2015年12月3日 報告会 日本が進めるインドネシアの 石炭火力発電はクリーンか? ~ジャワ島の 3 つの現場より~ 日本は「クリーン・コール」の謳い文句の下、 海外での石炭火力発電事業を進めようとしてい ますが、事業現場では、環境・生活破壊、公害、 人権侵害などの問題を引き起こしており、決して 「クリーン」とは言えない実態があります。 以下の日本が深く関わるインドネシアの事例 3件について、現地の住民が抱える様々な問題を、 現地調査を基に報告します。 ▲国際協力銀行前でバタン石炭火力建設反対を訴える ぜひご参加ください。 国際環境 NGO と現地住民 2015年8月 事例1:チレボン石炭火力発電事業(西ジャワ州) 国際協力銀行(JBIC)と韓国輸銀の支援の下、丸紅が韓国・インドネシア企業と出資。操業中。最近、 丸紅・中部電力が拡張計画を発表したばかり。 事例2:タンジュン・ジャティ B 石炭火力発電事業(中ジャワ州) JBIC の支援の下、住友商事が出資。操業中。現場では、住友商事が出資する現地企業が拡張計画の準備 を進めている。 事例3:バタン石炭火力発電事業(中ジャワ州) 電源開発(J パワー)と伊藤忠が参画を決定し、JBIC・民間銀行団が融資を検討中。地元住民の根強い 反対により、4 年間、着工が遅れている。 【日 【場 時】2015 年 12 月 3 日(木)18:30~20:30 所】ひと・まち交流館 京都(河原町通五条下る東側) (地図) http://www.hitomachi-kyoto.jp/access.html 【報告者】波多江 秀枝(国際環境 NGO FoE Japan 委託研究員) 【参加費】500 円 【主 催】ODA改革ネットワーク関西 【協 力】国際環境 NGO FoE Japan 【11 月 9 日現在】 【問合せ】京都府宇治市広野町西裏99-16 パール第2ビル3階 Tel 0774-48-1100 Fax 0774-44-3102 (担当:藤原) メール [email protected] 【関連サイト】http://www.foejapan.org/aid/jbic02/batang/ ● 国際問題化する温室効果ガスを大量排出する 石炭火力発電への日本の支援 ● フランス・パリで開催される COP21(国連気候変動枠組み条約第 21 回締約国会議)が 11 月末に迫 る中、温室効果ガスを大量排出する石炭火力発電のあり方が注目されています。先進国 34 か国が加盟 する経済協力開発機構(OECD)では、海外の石炭火力発電に対する公的支援の規制について、現在、 議論が行われています。規制導入を支持する米国、英国、フランス、ドイツ等に対し、日本は規制導入 に反対し続けています。9 月末、非 OECD 加盟国である中国が海外の石炭火力発電への公的支援につい て「厳格な管理」の実施を表明したことから、日本の対応変化を求める国際社会の声は一段と高まって きています。 また、国際協力銀行(JBIC)は、海外の石炭関連事業に対して投融資を行う世界最大の公的金融機関 となっていますが、日本の「クリーン・コール」技術導入の謳い文句とは裏腹に、環境破壊、公害、人 権侵害など「クリーン」でない JBIC 支援事業の問題点が、 インドネシア、ベトナム、インドなどの住 民・NGO から指摘されています。 【プレスリリース】 環境NGOが報告書を国際共同発表 「石炭への公的支援:日本のせいでOECDは新興国に後れ をとることになるのか?」 2015/10/15 日本及び国際環境 NGO の 6 団体(※1)は 2015 年 10 月 15 日、石炭火力発電プロジェクトに対 する日本政府の公的支援の方針における問題点を 指摘する報告書(※2)を共同発表した。 世界では、経済協力開発機構(OECD)の輸出信 用機関(ECA※3)による石炭火力発電プロジェ クトへの公的支援を制限しようとする動きが主流 となりつつある中、日本政府は継続支援の必要性 を訴えている。日本政府は、 「OECD による石炭火 力発電プロジェクトへの公共支援を規制すれば中 国などの非 OECD 諸国からの効率の低いプロジェ クトを増加させてしまう」と主張している。 この点について、報告書では次の点を明らかにし ている。 ・米中会談において中国が国内外の石炭プロジェ クトに対する公的支援を制限することを表明。 インドも低効率な亜臨界圧石炭火力発電の建設 を禁止する中、日本だけが石炭に固執している 状況となってきている。 ・調査の結果、中国、韓国、日本から南アジアと 東南アジアで運用中・建設中・計画中の超々臨 界圧(USC)の石炭火力発電の発電容量は、中 国 2,680MW 、 韓 国 2,680MW 、 日 本 2,000MW とほぼ拮抗しており、日本から提供 される石炭火力発電設備が必ずしも高効率では ない実態が明らかとなった。 ・これらにより、高効率な石炭火力発電への OECD 加盟国による公的支援が低炭素化に欠かせない とする日本政府の主張の論拠を覆すことになる。 以上の点から、報告書では、OECD にて 11 月 16 日~20 日にかけて石炭火力発電への公的支援の あり方に関する交渉が行われるのに際し、気候変 動を防ぐ目的のために、一刻も早く OECD 加盟国 で足並みをそろえ、石炭プロジェクトに対する公 的支援を中止し、よりクリーンな再生可能エネル ギー技術への支援に切り替えていかなければなら ないと指摘している。 ※1:WWF インターナショナル、シエラクラブ(Sierra Club)、CoalSwarm、「環境・持続社会」研究センタ ー(JACSES)、国際環境 NGO FoE Japan、気候ネ ットワーク ※2:報告書(英文) “Coal finance: will the OECD lag behind emerging countries because of Japan? ※3 :日本の輸出信用機関としては、国際協力銀行 (JBIC)及び日本貿易保険(NEXI)が該当。
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