平成27年度入学 事業構想学部事業計画学科 特別選抜<推薦> 小論文 講評 事業計画学科をめざす受験生として,我々を取り巻く経済社会問題に関心を持ち,自分の意見 を述べる力を持っているかを確認する問題である。BOP という貧困問題をビジネスの手法で解決 していく取り組みを題材とした。受験生の皆さんは,小論文対策として読解力や論理的に思考す る力を養うと共に,今回のような先端的な社会問題に興味を持っていただきたい。 問1 【出題のねらい】 BOP の基本的なアプローチ法を問題文中から読み取る読解力を求めている。 【講評】 BOP の基本的なアプローチは概ね理解できており,低所得者層が購入可能な商品やサービスを 開発することや貧困層が経済的に自立するための仕事を生み出すことなど,BOP を顧客に変えた 意味について,本文中から的確なキーワードを抽出し,簡潔に説明できている解答が多かった。 問2 【出題のねらい】 問 1 を踏まえて,大企業や多国籍企業が,なぜこれまで「潜在的市場」に着目出来なかったか について,企業が提供する製品・サービスと,それが対象とする顧客という関係で説明する論理 的な思考力を確認する問題である。 【講評】 製品と顧客という 2 つの側面からの解答を求めたが,2 視点から解答出来ている受験生は少な かった。①大企業などが提供する製品は経済ピラミッドの上部の富裕層を対象にしていること, ②所得の低い貧困層はこれらの製品を購入するのは困難であることを解答として求めた。 問3 【出題のねらい】 「貧困の解消」という広く認識されている現代世界の課題に対して,常日頃からどのような問 題意識を持っており,問題文の主張との関係で自身の意見を述べることができるか,これらの点 に関する意識の高さと論理的な思考力を確認した。 【講評】 このテーマに対する受験生の問題意識は高く,レベルの高い解答が得られた。貧困問題をビ ジネスの手法で解決しようという問題文のアプローチに賛成,反対両立場での解答があったが, いずれの解答も明確に論拠が述べられており,適切な解答が多かった。問題文のアプローチが, 発展途上国に雇用を生み,貧困層の経済的自立を促すことをよく理解出来ていたが,その一方, 従来の貧困への取り組みの限界についての理解は十分でなかった。
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