「温 度 差」

第 1 8 号 (H27.12.2)
文 責 菊 池 篤 志 (所 長 )
写 真 : 1 2 月 に な っ て も 青 々 と し て い る 堤 防 ( アメリカセンダングサ)
「温
度
差」
上の写真は、新川の堤防に生えている草の様子です。青々としてい
て 、 中 通 り 出 身 の 私 に と っ て は 驚 か さ れ る 光 景 で す 。( 1 2 月 は 、 中
通 り で は 草 が 枯 れ る 時 期 で す 。) い か に 、 い わ き の 気 温 が 高 い か と い
うことを表していますね。
「温度差」という言葉を最近よく耳にしますが(1990年代から
使われ始めたと言われています。そういえば、私の学生時代の頃には
こ の よ う な 使 わ れ 方 は な か っ た と 思 い ま す 。)、「 人 の 考 え 方 、 価 値 観
等の違い」という意味で使われます。
この度、いわき管内で2件の懲戒処分を受けた教員がおります。2
名とも、不祥事防止については管理職から十分に指導を受け、理解し
ていたということですが、その受け止め方には「温度差」があったよ
うです。
不 祥 事 に つ い て の 校 内 服 務 倫 理 委 員 会 等 の 際、「 自 分 の こ と と し て 」
「自分に置き換えて」というキーワードの基、研修を行っているかと
思いますが、本当に全職員に伝わっているのかどうか、疑問が残りま
す。チェックシートで自分の行動・考え方のチェックはできますが、
実際に自分がその立場になったときに、どのような事態になるのか考
えてみることが大切なのではないでしょうか。自分は教員を続けられ
るのか、家族はどうなるのか、ご近所、同僚、児童生徒、保護者、友
人等の自分に対する見方はどうなるのか、それら対象者の名前とその
後 に 予 想 さ れ る こ と を 書 き 出 し て み る と い う の も 、「 自 分 に 置 き 換 え
る」作業として一つの方法かと思います。
「 雑 草 と 呼 ば な い で 。 私 た ち は 野 草 で す 。」
元筑波大学教授、桜美林大学名誉教授三島次郎先生が書かれ
た文です。表題横の写真「アメリカセンダングサ」は、キク科の花で
きれいな花を咲かせます。種は、様々なものにくっつき、子孫を他の
地域へ拡散させることができます。しかし、俗に他の種と併せて「ば
か」と呼ばれ、人間には嫌がられます。見た目が悪いもの、グロテス
クなもの、人間にとって都合の悪いものは、自
然界の悪者になってしまいます。
自然をどう感じるか、どう見るかは人間の勝
手ですが、三島先生は、そんな人間に対して警
鐘 を 鳴 ら し 続 け て い ま す 。「 自 然 に 向 き 合 う 」
とはどういうことなのか、改めて考えることが
大切だと思います。
アメリカセンダングサの 種
これも一種の「温度差」と言えるかもしれませんね。