すこやか健保 2015 年 11 月号 今月の主張 今年はバカボンのパパなのだ! 現役世代が納得できる制度へ 全国1404の健保組合と健康保険組合連合会は 11 月 25 日、東京・有楽町の東京国 際フォーラム・ホールAで全国大会を開催します。超高齢者社会の進展により、今後ま すます高齢者医療費が増えていくのに対し、それを支える現役世代の人数が減っていく ため、現役世代一人ひとりの負担が大幅に増加することが予測されています。大会はそ うしたことを踏まえて、副呼称に「現役世代が納得できる公平な制度の実現へ」と掲げ て、現役世代が納得できる公平な制度の実現を期して決議する予定です。 現役世代の給料が思うように増えていかないなか、健康保険料や介護保険料ばかりが 増えることになれば、皆で支え合うことが社会保険の基本原理とはいえ、腑に落ちない という人が出てくる事態にも。そうならないためにも、皆が納得できる制度に向けた改 革が望まれます。 10 月に公表された2014年度健保組合の決算見込みの概要によると、現行制度が 施行される前年の 07 年度からの7年間で、保険料率は、約1.2倍になりました。これ は、皆さんの支払う保険料も同率で増加する計算になります。スーパーで売られる日用 品でこれほど値上げされる商品がほんどないことからも、健康保険の問題の大きさが分 かるのではないでしょうか。 健康保険料は1人当たりの年間額をみると、07 年度に 38 万3612円だったもの が、14 年度は 47 万5522円へと9万1910円増加しており、給料が増えていなけ れば、毎年手取り額が1万円以上減ったことになります。健保組合全体では、わずかな がらも黒字に転換しましたが、その分を積み増しても、貯金をこれまで取り崩さざるを 得ない状況が続いてきており、残った貯金ではこの後数年間にわたる短期的な財政均衡 が保てるのかさえ不透明です。 さまざまな課題があるなか、健保組合も運営努力を重ねていますが、問題の根本にあ る高齢者医療制度の負担を公平な負担の仕組みへと改めないことには、個々の健保組合 の力ではどうにもなりません。しかし今年5月に成立した医療保険制度改革関連法で は、そうした高齢者医療の改革について未解決のままです。そのため、次におこなわれ る制度改革では現役世代が納得できる改革をぜひとも実現しなくてはなりません。 健保組合とその中央団体の健保連では、こうした健康保険が抱える大きな問題を広く 知っていただくため、昨年に引き続いて皆さんがよくご存じのアニメキャラクターのな かから今年度は赤塚不二夫の人気マンガ「天才バカボン」のキャラクターたちに登場い ただきアピールしていきます。 詳しくはポスターや機関誌などをご覧いただきたいのですが、バカボンのパパは健康 保険の問題点を知ると、往年のキメ台詞が思わず変わってしまいます。現役世代の代表 としてサラリーマンに扮したバカボンのパパがこれまでどおり「これでいいのだ!」と いえるような制度を求めて、前述の全国大会などさまざまな活動をすすめてまいります ので、ぜひご理解とご支援をお願いします。
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