12　2015.7.30　渚の風　５号 ■社会福祉法人晋栄福祉会幼保連携型認定こども園城東ちどり保育園保育教諭木村駿介さん（27）保育教諭和田智哉さん（24）男性保育教諭がんばっています都会の中の小さな園庭。だが、そこには何種類もの野菜の苗が育ち、空に向かって伸びていた。やがて、お昼寝から目覚めた子どもたちの明るい声が外に響いてきた。（文和田依子／写真陶器浩平） Text by Yoriko WADA ／ Photo by Kohei TOKI 運動遊びでお手本に子どもたちと体操をする木村駿介さん（左）と和田智哉さん（右）護者から言われたとき…。認めてもらえび。楽しそうに披露する和田さんは、子たんだ、と手ごたえをおぼえた。どもたちの人気者だ。保育はやりがいのある仕事柔らかい表情が子どもたちに安心感を月に１度インストラクターを招いて行だが、仕事の楽しみを実感したのは３城東ちどり保育園のいいところは、意与えるのだろうか。人見知りが激しい乳う「運動遊び」は、木村さんの本領が発年目を過ぎた頃から。最初はわからない見を聞いてもらいやすい雰囲気で、子ど児クラスの子どもたちさえ、木村駿介さ揮される時間だ。学生時代、フットサルことばかりで苦労したという。もたちにいいと思うことを提案すると、んには「にこっ」とほほ笑む。担当するなどのスポーツをやってきたので体力に 3 歳児クラスには甘えん坊が多い。遊びは自信がある。の途中で膝に乗ってきたり、「抱っこ、おんぶ」とせがまれる毎日だ。和田さんは中学時代の職場体験がきっできるかぎり挑戦させてもらえるところかけで、保育士を志した。授業で保育体だ。今２人が取り組んでいるのは、牛乳「運動の中でもっと楽しい遊びを発信験ができる高校に進み、保育園でアルバパックやペットボトルを利用した「素材して、子どもたちのお手本になりたい」イトもした。短大卒業後、満を持して城遊び」。色遊びや見立て遊びをして、保と、意欲的に取り組んでいる。東ちどり保育園に就職。子どもへの対応育の可能性を広げているという。木村さんが城東ちどり保育園に就職し木村さんが遊具の上までジャンプしたには自信があったはずが、最初は仕事内たのは 5 年前。福祉で人の役に立つ仕り、鉄棒で逆上がりやけんすいをして見容をこなせない上、何をしても子どもた事をしたいと思い、保育士になった。せると、子どもたちが「すごい、すごい！」ちが言うことを聞いてくれず、空回りすと寄って来て、「ぼくもやりたい！」とるような日々が続いた。１年目は仕事の内容もわからず、悩むことが多かった。子どもたちは、初めて目を輝かせた。保育の現場は、今なお女性職員が中心。男性は早く離職する人が多いとも言われる。２人はこれから保育の仕事を目指すある時、和田さんは「手遊び」の講習現れた男性保育士に戸惑い、なついてくメッセージ男子学生に向けて次のように話した。会に参加した。講師は、元保育士で現「継続は力なので、やめないでほしい。在、あそび歌作家として活躍する鈴木翼保育は自分自身も成長できる仕事です。和田智哉さんは、木村さんと同期就職さん。そこで鈴木さんの「つらいことも僕は 3 年目で方向性を見つけることがの男性保育士。同じく３歳児クラスを受あるよね。僕もつらかった」という言葉できた。続ければ続けるほど意味がありけ持つ。先生というより、年の離れたおに救われた。彼と同じようになりたいとます」と木村さん。しだいに距離が近づき、うれしい出来事兄さんのよう。活発な男の子たちと一緒思い、講習会や動画で手遊びや体操を覚「僕が学生の頃は保父さんと言う人もも増えた。言葉もたどたどしい１歳児かにヒーローになりきって遊ぶと、みんなえ、子どもたちと一緒に楽しむことでやいたけれど、保育士はやりがいのある専ら、「キムラセンセイ」と呼んでもらえ大喜びだ。りがいを見つけることができた。門職。男性も活躍できる楽しい仕事だとれなかった。１歳児のお昼寝の時間、背中を「トントン」しようとすると、子どもから「他の先生がいい！」と言われたときは、ショックを受けた。だが、日々、子どもたちと関わる中で、手遊びで心をつかんだたときや、「うちの子、男の人の写真を園の運動会では海賊やちょうちょに変「子どもから『手品して』とせがまれいうことをぜひ知ってほしい」と和田さ見ると『オトウサン』とは言わず、『キ装し、子どもたちや保護者を楽しませる。るとうれしい」と和田さん。子どもたちん。２人とも、もっと男性保育士が増えムラセンセイ』って言うんですよ」と保お誕生会の催しではマジックや手遊の心をがっちりつかんでいる。てほしいと、口をそろえて言った。現場の工夫きめ細やかなサービスを提供しています ■ちどりキッズ城東ちどり保育園では、2013（平ちどりキッズ、病児・病後児保育室加速化プラン」に基づいた「小規模保や保育士の専門スタッフがお預かりし育事業」に移行しました。ています。成 25）年、地域の待機児童対策とし「ちどりキッズ」では、保護者の多様「病気は治りかけだけど、まだ保育て民家を借用して０歳児から２歳児まなニーズに対応し、家庭に近い雰囲気園（幼稚園）に通えるほど体力が回復での児童を対象に、「ちどりキッズ」（保のもと、きめ細やかな保育を行っていしていない…」と、お子さまを心配し育ママ事業）を開設しました。ます。当園から徒歩５分という立地をながら働いておられる保護者の皆さま活かし、保育園の職員が園で作った温も、安心して預けていただけます。翌 2014（平成 26）年９月には、 2015（平成 27）年４月施行の「子ども・かい昼食やおやつを運んでいます。子育て支援制度」に先駆け、近隣のマ ■病児・病後児保育室ンションの 1 階部分に移転。よりよいまた、当園では開園時から「病後児「病後児保育室」では、保健師・看護師が病状観察を随時行い、年齢や体調に応じて、遊びや安静時間を配慮し保育室」を設け、病気の回復期にありています。病気が早く回復できるよう、また、さらなる園児数の増加も見据安静が必要で集団生活が困難なお子さゆったりとした雰囲気づくりに努めてえ、大阪市が取り組む「待機児童解消まを、専用の保育室で保健師・看護師います。保育環境を確保しました。病児保育室晋栄福祉会検索