ARWG13 Annex 02 方法論のツール(案) A/R CDM プロジェクト活動における計測のためのサンプルプロット数の計算 Draft Methodological Tool Calculation of the number of sample plots for measurements within A/R CDM project activities(仮訳) (社)海外産業植林センター I. スコープ、適用性、パラメータ スコープ このツールは、サンプルプロットがモニタリング目的で使用される場合に適用出来る。このツー ルは、カーボンプールの変化を希望する推定精度でモニタリングするための永久サンプルプ ロット数を推定する。永久サンプルプロットは次の場合によく使用される: ・ある特定の時間のインターバルで計測が行われる ・連続するサンプリング時の観察において、高い共分散(相関)が期待出来る 永久サンプルプロットは期間中、炭素プールの計測とモニタリングのためのサンプリングに使 用される。永久サンプルプロットは一般的には、森林の炭素プールの変化を推定するのに統 計として効率的であるとみなされている。それは、典型的に、期間中の連続したサンプリングで の観察において高い相関があるからである。しかしながら、プロットがプロジェクトバウンダリー 内の他の場所と同様に扱われていることが保証されなければならなず(例えば地ごしらえ、除 草、施肥、灌漑、間伐など)、モニタリング期間中破壊されてはならない。管理に携わるスタッフ がモニタリングプロットの位置を知らないのが理想的である。位置の目印を使用する場合、これ らは見えないようにするべきである。 適用性 このツールは下記の条件で適用できる: ・考慮する変数は正規分布しているか、正規分布に変換できる 正規分布は次の場合想定できる: ・多くの小さな(独立した)効果がそれぞれの観察に追加的に影響する パラメータ このツールは下記のパラメータを決定するための方法を提供する: n (SI unit なし):プロジェクトエリア内のサンプルサイズ(個数;必要とされる永久サンプル プロットの総数) n1 (SI unitなし:ストラタム(階層)iのサンプルサイズ II. 方法 1.初期計算(両方の方法共通) 下記のパラメータはプロジェクト立ち上げ時、プロジェクト前の推定(例えばパイロットスタ ディーの結果)や文献で既知であると想定している。 A =すべての階層(A)の総面積、例:プロジェクトの合計面積;ha =階層番号;単位なし i L =総階層数;単位なし Ai =階層iのサイズ;ha AP =サンプルプロットサイズ(すべての階層で一定);ha sti =各階層iの標準偏差;単位なし Ci =各階層iでサンプルプロット設定のコスト;例US$ N Ni =プロジェクトエリアのサンプルプロットの最大可能数 =階層iのサンプルプロットの最大可能数 2.方法1(samples drawn without replacement) サンプルプロットの数は精度とコストから推定される。 初期計算の項目ににリストされた仮定とパラメータに加え、さらに、下記のパラメータもプロジェ クト立ち上げ時、プロジェクト前の推定(例えばパイロットスタディーの結果)や文献で既知であ ると想定する。 Q1 p =推定される量Qの大体の平均値(例、ヘクタール当たりの地上部材積;m3 ha-1 =求める精度(例、10%);単位なし E1 = 推定されたQの許容されるエラー 上記の情報を使い、サンプルサイズ(設定と測定を行うサンプルプロットの最低個数)を下記で 求める。 =プロジェクトエリアのサンプルサイズ(必要なサンプルプロットの総数) =1, 2, 3,...Lプロジェクト階層 i α =1-αは平均の推定が誤差範囲 E 以内である確率 zα/2 =例えば 1-α=0.05(95%信頼度の場合)のz分布の値(Excel埋め込み関数:標準正 規確立累積分布の逆数)、zα/2 =1.9599 n 式(2)によって計算された値 n は、確率 1-αでの誤差範囲 E 内の推定が可能となる最低サン プルプロット数である。この値は、サンプルプロットの設定と管理のコスト合計を最小にする際 に最適となる。コストのデータは概数であるが、階層ごとのコスト差を反映するべきである。 =階層iのサンプルサイズ =1, 2, 3,...Lプロジェクト階層 i α =1-αは期待値の推定が誤差範囲 E 以内である確率 zα/2 =例えば 1-α=0.05(95%信頼度の場合)のz分布の値(Excel埋め込み:標準正規確 立累積分布の逆数)、zα/2 =1.9599 ni コストの情報が入手出来ない場合、またはコストはすべての階層で一定と想定される場合は; 最初のモニタリング後、n 個のサンプルから決定された実際の炭素蓄積の分散に基づきサン プルサイズを適当に修正することは可能である。 3.方法2(samples drawn with replacement) 初期計算の項目ににリストされた仮定とパラメータに加え、さらに、下記のパラメータもプロジェ クト立ち上げ時、プロジェクト前の推定(例えばパイロットスタディーの結果)や文献で既知であ ると想定する。 Q2 p =推定される量Qの大体の平均値(例、ヘクタール当たりの地上部材積;m3 ha-1 =求める精度(例、10%);単位なし E2 = 推定されたQの許容されるエラー A/R CDM プロジェクト活動のモニタリングのための永久サンプルプロットの数は、下記の Wenger(1984)の式によって推定出来る。 tn-L,α 度n-L E2 =信頼度 1-α(信頼度 95%の場合α=0.05)のステューデントのt分布値、自由 =プロットごとで許容される誤差の絶対値(例えばm3) 各階層の標準偏差(sti)は方法論で考慮される炭素プールの炭素蓄積の分散の事前推定に よって決定される。サンプルプロット数が 30 を超える場合、信頼度 95%でのステュー デントのt分布値は約 2 となる。まず、tn-L,α値として 2 を使用し、n-Lが 30 より小さい 場合、新たなtn-L,α値を得るために(統計表やExcel埋め込み関数から)新しいnを使用 し、再計算する。計算結果nが安定するまでこの反復のプロセスを繰り返す。 最初のモニタリング後、n 個のサンプルから決定された実際の炭素蓄積の分散に基づきサン プルサイズを適当に修正することは可能である。 4.サンプルプロット数(両方の方法共通) プロット面積 AP はフィールド測定でのサンプル強度、時間、資源に大きな影響をおよぼす。1 つのプロット面積は植栽密度に依存する。それゆえ、プロット面積が増加すれば2つのサンプ ル間のばらつきは減少する。Freese (1962)によれば、変動係数とプロット面積の関係は次の関 係で表される: AP1とAP2は異なるサンプルプロットの面積で、CVはそれらに対応する変動係数である。よって、 サンプルプロット面積が増加することで、プロット間の変動を減らすことができ、同じ信頼度で 小さなサンプルサイズを使用することが可能になる。通常、プロットサイズは密な植栽密度では 100m2でオープンな場合は 1000m2である。 5.プロット位置の決定(両方の方法共通) 1.パーマネントサンプルプロットは、ランダムに開始し、システマチックに配置されなければな らず、GPG-LULUCF にも述べられている。配置はフィールドで GPS を使用することで可能にな るだろう。地理的位置(GPS コーディネート)、行政的位置、階層、林分、各プロットの連続番号 を記録し保存する。 2.サンプルプロットが階層内に均一に分布していることを確認する。階層が地理的に分散し たサイトで構成されている場合、それぞれのサイトのプロットはサイト面積の階層の総面積にタ イする割合にする。例えば、1つの階層が3つの分散したサイトで構成されている場合、 ・階層面積をプロット数で割り、各プロットが代表する平均面積を算出する ・それぞれのサイトの面積をプロットの平均面積で割り、その結果の整数部分をサイトに割 り当てる。例えばわり算の結果が 6.3 プロットとなった場合、6 プロットをそのサイトに割り 当て、0.3 は次のサイトに持ち越す。 3.プロットの配置のバイアスを除外するために、設定前に地図上にしるしておく。必要なプロッ ト数に基づく単純なグリッドをしようすることで可能となる。ほとんどの場合、エッジエフェクトを 避けるため、プロットは植林地の端から離れたところに配置する。バウンダリーの位置を確認し、 サンプルプロットが階層内にあることを確認すること。GIS を使用し、サンプルプロットがバウン ダリーから 10m 内側になるよう配置する。
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