地域の情報を詳しく見る - ワールド・ビジョン・ジャパン

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カンボジア
正式名称は「カンボジア王国」。
インドシナ半島に位置し、北から東へラオス、ベトナ
ム、西にタイと国境を接し、南は南シナ海に面してい
ます。国の中央部に大河メコン川が流れ、北西部に
は大きな湖を有します。
1970 年代のクメール・ルージュ率いる
ポル・ポト政権による大量虐殺の後、
1990 年代に入り、国連監視の下での
民主的な選挙を経て、立憲君主制国家
として歩んでいます。
出典:外務省
<日本からは…>** 現地へのアクセス方法の一例です。詳しくは、旅行会社などにお問い合わせください
① タイ航空でバンコク経由だと約 7 時間
② 大韓航空でインチョン経由(韓国)だと約 7 時間
経由地乗り継ぎ時間を加えると、移動に約 7~8 時間かかります。
一口メモ
・国土は日本の約 2 分の 1 弱
・世界遺産であるアンコール遺跡がある
・国内には内戦の影響で、たくさんの地
雷が埋まり、子どもに犠牲者が出てい
る
・5 月~9 月は雨期
<民 族 など>
国民の 90%以上がクメール人で、ベトナム人が 5%、中国人が 1%のほか約 36 の少数民族
がいます。公用語はクメール語で、クメール人の多くが上座部仏教を信じています。
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ボレイ・チュルサール地域開発プログラム
首都のプノンペンから南に 40km、車で約 2 時間に位置するタケオ州のボレイ・チュルサー
ル郡で、ボレイ・チュルサール地域開発プログラムを実施しています。
カンボジア王国
支援期間:2013 年~2027 年 **
●
プノンペン
支援地域:タケオ州 ボレイ・チュルサール郡
ボレイ・チュルサール
地域開発プログラム
**支援期間はプログラム準備期間を含みま
す。支援終了予定日や活動の目標は、予期し
ていない突発事項やプログラムの進捗状況に
より、変更される場合があります。
<地域の課題>
① 不安定な収入
地域の多くの農民が、経済的貧しさから土地を手放さざるを得なくなり、現在は小作として土
地を借りて収入を得ています。また、農民の多くが米作のみを収入源としていますが、農薬
や肥料の価格が高く利益がほとんど上がっていません。そのため、都市や国外に出稼ぎに
行く人たちも少なくありません。
② 不十分な衛生環境
住民の約 7 割が水を煮沸せずに飲んでおり、不衛生な環境の中で生活しています。さらに、
住民の約 7 割にトイレを使う習慣がなく、子どもを含む多くの人々が下痢疾患などに苦しんで
います。
③ 小学生の中退や教育の質の低さ
雨期になると洪水で地域の道路が冠水します。そのため学校へのアクセスが限られ、子ど
もたちの多くが学校を欠席します。教師も休みがちになるため、教育の質の低さが課題にな
っています。
地域には、そのほか、さまざまな課題が山積みです。地域開発プログラムを通し、こうした課題
を少しずつ改善し、子どもたちが心身ともに健やかに成長できる環境づくりを目指していきます。
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<データでみるカンボジア>
比べてみると…
カンボジア
日本
新生児死亡率 ※①
18
1
5 歳未満児死亡率 ※②
40
3
安全な水へのアクセス率
67%
100%
衛生施設利用率 ※③
33%
100%
成人の総識字率
74%
出生時の平均余命
GNI(1 人当たりの国民総所得):米ドル
-
72 歳
83 歳
880
47,870
※① 出生時から生後 28 日以内に死亡する確率。出生 1,000 人あたりの死亡数で表す
※② 出生時から満 5 歳に達する日までに死亡する確率。出生 1,000 人あたりの死亡数で表す
※③ 他世帯と共有せず、トイレを利用する人の割合
出典:ユニセフ世界子供白書 2014 より
・新生児死亡率は日本の 18 倍
・5 歳未満死亡率は
日本の約 13 倍であること
・安全な水の入手が難しいこと
・成人における識字率が低いこと
データから読み取れるだけでも、
多くの課題が見えてきます。
ワールド・ビジョンでは、子どもたち
を取り巻くこうした課題に、“地域
開発”という観点から取り組んでい
ます
雨期に道路が冠水してしまう地域では、船が主な交通手段
となります。貧しい人々にとっては、移動に費用がかさむこ
とも課題です
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地理的な課題
ボレイ・チュルサール地域の特徴の一つは、
地域の多くが雨期になるとメコン川の増水に
より冠水してしまうことです。川は上流から
肥沃な土を運び農業に役立つ一方、水位の
高い期間が長引くと農作物に被害をおよぼ
します。また、川を挟んでベトナムと国境を
接する同地域は、船を使ったベトナムとの物
流の拠点もあり経済的にはプラスです。しか
し、人やモノの移動が容易であるため、違法
な物品の受け渡しや人身取引などのマイナ
スの影響にも配慮する必要があります。
川を挟んでベトナム国境に面する地域では船を使っ
て人や物の往来がありますが、人身取引の温床とも
なっています
充実した活動は
信頼関係なくしては進められません
教科書やノートもなく小さな黒板で字を学ぶ子どもたち
約30年前、ポル・ポト率いるクメール・ルージ
ュが政権を握ると、都市住民の強制的な農村
への移住、住民の大量虐殺や強制労働など
を行いました。人々の中にはまだこの時代の
苦難が鮮明な記憶として残っています。
このため人々は他人に対して懐疑的になり、
信頼関係を築きにくく、協力して何かに取り組
むことに消極的です。しかし、子どもやその家
族が暮らしやすい環境を作るためには地域住
民が助け合うことが不可欠です。
プログラムでは、地域住民がお互いに信頼し
協力して活動に取り組むことができるよう、住
民間の信頼回復に努めています。また、住民
が生活をよりよくしていくための活動に主体的
に参画していくことができるよう、体制を整え
ていきます。
地域のニーズの調査と計画づくりには大人も子ども
も参加しました
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