品質カイゼン室の 花のソコが知りたい! ケイトウ編 初夏から初冬にかけて露地を中心に栽培されているケイトウ ケイトウ=毛糸?? ケイトウには毛糸のような質感の品種(久留米・トサカ系)があり この毛糸を連想させる質感は初冬にかけてまで アレンジメントなどに温かみを加えるアクセントとしても欠かせない花です! 今回はケイトウに注目してみたいと思います(^^) ◎ ケイトウってどんな花 ◎ 形は微妙に違うけど、これらすべて「ケイトウ」 そもそも、ケイトウの名前の由来とは・・・? ケイトウは漢字で書くと「鶏頭」・・・鶏の頭・・ つまり「鶏のトサカ」に似ていることからこの名前が付けられました 英名でも「cockscomb」鶏のトサカを意味しています! 世界共通のイメージですね! 日本には奈良時代に中国を 経由して伝わってきたと されています 分類:ヒユ科ケイトウ属 学名:Celosia 原産地:熱帯・亜熱帯 ◎ 4つに分類されます ◎ 野ゲイトウ系 羽毛ゲイトウ(プルモーサ)系 花穂は細長い円錐形 枝分かれしてたくさんの花穂を つけるものが多い 基部から多く分枝し花穂がふさふさと 羽毛状になっているのが特徴 羽毛が長いもの短いものがある ・ キャッスルピンク ・ センチュリーローズ など ・ローズベリーパフェ など 久留米ケイトウ系 トサカ系 トサカ状の花が折り重なるように 固まる 分枝はほとんどしない 花穂の下部が扁平で上部は グネグネと曲がりくねった形 ・オレンジクィーン ・レイエン など ・ アーリーローズ ・ ボンベイファイヤー など ◎ どこに花があるの ◎ 花に見える部分は、 茎が変化して 着色したものです 実際の花はフリル状 になっている部分の 下に無数に 密生しています ◎ ヒモゲイトウとハゲイトウはケイトウじゃないの? ◎ 似たような名前だけれども、この2つは属性が異なり ヒモゲイトウ・ハゲイトウはケイトウ属ではなくヒユ属となります また学名のアマランサスの名で種子は雑穀としても利用されます とても栄養価の高い「スーパーグレイン(脅威の穀物)」として 古代インカ文明の時代から食用とされてきました ◎久留米ケイトウや石化ケイトウの花がフリル状なのはなぜ?◎ 複雑で独特な花の形をしている久留米ケイトウや石化ケイトウの花は 「帯化」または「石化」という現象により形成されています! 植物には茎の先端に「成長点」という上方へ成長するために必要な分裂細胞があります ケイトウの場合、この成長点の分裂細胞が1つから2つになり、4つ、8つと増えていき 成長点が「成長線」となり横方向に広がることで 花序の先端が収まりきれず、フリル状になります ◎ 栽培 ◎ ●露地または無加温ハウスで栽培 月 1 寒冷地 温暖地 2 3 日当たりと 排水の良い場所 4 5 7 8 播種 発芽適温 25℃前後 播種 播種 暖地 6 暑さに強く、寒さに弱いのが特徴 9 10 開花 11 アオムシ・ヨトウムシ などの害虫に注意! 開花 約2ヶ月 後 開花 年間入荷量の80%が7~9月 ケイトウの主な生産地 愛知県・山形県・埼玉県・千葉県 ◎ 花保ちと管理 ◎ 野ケイトウ以外は水揚げが良いので、切り戻しを行います 熱帯の花ですが、葉は高温に弱く萎れやすいので 25℃以下で管理 花瓶の水につかった茎が腐りやすいので 茎を切り戻しこまめな水替え・切り花栄養剤の使用が効果的です 常温では2週間以上、高温では1週間以上の花保ち 個性的な花の形や質感、そして彩り豊かなカラーバリエーション あらゆる場面で存在感を生かしてくれること間違いなしです! (参考資料) 宇田明 桐生進著 「花屋さんが知っておきたい花の小事典」 市村ら 農研機構 花き研究所「日持ち保証に対応した切り花の品質管理マニュアル」 タキイ種苗株式会社 http://www.takii.co.jp/flower/leaflet/FKT002_b.html 品質カイゼン室 12
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