私たちは臨床 理 の伝統を継承し発展させるように 話し合い、団結して

私たちは臨床⼼理⼠の伝統を継承し発展させるように
話し合い、団結していくことを⽬指します︕
―――――――――日本臨床心理士会選挙にあたって―――――――――
日本臨床心理士会が推進してきた公認心理師法案が先の臨時国会に提出され、廃案になりました。公認心理師
法案には、医療機関外にも医師の指示条項がかかること、学部卒者にも受験資格があることなど、これまで臨床
心理士が培ってきた職業的専門性の伝統を揺るがす内容が含まれています。この機会に、この法案について日本
臨床心理士会内部でじっくりと話し合うことが大切ではないかと私たちは考えます。このタイミングで行われる
臨床心理士会の選挙は、私たち自身が、私たちの未来を自らの責任をもって決める重要な機会となるでしょう。
日本臨床心理士会は職能団体であり、臨床心理士の職業的専門性を守り、発展させることが目的です。私たち
臨床心理士の専門性の観点から、国民のためにどのような国家資格制度が望ましいのか、またさまざまな団体や
権益と独立して、真にクライエントに役立つ心理サービスとはなんなのかを打ち出していくことが求められてい
ます。
私たちは、これまでの日本臨床心理士会理事会の方針を以下の点で変更していくことを目指し、公約とします。
1) 民主的な議論と決定―――臨床心理士の本当の団結に向けて
三団体(臨床心理国家資格推進連絡協議会、医療心理師国家資格制度推進協議会、日本心理学諸学会連合)案
の推進から始まり、現在の公認心理師法案の推進に至るまで、日本臨床心理士会では一般会員にその内容を周知
し、十分な議論を行い、民主的な合意過程を経てきたとは言えません。
公認心理師法案は、このまま可決、施行されれば、私たち臨床心理士の働き方及び生活すべてに大きな影響が
及ぶことになります。私たちの未来は私たち自身で、議論し、決定していくべきでしょう。決定過程は民主的な
議論を公開で行い、重要な決定事項については会員の全員投票でその意志を問うべきです。
臨床心理士の団結なくして、私たちが築いてきたものを継承・発展させるような国家資格化は不可能です。本
当の団結は、徹底的に議論しつくすことでしかなしえないのではないでしょうか?
2) 臨床心理士の伝統を継承・発展するように公認心理師法案の以下の修正案について議論を尽くします。
① 医療機関外の医師の指示条項を外すこと
医療機関外の医師の指示条項は、医療機関外で働く多くの臨床心理士(および法案として検討されている公
認心理師)の活動を大幅に制限する可能性があります。心理職の国家資格創設を目指して作成された三団体案
では医師の指示は医療機関内に限ると合意されていました。このように一旦合意されたとしていた三団体案が
変更されたのですから、この変更について議論を尽くすことが必要でしょう。
② 学部卒受験資格条項の修正
日本臨床心理士会の現執行部は、公認心理師法案について「学部卒はメインルートにならない」と説明してき
ました。ところが、現在多くの大学では、公認心理師資格が取得できるとして学部に学生を集めるような動きが
進んでおり、将来的に専門性が十分とはいえない心理サービスが国民に提供されることが危惧されます。こうし
た状況を踏まえて、学部卒の受験資格を認める公認心理師法案の第 7 条2項について時限措置にするなどの修正
案の可能性、さらに高度な専門資格の確立の可能性など臨床心理士の専門性を守る方策の可能性について議論を
尽くすべきであると考えます。
*私たちは、心理職の国家資格化に反対しているのではありません。これまで地道な臨床活動を通じて培ってきた臨床心
理士の職業的専門性を守り、発展させるように議論を尽くし、団結してよりよい国家資格化を目指したいと考えています。
臨床心理士の専門性の継承・発展を目指す会
共同代表
乾吉佑・平井正三
呼びかけ人:馬場禮子・滝口俊子・深津千賀子・伊藤良子・岡田康伸・皆藤章
横山知行・平野直己・菊池義人・渡邊勉・西河正行(順不同)
<推薦立候補者>
全国区:乾吉佑・平井正三・馬場禮子・滝口俊子・伊藤良子・岡田康伸・渡邉勉・伊藤研一・
加藤志ほ子・寺沢英理子・古田雅明・葛西真記子・奇恵英・橘玲子・恒吉徹三・武藤誠・人見健太郎・石
田陽彦・久留一郎・倉光修(順不同)
地方区:馬場禮子(東京都)・中村留貴子(東京都)・宮崎洋子(東京都)
・伊藤研一(千葉)
・
岩倉拓(神奈川県)
・加藤志ほ子(神奈川県)中島登代子(静岡県)
・吉川眞理(山梨県)
・小林
哲郎(京
都府)・倉戸ヨシヤ(兵庫県)石田弓(広島県)・菊池義人(鳥取県)
・早瀬眞知子(島根県)
⽴候補者ひとこと
全国区
乾
吉佑
「これまで検討されている公認心理師法案の無修正の国会上程に反対致します。四半世紀以上に亘り培ってき
た臨床心理士の職業的専門性を守り、その実績を継承すると共に、さらなる発展をするために努力したい」
伊藤
良子
「医師の指示条項や診療報酬等に関する情報を正確に会員に伝え、広く会員の意見を聴き、理事会で熟議し、臨
床心理士関連4団体が心を合せ、医療団体等と真摯に話し合うことにより、国民の為の資格法制化を目指します」
滝口
俊子
「臨床心理士の資格に関わる見解は、今後の臨床心理士のあり方に方向性を与える上で重要ですので、現在の
推進者の“熱意”は認めるものの、今一度、思い巡らせ話し合う必要を主張いたします」
馬場
禮子
「臨床心理士が従来通り、主体性と責任感を持って専門職としてのあり方を追求し、さらに援助能力を高める
ことができるように協力するという、本会の使命を全うしたいと考えます」
加藤
志ほ子
「先輩たちの努力と研鑽により形作られた臨床心理士の専門性をさらに向上させ、発展の方向へ向かうよう頑
張りたいと考えています」
古田
雅明
「2、30 代の若手臨床心理士が現在の国家資格化問題にコミットできるような話し合いの場を求めます。彼らが
取得して良かったと末永く思える資格にするためにも、臨床心理士の専門性を活かした国家資格が必要です」
渡邉
勉
「心理職の国家資格は大学院修了が必須の受験条件です。また国民が良質な福祉サービスを受ける権利を広く
保障するために公認心理師法案 42 条 2 項は不要で、医療機関以外には医師の指示を義務とすべきではありませ
ん」
伊藤
研一
「学部卒で資格が取れることに強い懸念を持ちます。指定大学院の教員としての立場から修士修了でも短いと
感じています」
寺沢
英理子
「臨床心理の職域は広く、現行の医療分野に偏った法文化は専門家としての働きに制限をもたらすだけではな
く国民全体のメンタルヘルスサービスの低下にも繋がる可能性があるので、再度検討する機会を求めたいと思
います」
中島
登代子
「臨床心理士の仕事は医療に限らず現代人の魂や生き様に係わることが多い現状を考えると、河合隼雄先生の
提唱された伝統的な臨床心理士の訓練法と科学性は無視できません。『国家資格』の中身が問題と考えていま
す」
奇
恵英
「日本において半世紀に亘って培ってきた臨床心理の専門性を未来に継承し、社会・国民のためにさらに発展さ
せることを使命とした臨床心理士の職能団体であり続けてほしいと願う会員の代弁者の一人として立候補しま
した」
葛西
真記子
「臨床心理学の専門家としてこれまで社会で認められ、活躍してきた臨床心理士の専門性をさらに発展させられ
るような国家資格を目指すことに尽力したいと思います。
」
橘
玲子
「現在予定されている「公認心理師法案」の「医師の指示を受けなければならない」、「学部を卒業したのちに、
国家試験を受験できる」点の修正を希望します。これまで培ってきた臨床心理士の質を良くする法案にする必要
があります」
恒吉
徹三
「私は、どのような職域においても自らの考えに基づいて行動し、その責任を負うのが専門職だと考えます。専
門職としての国家資格化に尽力いたします。そのためにも開かれた会となるよう努めます」
平井
正三
「現行の公認心理師法案にはいくつかの重大な疑問があります。そうした疑問について臨床心理士会の中で十分
に討議することを通じてこそ、本当に会としてまとまり一丸となってより良い国家資格化につながると考えます」
武藤
誠
「心理職の国家資格化の流れの中で、臨床心理士とは何者なのかが問われています。立ち止まってその専門性を
問い直すことが、国家資格化運動に寄与するはずです。そのための開かれた議論の場を作ることに尽力します」
人見
健太郎
「私は中堅の臨床心理士です。特に、若手・中堅の意見を吸い上げ、ベテランの先生方からも大切なことを学び
たいと思います。本会の継承・発展を大切にしながら、その先に国家資格化問題も話し合えたらと思います。」
石田
陽彦
「医療領域では、名称独占の資格では雇用は全く広がりません。お近くの内科にX線技師がいますか?整形で
理学療法士が十分いますか?殆ど業務独占の看護師がしていませんか?このままだと心理業務にも同じことが
起きます。」
久留
一郎
「できるだけ慎重に(CPの質の担保)、できるだけ早期に(国家資格化の実現)
」
倉光
修
「私は、
「目指す会」の考えに、全員投票によって意思統一を図ろうとする点では賛成できませんが、新体
制で議論を拡大・深化し、
「医師の指示」条項の削除ないし修正を達成すべく、努力し続けたいと思ってい
ます。」
岡田康伸
「問題をすこしでも解消しようとしている人たちに、ぜひ1票を
地方区
中村
留貴子
(東京都)
「心理職の国家資格化の早期実現に協力したいと思います。併せて、多種多様な心理臨床の現況の中で、従来
の歴史や実績を踏まえた上で、私たちの専門性の維持と質の向上に
向けて取り組んでいきたいと思います。」
宮崎
洋子
(東京都)
「20年以上にわたり携わってきた教育行政において、臨床心理士の実績が評価され信頼性が高まってきてい
ると感じています。それに見合った専門性が維持され、心理職が主体的に力を発揮できる国家資格化を目指し
て努めて参ります。」
馬場
禮子(東京都)
全国区ひとこと参照
伊藤
研一(千葉県)
全国区ひとこと参照
加藤志ほ子(神奈川県)全国区ひとこと参照
岩倉
拓
(神奈川県)
「医療外の指示の法文化は将来に大きな影響を及ぼします。法的な観点でも医師にも心理師にも負担をかけ、
他の法律との整合性も疑義があります。私は公認心理師法案 42 条 2 項の廃止か指導への修正を訴えていきま
す」
中島
登代子(静岡県)全国区ひとこと参照
吉川 眞理
(山梨県)
「医療領域で医師の指示のもと働く心理職のニーズの高まりはこれまでの医療心理臨床実践の成果です。しか
し、人がその人生を主体として生きる過程を守る心理職の専門性が求められるのは医療領域だけではありませ
ん。」
小林
哲郎(京都府)
「京都府臨床心理士会の代議員を 20 年前に務めておりました。学部卒に流れるのは明らかで、実践に即し
て丁寧に養成できません。一定以上のサービスを提供できず、専門性のない国家資格になることを危惧し
ます」
倉戸
ヨシヤ(兵庫県)
「今までの尽力された先達の熱意を継承し、専門性が活かされるような活動を推し進めます」
石田
弓(広島県)
「早期の国家資格化が望まれますが、国民に対してよりよいサービスを行うためにも、まだ法案について検討
を重ねる必要性を感じます(特に学部卒受験資格条項について)。私もできる限りの努力をしたいと思います」
菊池
義人(鳥取県)
「臨床心理士を放棄すれば、国家資格は臨床心理士と相いれなくなり、国民の人権や利益を制限することがは
っきりしました。今こそ、現に心の支援を行う者として、臨床心理士を取り戻し、国民への責務を果たしましょ
う」
早瀬
眞知子(島根県)
「これまで培ってきたものを礎にして、様々な職域で専門性が活かされるような国家資格が必要と思いま
す」