1 研究主題 個々の児童が生き生きと学習に取り組み,学び合う授業の

平成26年度研究推進計画
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北広島町立壬生小学校
研究主題
個々の児童が生き生きと学習に取り組み,学び合う授業の創造
~かかわり合い,学び合う言語活動の工夫を通して~
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研究主題設定の理由
昨年度からの本校の学校教育目標は,
『自分に自信をもち,夢や目標に向かってねばり強く努力
する子どもの育成』である。
『自分に自信を持ち,ねばり強く』取り組むためには,日々の授業に
おいて,児童一人一人が,学ぶ楽しさ①を感じるとともに,自分の思いを伝え合い高め合っていく
こと②が大切であると考える。また,そのためには,全教科等において言語活動の充実を図るとと
もに,その根幹を成す国語科授業を充実させ,言語能力を高めることが重要であると考える。
「学ぶ楽しさ」①:○わかる,できる ○より正確になる ○成長を自覚する
「自分の思いを伝え合い」②:○自分の考えを整理し,より深く理解する
○友達の考えと自分の考えを比較し,より深く理解する
○聞く・話す活動がより主体的になる
本校では,昨年度,研究テーマを「生き生きと学習に取り組み,確かに読む力を育てる授業の
創造~かかわり合い,伝え合う言語活動の工夫を通して~」として,次の2点を中心に研究を進
めてきた。
① 単元を貫く言語活動と毎時間の言語活動との関連を図り,相手意識・目的意識を持たせた
授業づくりを行う。
② 構成的グループエンカウンターやソーシャルスキルの研修を行い,支持的な風土を持った
学級集団づくりに取り組む。
その結果,次のような成果を挙げることができた。
・単元を貫く言語活動と毎時間の言語活動との関連を図り,相手意識・目的意識を持たせた授
業づくりを意識して行うことができた。
・支持的な風土をもった学級集団づくりにむけて,構成的グループエンカウンターに関する研
修を行い,具体的な指導方法を学ぶことができた。
・検証結果から,児童は学び合う学習形態に対して,そのよさ(かかわりの中で学習を深めて
いくことのよさ)を感じ始めており,
「読む力」を一定程度(全国平均以上)つけることがで
きた。
しかし,
「読む力」はある程度ついてきたが,自分の思いや考えを授業の中で分かりやすく表現す
ることについては苦手意識を持っている児童が多いことが分かった。日常生活においても,自分の
考えや思いを相手にわかりやすく伝える力は十分とは言えず,言葉で相手を傷つけたり,相手の気
持ちを考えなかったりする行動が見られた。また,相手の思いをうまく受け止められない児童もい
て,トラブルの原因になることが多かった。
さらに,昨年度の基礎基本定着状況調査や全国学力テストの結果からは,論理的に思考すること,
論理的に表現すること(書くこと)に課題があることが分かった。
これらの実態を踏まえ,子どもたちの心を耕し,お互いを思いやる気持ちを持った学級集団づく
りを目指すこと,自分の思いや考えを言葉できちんと伝え合い,それをきちんと受け止めることの
できる力をつけていくことが課題であると考える。お互いが思いを伝え,受け止め合い,より高い
内容や価値へ向け「学び合う」子どもを育てること,
「学び合う」ために筋道立てて表現できる子ど
もを育てることをめざしていきたい。そこで今年度から3年間を見通し,国語科を中心に,次のよ
うに取り組みを進めていきたい。
1年目
話す・・・・・自分の思いを伝える力
「論理的に表現する力」(自分の思いを相手に伝える力)を高めるために,
「書く活動」を取り入れ,伝えるための基礎となる技能の習得をめざす。
2年目
聞く・・・・・相手の思いを受け止める力
「論理的に表現する力」を高めるとともに,「聞く力」(相手の考えを受け
止める力)を高めることで,
「学び合う」ための基礎を育てる。
3年目
話す・聞く・・・双方向による伝え合う力
これまでの取り組みをもとに,意見を練り合うための「双方向による伝え合
う力」を高める。
お互いが思いを伝え,受け止め合い,
より高い内容や価値へ向け「学び合う」子ども
支
持
的
風
土
を
も
っ
た
学
級
集
団
づ
く
り
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研究仮説
(1年目)
「書く活動」を効果的に取り入れ,自分の思いや考えを伝える技能の習得を図れば,表現する
力が伸び,学級集団の学びが深まるであろう。そして,児童個々の国語の力も高まるであろう。
【研究の柱】
ア
「論理的に表現する力」
(自分の思いを相手に伝える力)を高めるために,「書く活動」を
効果的に取り入れる。
イ 「論理的に表現する力」
(自分の思いを相手に伝える力)を高めるために,伝えるための基
礎となる技能の習得をめざす。
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研究主題についての基本的な考え方
①生き生きと学習に取り組む姿とは
・言語活動を通して,子どもたちが,互いの考えを出し合い,それを認め合う中で,ともに高
まっていこうとする姿。
②論理的に表現する力とは
低学年:相手に応じて,話す事柄を順序立て,丁寧な言葉と普通との違いに気をつけて話す
ことのできる力
中学年:相手や目的に応じて,理由や事例などを挙げながら筋道を立て,丁寧な言葉を用い
るなど適切な言葉遣いで話すことのできる力
高学年:目的や意図に応じて,事柄が明確に伝わるように話の構成を工夫しながら,場に応
じた適切な言葉遣いで話すことのできる力
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検証の視点と方法
検証の視点
方
法
指 標
・アンケートによる2回目の結果が
(1)生き生きと学習に取り ・児童アンケート
組むことができたか。
(5月,1月実施)
1回目の結果を上回ることができ
る。
・2回目の結果が80%を上回るこ
とができる。
・1学期より2学期の「話す・聞く」
・市販テストによる形成的
(2)伝え合う力を高めるこ
とにより,児童の国語の
評価「話す・聞く」
(1・2学期末実施)
力は高まったか。
力が向上している。
(2学期85%以上をめざす)
・国語科において,各学年とも全国
平均を5ポイント以上上回ること
・CRT(1月下旬実施)
ができる。
(「話す・聞く」
,国語科全体)
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研究構想図
学校教育目標
自分に自信をもち,夢や目標に向かってねばり強く努力する子どもの育成
個々の児童が生き生きと学習に取り組み,
学び合う授業の創造
~かかわり合い,学び合う言語活動の工夫を通して~
日常的な活動
国語科における指導
各教科などでの指導
・朝の読書タイム
生き生きと学習に取り組
む
総合的な学習の時間に
おける学習活動
・おすすめの本紹介
○毎時間の言語活動と単元
読書活動の充実
・読書通帳・読書記録
全体を貫く言語活動の工夫
話す力(伝える力)を高め,
学びを深める
ことばを身近に感じる
環境づくり
☆「書く活動」を効果的に取
り入れた指導
順序,理由,事例,構成
・発表朝会
・お話朝会(感想発表)
☆言語の基礎的技能の習得
○姿勢,口形,発音
・校内掲示
○言葉の抑揚,強弱,間
○言葉づかい,共通語
学級集団づくり
ことばを大切にし,相手の思いを
受け止めようとする支持的風土
・聞く力
・説明する力
・資料を活用する力
○相手を見る
・上学年に学ぶ言語感覚
<思考・表現のプロセス>
・話し合う力
○声の大きさ,速さ
上学年が下学年のモデ
ルとなる学校文化
各教科における
学習活動
り返る活動>
○発表メモの作成
・俳句,川柳
・まとめ伝える力
<見通しを持つ,学習を振
○考えをまとめる
・音読,群読
・課題解決力
・思考・判断力
・地域ボランティアによる
読み聞かせ
・課題発見力
・課題を追究する力
道徳の時間
特別活動
家庭・地域の協力
生活に根ざした豊かなことば