さぴあ ヨ コ の ヒ ン ト (2015年9月) タ テ の ヒ ン ト 前月号の解答と解説 東照宮は、江戸幕府を開いた徳川家康を神様(東照大権現)として祭る神社です。1600 年 の関ヶ原の戦いに勝った家康は、1603 年に征夷大将軍となって江戸に幕府を開きます。そし て、1605 年に子の秀忠に将軍職を譲った後も、1616 年に数え年 75 歳で亡くなるまで、かつ て拠点としていた駿府(現在の静岡市)で「大御所」として秀忠を後見しました。 亡くなった家康は駿河湾を一望する久能山に葬られますが、翌 1617 年に日光に改葬されま した。こうして誕生したのが日光東照宮(正式名「東照宮」)です。日光周辺は早くから霊場 (神仏の霊験あらたかな場所)として知られ、鎌倉時代以降、関東武士に崇敬されていました。 こうした背景があるため、徳川氏は家康を祭る場所としてこの地を選んだものと考えられま す。その後、徳川家と縁のある大名が競ってそれぞれの地元に「東照宮」を建立したため、 最も多いときで、全国に約 700 社あったといわれます。そのうち現存するのは約 130 社。家 康の遺骸があるといわれる「久能山東照宮」のほか、都内にも、家康のほか、8 代将軍・吉宗、 15 代将軍・慶喜を祭る「上野東照宮」があります。そうした全国の東照宮の総本社ともいえ るのが日光東照宮です。 日光東照宮は、周辺の日光二荒山神社や日光山輪王寺とともに「日光の社寺」として、ユ ネスコの世界 (文化)遺産にも登録されています。500 以上の色鮮やかな彫刻が施された陽明門、 わが国最大級の花鳥の彫刻が飾られた回廊、奥社入り口を守る「眠り猫」など、国宝もたく さんあります。今年は、家康が祭られてから 400 年目に当たることから、一年を通じてたく さんの記念行事が開催されています。この機会に、一度訪れてみてはいかがでしょうか。
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