第12回講義資料

確率・統計
第 12 回講義概略
確率分布パラメータの点推定
母集団と標本
ある集合に属するものの統計的あるいは確率的な性質を調べるとき,その集合を母集団という.一般に
は母集団に含まれるものの数は大きいので,母集団から無作為にいくつかのものを抽出してそれらを標本
と呼ぶ.母集団の数に比べて小数の標本から母集団の統計的な性質を推定することを考える.
標本平均と標本分散
母集団に含まれるものの確率変数 が従う確率分布はわかっているが,その確率分布に含まれるパラ
メータ値がわからないときは,母集団から無作為に抽出した標本から推定したパラメータで代用すること
がある.例えば,標本の
の値を とし標本平均を と定義して,これを母集団の に
対する推定値とする.同様に,標本分散を の推定値とする.これらは 次の標本積率 モーメント (
で定義して,これを母集団の
の特別な場合になっている.
なぜなら,母集団の確率分布が不明なときでも,その全ての積率がわかれば確率分布を知ることと同等だ
からである.母集団が2項分布に従うと推定されるときは確率 がわかれば良いので、母集団の確
率 を と推定する.
最ゆう法
確率変数 の確率関数 がいくつかのパラメータ ) の関数と考えられるとき,標本の の値を とすると が離散型のとき,標本がそのような値をとる確率 * は * となる. が連続型のときは標本が である確率 * は
* となる.最ゆう法はこれらの確率をゆう度関数と見な
して,この関数 * を最大とするように, ) を決める方法である.
最ゆう法の具体例として,母集団が正規分布に従うとして,その平均 と標準偏差 を推定する.このとき,
*
0(
となる.) * を で微分して, ) * "
+* より,
+ となり,これより が得られる.また,) * を で微分して,
) * より, +* となり,これより が得られる.
ゆう度関数
*は
+ 問題12 確率変数 がポワソン分布に従うとき,標本から母集団のポワソン分布に含まれるパラメータ
を最ゆう法により推定せよ.
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