3 目次 マーケティングⅠ 7.流通戦略 1.日本型流通システム さまざまな流通システム、日本型流通システムの「外国モデル」 2.わが国流通構造の変化 小売構造の変化、卸構造の変化 3.流通取引関係 流通系列化、建値制、パワー関係 4.チャネルの選択 田島博和 [email protected] http://www.tku.ac.jp/~htajima 3つのチャネル政策、垂直的マーケティングシステム、 チャネル選択の意思決定課題 5.チャネルの管理 メーカーによるチャネル管理の方策、パワーコンフリクト論 6.これからのチャネル対応 4 1.日本型流通システム (1)さまざまな流通システム 延期投機の理論 1.日本型流通システム 日本型流通システムの「外国モデル」 5 外国から見た日本の流通システムの概念図 2007年「商業統計」より 人口1億2000万人 小売店114万店舗 60%が従業員4人以下 一店舗当たり 売場面積132㎡ 年間売上1億180万円 一日当たり32万円 6 2.わが国流通構造の変化 (1)小売構造の変化 1960年代初め スーパーの台頭 「流通革命」 太くて短いパイプ 「問屋無用論」 その後も小売店舗は増加 7 2.わが国流通構造の変化 (2)卸構造の変化 1982年 大規模小売店舗法の強化 1985年以降 小売店舗が減少 対面販売(特にパパママストア)が減少 セルフサービスの店舗が増加 江戸~明治時代 20世紀 「そうは問屋が卸さない」 商店数・従業者数もほぼ一貫して 増加 2007年以降 商店数・従業者数が減少傾向へ 理由 大規模小売業の急激な成長 9 10 3.流通取引関係 (1)流通系列化 取引最小化の原理 中間流通としての卸売業者の存在理由 メーカーが卸売業者や小売業者と特約 的な契約を行い、場合によっては卸売 や小売がこの関係によってメーカーの 専売流通機関となってメーカー・マーケ テイングの流通現場における推進者と なること 小売にとってのメリット 小売にとってのデメリット 11 12 3.流通取引関係 (2)建値制 3.流通取引関係 (3)パワー関係 メーカーがそれぞれの商品分野について、メー カー仕切価格一卸売価格一標準小売価絡を 指定し、このような価格体系をベースとして卸 店や小売店に各種リベー卜を支払う制度 問題点 独占禁止法上の問題点 再販売価格維持制度 二重価格制度 大規模小売業がリーダーへ 小売業者は消費者の購買拠点 メーカーと大規模小売業のパワーの拮抗 メーカーの利益を圧迫 卸売業者・小売業者はメーカーの販売拠点 量販店やスーパーマーケットの大規模化や集約化 消費財メーカーが流通チャネル上のリーダーであった 時代 チャネル上の対立 チャネル上の共業・長期的な信頼関係の効率 オープン価格制度 戦略的同盟・・・P&Gとウォルマート 製販同盟・・・味の素とセブンイレブン 効率的な消費者対応(ECR)・・・花王とイオン 13 14 4.チャネルの選択 (1)3つのチャネル政策 開放型チャネル政策 できるだけ多くの卸売業者や小売店に配荷 コントロール力は弱い 食品や日用雑貨品など最寄品の流通に多い 選択的チャネル政策 排他的チャネル政策 卸売業者や小売店を限定 コントロール力は最も強い ブランドイメージの維持や消費者への高サービスが可能 自動車などの専門品やいくつかのファッシヨン・ブランドなどで みられる →垂直的マーケティングシステム 4.チャネルの選択 (2)垂直的マーケティングシステム VMS 特定の企業の資本のもとにチャネルの拠なる段階が統合 例 山崎製パンのヤマザキデイリーストア 契約システム 企業システム 資本の異なる企業の間で契約によってチャネルの異なる 段階が統合 例 フランチャイズシステム 管理システム 資本の異なる企業の間で厳密な契約によらずにチャネル の異なる段階がチャネル・リーダーのもとにゆるやかに統 合 15 16 4.チャネルの選択 低集中度販路と高集中度販路 (3)チャネル選択の意思決定課題 販社(企業システム)か卸(管理システム )か 取引コストに応じて選択 製品・サービスの取引にともない取引参加者 が負担しなければならない費用 例えば情報 収集費用、取引契約の締結・実行 ・確認にか かわる費用、危険にともなう費用など 系列小売店(管理システム)か量販店( 非VMS)か 高集中度販路・低集中度販路 17 19 5.チャネルの管理 5.チャネルの管理 チャネルリーダーの変遷 建値制とリベートによる小売実売価格 の維持 大規模小売業の台頭と独占禁止法によ り、既存の管理方法は変革を迫られる →オープン価格制度 大規模寡占メーカー 例 松下電器(現パナソニック)は1957年に全 国的に販社の設立を開始 1960年代~ メーカーによるチャネル管理の方策 卸売業者 戦後 江戸~戦前 大規模小売業 20 6.これからのチャネル対応 21 延期/投機理論による生産流通システムの決定 5.チャネルの管理 パワー l パワーコンフリクト論 他のチャネレ・メンバーのマーケテイング戦略 変数をコントロールできる能力 チャネル・システムにおけるパワーの源泉やコ ンフリクト発生のメカニズムを説明する理論 保持するパワー資源と、他のメンバーの依存 度の関数 パワー資源 報酬・制裁・正当性・一体化・専門性・情報
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