりして調べる。 調べてわかったことはワークシート(カード化できる)に 書き込んでおく。 ・資料の出典・取材した日時なども記入しておく。 ・調べた事実に加えて,自分の感想や意見なども書く。 ○ 内容や年代ごとにそれぞれまとめて整理しておく。 ◇地域の人たちに聞いたり,いろいろな資料を見たりしながら 調べてみよう! 2−2 ☆図書館の先生と協力したり, インターネットの調べ方を教 えたりしながら効率よく調べ られるようにする。 ☆戦争の世界的な広がりに加え て,山梨でおこった戦争とそ の被害などについても人から 聞いたり,資料で調べたりで きるようにさせたい。 ☆ただ事実を知るだけでなく, そこから自分が何を感じたか 感想や意見がもてるようにさ せたい。 県立博物館について知り,博物館を見学する計画を立てよう(1時間) ○ 山梨県立博物館について調べる。 ・パンフレットを見ながら調べる。 ・インターネットを利用してホームページなどから調べる。 ・今回の学習に関係のある展示についてくわしく調べる。 ・山梨での戦争の様子について,図書館などの資料であらか じめ調べておく。 ○ 博物館の見学計画を立てる。 ・ワークシートを見ながら,どのように見学し,どのように まとめていくか考える。 ・博物館で調べることと見学しながら学芸員の人たちに質問 することをまとめておく。 ◇わからないことやあらかじめ知っておきたいことは,事前に 県立博物館に問い合わせてみよう! ☆事前に県立博物館のパンフレ ットを取り寄せておいたり, ホームページを調べておいた りして,県立博物館について の情報を集めておく。 ☆博物館内の案内図などで,見 学の順序やマナーなどについ て確認しておく。 ☆博物館とは,事前に連絡を取 り 合 っ て お き ,必 要 が あ れ ば , 博物館の学芸員に来校しても ら う よ う に す る 。そ の 際 に は , 博物館についての紹介をお願 いしたり,ある程度の疑問の 解決のお手伝いをしていただ いたりするとよい。 【学習ステップ3】 県立博物館を見学しよう 3−1∼2 県立博物館の「人と人との共生−山梨と戦争−」で山梨の戦争の実態を体験してみよう (2時間) ○ 鑑賞・学習型展示「共生する社会」で体験的に学習する。 ・人と人との共生−山梨と戦争− 山梨の人々が経験した戦争について, その実態や悲惨さを体験的に紹介し,戦争という状況にお かれた人々や,現在でもなお絶えることのない戦争につい て考える。 *戦時中の様子を再現した教室 * E46-集 束 焼 夷 弾 ( 模 型 ) *戦地と山梨の人々をつなぐ「想い」 戦争体験者の絵画など *山梨の人々と戦争 *戦争の記憶 ○ 「人と人との共生−山梨と戦争−」を中心に体験的に学習 するが,時間があれば,他の展示でも積極的に体験する。 ○ 体験しながら,気づいたことやわかったことはワークシー ト(カード化できる)に書き込んでおく。 ○ わからないことや聞きたいことを学芸員の人たちに質問し て明らかにしておく。 ◇体験しながら学び,わからないことは博物館の学芸員の人た ちにどんどん聞いてみよう! ☆事前に,子どもたちに,自分 たちの調べてきたことを常に 念頭に置きながら体験活動を し,ただ体験して終わってし まうことのないように話をし ておく。 ☆博物館での見学方法や学芸員 の人たちへの質問の仕方な ど,見学のマナーについてあ らかじめ確認しておく。 ☆山梨でもこれだけ悲惨な戦争 がおこっていたことをできる だけ実感させたい。 ☆体験的に学習しながら,お互 いに感想や気づいたことなど を出し合って見学するように させる。 ☆学芸員にも協力していただく 中で,できるだけ子どもたち が戦争の事実や恐さ,悲惨さ を実感できるように支援して いく。 【学習ステップ4】 戦時中の国民生活の様子について調べてみよう 4−1 調べた成果や博物館の見学でわかったことをまとめよう(1時間) ○ 今までの学習の中間的なまとめをする。 ・調べ学習の成果 ・山梨で起こった戦争についてわかったこと ・博物館での体験活動の様子 ・学芸員の人たちから聞いたこと ○ 調べたことやわかったことを項目立てて整理する。 ○ 友だち同士で情報交換したり,先生に聞いたりして項目ご とに分けながらまとめておく。 ○ まとめながら,もっと知りたいことやもっと調べてみたい ことがでてきたら,ワークシート(カード化できる)に書き 込んでおく。 ○ 特に,これから調べていきたいテーマが見つかれば,その テーマについて調べる計画を立てておく。 ◇山梨でも全国でもたくさんの被害が出たことを知ろう! 4−2 ☆博物館の見学を通して,気づ いたことやわかったこと,も っと調べてみたいことなどを それぞれがもてるように支援 していく。 ☆山梨県だけでなく,全国的に 長引く戦争の中で,どんなく らしをしていたのか思いをめ ぐらせるようにさせたい。 ☆必要があれば,博物館の学芸 員に来校してもらい,補足の 説明をしていただいたり,こ れからの戦時中の国民生活に ついての調べ学習にむけて支 援をしていただいたりすると よい。 戦争中,国民がどのような生活をしていたか,テーマを決めて調べよう(1時間) ○ 戦争が続く中で,人々のくらしがどう変わっていったのか 調べる。 ・子どもの暮らし *青い目の人形 *学校と教科書 *山梨の様子 ☆身近な地域で,戦争について 知っている人たちへ聞き取り をしてみたり,戦争にかかわ るお墓や施設などがあれば, ・戦地に赴く人たちの暮らし *召集令状 *戦死した人たちの数や場所 ・残された人たちの暮らし *生活の統制 *農村や工場での労働 *空襲による被害 ○ 調べたことを内容や年代ごとにまとめて整理しておく。 許可を得て調べたりするのも よい。 ☆お互いに調べたことが情報交 換できるように,内容ごとや 年代ごとにまとめて整理して おくようにさせる。 ☆調べたことについては,自分 なりの感想や意見がもてるよ うに支援する。 ◇自分たちの感想や意見も入れながらまとめてみよう! 【学習ステップ5】 戦争の結果を知り,戦争と平和について考え話し合おう 5−1 戦争の結果,日本はどうなったかを知り,戦争や平和について考えよう ○ 戦場となった沖縄や原爆が投下された広島・長崎の被害に ついて知る。 ○ 戦争が終わった経過と戦争によって世界的に数多くの犠牲 者出たことを知る。 ○ 戦争を早くやめられなかった理由や平和の大切さについて 考え,自分なりの意見をもつ。 ○ この学習を通して,感じたことや考え たことなど,自分なりの意見や思いをワ ークシートに書き込む。 ○ 平和の大切さを確認しながら,これまでの学習活動をふり 返る。 (1時間) ☆全国的に各地で大きな被害を 受けたことやアジア各地や世 界的にもたくさんの犠牲者が 出たことをおさえたい。 ☆自分の考えだけでなく,友だ ちの考えや意見からも学ぶ姿 勢を大切にさせる。 ☆これまでの学習や自分たちの 現在の平和な生活もふり返り ながら,戦争や平和について 自分なりの感想や意見がもて るように支援する。 ◇平和の大切さを知り,平和な世の中を守るにはどうすればよ いか考えよう! 【評価規準】 社会的事象への関心・意 欲・態度 社会的な思考・判断 観察・資料活用の技能・ 表現 社会的事象についての知 識・理解 A 十 分 満 足 で き る 戦争の経緯と国民生活の様 子について,地域の人々か らお話を聞いたり,資料館 や図書館の資料を活用した りして,積極的に調べよう とする。 戦争の経緯や国民生活の様 子について,因果関係も考 えながら,調べた事実と, 意見・感想を区別し,多様 な観点からカードに表現す ることができる。 聞き取った話や集めた資料 から調べたことをカードに 整理し,それらをくくるテ ーマを自分なりに見つけ, 今後の学習の見通しももっ てファイルをつくることが できる。 戦争によって国民の生活, そしてアジアの国々の人々 に大きな被害が及ぼされた ことを理解することができ る。 B お お む ね 満 足 で き る 戦争の経緯と国民生活の様 子について,地域の人々か ら話を聞いて積極的に調べ ようとする。 戦争の経緯や国民生活の様 子について,調べた事実と 意見・感想を区別してカー ドに表現することができる。 聞き取った話や集めた資料 から調べたことをカードに 整理し,年代別などに分け てファイルをつくることが できる。 戦争によって国民の生活に 大きな被害が及ぼされたこ とを理解することができる。 評 価 方 法 【発言・発表】 【行動観察】 【ワークシート】 支 援 の 手 だ て 教科書の中から興味のもて る資料を探し出させてみる。 【発言・発表】 【行動観察】 【発言・発表】 【 ワ ー ク シ ー ト( カ ー ド )】 【 ワ ー ク シ ー ト( カ ー ド )】 【 ワ ー ク シ ー ト 】 調べた事実をカードに書き 出させ,それらについての 自分の意見を書かせてみる。 他の子どものカードやファ イルを参考にして,自分が 気になっていることを書き 加えさせていく。 戦争中の子どもたちの生活 を今の自分たちの生活と比 べさせる。
© Copyright 2024 ExpyDoc