軍学共同問題で申し入れ - 琉球大学総合情報処理センター

三者連絡会 ( 教授職員会、琉大労組、琉病労 )
ニュース 第74号 2015 年 7 月 21 日
事務局:琉球大学教授職員会(内線 2023)
[email protected] http://www.cc.u-ryukyu.ac.jp/~kyoshoku/
琉大労組 ( 内線 2024) 琉病労(内線 7-2099)
日の丸・君が代問題、軍学共同問題で申し入れ
琉大労組、琉病労、教授職員会の 3 組合が共同して、7 月 9 日付けで、大城肇学長に次の 2 件の申し
入れを行いました。
本学の日の丸・君が代の使用に関する申し入れ
文科大臣は 6 月 16 日に、本学を含む国立大学長に対し、大学の式典での日の丸 ・ 君が代の使用を
求め、
「適切なご判断をお願い申し上げる」と述べたと報じられている。私たち組合三者は、この日の丸・
君が代の使用の要請について、本学がこれに従わないことを求める。貴職はこの件について、棚上げ
にしたいと述べたことが報道され、同様の趣旨が教育研究評議会で報告されている。政府の求めをそ
のまま受け入れないことは、高等教育研究機関としての自主性を示すものであり、評価される。
その上で次の 3 つのことを求める。
(1) 大学自治のありかたとして、また、日の丸・君が代の使われてきた歴史と、学生教職員 ・ 大学
関係者の思想信条を考慮して(憲法 19 条、23 条参照)、法令において国旗国歌の使用を強制され
ていないことに鑑みて、大学として日の丸の掲揚や君が代の演奏 ・ 斉唱を行うことは適切でないと
の判断を、琉球大学が明確におこなうよう求める。
(2) 大学構内において、あるいは大学の行事が行われる会場等において、大学が日の丸の掲揚や君
が代の演奏 ・ 斉唱を行うことは、少なくとも一部の学生教職員や国民に強い苦痛をもたらすもので
ある。思想信条の自由、学問の自由を享受して、教育研究の発展に尽力しようとする教員や、教育
研究をサポートすることに働きがいを見いだしている職員にとって、これは、人権問題であり、また、
労働環境に関わる重大問題である(例えば、最高裁は国旗起立斉唱を強要する職務命令が思想良心
の自由の間接的制約に当たることを正面から認めている)。したがって、日の丸 ・ 君が代の使用問題
は、大学としての良識が問われる問題と、人権や労働条件に関わる問題という 2 つの性質を有する。
すると、今後、これまでの慣例を変えて、日の丸 ・ 君が代の使用に道を開く判断を行おうとすると
きには、学長や役員会等のトップダウンで一方的な決定を行うことは許されず、歴史学や法学等の
専門家による検証、教育研究評議会や教授会での十分な検討、労働組合との団体交渉等の適正な手
続に基づいて判断がなされる必要があると考える。大学として、この認識を確認されたい。
(3) 政府文科省が、日の丸の掲揚や君が代の演奏 ・ 斉唱の状況について調査等を行ったり、重ねて
要請 ・ 指導・誘導等を行ったりした場合には、直ちに組合に対して情報提供されたい。(調査や指導
等といった非権力的な行為であっても、それが大学の自主性や絶対的権利といわれる思想良心の自
由に関わる関与である場合には、文部科学省の要請であっても慎重な対応が求められるからである)。
2 面につづきます
1 面からつづく
本学での軍学共同問題に関する申し入れ
政府の安全保障政策においては、軍学共同の推進が重視されている。
本学は琉球大学憲章において、「「自由平等,寛容平和」に満ちた社会の形成者を育成」「学問の自
由を尊重」「 世界に向けて成果を発信」「健全な研究体制の維持・発展」「「開かれた大学」「持続可能
な地域社会の発展に寄与する責任」」をうたっている。その上で、とくに「平和への貢献」の章を設
けて、
「沖縄は,アジア諸国間の平和と友好の架け橋として「万国津梁」を担った歴史と沖縄戦にお
いて「鉄の暴風」と呼ばれる激戦地とされた歴史を有する。また,戦後の長い米軍統治を経て
日本に復帰した現在も,沖縄には広大な米軍基地が存在する。このような沖縄の歴史と現状を
踏まえ,琉球大学は,国際平和の構築に貢献する。
「琉球大学は,倫理・人道を尊重し,この憲章に掲げる教育,研究,社会貢献,大学運営にお
ける目的,理念に基づき,平和に寄与する。」
と規定している。私たちは、大学の本質と琉球大学憲章とに照らして、軍事研究・軍学共同が本学の
理念に合致しないことは明らかであると考える。そのもとで以下のことについて回答を求める。
(1) 防衛省では,装備品への適用面から着目される大学,独立行政法人の研究機関や企業等におけ
る独創的な研究を発掘し,将来有望な研究を育成するためとして,本年度から競争的資金制度であ
る安全保障技術研究推進制度の公募を開始する予定である。これについて,琉球大学の対応は現状
どのようになっているか。また、琉球大学として本制度の公募には応募しないこと、eRad を通じ
た事務手続等も行わないことを決定すべきと考えるが、いかがか。
くみ
(2) Dualuse 技術の開発 ・ 研究も含めた軍学共同について、本学は與するべきでないと考えるが、
学長はこのことを明確に示されたい。
(3) 西普天間の跡地利用(OHMIC 事業)に関して平成 26 年 6 月 12 日付けで、自由民主党政務調
査会、沖縄振興調査会、西普天間基地跡地振興に関する WT 名で提言が発表されている。(http://
jimin.ncss.nifty.com/pdf/news/policy/125479_1.pdf) それによれば、米国サンディエゴ海軍
医学研究センターと琉球大学医学部、琉球大学病院との協力共同など、露骨な軍学共同が推進され
ており、看過できない。政府 ・ 与党から、琉球大学に対して、米軍との協力など上記提言に関連す
る働きかけがこれまであったかどうか、また、今後ある場合には琉球大学としてどのように対応す
るのかについて、それぞれ回答されたい。
上記 2 件について、2015 年 7 月 9 日付(台風のため 10 日に発信)にて、大城 肇琉球大学学長にあて
て、琉球大学教授職員会会長 星野 英一、沖縄国家公務員労働組合琉大労組執行委員長 石川 敏文、琉球
大学病院労働組合執行委員長 宮良 いづみ の組合三者代表名にて申し入れました。なお、申し入れ文中の
Dualuse(デュアルユース)技術とは、軍民共用技術のことで、軍学共同の入口として、最近の政府文書で多
用されるキーワードです。
○琉大の教職員の皆さまへお願い このニュースへのご意見ご感想、組合へのご意見ご要
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三者連絡会(教授職員会、琉大労組、琉病労)ニュース第 74 号 2015.7.21.