励振周波数変化による空洞内エネルギーの半値幅からのQ値の導出 2014.12.15 Iw 損失のある共振器に外部から励振する状況は右の等価回路で記述できる。 Z0 Z0 左側の励振側はインピーダンスゼロの信号源とケーブルインピーダンス Z0 に整合させる抵抗Z0 で記述され、右側の共振器はZ0,C,Lの直列回 路で記述されている。共振周波数は以下で与えられる。 ω 0 = 1 / LC Vs (1) C L 共振時(ω=ω0)には共振器側は励振側から見るとインピーダンスZ0 に見 えて、インピーダンスZ0 のケーブルと整合が合う。また、Qの定義から、 Q0 = Lω 0 1 Z 0 = Cω 0 Z 0 (2) なお、図の状況は臨界結合になっているため、透過波(空洞内エネルギー)の半値全幅(FWHM) を測定して得られる負荷QLは無負荷Q0 の半分になっていることに注意。 さて、ω≠ω0 のときの共振器側のインピーダンスZは以下で与えられる。 Z = j ( Lω − 1 Cω ) + Z 0 (3) (1) と(2)から x = ω ω 0 として、 Z = j(x − 1 x)Q0 Z 0 + Z 0 (4) 電圧反射係数Γは以下のように表すことが出来る。 Γ= Z − Z0 j(x − 1 / x)Q0 − 1 Z + Z 0 = j(x − 1 / x)Q + 1 0 (5) 空洞内エネルギーが半分になるときには電力反射係数が1/2になることを使うと、 Γ 2 = 1 / 2 を変形して以下を得る。 ( ) ( ) 2Q0 2 x 2 + x −2 − 2 = 4 + Q0 2 x 2 + x −2 − 2 (6) x について解くと、以下を得る。 x = 2 + Q0 2 ± 2 1 + Q0 2 (7) Q0 >>1 として、 Q0 を1/dとおき、dの関数としてマクローリン展開し、二次の項まで取ると、 x =1+ 1 2Q0 2 ± 1Q 0 (8) となり、幅を取ると Δx = 2 /Q0 となる。これより、 Q0 = 2 ω = 2 0 が得られる。 Δx Δω 従って、測定時に得られる負荷QLは以下で与えられる。 QL = Q0 / 2 = ω0 Δω 臨界結合ではない場合への拡張は各自試すこと。 (9)
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